つぎは毎日新聞付録小冊子の月刊「毎日夫人」2015年5月号の巻頭エッセイです。筆者は諏訪哲史氏(1969年生まれ)で、その前半部分を転載します。私はその中の「幼稚で愚かなプライド」という表現にことさら共感しました。
●非戦を誓った史上最高の平和憲法、憎悪の連鎖である戦争(テロ)から長く僕らを守ってきた日本国憲法第九条が、かつての空爆の地獄を忘れた、または頭でしか知らない世代の多数決によって今まさに葬られようとしている。他国の戦争に加担し、同盟と見做され、憎悪の連鎖に陥った反撃者に街を火の海にされる。
●戦争を知らぬ子孫を再び戦争に行かせず、敵国を作らないためには、今の時代に一票を持った僕らが非戦の誓いを守り抜かなければいけない。沖縄を見よ。戦争体験者が次々に没し、戦争を直に知らない世代が来て、国から金を積まれても、戦争・戦場・基地を放棄する非戦・平和への強い意志に貫かれている。
●幼稚で愚かなプライドのために、憲法を改変し非戦の誓いを破棄せんと企む者たちがいる。好戦的な政治家とその政党の支持者たちだ。しかし支持者の多くは改憲に無自覚で、日銀の作為的な金融緩和に演出された偽の好景気に満悦させられて、非戦の誓いを破る政策までを一緒くたに支持してしまっている。
上のエッセイとは別に、琉球新報によると4月9日に設立された「辺野古基金」は24日現在で8978万円の寄付が集まったという。大半が個人の寄付で1件当たりの寄付額は2万3千円余。28日にはすでに9千万円余が集まっており、この日地元沖縄の金秀グループの寄付で1億1千万円近くになったという。私も27日に平均額を少し上回る額を郵便局で振り込んだ。(写真は26日の観察会にて、イヌザクラとキンラン)