秋生のEtude

音楽も映画も舞台も大好き!トキメキと感動を求めて、思い立ったらGO!
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劇団四季『夢から醒めた夢』 11/9(木)マチネ

2023年11月11日 22時25分17秒 | 劇団四季
この舞台の上演が発表された時、夢の配達人=下村 青、というのを目にして、〝え?これって、あの下さま??と心が激しくザワついた。ましてや、もう一人。・・・もう退団されたと聞いていた加藤敬二さんの名前まで!!
えーーーーーっ?そりゃあ。絶対観たいよ。
しかも、大好きな作品、娘その2とも思い出がいっぱいある・・・
昨年の5月に観た『李香蘭』もそうだったけど・・・浅利演出事務所主催って、OB多用のお約束があるの?(それはそれでうれしいけど)と、いうわけで・・・娘その2と20年ぶりに観てきました。


劇団四季『夢から醒めた夢』 2023.11.9(木) 13:30開演 自由劇場 (浅利演出事務所主催)

ピコ      四宮吏桜
マコ      中村ひより
マコの母    坂本里咲
デビル     坂本岳大
エンジェル   政田洋平
ヤクザ     加藤敬二
暴走族     近藤真行
部長      三遊亭究斗
メソ      岡 施孜
老人      山口嘉三
老婦人     服部幸子
夢の配達人   下村 青


好奇心旺盛で冒険を夢見る少女ピコは、夢の配達人に導かれて夜の遊園地で幽霊の少女マコと出会います。突然の交通事故で命を落としてしまったマコは、一人残され、涙に暮れる母親をなぐさめ、お別れを言うために、一日だけ入れ代ってくれる人を探してさまよっていたのです。不思議なことにあこがれるピコはマコの願いを聞き入れて、一日だけという約束へ霊界へ…。



20年前に(旧)秋劇場で観た時は、開演前にロビーパフォーマンスとかあって楽しかったけど(ただし、喜ぶと思っていた娘その2は、その頃極度の人見知りで、怖がってまったく役者さんたちに近寄れなかった)場所が場所だし、浅利演出事務所企画だし、まあ、ないのは仕方ない。
それでも、幕が上がれば、いつもCDで聴いている、あの下さまの声で♪人は誰でも夢みる~
ああ、それだけで感無量。もう二度と聴けないと思っていたまさかの下さまの生声でこの舞台を観れるなんて!!
そしてこの、夢の配達人の「夢を配る」
〝劇場は夢を創りだし、人生を映し出す大きな鏡です。”・・・まさにその通り!!舞台の神髄そのものだと思います。
そして、今夜の女優としてピコが登場。うわぁ、セリフ回しがそのまんま四季の舞台のピコをそのまま継承してる
私が昔観たピコは、元気いっぱいの赤いホットパンツ姿だったけど、モリ・ハナエの可愛らしい赤いドレスのピコはとっても可愛いお嬢さんって感じ。ましてや、ニッコリ笑うこのピコ役の四宮吏桜さん、その衣装と赤い帽子のせいか、まるで不○家のペ○ちゃんみたいでした。
遊園地のパレードのシーンは、これまた以前とはちょっと違っていたけど(前は大きなリング(ラート)とかピエロがいたりとか、もっとアクロバットなサーカスっぽかったよね?)鏡をイメージした演出やメリーゴーランドが出現したり、すごく楽しかった。この曲を聴くとすごく元気になる。
マコは花のいっぱいついた、かなり大きなハットを被って登場。なんとなくスカートの丈が短くて微妙?マコってピコと比べていつでも落ち着いた女の子の印象。今日のマコ(中村ひよりさん)もしかり。
「マコの物語」から「お願いピコ」まではわかっていても、その展開にハラハラ。
マコのお母さん(わ~坂本さん!!)の「神様お願い」は涙なしには聴けない。

で、その昔娘その2と何度もハモって踊った「二人の世界」!!
ドライアイスのスモークが足元にすすすっと押し寄せてくる。ヤバい。声に出してつい一緒に歌ってしまいそう

霊界空港でのダンスシーンはだいぶ変わっていて、もっとこうキビキビしたロックテイストな動きがスタイリッシュで好きだったのだけど、なんとなく今回は軽快なポップス!という感じ。(これって初演に戻ってるの?)楽しかったけど・・・ここは前に観た方が好みかな。

不幸な子どもたちはちゃんと子どもに見える小さめサイズの子たちが揃っていて、それぞれにここへ来たいきさつが語られる(歌われる)のだけど・・・後方に実際の写真が映し出され、リアルさが増す。
アジアの子は戦争で命を落とし(ベトナム戦争)、アフリカの子は飢餓で死に、パレスチナの子は・・・(ここは前はバチカン半島だった)今のパレスチナで、毎日のように子どもたちが犠牲になっている現実を思い浮かべ、すごく胸が痛んだ。・・・20年経っても、戦争がこの世からなくなっていない、という哀しい現実。ここは一番つらかったな。

先に亡くなってしまった旦那さんのおじいちゃんは、13年も自分の妻が来るのを待っていて、やっと再会する。あら~なんだか、おばあちゃんが若いな~
生前悪いことをした部長、暴走族、ヤクザの3人組はいつまでたっても、白いパスポートがもらえない。
いじめを苦にして自殺したメソも同じ(以前は大学の入試に失敗して自殺した設定だった)
この、メソの歌う「メソの過ち」決して長い曲ではないのだけれど・・・すごくインパクトがあって印象的。そして、今回メソを演じているのは、『JB』にも出ていた岡施孜(シモン)くん。・・・さすがの声楽科出身、伸びやかな声。上手い。(なんか、東宝の舞台で観た人を四季の舞台で観るって、へんな感じ)
部長さんのセリフは〝企業戦士と呼ばれた男の・・・”が、〝働き方改革を知らない・・・”に変更されてました。
さすがに20年前とは社会の情勢が変わってきてる箇所に関しては、いろいろ変更されていました。
暴走族とヤクザはそのままだったかな。ヤクザ役の敬二さんは細くてスタイルが良くってあんまりヤクザには見えない

ピコの(実はマコの)白いパスポートを盗んでしまったメソを庇って、霊界空港に残って働く、と言い出すピコの「あなたのために」はいつ聴いても胸が熱くなる。

後に続く「マコを捜せ」も、新たに「あしだまなこ」「あさだまおこ」が登場。(そりゃあそうだよね、今では名前をだしても、それ誰?って人もいるしね)
そして、マコと入れ替わるために、メソと共にマコを迎えに来るピコ。マコは優しくお母さんに〝悲しまないで”と諭している。・・・マコって本当に良くできた娘だよねーお母さん想いなのもさることながら、なんてオトナなんだろう。
それでも、マコを愛するゆえに悲しみが深すぎて、マコのお母さんは泣きながら♪行かないで、と哀願するのだけれど・・・もう客席はこの辺からあちこちすすり泣きが・・・
私は、かろうじて涙をこらえたけど、ピコの〝みんな!光になったのねーーっ!!”で涙腺崩壊

『夢醒め』という舞台は、本当に話もわかりやすいし、曲もいいし、とにかく完璧なミュージカルのひとつだと思ってます。
確かに子ども向けな部分もあるけれど、大人になってもちゃんと感動できる。日本が世界に誇れるくらい素晴らしい作品だと思います。
この『夢から醒めた夢』を20年経って変わらぬ気持で観れたことは、本当に幸せです。


そして最近、思うのは・・・もうこの舞台を観るのはこれが最後かもしれないと、どの舞台を観てもちょっと考えてしまうこと。
年齢的なこともあるけれど、3年間のコロナを経験して、舞台はいつでも観れるわけではないと実感したからこそ、どうしても観たい舞台は観ておきたいし、そしてしっかりと胸に刻んでおきたい。
そして、それがいつ終わっても後悔のないようにしたい、と。



※ちなみに、20年前に観た『夢醒め』のキャストはこちら(パンフにはさんであった!)

ピコ      木村花代
マコ      中村友里子
マコの母    早水小夜子
デビル     光枝明彦
エンジェル   藤原大輔
ヤクザ     野中万寿夫
暴走族     坂本 剛
部長      田中廣臣
メソ      道口瑞之
老人      立岡 晃
老婦人     斉藤昭子
夢の配達人   新木啓介

2003.12.14 秋劇場(旧)にて 
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劇団四季 『クレイジー・フォー・ユー』 7/12(水)マチネ

2023年07月15日 09時38分57秒 | 劇団四季
5月に観るはずが、当日公演中止になって観れなかった舞台『クレイジー・フォー・ユー』。
やっぱりあきらめられず、チケットを取り直しての、リベンジ観劇です。

劇団四季『クレイジー・フォー・ユー』 2023.7.12(水) 13:30開演 KAAT神奈川芸術劇場

ボビー・チャイルド    萩原隆匡
ポリー・ベーカー     町真理子 
ランク・ホーキンス    渡久山慶
アイリーン・ロス     岡村美南
ベラ・ザングラー     荒川 務
エベレット・ベーカー   青木 朗
ボビーの母        中野今日子
テス           宮田 愛 
ユージーン・フォーダー  田島康成
パトリシア・フォーダー  花田菜美子


1930年代、ニューヨーク。銀行の跡取り息子、ボビーは仕事よりもダンスに夢中。
母親の命令で、砂漠の町の劇場をいやいや差し押さえに行くが、そこで出会った娘ポリーに一目惚れ。
ところが彼女は、ボビーが差し押さえに来た劇場のオーナーの娘だった。
フラれたボビーは、大物プロデューサーのザングラーになりすまして劇場を救う、という作戦に出る。
町の人たちと協力してショーを成功させれば、劇場も恋もうまくいくはず――
しかし皮肉にもポリーは、ボビーが化けたザングラーにぞっこん。
さらにそこへ本物のザングラーが現れた…… 大混乱の恋のゆくえは!?


なんと17年ぶりの『クレイジー・フォー・ユー』。一緒に観た娘その2はその時、中学1年生。
楽しいーーーっ!!
歌もダンスも最高。これこそ、ミュージカル・コメディの王道!!
ロープやつるはし、トタンにお盆、ありとあらゆる小道具が一瞬で舞台の中でリズムを刻む。
そして、キャストのだれもかれもがダンススキルの高いこと!(こういうの見ると、やっぱ、四季ってすごいなと思う)
車の中から、踊り子が何人も次々と出てくるのは手品みたい。しかもこの踊り子たちのピンクの衣装が可愛いんだわぁ。
ベースに見立てた女性たちの身体を抱きながらロープを弦にしてつま弾くあの秀逸なアイデア、ユニークで美しい。すごく印象に残るナンバー。メインともいえる「I Got Rhythm」は、もう圧巻!!楽し―楽しー楽し―
しっとりしたラブソングももちろんいいけど、イスを積み上げていく♪がんばれーの元気いっぱいな感じも士気が上がって大好き。音楽とダンスとリズム。とにかく、すべてが完璧なミュージカルだと思います。
そして・・・
ボビーは萩原さん。端正なお顔、スーツ姿のシュっとした姿勢がいいなぁ。そして、なんかすごくいい男。(この表現が一番合ってる気がする)ダンスもすっごくお上手。(振り付けもする方だそうです=敬二さんライン?)
ポリーは町さん。西部のちょっと男前の女性が似合ってる。あの青い花柄のドレスは変わらないんだ。ちょっとうれしい二人が踊るシーン、ポリーの青いドレスがくるくると花開くように揺れるのが素敵。
そして、なんといっても、ザングラーの荒川さん!!・・・私と娘その2が17年前に観たボビーです!なんか感激だわーー。
声が若い!というかアイドル時代のまま、かわいい。そしてダンスはまったく衰えてない。ちなみに荒川さんは、私と同い年。
大好きなボビーとザングラーの鏡合わせのような二人のシーンは歌声もダンスもバランスよく、息もぴったりで見応えあり。
ランクの渡久山さんは、長身で男前。ワイルドなのに、さらに気強いアイリーンの美南さんには、押されっぱなしでちょっとかわいい。強めの美南さん、こういう役、似合うよなぁ。

カテコは何度も何度もみんなで登場してくれて、ウエディングドレスのような真っ白なドレス姿のポリーと、きちっとキマったスーツ姿のボビーが舞台上で熱烈キス(学校観劇の高校生たちがどよめいた)

とにかく見終わってもずっと幸せでいられるミュージカル!!・・・観れてよかった。

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『ウィキッド』完売

2023年06月14日 02時24分07秒 | 劇団四季
私、実はまだ観たことがなくて・・・『ウィキッド』が10年ぶりに上演されると聞いて、すっごく楽しみにしていました。

四季の会員先行予約が日曜日だったので、”やったぁ!”と喜び勇んで、チケ取りに参戦しましたが・・・

繋がらない。
開かない。
くるくる。ひたすらくるくる。


いいかげん、疲れてあきれて、イライラして、そして、予約開始から2時間50分後。
やっとアクセスできた時には、S1席はほとんど残っていない・・・で、かろうじて1階後部座席の(しかも最後列)開幕から2カ月以上先の1月某日分をやっとのことでゲット

すっごい激戦でした。

・・・と疲れてボーーーっとしていたら、えっ!?3日目で完売!!
1週間後の一般発売はなくなりました、と四季からお知らせが。

はぁ~~~~。すごいですね。



コメント (2)
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劇団四季 『ノートルダムの鐘』 2023.6/8(木)マチネ

2023年06月11日 16時18分04秒 | 劇団四季
ちょうど一年ぶりに観てきました。

劇団四季 『ノートルダムの鐘』 2023.6.8(木) 13:30開演 秋劇場

昨年の感動が忘れられず・・・ちょうど1年ぶりの『ノートルダムの鐘』です。

カジモド 飯田 達郎
フロロー 道口 瑞之
エスメラルダ 山崎 遥香
フィーバス 光田 健一
クロパン 吉賀陶馬ワイス

【男性アンサンブル】
野村 数幾
梅津 亮
光山 優哉
町田 兼一
中橋 耕平
平山 信二
手島 章平
松永 涼吾

【女性アンサンブル】
中山 理沙
久居 史子
奥平 光紀
松本 菜緒

【男性クワイヤ(聖歌隊)】
柳  隆幸
篠田 裕介
山口 泰伸
石井 駿人
楠木 稔
志村 知紀
井上 隆司
塙 康平

【女性クワイヤ(聖歌隊)】
中村 侑佳
傳田 実咲
葛葉 かな
青栁 歌奈
薄井 美伽
古岡 和香奈
北野 有希依
吉田 瑛美


昨年のKAATよりたった1列前なだけなのに、秋劇場はだいぶ舞台が近いような気がして・・・ちょっとうれしい。
そして、2度目なせいか、展開がある程度わかっているので、わかりやすい。
クワイヤの美しく重厚な歌声に魅了され、それぞれの想いに胸を痛め、息を飲むように舞台に目を凝らす・・・やっぱりいいなぁ。
そして、やっぱり圧倒されて感動して思わず泣きそうになる。
・・・あああ、やっぱりなんて深い。

カジモド/飯田さん
・・・まさかの、あの初演カジモドの〝イイタツ”に会えるとは!!
見た目の醜さや(ちっとも醜くはないのだけれど)身体の不自由さもよく表現されていたし、その内面の純粋無垢な部分を注ぎ込むような、のびやかで優しい声。しかも、なんて丁寧で真摯な熱唱なんでしょう。そして・・・子どもみたいな笑顔がめっちゃ可愛い。冒頭の「おはよう、僕の小鳥さんたち・・」って言い方!!
フロローとのやり取りも絶対服従な怯えた表情で、町へ繰り出した時の興味深々なとことか、エスメラルダに優しくされた時のうれしそうな顔とか、とにかく細やか。(鐘を丁寧にぞうきんで拭いてたのも、ツボだった
「陽ざしの中へ」はまだ見ぬ憧れに希望に満ちあふれて、「石になろう」は心の闇を彷徨い、誰かを(というか自分を)呪いそうな重い決意を感じるロングトーン。「天国の光」で♪好きになってくれたのかな・・・と歌うカジモドが健気すぎてなんか泣きそう。
フロローに〝おまえは醜い”と言われ続けて、友達もいなくて、町のみんなには迫害され、初めて優しくしてくれたエスメラルダに心を許していくカジモドが本当に愛おしい。(その直後に続く、フロローの「地獄の炎」の自分勝手な欲望とはなんて対照的なんでしょうか)こういうところ、すごいよね、アラン・メンケン!!
とにかく、いろいろと感動的なカジモドでした。
うーーん。どうしよう。またご贔屓が増えそう・・・

フロロー/道口さん
道口さん、といえば、一番最初に観たのは『夢醒め』のメソ。あの灰色のガクラン着て歌ってた頃が懐かしい。
村さんや芝さんのフロローと比べると、若く見えるので・・・ジェアンとも兄弟っぽく見えたし、本当に努力して若くして権力の頂点に登り詰めたんだという感じ。
そして、あいかわらずの美声。少しキーが高い?そのせいか、高圧的というより、自分の思い通りにならないと声を荒げてしまう、ちょっとヒステリックな印象。まあ、それも人間的で、ありかな。
カジモドに対しても、普段は優しいのだけど、ちょっとしたことでイラっとするのがもろに出てたし(また、そこでびくびくと怯えるカジモドが可哀想なんだけど)エスメラルダに心を奪われるのも、その目の奥に男の欲望を感じて、エスメラルダのスカーフを握りしめて匂いを嗅ぐ姿が、キモくてなんか生々しい(褒めてます)
だからこそ(?)「地獄の炎」の迫力は圧巻だった。これでもかの声量、エスメラルダへの歪んだ欲望とそれを認めたくない自分。どうしていいかわからず、挙句、エスメラルダを悪と決め込む、心の奥底からの叫びが絶叫するかのようで・・・鬼気迫るものがありました。

エスメラルダ/山崎さん
すごく背が高くてシュッとして美しい。飯田カジモドがとにかく子どものように可愛いので、お姉さんぽくてバランスもいい。
自信に満ちたダンスが颯爽としていてカッコいい。色気も十分だし。これは・・・男たちがみんなひと目で好きになってしまうよねぇ。
「神よー」で自分のことより弱者のために祈りを捧げ♪私なら大丈夫~と歌う姿が聖女そのものに見えました。
見た目の醜さを通り越して、カジモドの本当の優しさを理解してくれるのは、やっぱりこの人しかいない、と思わせてくれるエスメラルダでした。
「いつか」フィーバスと歌うこのデュエット・・・切なくて美しすぎて涙があふれてくる。
つかの間の時を過ごす恋人たちの熱い抱擁と、その後に待ち受ける悲劇を考えると・・・もう無理

フィーバス/光田さん
2020年の『オペラ座』で観たラウル。あいかわらずの恵まれた体格がすごく似合ってる。声もよく通っていて、男として自信に満ちたフィーバスでした。
♪息抜きしよう~と思っていたのに、フロローに、丁度よかった、早く仕事して。と言われちょっと気の毒
フロローに命じられても、エスメラルダを捕らえられず庇ってしまうのは、エスメラルダへの個人的感情だけでなく、善良な市民への迫害を許せないという正義感だと思いたい。
♪パリの人々よ~の力強い歌声、ああ、この人のアンジョルラスが観てみたい(←思い切り演目違う)

クロパンも、アンサンブルさんたちも、とにかくみんなが美声。
クワイヤの重厚なコーラスも素晴らしかった。
哀しいのだけれど、心が洗われるような気持ちになる素晴らしい舞台『ノートルダムの鐘』。
カテコはスタオペで、7?8回?
鳴りやまない拍手に、飯田さんのナチュラルな笑顔とお手ふりが何度も続き、ラストは笑顔で奥の扉の中へ。

この日は、高校生たちが観劇していましたが・・・終演後、しゃくりあげる女子たち、「・・・すげーな。」と絶句する運動部系の男子。

「あなたの心に何かが響いていますように」


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劇団四季 『アナと雪の女王』7/21(木) マチネ

2022年07月23日 11時18分31秒 | 劇団四季
3年前の秋、上演が決定してプロモーションビデオを観た瞬間に、どうしても観たい!と・・・何年かぶりに四季の会員になりました。
とはいえ、新作ミュージカルなのと、憎っきコロナのせいで、なかなか観に行くチャンスに恵まれず、昨年の10月にやっとのことでこの日のチケットをゲット。
・・・劇場入って、わんさかいる子供たちを見て、今日から夏休みだった、と気づいた。あちゃーー


劇団四季『アナと雪の女王』 2022.7.21(木) 13:00開演  劇団四季・春劇場 


エルサ   三井 莉穂
アナ    三平 果歩
クリストフ   北村 優
オラフ   山田 充人
ハンス   杉浦 洸
ウェーゼルトン   山本 道
スヴェン   川野 翔
パビー   松下 湧貴
バルダ   松本 菜緒
オーケン   竹内 一樹
アグナル王   田川 雄理
イドゥーナ妃   髙岡 育衣

【男性アンサンブル】
文永 傑
計倉 亘
小林 優
笠間 大樹
寺尾 聡馬
山口 優太

【女性アンサンブル】
黒柳 安奈
篠原 真梨子
小川 美緒
青柳 絵里奈
岩井 千秋
岡本 直子
浦山 遥

ヤングエルサ   服部 菜々美
ヤングアナ   柴原 彩羽


アニメ映画を何度も見たので、話はよく知ってます。
舞台は幕を開けると、まさにその通りのシーンから。子どもたちは可愛くて明るくて元気いっぱい。エルサの魔法はふわっと舞い上がる紙吹雪。
時が経ち、大人へと成長するエルサとアナ。
エルサの戴冠式のために開いた扉の前で、自由を喜ぶ開放的なアナと、秘密を抱えたまま女王になることに不安を隠せないエルサの姿がなんて対極的なの。
寝起きでボサボサ髪のアナが、くるくると動きながらドレスを着せてもらい王女に変身していく姿は楽しくて。
お祝いに来た客の中にはハンス王子。二人の出会いにまさかのクリストフとスヴェンも係わっていたりして、早くも人物紹介できてます(笑)
アナとハンス王子が意気投合して二人で歌う「扉あけて」はやっぱり可愛い。ラブラブでノリノリ。・・・すべてが初めてすぎてテンションが上がりすぎたアナが、ちょっとしゃべり過ぎのお○ちゃんっぽく見えたのは私だけ?
対して、エルサは緊張と不安でいっぱい。手袋を外さなければならない、というシーンは見てるこっちもドキドキしちゃったわ。
エルサとアナ。長い間会わずにいても、やっと元に戻れたと思ったのに・・・
みんなの前で魔法を使っていまい、居場所を失くしたエルサは雪山へ。
エルサを追って、雪山へ入るにはあまりに無防備なアナを見かけたクリストフが服を提供することになるのですが・・・そこでの二人のデュエット「愛の何がわかる」舞い上がってるアナと冷静(というよりはすごくまとも)なクリストフ。歌はとにかく、あの橋の上の演出は怖かったなぁ。お願いだから事故のありませんように。
そんな二人の前に、オラフ登場!
・・・オラフの表現法って、たいへんだよね。アニメなら簡単だけど。
当然、パペット操作なんだけど、『ロボット・イン・ザ・ガーデン』のタングは、タングの後ろに座り込んで隠れるような操作だったから、いつのまにか違和感なく見れたけど、オラフは操作する人が立ったまま自分の前で操作するから存在感ありありで。
オラフの本来の持ち味である愛嬌とか可愛い物言いとかは、役者さんの演技力で十分表現できてたと思うけど。
そして、余りにも有名なエルサのあの名曲「ありのままで」
おお、手袋を投げ捨て、マントが飛ぶ~!!そして・・・
うわわわーーーーーーっ!!
すごーーーっい!!本当に舞台の上で魔法が起きてる!!!

エルサが手をかざす度に指先から魔法が飛び出す。どんどんと周りが凍っていき、氷の宮殿が出来上がっていく。まさにファンタスティック!!エルサの歌声と動きに合わせて次々と凍っていく舞台の上はキラキラキラキラ
びっくりしたのは、エルサの早着替え(これって、歌舞伎の技?)一瞬であの水色のキラキラドレス姿に。そしてもちろんのあのエルサ・ウォーク!!
三井エルサの自信に満ちた表情。♪少しも怖くないわ~~~気持ちいいほどに高らかに歌いあげて幕。
みんな、声は出せないけれど・・・あれほど客席がどよめいたのは今まで見たことがない。とにかくすごい。
舞台でこれほど完成度の高い演出ができるなんて。もう感動。今までで一番の衝撃かも。

この1幕ラストの興奮状態が凄すぎて、幕間に立ちあがることもできず・・・そのまま2幕へ。
突然の冬に、オーケンの店で買い物するアナとクリストフ。
そこにはサウナがあって、そこから何人もの人がぞろぞろ。もちろんサウナの設定なので裸を大きな葉っぱで隠しながら(?)
・・・このシーン、某お笑い番組で見た〝葉っぱ隊”を思いだしてしまったのは、私だけだろうか?(後で話したら娘その2にもそう見えたらしい・・・やっぱり、親子だ(笑))
エルサの宮殿にたどり着いたアナは、エルサに一緒に帰ろうと説得するけど、自分の力をどうにもできなくて不安だらけのエルサはアナを拒絶し、分かり合えないことに感情を爆発させてしまったエルサはアナを傷つけてしまう。
クリストフはアナを助けようと、自分を育ててくれた〝隠れ人”のところへ。アニメではトロール(岩?)ですが、この舞台では原始人のような原住民。その中でもクリストフの親のようなパビーとバルダは〝クリストフが女の子を連れてきた!”と喜ぶけど、そうではないと知ってなんで?なんで?とクリストフをアナに推すところは面白かった。
心の傷は治せない、と言われ、アナをハンスの元へ送り届けるクリストフ。北村くんは『アラジン』以来だけど、やっぱりいいな(個人的感想)
一方、入れ違うようにエルサのところへやってきたハンスたちはエルサを捕らえ、城に戻った弱ったアナをあっさりと・・・ここはやっぱアニメでもそうだけど、何度見ても許せないとこだわー未だかつてこんなふうに裏切る王子っていなかったもんねーー
鍵をかけて部屋を出ていくハンス。でもそこへこっそり城に忍び込んだオラフが。
冷たくなっていくアナを助けようと、自分が溶けるのも顧みず、暖炉に火をくべるオラフの「愛とは自分よりも誰かを大切に想うこと」は胸に響く。山田さんの言い方がまたすごく優しくて
ラストは、自分の気持ちに気づいたクリストフがアナを救おうと必死でアナに向かってきて、アナはクリストフを探し求め、エルサはアナの無事を願い、ハンスはエルサを仕留めるために追ってくる。「つのる寒さ」の4重奏はいろんな曲が入り混じっていて迫力!
エルサが攻撃すると舞台下からシャキーンと音を立てて鋭く尖った氷の柱が飛び出してくる。
アナはエルサを庇って、結果、他の人々と共に凍ってしまう。ここのプロジェクションマッピングは人と映像がピタっと合わさっていて、すごかった。
本当に凍りついたみたいに微動だにしない人々。エルサのアナへの想いが氷を溶かし、二人はやっと心をひとつに。
お互いに♪ありのままのあなたでいいのよ?みたいな和解(ラストに流れる曲は「ありのままで」のリプライズ)
・・・なんだろう。素直に感動してしまった。
二人がそれぞれにお互いを認め、思いやって、時にはケンカをしながらもずっとずっと仲良く暮らしていけたらいいなぁと。
とにかく、こんなふうに強く目に焼き付いた映像の舞台は初めてで、印象深い観劇でした。


《追記その1》
夏休み初日、ということでこんなにもたくさんの園児や小学生と一緒に観劇したのは久々ですが・・・ちょっと心配していたことは、まったくなくて、みんなおとなしく観劇していました。
たぶんこの話をよく知っているのと、(女の子たちは何人もがエルサ&アナファッションでした)この状況下で声を出してはいけないとわかっていたからだと思うけど。
カーテンコールでオラフの人形を力いっぱい振っている子がすぐそばにいて、きっと役者さんもうれしいだろうなぁ、と思いました。

《追記その2》
アナが元気いっぱいに飛び回りながら歌って踊っている最初の「生まれて初めて」を聴いていたら・・・私は、特別すっごいファンだったわけではないけれど・・・やっぱりアニメ版アナの神田沙也加嬢を思いだして、ちょっと悲しくなりました
今さらですが、彼女の冥福を祈ります。


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ファンメイド

2022年07月18日 23時25分46秒 | 劇団四季
海宝カジモドのCDを購入する前に、you tubeを手当たり次第に聴きまくっていた時に見つけた動画のひとつ。

★【完全カバー】劇団四季「ノートルダムの鐘」心からのリスペクトを込めて短縮版アレンジ再現しました。

すっごいわーーー。
なんて完成度が高いの!?
本当にこの作品が大好きなんだなとわかる、愛の塊のような大作。
どの方もいいお声だし、お歌も上手だし、演技力も秀逸。
何度か繰り返して観ているうちに・・・ファンの方たちの、私もファンになってしまいました




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「ノートルダムの鐘」CD

2022年07月15日 22時28分08秒 | 劇団四季
その後・・・舞台の余韻が冷めやらず、劇団四季の公式ページの動画を見あさっていたのですが・・・どうにも切れ切れで欲求不満気味で
思い切って、Am○zonでポチっとしてしまいました
この「ノートルダムの鐘」2ヴァージョン出ていますが・・・ここはやっぱり個人的な趣味で、海宝くんヴァージョン

キャストは
カジモド     海宝直人
フロロー     芝 清道
エスメラルダ   岡村美南
フィーバス    清水大星
クロパン     阿部よしつぐ

舞台で観た時も思ったけど、やっぱりなんと言っても、クワイヤの歌声の重厚さがいいなぁ。
そして本当に美しい。人の声ってこんなにも美しいのか。
♪パリの朝~と、最初に歌いだすのは、クロパン。うわーーーっ!!お久しぶりのよしつぐさん。
いつの間にこちらへ?スコーンと伸びる歌声が心地いい。
最初はどことなく説明的な歌が続き、いろんな背景が見えてくる。
そしてーーーー海宝カジモド!!
いい声なのは当然だけど・・・セリフの演技力、すごくない!?
顔をゆがめてしゃべってるから(?)聴いてると海宝くんじゃないみたい。
そのうえ、聴かせる曲になると海宝くんの誠実そうで、純度の高い歌声が広がってきて、なんて心地良いことか。
・・・初演を観た人が、なぜ海宝くんのカジモドに魅了されちゃったのか、なんかわかった気がする
もちろん、芝さんフロローの声も重厚で渋くて素晴らしい。
エスメラルダは先日の生舞台で観た岡村さん。力強く慈悲深く、四季のヒロインってこのタイプは不可欠だよね。
どの曲も素敵なんだけど、「神よ弱き者を救いたまえ」は心が洗われるよう。
「エスメラルダ」は「エリザ」の三重奏みたいだわ。
そして、第2幕の始まりの「間奏曲(アントラクト)」は素晴らしい!!舞台で観た(=聴いた)時もすっごく素敵だったけれど。
「いつか」は・・・もう泣きそう。
これほどまでに美しい曲に今まで出会ったことがあっただろうか、と思うほど美しい。アラン・メンケン恐るべし!!
「石になろう」からエスメラルダの最期、フロローを投げ飛ばすカジモドの怒り。もう海宝くんの演技に引き込まれてしまって。
ラストはよしつぐさんクロパンの、始まりに戻ったような語りのような歌から全員の合唱へ。

CDなのに・・・感情移入しすぎて、心が揺さぶられ過ぎて、心が持っていかれた状態。
とにかくどハマリし過ぎて・・・娘その2と一緒に、12月には京都に行っちゃおうか、などと真剣に悩んでしまうのでした


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劇団四季 『ノートルダムの鐘』 6/9(木)マチネ

2022年06月11日 22時14分50秒 | 劇団四季
今までなぜか観る機会がなくて・・・今年、横浜で再演されると聞いてずっと楽しみにしていた劇団四季の『ノートルダムの鐘』。


劇団四季 『ノートルダムの鐘』 2022.6.9(木) 13:30開演 KAAT神奈川芸術劇場


15世紀末のパリ。街の中心に存在するノートルダム大聖堂の鐘突き塔には、カジモドという名の鐘突きが住んでいた。
幼き時に聖堂の聖職者フロローに引き取られた彼は、その容貌から、この塔に閉じ込められ、外の世界と隔離されていた。
塔上から街を眺めて暮らす日々。友と言えば、何故か彼を前にした時に生命を宿す石像(ガーゴイル)と、鐘だけ。いつも自由になることを夢見ていた。
今年も、年に一度の“らんちき祭り”の日がやってきた。
大いに盛り上がる人々の様子に堪えることができなくなったカジモドは、ガーゴイルたちにそそのかされ、塔を抜け出した。美しきジプシーの踊り子エスメラルダと出会う。
折しも、最も醜い仮装をした者を決めるコンテストが始まったところ。自分が持っているものを活かすべきと言うエスメラルダに手を引かれ、カジモドはステージに上がる。
その容貌が仮装ではないと知った聴衆は、残酷なまでに嘲りの言葉を浴びせ、彼を捕えようとする。エスメラルダは咄嗟にかばう。
大聖堂へ戻ったカジモド。彼を大衆の面前にさらしてしまったことの責任を感じたエスメラルダも、後を追う。
差別の情なく、誠実で優しい言葉をかけるエスメラルダ。カジモドにとっては生まれて初めての経験。彼女へ愛を抱くことは必然だった。
一方、聖職の身でありながら、エスメラルダの美しさに邪悪な欲望を抱いたフロローは、市民と教会を守るという名目で、大聖堂警備隊長フィーバスにジプシー排除を命じ、彼女の捜索を始める。
しかし、フィーバスもまた、以前からエスメラルダの魅力にとりつかれていた。彼は命令に背き、エスメラルダを救出しようとするが、逆にフロローに刺され重傷を負ってしまう。
大聖堂へ逃げ込むフィーバスとエスメラルダ。二人の間に愛の萌芽を感じたカジモドは、これまで感じたことない心痛を得ながらも、愛するエスメラルダのために、二人をかくまう。
エスメラルダはジプシーの隠れ家“奇跡御殿”の地図が暗示されたペンダントのお守りをカジモドに託し、姿を消す。
カジモドのエスメラルダへの愛情を察したフロローは、その想いを利用すべく、故意に奇跡御殿襲撃計画を漏らす。
危険を知らせようと御殿へ向かうカジモドとフィーバス。ペンダントに導かれるままたどり着くが、フロローの罠にはまり、エスメラルダもろとも捕らえられてしまう。
大聖堂に幽閉されたカジモドたち。フロローはエスメラルダへ自分の愛を受け入れるのならば解放すると迫る。取引に応じるよう説得するフィーバス。しかしエスメラルダは頑なに拒む。
フロローの愛は憎しみへと変わり、エスメラルダを火刑へ。やがて刑執行のそのとき、カジモドは縄をほどき、エスメラルダを救出するが…。(公式サイトより)



カジモド     寺元 健一郎
フロロー    村 俊英
エスメラルダ   岡村 美南
フィーバス    神永 東吾
クロパン     吉賀 陶馬ワイス

【男性アンサンブル】
武藤 洸次
中田 雄太
村山 剛
川原 信弘
中橋 耕平
平山 信二
手島 章平
玉井 晴章

【女性アンサンブル】
中山 理沙
久居 史子
徳山 稚子
坂井 菜穂

【男性クワイヤ(聖歌隊)】
柳 隆幸
伊藤 力
奥田 直樹
石井 駿人
千葉 晃樹
持木 悠
和田 ひでき
石本 高雅

【女性クワイヤ(聖歌隊)】
中村 侑佳
高居 洋子
葛葉 かな
潮﨑 亜耶
北野 有希依
川目 晴香
玉置 ともか
梁瀬 彩加


この舞台、『ロボットイン・ザ・ガーデン』の時と同じで、最初から幕はない。
舞台上にはセットがそのまま置かれていて、薄暗いそのセットの真正面にはノートルダム大聖堂の象徴ともいえる薔薇窓が。
そして、始まった舞台は・・・
冒頭の聖歌隊(クワイヤ)の荘厳な歌声が静かに広がり、あのノートルダムの有名な主旋律(地獄の炎?)を聴いた瞬間に〝おおおお~~~キターーーーっーーー”と心がざわざわ
石像たちが立ち並ぶ舞台の奥からすっと現れる一人の青年。
顔を両手についた炭で汚すと、背中にこぶを背負い髪を乱し・・・顔をゆがめ身体を折り曲げ、姿勢を崩し・・・ノートルダムの鐘つき男・カジモドの誕生。
そして、舞台上方から降りてきた巨大な鐘を、それぞれの名で呼びながら鳴らしていくカジモド。本物のノートルダム寺院の鐘はどれだけの大きさか知らないけど、舞台上にあの大きさの鐘がいくつも登場したのにはびっくり!!
あの鐘って、材質的にダミーだろうけど、相当重いんだろうなぁ。カジモドが身体全部で鳴らしているのはすごい迫力!!(オペラ座のシャンデリアに相当する感じ)

・・・実は、このノートルダムの話、20年くらい前に石丸さんの歌声目的で(かなり邪な想い)ビデオを買って見たけど・・・話が暗いし、石丸さんの美しい歌声がカジモドの容姿とあまりにもかけ離れていて〝おりょ?”と違和感がありありだった。しかもエスメラルダに対するフロローの欲望が気持ち悪くてたぶん、2,3回しか見ていない。

でも、あらら・・・フロローにはそんな過去があったのか・・・カジモドに「できそこない」だなんて、そんなひどい意味の名前をつけて、それでもずっと世話をしているのは、いったい憎いのか可愛いのか哀れなのか。とにかく屈折してるなぁ。
それに引き換え、カジモドは素直でフロローには絶対服従、とにかく自己肯定感は皆無(そうやって教え込まれて生きてきたんだよね
そんなカジモドが自由を夢見て歌う「陽ざしの中へ」
最初は、身体を折り曲げ顔をゆがませ、苦しそうに。でもあこがれの強さを物語るかのように、徐々にクリアなまっすぐな歌声に変わっていくカジモド。
カジモド役の寺元さん、目が大きくてくりくりかわいい。少年っぽくもあり純粋な感じ。身体も身軽。不自由な身体でもあちこちスルスルと登ったり滑ったり。歌声は高音もきれい。でもお声はかなり野太い。ロングトーンも最後まで力強い!
「石になろう」は、もう心の底からの叫びが全身から噴き出すようで、
♪こころーーーおおおおーーーっーーー
と、ものすごい声量!大迫力!!!すっごいわーーー・・・ん?・・・この寺元健一郎さん、私、どこかで観たことがある?というか、この名前に見覚えがある。あれれ?どこで?・・・実は、四季に入団される前は東宝でアンサンブルさんとしていろいろな舞台にでていらしたようで・・・たぶん『M!』か『ジキハイ』あたりで・・・あら、びっくり。


祭りの騒ぎに我慢できなくなったカジモドは街へ。
そこで出会った美しいジプシーのエスメラルダに心を奪われるカジモド。(同時にフロローも、大聖堂警備隊長フィーバスも。)
そのエスメラルダに言われて、道化の祭りのイベントについ参加してしまったカジモドは、聴衆からひどい仕打ちを受ける。けど・・・なんでみんな、大聖堂の奥深く潜むように生きてきたカジモドのことを知ってるんだろう?個人情報の漏えい、怖いわ~
大聖堂に逃げ帰ったカジモドを追って、やってきたエスメラルダに迫るフロロー。

フロロー役の村さん。邪な奴だけど・・・なんて!なんて!!素晴らしい、いいお声!!!
いい声過ぎて(笑)、そして今回はフロローのバックボーンを知っているからか、そこまでいやらしいとは思わなかった。
フロローって、本当に正しく生きてきたんだよね。それがまさかのジプシー女に(フロローは弟のジュアンが道を踏み外すのは、ジプシー女のせいだと思ってる)ここまで心を奪われてしまうとは。
それも素直に認めるのも嫌で、あのジプシー女が悪いんだぁ~と、なぜか逆恨み?でも・・・自分のものにならないなら、パリの町を燃やし尽くしてしまおうとか、極端だよなーーあぶねー奴。可愛さ余って、憎さ100倍ってやつ?
この話のメイン曲(かもしれない)「地獄の炎」・・・ものすごい迫力!!フロローの身体から、煉獄さんのように炎の呼吸が渦巻いているのが見えるようだった

フィーバスは最初、かなりのチャラ男で、カジモドとの対比で考えるとスラっと背が高く、絶対的なイケメン枠。
エスメラルダが容姿で彼に惹かれたとは思わないけど、なんでフィーバス?4年も戦場に赴いていて、彼なりに傷ついていて・・・まあ、彼女と彼女の仲間のために、警備隊長の職を投げ捨てたことは、評価しよう(なんでだろう・・・個人的にフィーバスを好きになれない私
フロローに捕らえられ、牢でエスメラルダとフィーバスが寄り添って歌う「いつか」・・・美しいなぁ。心が洗われる。そしてこの曲、ずっと海宝くんのCDで聴いていたから、まさか女性の歌う曲だと思ってなかった

エスメラルダ役の岡村さん、本当にイメージぴったり。強気で優しくて聡明で。(なぜか『アイーダ』のめぐさんを思いだした・・・)
芯の強そうなとこも、カジモドに対しての差別のない優しさもいい。
「神よ、弱き者を救いたまえ」も素晴らしい。エスメラルダって、自分のことより、他の人の幸せを願うのよ。だから、カジモドのことも守ってあげたいと思ったんだろうなぁ。自分をそんなに大事に思ってくれる人だもの。そりゃあ好きになってしまうよ。

そしてクロパンを始め、どの方も本当にお声が素晴らしい。『ロボット・イン・ザ・ガーデン』の時も思ったけど・・・四季の役者さんたちって、どうしてこうもいいお声の人ばっかりなんだろう。聴いていて気持ちがいいったらない。

〝僕は醜いから”と心を閉ざして、エスメラルダから遠ざかろうとするカジモドだけど、火刑にされるエスメラルダをやっぱり放っておけなくて、身体が勝手に動いたカジモド。助け出したエスメラルダを大聖堂の奥へ連れて行くカジモド。
結局、エスメラルダはカジモドに〝あなたは素敵な友達”と語りかけ、息絶える。
〝エスメラルダ”と何度も呼び掛けながら、〝起きて””起きて”と身体をゆするカジモドが子どものようで可愛くて哀しくて。
そこへやってきたフロローに〝悪人は罰を受けるんだ”と、フロローを持ちあげて投げ捨てる(この落ち方、高加速で落下して凄かった!!
この、”悪人は罰を受けるんだ”は、フロローがずっと口にしてきた言葉。因果だよねーー
クワイヤの女性が澄んだ美しい声で♪いつかーーと歌いだすと、もう涙がこみ上げてくる

のちに語られるカジモドとエスメラルダの最期。
そして、舞台に佇む民衆と後ろ向きに立つカジモド。振り返った時、カジモドはきれいな顔に戻り、民衆のそれぞれには顔に炭が。

「答えてほしい謎がある
 人間と怪物  どこに違いがあるのだろう」

ああああ。・・・なんて奥の深い話なの。
姿容の醜さと心は必ずしも一緒ではない。そして、人はいつでも怪物にもなりうる。

自然と涙が流れた。
そして、拍手の嵐。嵐。嵐。
カーテンコールはたぶん、5,6回?
いやいや、またすごい舞台を観てしまったもんだ・・・

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劇団四季 『ロボット イン・ザ・ガーデン』 5/18(水) ソワレ

2022年05月21日 23時05分43秒 | 劇団四季
ずっと気になっていた舞台でした。
それが全国公演!ということで・・・娘その2と二人で、一番近くの川崎公演に行ってきました。

劇団四季 『ロボット イン・ザ・ガーデン』 2022.5.18(水)18:30開演 カルッツかわさき


アンドロイドが人間に代わって家事や仕事を行う、今からそう遠くない未来。
イギリスの田舎町に住むベンは両親を事故で失って以来、無気力な日々を過ごしていた。
妻・エイミーとの夫婦仲もうまくいかない。
そんなある日、庭に壊れかけのロボットが現れる。
「きみの名前は?」「…タング」
ロボットに不思議な魅力を感じ、ベンはあれこれと世話を焼く。
そんなベンに愛想を尽かし、ついに家を出て行くエイミー。
ショックを受けるベンだが、タングを修理するため旅に出ることを決意する。
アメリカ、そして日本へ。やがて、ある事実が明らかになる……。(公式サイトより)



ベン 田邊 真也
タング 長野 千紘&安田 楓汰
エイミー 鳥原 ゆきみ
ボリンジャー 佐野 正幸
カトウ 小林 唯
リジー 相原 萌
ブライオニー 宮田 愛
コーリー カイサー タティク
デイブ 長手 慎介
ロジャー 鈴本 務

【バイプレイヤー】
安斎 恵太
照沼 大樹
原田 真理

【アンドロイドダンサー】
桒原 駿
河上 知輝
日高 彬文
山田 祐里子
佐田 遥香
軽部 智子

時代がどんどん進化して、ロボット(というかAI)が世の中にあたりまえに存在する近未来。
まんざら遠い話でもない。・・・と、いうかかなり現代に近いと思う。
そんな最新型の人型アンドロイドと比べて、旧式(?)のタングは、冒頭からみんなにその見た目からまるでゴミ扱い。ちょっと悲しい。
庭に入り込んだ壊れかけのロボット・タングを、ベンだけが親身になって世話する。
小さなタングに目線を合わせて座り込むようにして話すベンの優しさに思わずキュンとなる。
田邊さんの声がとにかく優しい。
ちょっと自信のなさそうなとこや気弱そうな雰囲気がぴったりなんだわ。やっぱり元・ユタなだけある(?)
しかし、気の優しそうなベンに対して、自信にあふれる妻の語気の強いこと強いこと。言葉の張りも口調も常に苛立ちモードで、ザ・四季って感じ。
・・・ちょっと聞いてるのが耳に響きすぎて

タングは後ろで二人の俳優さんが動かしているのですが・・・最初こそちょっとそれが気になったものの、いつからかタング本体に目がいくようになって、逆にその自然な動きを作りだしている技術に〝すごいなぁ”と感動してしまった。
だって、ずっと膝を折ってタングの高さで動作してるんだよ。腰痛いだろうなぁ・・・

タングは首を傾げたり、まばたきをしたり、すごく表情豊か。四角な顔に真四角な目がついているのだけれど、その目が微妙に吊り上がって怒った顔になったり、悲しそうに困り顔になったり。見れば見るほどかわいく見えてくるから不思議。タングって「ウィ!」って返事するのよね(フランス語?)
ベンがお腹に貼ってくれた黒いガムテープを気に入っていて、両手で愛しそうになでるのもかわいい。
駄々っ子みたいな小さい子どもみたいだけれど、ベンとずっと旅を続けるうちに少しづつ学習して(?)(さすがロボット!!)語彙も増えてくるし、人間っぽくなってくる。「イヤー」と自分の感情のみを言葉にしていたタングが、最後の方で「ベン、大丈夫?」とベンを思いやる言葉を発した時は、なんかうるっとしてしまった。

ベンとタングはタングを直してくれる人を探して、あちこちを旅するけれど、東京の秋葉原にやってきた時は、テクノ調の曲で踊るシーンで〝おお、東京のイメージってこうなんだ”と思った。
そこで、出会うカトウ(小林唯さん)・・・めっちゃいい声!!すっごく印象に残りました!(あとで聞いたら、娘その2も同じ意見だった・・・)
雨が降ってきて、傘をさして踊るシーン、あれって『雨に歌えば』のオマージュだよね?
他にも、田邊さんが肩車されるシーンはやっぱり、ユタだ!!と思ったり(笑)

最後にたどり着くパラオ。タングを作ったボリンジャー博士は佐野さん。かなり危険な人物。
悦に入って歌い上げるシーンでは、機材も割れそうな迫力ある歌声がどうしても怪人のイメージ・・・
タングを奪おうとするボリンジャーをやっつけて、ベンとタングはロンドンの家に帰ってくる。
そこにはエイミーが。

壊れかけたら、直せばいい。家族の絆も、ロボットも。

タングを直したい一心で世界を駆け巡ったベンは、自分でも忘れていたエイミーとの出会い、自分の本当の気持ちを再認識して、エイミーに向き合う。
そうだよねーー。あきらめちゃダメよね。大事なものならなおさら。
タングがつないでくれた人と人、人とロボットの絆。
・・・最後はちょっと泣きそうになりました。温かくていい作品でした。観てよかった。







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父の一言

2022年05月04日 23時36分40秒 | 劇団四季
先日の観劇の際、自由劇場へ行くのがあまりに久々過ぎて(たぶん、最後に行ったのは石丸さんの『壁抜け男』だったような気がする・・・)道がわからなくなり、浜松町の駅から人の流れに沿って歩いていたら、新しい春・秋劇場の方へ誘導されてしまったのです。
春劇場では、今、『アナ雪』。
私のすぐ前を歩く親子連れがいたのですが・・・初めて来たらしい4~5歳くらいの男の子は「もう、帰りたい~」とやや後ろ向きな様子。
お母さんが「そんなこと言わないで。せっかく来たんだから」となだめていましたが、男の子は立ち止まったり、下を向いたり。
すると、お父さんがぼそっと、一言。

「ここを出る時には、おまえの世界はかわるぞ!」

うわーーーっ!!カッコいい~~っ!!!
・・・思わず、私の方が感動しちゃったわ



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