あっという間の東京千秋楽でした。
『女信長』 2009・6・21(日) 12:00開演 青山劇場 東京千秋楽
織田信長 黒木メイサ
明智光秀 中川晃教
浅井長政 河合龍之介
羽柴秀吉 TETSU
柴田勝家 市瀬秀和
林佐渡 黒川恭佑
今川義元 細貝 圭
丹羽長秀 真島公平
フロイス 篠田光亮
徳川家康 山崎銀之丞
御市 松山メアリ
犬千代 篠山輝信
篠田政綱 鯨井康介
足利義昭 松本有樹純
遠山景任 久保田創
織田信行 平田裕一郎
中根正照 塚田知紀
菅沼定盈 中川浩行
森蘭丸 木村智早
お香 香子
お幸 水上幸愛
服部半蔵 清家利一
御濃 有森也実
斉藤道三 石田純一
・・・今回はちょっとだけ舞台から適度な距離がある(といってもF列、かなり前方なんですが
)お席だったので、全体的に観ることができました
(実は、初回はアッキーのみをガン見していたといっても過言ではない・・・)
幕が開いた瞬間から、奇抜で若々しくスピード感があって、つくづくカッコいい舞台です。
「女子どもに至るまですべての民が安心して暮らせる、天下泰平の世を創りたい」と理想に燃え、そのために自分の“女”と引き替えに“美濃の蝮”こと斉藤道三の後ろ盾を得る・・・
一夜を共にした柴田に忠誠を誓わせ、その女の身を賭けて浅井長政と同盟を結び・・・
信長/メイサちゃんは、凛々しくスタイルもよく、超カッコいい!!
その男前の信長が、女であるがゆえに愛に翻弄され、愛する男に裏切られ、女を捨て“信長”として生きる、と決心する流れはかなりドラマチックです。
窮地に立たされた信長を“守る男”=光秀の存在に気づき「愛しいと言ってほしい」と光秀を求める信長は、素直にかわいい女。
たださ・・・この舞台、とにかく「女」「女」「女」と女の在り方をいろいろと規定してくれちゃって、ちょっとウザい。
特に、御濃の“子を産めない”云々・・・この考え方(斉藤道三の言い様)は女としては気分が悪いです。
話題の、なぜか?中森明菜「デザイヤー」。
これって、メイサ信長が女を武器に長政を誘惑しようという場面。
メイサちゃんのダンスに気を取られて気づきませんでしたが、その背後では、髪をセットし、香水を振りまき、さぁ、イザっ!という男の欲情ムンムンの長政が。
この
長政/河合龍之介くん
くどいひとり下ネタが
・・・なのですが(たぶん演ってる本人が一番恥ずかしいよね
)いやぁ、ちょっと悪い奴系でジョニデ似?
見れば見るほどイケメンで、カッコいいです!!
男の欲望で信長を抱き、男の出世欲で信長を利用し捨てる・・・ちゃらい男を好演してました。
対する
光秀/アッキー
・・・やっぱり、セリフにはちょっと力入りすぎ!!(笑)でも、感情がこもっていてすごく熱いものが伝わってきました。
金髪だし、ロン毛だし、突然歌うし・・・???
でも・・・“桔梗”の花言葉のように“誠実”そして信長への“かわらぬ愛”の人
セリフの低めの声がオトナっぽくてステキでした。
声フェチの私は「御意」・・・この一言だけでもメロメロです
フロイスとの掛け合いも楽しかった。
かわいそうに、長政にはかなりどつかれてましたね
そんな風にいたぶられながらも、信長への想いを貫く光秀に結構“萌~”だったりする私は・・・やっぱりドS?
長政の裏切りで、絶対絶命の信長を逃がす光秀に「それでも男か!」と罵声が飛び、その時の光秀の
「いえ、男ではございません。それがしは信長さまの家臣なれば!」
・・・もう、カッコよくってカッコよくて!!
本能寺の最後場面で、信長をバッサリと斬り、御長に着物を着せかけ、後ろから抱きしめる光秀の
「女、子どもに・・・手を出すな!」
今までで、一番男っぽいアッキーを観た気がする・・・
ああ、このセリフ、信長も最初に言ってたよ。
信長が理想としていた“天下布武”はこういう形で二人の愛を成就させるのか・・・と。
アッキーの歌はどれも劇的でステキでしたが、最初の「明智光秀のテーマ」がキビキビとしたダンスも合わせて、舞台の上では光ってたなぁ・・・
もちろん、ラストシーン羽織っていた黒いマント(?)を脱ぎ捨てて歌いだすのは、ちょーカッコよかった!!
この舞台って若いパワーが炸裂、みんななんだかセリフが絶叫系(笑)
イケメンくんたちもそれぞれに個性的で、
印象に残ったのは
今川義元/細貝圭くん
イっちゃってる感じがきれいなお顔に怖いほどよくお似合い(褒めてます)
それから眼光の鋭い
篠田政綱/鯨井康介くん
殺陣がカッコよかったーー。
それに、やっぱり
徳川家康/山崎銀之丞さん
適度に笑いを取っていたかと思えば、信長を守る二刀流の太刀姿のホレボレするほどカッコいいこと!!
この舞台、とにかくお笑い部分も多用されてて、それがいいようなよくないような
「なぜ、ふんどし?」といった奇抜なお笑いがあるかと思えば、
フロイス/篠田光亮くんのように、最初から“お笑い担当”も。(前回は♪部屋とワイシャツと私~、この日は♪愛しさと切なさと心強さと~だったかな?)
“サル”から“サル”までのサルづくしとか、
そのつながりで♪モンキーマジック~とか、
たしかにウザイくらいにギャグ満載でしたが、このフロイスの言葉が“砂漠に咲く一輪のバラ”に繋がるわけだしね
ただし・・・
芝居を横から切るようなおふざけはいらない
と思います。
・・・場面を間違えるとたいへんなことになりますね。
他にもいろいろ印象に残る場面がいっぱいあって、よくよく思い出せば、小ネタが満載の結構細かい舞台になってました。全体的には楽しい舞台でした。
・・・たぶん、アッキーがいなければ出会わなかった舞台だったと思います。
でもおかげでまたいつもとはちがう舞台の楽しさに出会えました。
『女信長』・・・新解釈の若さあふれる斬新な舞台でした。