前回の観劇からもう4年も経ったのか・・・と。
しかも、“この役を演じるのは、モーツァルトと同じ35歳まで”と以前から公言していた井上くんの“ファイナル”ということで・・・どうしても一度は観なくちゃ!!と、前々から用意したこの日のチケットは、あえて舞台全体が観える2階席でした
実は舞台上に描かれた楽譜を観たかったりして
『モーツァルト!』 2014.12.13(土) 12:00開演 帝国劇場
ヴォルフガング・モーツァルト 井上芳雄
コンスタンツェ 平野 綾
ナンネール 花總まり
ヴァルトシュテッテン男爵夫人 春野寿美礼
コロレド大司教 山口祐一郎
レオポルド 市村正親
セシリア・ウェーバー 阿知波悟美
アルコ伯爵 武岡淳一
エマヌエル・シカネーダー 吉野圭吾
アマデ 内田未来
『レミゼ』や『ミス・サイゴン』が新演出に変わっていく中、この舞台のはおおむね変更がなく(いや、ちょっとは変わってるけどね
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)昔と変わらずに観れました。なんだかすごく懐かしい。
市村さんの舞台復帰、本当に久々に観る山口さんや、そして今回、定番キャストと思い込んでいたナンネール役は、あの花總さんに変わって・・・全体的には安定していて、安心できる舞台でしたが、あまりにも長い間聴き慣れた(CDも含めて)歌やセリフなので、ちょっとした変化に?と気づいてしまう自分がいて・・・
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う~ん。なんと言っていいのか・・・ちょっとした違和感?のような??
まずは舞台でまた会えて本当によかった!!
レオポルド/市村さん
すごくお元気になられて・・・本当によかった。
以前の『M!』では、役作りなのかとってもお疲れのように見えたこともあったけれど、今回はそんなこともなく・・・
井上ヴォルフに対しては、おでこにデコピンしてみたり、小さい頃からずっと可愛がってきた息子、という自然な素振り。
こうして、レオポルドパパとして舞台に立っているのを観ると、どうしてもこの役は他の人では想像できない。
コロレド大司教/山口さん
これまた、お久しぶりの山口さん。
少しお痩せになりましたか?お顔のラインがちょっとほっそりしたような・・・
歌声はひと頃より迫力が抑え気味な気はしましたが、なんといっても安定の歌声と存在感。あの上からのモノ言い、赤いお衣装が似合うこと!!
あれ?っと思ったのは“お取り込み中”のシーン。以前は押しかけてきたヴォルフに直に対応するところ、今回はお構いなく美女たちとお戯れ中(笑)代わりにアルコ伯爵がヴォルフと衝突。僕(しもべ)には目も合わせん、ということ?
馬車の揺れは今までになく激しく、その度に、絶妙のタイミングで揺れに対応してくださって、例のあのシーンは、「うっ、くっあーー」と身悶えがもう限界一歩手前(笑笑)
ナンネール/花總さん
・・・かわいいっ!!
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以前のナンネールと違うのはドレスの色?(この薄緑色、もうちょっときれいな方が・・・)
夫ベルヒトルトとはかなり冷え切っているような・・・
でもな~喪服着てヴォルフの前に現れた時、「あ、シシィだ・・・」と思っちゃったのよねぇ。
なんとなく周りのみんなが大声で歌ってる(?)ので、お声が今少し物足りなかった・・・
男爵夫人/春野さん
お歌がお上手ですね~
大きく腕を広げて歌う姿は誰も寄せ付けない威圧感があって。
見た目はとても優しそうなんだけど・・・ヴォルフの才能を世に出そうとウィーンへ連れていくのは、2幕の最初を観てるとやっぱり“お金持ちの道楽”なのか、と思ったり。
セシリア/阿知波さん
このあくどさ・・・やっぱりこの人しかいないよな。ウェーバー家で、最初に巻き舌で歌いだした時“ああ、お歌が上手いなぁ”と感動してしまいました。
そして、あの「コンスタンツェ・・・私のかわいい子」のセリフを聴きながら『リトルマーメイド』のアースラーを連想してしまった
シカネーダー/吉野さん
やっぱり、好きだ
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・・・と、一番舞台が華やぐのがこのシカネーダー登場シーン。以前より遊びが少なくなって基本に戻った?それでも、十分に派手で印象的なシカさまでした。・・・あいかわらず、ダンスシーンはキマってます
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よく脚があがること!!
この役も吉野さん以外は考えられないなぁ
コンスタンツェ/平野さん
初めてです。
ちょっとメイクがキツめ?お歌はハキハキした印象(ってどんな?)若いなー。
すごく少女っぽいかと思えば、結構色っぽい(?)
「乾杯?それとも、キス?」の言い方がすごく怖かった(?)どんだけ怒ってるの?・・・それに対して井上ヴォルフはいきなりお姫様だっこで抱き上げてベッドへ直行(赤面)
で、
ヴォルフガング/井上くん
私がこの『M!』を観始めたのは2005年からなので、初演はわかりませんが・・・一言で言うなら、2007年の井上ヴォルフは以前より“深化”し、そして、2010年は“圧倒的な存在感”見せつけてくれた、というのが一番の感想でした。
そして、今回2014年。
・・・はっきり言って、すごく自然体でした。・・・う~~ん、シンプル。
何回も公演を観て、他のヴォルフも観て・・・いつもはどこかしら比較しながら観てしまうのですが・・・井上くんは、まぎれもなくヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトその人でした。
家族を想いながら、自分の才能を素直に信じて、夢や希望を心にいっぱいに持った天才音楽家。その才能を潰そうとする大きな支配から逃れ、より自由に自分の音楽を追求し生きたモーツァルト。
なによりも、井上くん本来の伸びやかで美しい歌声が心に響いてきたのがうれしかった。
どの曲も、井上くんが歌いだした瞬間に、私の中ではスイッチが入ったみたいに懐かしくてうれしくて感動していました。
「僕こそ音楽」を歌い出した時のあの幸福に満ちた表情、伸びやかな美しい声。
苦しみに満ちた想いを絞り出すような「影を逃れて」。
お互いへの愛が手に取るように伝わってくる「愛していればわかりあえる」。
家族への想いと、自分をわかってほしいと切々と訴える、胸が締め付けられるような「何故愛せないの」。
ああ・・・やっぱり井上ヴォルフも大好き!!
ヴォルフの成長物語でもあるこの『M!』は、まさに演じてきた井上くんの成長舞台でもあったんだと。
ああ、井上ヴォルフも卒業かぁ・・・
私も卒業しようかなぁ
とにかくこの『M!』という舞台は・・・なによりそこから感じること、考えさせられることの多い舞台でした。今回も観終わって、いろいろ考えました。まぁ、それはまた後日(?)