昨年の10月発売の25巻から、ずーーーーとその続巻が出るのを心待ちしていた「ピアノの森」。
やっと!!26巻が発売されました!!
ついに完結です
前巻のラストで、最年少でショパン国際ピアノ・コンクールで優勝したカイ。
同時に、カイが抱える、〝手”にまつわる重大な秘密のカギを握る、ミュージシャン・ハンド・ドクターの中尾がそのコンクール会場に!!
今までの話の流れの中で、カイは手に故障なんてしていないのに???と不思議だったけど、まさか、こーゆー展開だとは!?
・・・カイが望んでいたのは、25年前の事故でピアノが弾けなくなった阿字野先生の手を、手術で復活させること。
「阿字野には・・・俺の生涯のライバルになってもらう・・・って!」
「誰の・・・どんな素晴らしいピアノを聴いても・・・俺が憧れ・・・その存在を超えたいと思うのは・・・阿字野だけなんだ」
そう言って、カイがガラコンサートでアンコールに弾いたのは、あの「茶色の小瓶」
(しかも靴を脱いで裸足で!)
ジャンの
「男の子は父親を超えて初めて一人前になる」というのも。
もう・・・泣きました
ショパコンで優勝して、これから世界へ羽ばたいていくカイに、自分のような〝終わったヤツ”の心配をさせ重荷を背負わせた、と自分自身を責める阿字野先生。
これはもう、親のような感情ですね。
でも、カイにとってはやっぱり阿字野先生は先生以上の人。
それに、私、思い出したのです。
9巻で雨宮が日本に帰ってきて、カイの住む家に泊まりに来たとき、阿字野先生の昔のビデオを持ってきて・・・それを大画面でカイは初めて見ることになるのだけれど・・・雨宮が帰ってしまった後、一人でビデオを見ながらその演奏に自らピアノの音を合わせていくカイに、阿字野先生は言うのです。
「カイ、このピアノを超えろ。」と。
それはまさに、
「世界のすべてを超えろ」ということですよね~
・・・阿字野先生にはそんなつもりはなかったと思うけれど、カイにとってそれはすごい目標になったにちがいない
う~ん。あの時の何気ない一言がここへつながったのか
他にも、カイが、ショパコンの会場に入れなかったカミル少年のところへ(たぶんポーランドの田舎?)ピアノを弾きに行ったり、
阿字野先生を心の師と仰ぐパン・ウェイがすごく素直な良い青年になって、カイにアプローチする姿とか、
ピエロ仲間だった渋谷さんが、いつの間にかカイのマネージャーみたいになってたり、
そして、阿字野先生とレイちゃんがなんかいい感じになってるのも、今後が気になる・・・
ラストは手の手術を受けて、完全復活した阿字野先生がカンバック・リサイタルを開き、後半プログラムでは
カイと二人で弾く、
モーツァルトの「2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365」と、
ラヴェルの「ラ・ヴァルス」
「プリモ(第1ピアノ)ソウスケ・アジノ」「セコンド(第2ピアノ)カイ・イチノセ」というコールを聞いた(目にした)瞬間、その場で聞いたかのような錯覚に囚われ、胸が熱くなりました。
「ピアノの森」・・・ずっと追い続けてきた素晴らしい作品でした。