世の中的には、GWですが・・・ずっと仕事の私には全く関係ない。
それでも、緊急事態宣言が出ていない2年ぶりの今年のGWは、あちこちたいへんな人なのでしょうね。
そんなこんなGWの私の唯一のお楽しみは・・・
劇団四季 ミュージカル『李香蘭』 2022.5.1(日) 13:00開演 自由劇場 (浅利演出事務所)
李香蘭 野村玲子
川島芳子 坂本里咲
李愛蓮 樋口麻美
杉本 近藤真行
王玉林 高橋伊久磨
あらすじ
中国に生まれ育った山口淑子は十三歳の時、日中友好の夢を父親から託され、中国人である李将軍の養女となり、「李香蘭」の名前をもらう。そして、類まれなる美貌と歌の才能を認められ、満州国映画協会(満映)から中国人俳優としてデビューし、中国はもとより、日本でも熱狂的に迎えられ大スターとなった。
その人気を日本軍の宣伝に利用された彼女は、終戦後、中国で祖国反逆者の罪で軍事裁判にかけられてしまう。
公演が発表された時、この主演の3人の名を目にした瞬間に、〝絶対、観たい!!”と思いました。
1999年の初演以来、再演のたびに、舞台の一部映像をネットのニュースで見ていました。
実は、私、一度も観たことがなかったのです。そして、たぶんこれって私にとっての最後のチャンスのような気がして・・・
私の年齢からしても、演じる方々の年齢からしても![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ase.gif)
この手の舞台って、あんまり若すぎる人には演じてほしくない。だから、このメンバーはすっごく貴重な気がして。
川島芳子(坂本さん)はストーリーテラー?彼女の歌と説明で、話は進んでいきます。
いや~歴史の教科書より分かりやすい。
満州国設立って、日本の国策で、かなり強引な(相当ヤバヤバな
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)黒歴史だよね・・・そのさなかに子供ながらその美声を見込まれ、少女歌手としてデビューする香蘭。
日本軍の政策で、満州に映画会社を作ったなんて、初めて知ったよ。
李香蘭・・・というか、野村玲子さんすっごい。見た目はさすがにアレだけど
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とにかく小っちゃいし、声がかわいい。7歳の女の子から演じてる(さすが永遠の15歳・・・byオンディーヌ)
日本軍の蛮行に耐えられず、戦いに参加するという姉・愛蓮(樋口さん)との別れのシーンの♪心にも国境があるのですか~は、すごく哀しく、印象的だった。
伝説(?)の日劇リサイタルシーンは、唯一の美しいシーン。
「何日君再来」も「蘇州夜曲」。美しいなぁ。「夜来香」は日本語と中国語の両方で歌っていて、どれも、あの独特のうねるような曲調と甘い歌声は何とも言えない魅力がある。
日本軍の軍人役の人たちは、本当に偉そうだったり、憎々しかったり。そしてすごく似合ってる。随所に当時の軍歌やら国民歌が歌われるのだけど・・・当時を物語っているなぁ。
日本軍がいかにして中国を制圧して、三国同盟を結び、世界へ繰り出して行くか・・・時代の進みがすごくよくわかる。
”調子に乗りすぎた日本”という表現は、果たしてその筋の人たちからいろいろ言われそうだな、と思ったけど、実際、日本が圧倒的に勝利したのって、あの真珠湾攻撃だけだもんね・・・
出征する杉本が香蘭に会いに来る・・・今生の別れのシーン、哀しい。
その後に続く「わだつみ」シーン。それぞれの独白が胸を締め付けて苦しくて、泣きそうになった・・・「海ゆかば」は本当の映像が流れ、戦闘シーン、人の死骸、人骨の山・・・ダメ、もう見ているのもつらい。これが戦争のリアル。
戦争が終わり、多くの人が処刑され、怒号の飛び交う中、上海軍事法廷で裁かれる香蘭=淑子は「私は日本人です」と、初めて告白し・・・
日本人に中国の漢奸罪は適応できない、と無罪を言い渡す裁判官の方のお声の素晴らしいこと。
坂本さんの川島芳子は軍服姿でキビキビしているのだけど、元々がたおやかで女性っぽいイメージが強いせいか、ちょっと優しいなぁと思った(これって、知寿さんやめぐさんも演じてたよね?二人ならもっと強めだったのかな、とか想像しちゃったわ・・・)
樋口さんは、笑うと白い歯が印象的で、やっぱり樋口さんでした(笑)
カテコで、この3人が並んでいるのを見たら、みなさんお変わりなく、なんかありがたや~と思った。
・・・なにしろ、いろいろと考えさせられる舞台でした。