秋生のEtude

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劇団四季 『ノートルダムの鐘』 6/9(木)マチネ

2022年06月11日 22時14分50秒 | 劇団四季
今までなぜか観る機会がなくて・・・今年、横浜で再演されると聞いてずっと楽しみにしていた劇団四季の『ノートルダムの鐘』。


劇団四季 『ノートルダムの鐘』 2022.6.9(木) 13:30開演 KAAT神奈川芸術劇場


15世紀末のパリ。街の中心に存在するノートルダム大聖堂の鐘突き塔には、カジモドという名の鐘突きが住んでいた。
幼き時に聖堂の聖職者フロローに引き取られた彼は、その容貌から、この塔に閉じ込められ、外の世界と隔離されていた。
塔上から街を眺めて暮らす日々。友と言えば、何故か彼を前にした時に生命を宿す石像(ガーゴイル)と、鐘だけ。いつも自由になることを夢見ていた。
今年も、年に一度の“らんちき祭り”の日がやってきた。
大いに盛り上がる人々の様子に堪えることができなくなったカジモドは、ガーゴイルたちにそそのかされ、塔を抜け出した。美しきジプシーの踊り子エスメラルダと出会う。
折しも、最も醜い仮装をした者を決めるコンテストが始まったところ。自分が持っているものを活かすべきと言うエスメラルダに手を引かれ、カジモドはステージに上がる。
その容貌が仮装ではないと知った聴衆は、残酷なまでに嘲りの言葉を浴びせ、彼を捕えようとする。エスメラルダは咄嗟にかばう。
大聖堂へ戻ったカジモド。彼を大衆の面前にさらしてしまったことの責任を感じたエスメラルダも、後を追う。
差別の情なく、誠実で優しい言葉をかけるエスメラルダ。カジモドにとっては生まれて初めての経験。彼女へ愛を抱くことは必然だった。
一方、聖職の身でありながら、エスメラルダの美しさに邪悪な欲望を抱いたフロローは、市民と教会を守るという名目で、大聖堂警備隊長フィーバスにジプシー排除を命じ、彼女の捜索を始める。
しかし、フィーバスもまた、以前からエスメラルダの魅力にとりつかれていた。彼は命令に背き、エスメラルダを救出しようとするが、逆にフロローに刺され重傷を負ってしまう。
大聖堂へ逃げ込むフィーバスとエスメラルダ。二人の間に愛の萌芽を感じたカジモドは、これまで感じたことない心痛を得ながらも、愛するエスメラルダのために、二人をかくまう。
エスメラルダはジプシーの隠れ家“奇跡御殿”の地図が暗示されたペンダントのお守りをカジモドに託し、姿を消す。
カジモドのエスメラルダへの愛情を察したフロローは、その想いを利用すべく、故意に奇跡御殿襲撃計画を漏らす。
危険を知らせようと御殿へ向かうカジモドとフィーバス。ペンダントに導かれるままたどり着くが、フロローの罠にはまり、エスメラルダもろとも捕らえられてしまう。
大聖堂に幽閉されたカジモドたち。フロローはエスメラルダへ自分の愛を受け入れるのならば解放すると迫る。取引に応じるよう説得するフィーバス。しかしエスメラルダは頑なに拒む。
フロローの愛は憎しみへと変わり、エスメラルダを火刑へ。やがて刑執行のそのとき、カジモドは縄をほどき、エスメラルダを救出するが…。(公式サイトより)



カジモド     寺元 健一郎
フロロー    村 俊英
エスメラルダ   岡村 美南
フィーバス    神永 東吾
クロパン     吉賀 陶馬ワイス

【男性アンサンブル】
武藤 洸次
中田 雄太
村山 剛
川原 信弘
中橋 耕平
平山 信二
手島 章平
玉井 晴章

【女性アンサンブル】
中山 理沙
久居 史子
徳山 稚子
坂井 菜穂

【男性クワイヤ(聖歌隊)】
柳 隆幸
伊藤 力
奥田 直樹
石井 駿人
千葉 晃樹
持木 悠
和田 ひでき
石本 高雅

【女性クワイヤ(聖歌隊)】
中村 侑佳
高居 洋子
葛葉 かな
潮﨑 亜耶
北野 有希依
川目 晴香
玉置 ともか
梁瀬 彩加


この舞台、『ロボットイン・ザ・ガーデン』の時と同じで、最初から幕はない。
舞台上にはセットがそのまま置かれていて、薄暗いそのセットの真正面にはノートルダム大聖堂の象徴ともいえる薔薇窓が。
そして、始まった舞台は・・・
冒頭の聖歌隊(クワイヤ)の荘厳な歌声が静かに広がり、あのノートルダムの有名な主旋律(地獄の炎?)を聴いた瞬間に〝おおおお~~~キターーーーっーーー”と心がざわざわ
石像たちが立ち並ぶ舞台の奥からすっと現れる一人の青年。
顔を両手についた炭で汚すと、背中にこぶを背負い髪を乱し・・・顔をゆがめ身体を折り曲げ、姿勢を崩し・・・ノートルダムの鐘つき男・カジモドの誕生。
そして、舞台上方から降りてきた巨大な鐘を、それぞれの名で呼びながら鳴らしていくカジモド。本物のノートルダム寺院の鐘はどれだけの大きさか知らないけど、舞台上にあの大きさの鐘がいくつも登場したのにはびっくり!!
あの鐘って、材質的にダミーだろうけど、相当重いんだろうなぁ。カジモドが身体全部で鳴らしているのはすごい迫力!!(オペラ座のシャンデリアに相当する感じ)

・・・実は、このノートルダムの話、20年くらい前に石丸さんの歌声目的で(かなり邪な想い)ビデオを買って見たけど・・・話が暗いし、石丸さんの美しい歌声がカジモドの容姿とあまりにもかけ離れていて〝おりょ?”と違和感がありありだった。しかもエスメラルダに対するフロローの欲望が気持ち悪くてたぶん、2,3回しか見ていない。

でも、あらら・・・フロローにはそんな過去があったのか・・・カジモドに「できそこない」だなんて、そんなひどい意味の名前をつけて、それでもずっと世話をしているのは、いったい憎いのか可愛いのか哀れなのか。とにかく屈折してるなぁ。
それに引き換え、カジモドは素直でフロローには絶対服従、とにかく自己肯定感は皆無(そうやって教え込まれて生きてきたんだよね
そんなカジモドが自由を夢見て歌う「陽ざしの中へ」
最初は、身体を折り曲げ顔をゆがませ、苦しそうに。でもあこがれの強さを物語るかのように、徐々にクリアなまっすぐな歌声に変わっていくカジモド。
カジモド役の寺元さん、目が大きくてくりくりかわいい。少年っぽくもあり純粋な感じ。身体も身軽。不自由な身体でもあちこちスルスルと登ったり滑ったり。歌声は高音もきれい。でもお声はかなり野太い。ロングトーンも最後まで力強い!
「石になろう」は、もう心の底からの叫びが全身から噴き出すようで、
♪こころーーーおおおおーーーっーーー
と、ものすごい声量!大迫力!!!すっごいわーーー・・・ん?・・・この寺元健一郎さん、私、どこかで観たことがある?というか、この名前に見覚えがある。あれれ?どこで?・・・実は、四季に入団される前は東宝でアンサンブルさんとしていろいろな舞台にでていらしたようで・・・たぶん『M!』か『ジキハイ』あたりで・・・あら、びっくり。


祭りの騒ぎに我慢できなくなったカジモドは街へ。
そこで出会った美しいジプシーのエスメラルダに心を奪われるカジモド。(同時にフロローも、大聖堂警備隊長フィーバスも。)
そのエスメラルダに言われて、道化の祭りのイベントについ参加してしまったカジモドは、聴衆からひどい仕打ちを受ける。けど・・・なんでみんな、大聖堂の奥深く潜むように生きてきたカジモドのことを知ってるんだろう?個人情報の漏えい、怖いわ~
大聖堂に逃げ帰ったカジモドを追って、やってきたエスメラルダに迫るフロロー。

フロロー役の村さん。邪な奴だけど・・・なんて!なんて!!素晴らしい、いいお声!!!
いい声過ぎて(笑)、そして今回はフロローのバックボーンを知っているからか、そこまでいやらしいとは思わなかった。
フロローって、本当に正しく生きてきたんだよね。それがまさかのジプシー女に(フロローは弟のジュアンが道を踏み外すのは、ジプシー女のせいだと思ってる)ここまで心を奪われてしまうとは。
それも素直に認めるのも嫌で、あのジプシー女が悪いんだぁ~と、なぜか逆恨み?でも・・・自分のものにならないなら、パリの町を燃やし尽くしてしまおうとか、極端だよなーーあぶねー奴。可愛さ余って、憎さ100倍ってやつ?
この話のメイン曲(かもしれない)「地獄の炎」・・・ものすごい迫力!!フロローの身体から、煉獄さんのように炎の呼吸が渦巻いているのが見えるようだった

フィーバスは最初、かなりのチャラ男で、カジモドとの対比で考えるとスラっと背が高く、絶対的なイケメン枠。
エスメラルダが容姿で彼に惹かれたとは思わないけど、なんでフィーバス?4年も戦場に赴いていて、彼なりに傷ついていて・・・まあ、彼女と彼女の仲間のために、警備隊長の職を投げ捨てたことは、評価しよう(なんでだろう・・・個人的にフィーバスを好きになれない私
フロローに捕らえられ、牢でエスメラルダとフィーバスが寄り添って歌う「いつか」・・・美しいなぁ。心が洗われる。そしてこの曲、ずっと海宝くんのCDで聴いていたから、まさか女性の歌う曲だと思ってなかった

エスメラルダ役の岡村さん、本当にイメージぴったり。強気で優しくて聡明で。(なぜか『アイーダ』のめぐさんを思いだした・・・)
芯の強そうなとこも、カジモドに対しての差別のない優しさもいい。
「神よ、弱き者を救いたまえ」も素晴らしい。エスメラルダって、自分のことより、他の人の幸せを願うのよ。だから、カジモドのことも守ってあげたいと思ったんだろうなぁ。自分をそんなに大事に思ってくれる人だもの。そりゃあ好きになってしまうよ。

そしてクロパンを始め、どの方も本当にお声が素晴らしい。『ロボット・イン・ザ・ガーデン』の時も思ったけど・・・四季の役者さんたちって、どうしてこうもいいお声の人ばっかりなんだろう。聴いていて気持ちがいいったらない。

〝僕は醜いから”と心を閉ざして、エスメラルダから遠ざかろうとするカジモドだけど、火刑にされるエスメラルダをやっぱり放っておけなくて、身体が勝手に動いたカジモド。助け出したエスメラルダを大聖堂の奥へ連れて行くカジモド。
結局、エスメラルダはカジモドに〝あなたは素敵な友達”と語りかけ、息絶える。
〝エスメラルダ”と何度も呼び掛けながら、〝起きて””起きて”と身体をゆするカジモドが子どものようで可愛くて哀しくて。
そこへやってきたフロローに〝悪人は罰を受けるんだ”と、フロローを持ちあげて投げ捨てる(この落ち方、高加速で落下して凄かった!!
この、”悪人は罰を受けるんだ”は、フロローがずっと口にしてきた言葉。因果だよねーー
クワイヤの女性が澄んだ美しい声で♪いつかーーと歌いだすと、もう涙がこみ上げてくる

のちに語られるカジモドとエスメラルダの最期。
そして、舞台に佇む民衆と後ろ向きに立つカジモド。振り返った時、カジモドはきれいな顔に戻り、民衆のそれぞれには顔に炭が。

「答えてほしい謎がある
 人間と怪物  どこに違いがあるのだろう」

ああああ。・・・なんて奥の深い話なの。
姿容の醜さと心は必ずしも一緒ではない。そして、人はいつでも怪物にもなりうる。

自然と涙が流れた。
そして、拍手の嵐。嵐。嵐。
カーテンコールはたぶん、5,6回?
いやいや、またすごい舞台を観てしまったもんだ・・・


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