秋生のEtude

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劇団四季『夢から醒めた夢』 11/9(木)マチネ

2023年11月11日 22時25分17秒 | 劇団四季
この舞台の上演が発表された時、夢の配達人=下村 青、というのを目にして、〝え?これって、あの下さま??と心が激しくザワついた。ましてや、もう一人。・・・もう退団されたと聞いていた加藤敬二さんの名前まで!!
えーーーーーっ?そりゃあ。絶対観たいよ。
しかも、大好きな作品、娘その2とも思い出がいっぱいある・・・
昨年の5月に観た『李香蘭』もそうだったけど・・・浅利演出事務所主催って、OB多用のお約束があるの?(それはそれでうれしいけど)と、いうわけで・・・娘その2と20年ぶりに観てきました。


劇団四季『夢から醒めた夢』 2023.11.9(木) 13:30開演 自由劇場 (浅利演出事務所主催)

ピコ      四宮吏桜
マコ      中村ひより
マコの母    坂本里咲
デビル     坂本岳大
エンジェル   政田洋平
ヤクザ     加藤敬二
暴走族     近藤真行
部長      三遊亭究斗
メソ      岡 施孜
老人      山口嘉三
老婦人     服部幸子
夢の配達人   下村 青


好奇心旺盛で冒険を夢見る少女ピコは、夢の配達人に導かれて夜の遊園地で幽霊の少女マコと出会います。突然の交通事故で命を落としてしまったマコは、一人残され、涙に暮れる母親をなぐさめ、お別れを言うために、一日だけ入れ代ってくれる人を探してさまよっていたのです。不思議なことにあこがれるピコはマコの願いを聞き入れて、一日だけという約束へ霊界へ…。



20年前に(旧)秋劇場で観た時は、開演前にロビーパフォーマンスとかあって楽しかったけど(ただし、喜ぶと思っていた娘その2は、その頃極度の人見知りで、怖がってまったく役者さんたちに近寄れなかった)場所が場所だし、浅利演出事務所企画だし、まあ、ないのは仕方ない。
それでも、幕が上がれば、いつもCDで聴いている、あの下さまの声で♪人は誰でも夢みる~
ああ、それだけで感無量。もう二度と聴けないと思っていたまさかの下さまの生声でこの舞台を観れるなんて!!
そしてこの、夢の配達人の「夢を配る」
〝劇場は夢を創りだし、人生を映し出す大きな鏡です。”・・・まさにその通り!!舞台の神髄そのものだと思います。
そして、今夜の女優としてピコが登場。うわぁ、セリフ回しがそのまんま四季の舞台のピコをそのまま継承してる
私が昔観たピコは、元気いっぱいの赤いホットパンツ姿だったけど、モリ・ハナエの可愛らしい赤いドレスのピコはとっても可愛いお嬢さんって感じ。ましてや、ニッコリ笑うこのピコ役の四宮吏桜さん、その衣装と赤い帽子のせいか、まるで不○家のペ○ちゃんみたいでした。
遊園地のパレードのシーンは、これまた以前とはちょっと違っていたけど(前は大きなリング(ラート)とかピエロがいたりとか、もっとアクロバットなサーカスっぽかったよね?)鏡をイメージした演出やメリーゴーランドが出現したり、すごく楽しかった。この曲を聴くとすごく元気になる。
マコは花のいっぱいついた、かなり大きなハットを被って登場。なんとなくスカートの丈が短くて微妙?マコってピコと比べていつでも落ち着いた女の子の印象。今日のマコ(中村ひよりさん)もしかり。
「マコの物語」から「お願いピコ」まではわかっていても、その展開にハラハラ。
マコのお母さん(わ~坂本さん!!)の「神様お願い」は涙なしには聴けない。

で、その昔娘その2と何度もハモって踊った「二人の世界」!!
ドライアイスのスモークが足元にすすすっと押し寄せてくる。ヤバい。声に出してつい一緒に歌ってしまいそう

霊界空港でのダンスシーンはだいぶ変わっていて、もっとこうキビキビしたロックテイストな動きがスタイリッシュで好きだったのだけど、なんとなく今回は軽快なポップス!という感じ。(これって初演に戻ってるの?)楽しかったけど・・・ここは前に観た方が好みかな。

不幸な子どもたちはちゃんと子どもに見える小さめサイズの子たちが揃っていて、それぞれにここへ来たいきさつが語られる(歌われる)のだけど・・・後方に実際の写真が映し出され、リアルさが増す。
アジアの子は戦争で命を落とし(ベトナム戦争)、アフリカの子は飢餓で死に、パレスチナの子は・・・(ここは前はバチカン半島だった)今のパレスチナで、毎日のように子どもたちが犠牲になっている現実を思い浮かべ、すごく胸が痛んだ。・・・20年経っても、戦争がこの世からなくなっていない、という哀しい現実。ここは一番つらかったな。

先に亡くなってしまった旦那さんのおじいちゃんは、13年も自分の妻が来るのを待っていて、やっと再会する。あら~なんだか、おばあちゃんが若いな~
生前悪いことをした部長、暴走族、ヤクザの3人組はいつまでたっても、白いパスポートがもらえない。
いじめを苦にして自殺したメソも同じ(以前は大学の入試に失敗して自殺した設定だった)
この、メソの歌う「メソの過ち」決して長い曲ではないのだけれど・・・すごくインパクトがあって印象的。そして、今回メソを演じているのは、『JB』にも出ていた岡施孜(シモン)くん。・・・さすがの声楽科出身、伸びやかな声。上手い。(なんか、東宝の舞台で観た人を四季の舞台で観るって、へんな感じ)
部長さんのセリフは〝企業戦士と呼ばれた男の・・・”が、〝働き方改革を知らない・・・”に変更されてました。
さすがに20年前とは社会の情勢が変わってきてる箇所に関しては、いろいろ変更されていました。
暴走族とヤクザはそのままだったかな。ヤクザ役の敬二さんは細くてスタイルが良くってあんまりヤクザには見えない

ピコの(実はマコの)白いパスポートを盗んでしまったメソを庇って、霊界空港に残って働く、と言い出すピコの「あなたのために」はいつ聴いても胸が熱くなる。

後に続く「マコを捜せ」も、新たに「あしだまなこ」「あさだまおこ」が登場。(そりゃあそうだよね、今では名前をだしても、それ誰?って人もいるしね)
そして、マコと入れ替わるために、メソと共にマコを迎えに来るピコ。マコは優しくお母さんに〝悲しまないで”と諭している。・・・マコって本当に良くできた娘だよねーお母さん想いなのもさることながら、なんてオトナなんだろう。
それでも、マコを愛するゆえに悲しみが深すぎて、マコのお母さんは泣きながら♪行かないで、と哀願するのだけれど・・・もう客席はこの辺からあちこちすすり泣きが・・・
私は、かろうじて涙をこらえたけど、ピコの〝みんな!光になったのねーーっ!!”で涙腺崩壊

『夢醒め』という舞台は、本当に話もわかりやすいし、曲もいいし、とにかく完璧なミュージカルのひとつだと思ってます。
確かに子ども向けな部分もあるけれど、大人になってもちゃんと感動できる。日本が世界に誇れるくらい素晴らしい作品だと思います。
この『夢から醒めた夢』を20年経って変わらぬ気持で観れたことは、本当に幸せです。


そして最近、思うのは・・・もうこの舞台を観るのはこれが最後かもしれないと、どの舞台を観てもちょっと考えてしまうこと。
年齢的なこともあるけれど、3年間のコロナを経験して、舞台はいつでも観れるわけではないと実感したからこそ、どうしても観たい舞台は観ておきたいし、そしてしっかりと胸に刻んでおきたい。
そして、それがいつ終わっても後悔のないようにしたい、と。



※ちなみに、20年前に観た『夢醒め』のキャストはこちら(パンフにはさんであった!)

ピコ      木村花代
マコ      中村友里子
マコの母    早水小夜子
デビル     光枝明彦
エンジェル   藤原大輔
ヤクザ     野中万寿夫
暴走族     坂本 剛
部長      田中廣臣
メソ      道口瑞之
老人      立岡 晃
老婦人     斉藤昭子
夢の配達人   新木啓介

2003.12.14 秋劇場(旧)にて 

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