2回目で、最後のビリーでした。
ひと月前に観て、どうしてももう一度観たいと思い（最近、ここまでの気持ちになることはない
）
「これって、いろんな意味で絶対観た方がいいよ」と説得し、久しぶりに娘その２と母子観劇してきました。
さて、どうせなら違うキャストで・・・といろいろ調整した結果＋どのビリーで見るか？で、迷った挙句、選んだのは・・・
やっぱり、『ビリー・エリオット』って、基本バレエだよね、ということで、
加藤航世くん！！
線が細く、一見華奢なイメージだけど、一度踊り出すと、さすがに長年鍛えた身体は体幹がしっかりしていて、本当に強くしなやかで何度回っても身体の軸が真っ直ぐ。とにかく指の先までピシっと美しい！！
そして、本当にバレエを愛しているのが、役を超えて伝わってくる。
声もすごく男の子っぽくて、いい声をしてる。
どんどんバレエに魅せられていくビリー。「バレエをやりたい！」と主張する堅固な姿勢は、リアル航世くん！？
マイケルと二人ではじける「Expressing Yourself」スカートをはいた男の子二人が思いっきりタップするこのシーンは、本当に楽しくて圧巻。まさに〝It's Show Time！！”マイケル役の
山口れんくんすごくダンスもお歌も上手い！あれだけ踊りながら息が上がらずに歌ってる！！盛り上げもお上手。
「Solidarity」のラスト、くるくるくるくると何度もピルエットを繰り返す航世ビリーの姿には、本当に惚れ惚れ
「Angry Dance」元々の航世くんのイメージ（要はビリーのイメージ）がおとなしい感じだからこそ、腹の底から湧き上がってくる抑えられない感情が一気に爆発するこのダンスシーンの激しいこと！！
壊れそうなビリー。・・・男の子ってだいたいが自己表現が上手くできない（口が重かったりうまく言えなかったり）から、小さい頃から癇癪起こしたような状態に陥りやすいんだよね。
どのダンスシーンも本当にすごかったけれど、やっぱりオールダー・ビリーとシンクロするように踊る「Dream Ballet」・・・本当に美しかった
２階のものすごく後の席だったせいか、照明が床に広がってる様も幻想的で本当にきれい。
どうしても観たかった
大貫さんのオールダー・ビリー。栗山さんとはまた違う包容力のあるダイナミックなイメージ。常にビリーに微笑みかけるような優しい表情が印象的！！（←娘その２・談）
息をするのも忘れそうになるほど、美しいシーンでした。
個人的に大好きな「Electricity」は、もちろんダンスも素敵だったけれど、航世くんの素直な歌声に感動しました。
通して言えることだけど、それぞれのビリーがきっといて、みんなそれぞれに違っていて、それぞれにスゴイんだろうな。
航世くんに関しては・・・元々バレエが得意ということは、それ以外のタップやヒップホップは、相当練習したんだろうなぁ。
キャストについては、
鋼太郎さん
・・・ザ・父親でした。（特に、男の子のって感じ）
だからこそ、最初はバレエなんて、と頭から否定的（というか、まったく理解も容認もしてない）ビリーの「母ちゃんなら行かせてくれた！」にはかなりショック。
踊るビリーを見た時、やっとビリーの気持ちを考えられるようになるけれど、葛藤もかなり深そう。
しかも、鋼太郎さん、やっぱりお声がいい！
歌穂さん
柚希さんとはまったく違う。疲れ果てた感が強くて、ちょっとオバチャン度高め。
お母さんの手紙を読むシーン、途中からビリーのお母さんとハモるようにしてリンクしていく・・・ビリーに対して、どんどん母親目線になっていく感じ。
久野さん
愛嬌たっぷり。コミカルで可愛い。歌い出すとやっぱりさすがの歌唱力。（私にとっては永遠に〝エビータ”です）
相手をどんどん代えてのおじいちゃんとのダンスシーン、なかなか素敵でした。
藤岡くん
なんか、こういう血気盛んなゲスい役がいろいろ似合うよね。（誉めてます）
トニーって、大人になっても反抗期？歌は無駄に上手い
他にもいろいろと見どころが。
バレエガールズたち、実はそれぞれに個性的で、なかなか細やかな設定になってる。
どのシーンも、アンサンブルさんたち、お歌もダンスもメチャクチャ上手い。
特に、「Solidarity」本当にあの、警官と炭鉱夫とバレエガールズたちが入れ替わりながら歌って踊るフォーメイション、よく計算されていて緻密で、マジにスゴイ！！とにかく名シーンだと思います。
そのラストで、みんなの真ん中で美しいピルエットをキメるビリー。
航世くんのダンスのあと、客席は大拍手でほとんどがショーストップぎみ。（後で知ったけど、この日は航世くんの東京楽日だった）
お母さんの手紙、そしてラストで生まれた町を旅立つビリーが、お母さんに宛てた手紙の返事。・・・もうダメ。泣いちゃう
カーテンコールまでもが、ショーアップされていて、みんなでチュチュ姿。（もちろん、鋼太郎さんも！
）
歌穂さんの白鳥姿、可愛い。
なんなんだろう。あの全員が揃っての圧巻のフィナーレ。・・・そうだ。３０年以上も前に、生まれて初めて観た『コーラスライン』の感動をちょっと思いだしたりして
「あなたはもう、これ以上の作品に出会えないだろう」
本当に、キャッチコピー通りでした。
