やっと、この日がやってきました。
あの井上くんがついにトート❗と聞いた瞬間から、絶対観たい!!と切望していた『エリザベート』
ただし、一度だけと決めていたので、キャストにこだわったら、会える日がこんなに遅くなってしまった
『エリザベート』 2015.8.15(土) 17:30開演 帝国劇場
エリザベート 花總まり
トート 井上芳雄
フランツ 佐藤隆紀
ルドルフ 京本大我
ゾフィー 香寿たつき
ルキーニ 尾上松也
少年ルドルフ 大内 天
キャストも一新、セットからだいぶ変わりましたね。
いろいろなセットがみな水平ではなく、ちょっと傾いていたのはハプスブルグ家の崩壊の象徴?
ルキーニの進行で墓場からみんなが甦るシーン、以前はワカメか?でしたが・・・とろろ昆布?でした(笑)
井上トートの登場は舞台の中央真上から黒い翼に貼り付けられるようにご登場。(ハウルの黒バージョンみたい)
新『エリザ』のチラシでは白!?とびっくりしたけれど、舞台上の黄泉の帝王トート閣下は、黒い悪魔の化身っぽいイメージ?
以前より若返った(?)トートのヴィジュアルは、とにかく耽美でスタイリッシュ!!
トートに傅くトートダンサーズの方々は、これまた所々露出した肌にタトゥー(?)が施され、本当に肉体を駆使してる感じ。そして、彼らが動くとシュルシュル・・・となにやら摩擦音がして、ムカデのような虫が這っているような感覚が不気味でした
でーーー
とりあえずキャストの感想から。
トート/井上くん
想像以上でした。歌声は安定して迫力があり、かなり上から目線のアグレッシブなトート閣下でした。
シシィとの出会い、悠然と登場するけれど、その瞬間、目の色が変わった気がしました。うーん。なんというか・・・珍しい生き物を初めて見たみたいな感じ?(歴代トートのように、固まるとか、恋に堕ちたとか、そういう感じではない)
その後も「愛と死の輪舞」を歌いながらも執拗にシシィを離そうとしない感じが、ちょっと獲物を弄ぶ獰猛な動物のよう。
「最後のダンス」は激しくシシィに迫っていて、扱いもかなり乱暴な感じ。どう取り扱ったらいいのかわからないの?
ついでに言うと、メイクがかなり濃いめで、確かに悪魔っぽい(笑)そして時折、ニヤッと半笑いぎみなところが妖しくて怖い。
「最後通告」でシシィに迫る井上トート、え~~~っ!?机にシシィを押し倒したっ!?
いやいや、いくら若いからって
というか、その後も体操室で壁ドンとかいろいろあったけど・・・なんというかあんまり官能的ではない(不満?)
ある意味、トートは人間ではないのだから、そこの温度差はあって当然なんだけど・・・
いつもの井上くんの優しい声色は封印され、終始冷酷な物言いが印象的でした。
シシィ/花總さん
なんなのっ!?この可愛らしさったら!!!
いつぞやの『エリザコン』の時より、宙組の『エリザ』のVTRで観た時より・・・可愛らしすぎっ!!
少女時代の花總シシィ、まるでお人形さんみたいでした(まるで名香智子さんの漫画みたい)
「私だけに」のラストは本当に感動。思わず背中がゾワゾワ・・・鳥肌が。
ただ、あの曲の途中、いきなり出てきた斜めの板(?)を駆け上った時は、焦った
それほどまでの可愛らしいシシィがどんどん自我に目覚めていき、自分の美貌を武器に強い意志を持った皇后に変わっていくのがすごい。
1幕ラストのあの階段中央のシシィの美しさといったら!!目がくらみそう・・・
ルドルフにすがられても冷たく付き放つシシィはゾッとするけれど、精神病院での♪本当に私があなたならよかったのに・・・と歌うシシィの哀しさは胸に響きました。
フランツ/佐藤さん
最初の一声の♪わが妻、エリザベート~を聴いた瞬間から、グッと来ました。
すっごく優しいお声。見た目はちょっとアレですが(失礼)、若い時のフランツは本当に優しさに溢れ、晩年のフランツはすごく切ない。
「夜のボート」は久々に涙が出そうになりました
ルキーニ/松也くん
・・・どうしても育三郎くんがルキーニ、というのが私の中ではしっくりこなくて(すみません)期待して選んだ松也ルキーニ。
想定内でした(ごめんなさい)
この『エリザ』の中で最も大変なのはおそらくこのルキーニかも、と薄々は感じていたけれど・・・うーーん。高嶋兄の功績は大きかった。
松也ルキーニ、適度に胡散臭いし、濃い目だし、「キッチュ」でもカードやカップを大盤振る舞いでしたが、なんだろう・・・うん。がんばってはいたよね。
「ミルク」はちょっとダンスが変わった?あの迫力ある一体感のある「ミルク」が好きだったんだけどなぁ。
ゾフィー/香寿さん
こちらも迫力あって怖そうなお姑さんでした。
ルドルフ/京本くん
白い!細い!そして・・・お父様によく似ておいででした(笑)
青年ルドルフというより、少年ルドルフがやや成長した感じ?
ウィーンのカフェで革命家さんたちと一緒にいると、彼らがすごく大きくて大人なので(?)余計にそんな感じがする
お歌はなかなか上手だった。ただ、ちょっと姿勢が悪いのが気になりました。
へっ!?マイヤーリンクでは、ルドルフの方からトートにキス!?
これって昔の友達への親愛の情?自分から死を望んだってこと?
うーーーん。新解釈がイマイチわからん・・・
ルドヴィカ&マダム・ヴォルフ/未来さん
安定した歌声だなぁ。
ルドヴィカはちゃっかりママ感がすごかったし、マダム・ヴォルフの館はアダルト度がアップ。
どっちも未来さん、全開!!
でも、これって二役やる必要性ってあんのか・・・?
ちょいちょい、いろいろなところで演出が変わっていて、
シシィがハンガリーへ行って、市民の前でバッとマントを脱ぐと現れる三色旗のドレスが地味だったり、今まで馬車に見立ててムチを振るトートが、ただその場に座り込んでたので、ただのドSな趣味の人に見えたり、マデレーネに貞操帯!?とか。
あ、パンフ見たら、なんか知ってる元・宝塚の娘役さんたちがいっぱいいたり(笑)
重臣たちの中で、シュヴァルツェンベルク侯爵のお声がすばらしかったり、結婚式シーンで私の真横を井上トートが通り過ぎて行ったり(通路席だったのです)
もう何度も観ている舞台なのでどうしてもいろいろ比較してしまうのは悪いクセだけど・・・
総じて、やっぱり
『エリザベート』ってすごい!!
ドラマチックでファンタスティック。
あの井上くんがルドルフからトートへ、というのもやっぱり感慨深いものがあり。
・・・いやーーやっぱ、感動しました