秋生のEtude

音楽も映画も舞台も大好き!トキメキと感動を求めて、思い立ったらGO!
好き勝手気ままな雑多ブログへようこそ!!

『ミス・サイゴン』 2022年 8/9(火) マチネ

2022年08月11日 00時45分28秒 | 『ミス・サイゴン』
本当なら、2年前に観るはずだった『ミス・サイゴン』。
哀しい結末だとわかっているのに、なぜにこんなにも惹かれるのか・・・
今回、ぜひ観たいなぁ、と思ったキャストは3人。(義くんのエンジニア、海宝くんのクリス、充希ちゃんのキム)
でもこの3人が揃う公演は存在しなくて思い悩んだ結果・・・今日のマチネになりました


『ミス・サイゴン』 2022.8.9(火) 13:00開演 帝国劇場


エンジニア    東山義久
キム       高畑充希
クリス      チョ・サンウン
ジョン      上原理生
トゥイ      西川大貴
エレン      知念里奈 
ジジ       則松亜海 
タム       藤元萬瑠


うわーーーーっ。久々の帝劇!最後に行ったのはいったいいつ?
私は、2019年の『レミゼ』。
娘その2は、・・・なんと井上くんのラスト『モーツァルト!』・・・って、2015年!?うっそーー7年ぶり??
今日はA席から観劇。いつもはほぼ後ろは壁、というのが定番だったのに、めずらしくA席でも前の方で、S席の後ろと表現してもいい感じ。とても観やすい。(ただし、さすがにそれぞれの表情はオペラでないと無理

劇場に響くヘリコプターの羽音。聞き覚えのあるあの曲。あっという間に目の前にはベトナム。
ひと目で田舎から出てきた、とわかる風体のキムを、上手いことを言って店に連れて行くエンジニア。
エンジニアの店「ドリームランド」はGI相手のいかがわしい店。
過激な衣装の女たちは一見華やかで男たちは欲望でギラギラ、エンジニアの仕掛けた演出で盛り上がるけれど、その陰では女たちにとっては哀しい現実が繰り広げられている・・・
あいかわらずの激しい営業の中で、キムはたしかに白いドレス姿が目立ってる。
クリスじゃなくても、キムに関心を抱く男はいそうだけど・・・ジョンの差し金といえども、キムとクリスがこの夜出会うのは、もはや運命なのか?
・・・そして幕を開ける二人の物語『ミス・サイゴン』。

キム/充希ちゃん
最初はすごく控えめでたどたどしい。17歳の儚い感じがいい。それでも♪泣かない、考えない・・・あたりから意志のしっかりした印象が。
おとなしい印象だけど、言葉がはっきりしてすごく聴きとりやすい。充希キムはすごく自然体な感じがした。これも演技力かな。
戦火で家を焼かれ親を殺され・・・そんな過酷な身の上で、しかも自分自身も身を売るしかない。
それでも初めての男が(なんかこの言い方やだけど)〝一緒に暮らそう”と言ってくれるような優しい人で良かったということか。クリスと一夜を共にしたあと、クリスの情熱(?)に押し切られるように「いいわよ」と返事をするキム。
「サン・アンド・ムーン」はすごくよかったなー充希ちゃんの囁くような歌声がかわいい。(新演出になってから、なにかと絶叫するような歌い方がどうも苦手・・・
以前も思ったけど、ここの階段プレイ(プレイ言うな)結構、階段が急で見てるのが怖い。クリスがしっかり抱きとめてないとキムが落ちちゃうんじゃないかとハラハラ
「命をあげよう」の時のタムを見る目が好き。タムへの、そしてタムの中のクリスへの愛しさが伝わってくる。
バンコクでジョンに出会った時の、喜びのあまりはしゃいだ感じがCDで聴いてる美奈子キムっぽい。
そして、エレンと対峙した時の〝うそよ・・・”っと心の声が聞こえてきそうな落胆ぶり、からの畳みかけるような激しい感情の言葉の数々。もうね、とにかく必死。この必死さがいいの。(ちなみに私、今回ここで泣きました
そうだよ、そうだよねぇ。自分の今までの苦労、タムの将来、クリスがいつか迎えに来てくれる、という一縷の望みだけが生きがいだったキム。なのになのに・・・
クリスと入れ違いに、浮遊するようにホテルを出るキムの気持ちを考えると・・・もう哀しくて
そして、たった20歳の若い母親の出した答えが・・・この結末。
これって、前はタムのためだと思ってたけど、それと同じだけキムは自分の居場所がもうどこにもないんだよね。

クリス/チョ・サンウンさん
真面目そうな人。お声がクリアできれい。特に高音。(お国柄か、サ行の発音がちょっと気になったけど)
上腕二頭筋がたくましい。腹筋もすばらしい。(そこ?)・・・さすが元・シンバ(?)
キムのことが可愛くて仕方ないんだろうなぁ。キムにキスする時の”Chuっ!”って音がかわいかった(←細かい)
トゥイの侵入で、キムのことを更に自分のものとして再認識してより強く想うようになるんだろうな。
「世界が終わる夜のように」はまるで、君と出会ったのは僕の運命なんだ、とキムに言って聞かせる甘い告白のよう。
キムが〝夢、支えなのよ”というのを打ち消して、〝夢、もういらない”と言うのは、君の夢は僕が全部叶えてあげるから、という〝俺に任せておけ!”という決意表明?(少なくとも、クリスはこの時点ではキムを幸せにしようと思ってる)
・・・それがまさかのあの運命の行き違い。
サンウンクリスは、キムを守ろうと決めていたのに、守れなかった悔しさや情けなさがひしひしと伝わってきて・・・自分を責めながら運命を嘆いている感じだった。同時にエレンに対しても、はっきりと今の自分の気持ちを伝えている(某クリスのように決して甘えているのではない

クリスの評価って、結局はクリスが悪いんじゃんとか、男として許せないとか、エレンに甘えんじゃないとか、厳しいのも多々あるけど、最近思うのは、どの位誠実に思えるかで大分変わってくると思う。
キムの立場で考えれば、クリスがエレンと結婚しているから、もうそれだけでキムに対して不誠実に思えてしまうし、タムをすんなり引き取ろうと言わないのもちょっとマイナスポイントだし。
だからこそ、♪話そう~あの頃を~のクリスの告白は、クリスの評価を決めるところだと思ってます。


ジョン/理生くん
今回も、いろいろやってて忙しいジョンでした。
ジョンって、遊ぶ時も仕事する時も全力投球な男。それがいいとこでもあるから、キムをクリスにあてがう時も、「捨てていけ」という時もクリスに対する友情だけで動いてる。
帰国後、「ブイドイ」の活動した時も、おそらくは全力で係わってると思う。だから、キムとタムのことを簡単に考えるクリスとエレンに本気で怒りを感じたに違いない。でもさ、もしこれがジョン本人のことならどうしたんだろう?
ジョンは遊び方が上手そうだから(?)ジョンの子どもとか、あちこちにいそうもしくは、絶対にそんな失敗はことにはならないようにしてるんだろうな、とか。
以前、岡さんがジョンだった頃には、「ブイドイ」聴いても素直に感動したし、ジョンって結構道徳的な人だと思ってたから、こんなことを考えもしなかったんだけどなぁ。演出が変わってからジョンの見え方がだいぶ変わった気がする。
・・・個人的には、理生くんの熱いとこは好きだけどね。

トゥイ/西川くん
初めてのトゥイです。
見た目はきれいでかわいい。でも演技的にはギラギラしてかなり激しい。
すごく若く見える。あれ?いとこ同士のキムとトゥイってあんまり年の差ないの?と初めて思った。
キムへの愛情が執着と紙一重に感じられる。クリスに対してはすっごく高圧的で挑発的。ベトコンとGI、男と男、両方の敵対心が溢れてる。
キムの両親の写真を投げつける時の、そこまでしなくてもと思えるほどの激しさ。
難民キャンプでキムに会うシーン。自分の都合よくキムを考えてて、まさかのタムの存在に怒りが爆発!ここも激しいなぁ。
きれいな顔して怖いのって、かなりヤバイ怖さがある。(泉見くんタイプ)
そういう意味では、なかなか好みのトゥイでした。

エレン/里奈ちゃん
2度目のエレン。
今回「メイビー」をよくよく聴いていたら、エレンもキムに会ってしまってすっごい動揺してるんだとわかった。
クリスのことを本当に愛しているから、クリスが望むなら私を忘れてくれてもいい、って。えーーー?前は、私戦うわ、って歌ってたよね?
エレンにもすごい葛藤があって、その後のクリスの「妻は君だ」って言葉にどれだけホッとしたことか。
キムがあんなことになって、その後タムを引き取るであろうクリスとエレンが、同情ではなく、タムを心から愛してほしいと切に思ってしまった

ちなみに、本日のタム、すっごくきれいな子でした(真栄田郷敦に似てる)

エンジニア/義くん
なにしろ、帝劇に立ってる義くんを見るのは『レミゼ』のアンジョルラス以来。(クリエではほぼ毎年観てるけど
キャスト発表の時、義くんじゃ若すぎない?ってちょっと思ったけど、実はもう立派な40代。市村さんだって30年前はそのくらいだよね?そう考えたらエンジニアでもいいんだ、とストンと納得。
・・・冒頭のドリームランドでのドギツイ紫色の衣装がすごく似合ってました。店の女の子たちに喝を入れて働かせるやり手のエンジニア。
ジョンと言い争いになって興奮するジジを殴りつけるところは結構怖かった。
義くんってすごく色気のある人だから、カッコいいエンジニアになっちゃうんじゃないかと思っていたら、結構コミカルで、ボロボロの恰好の「生き延びたけりゃ」は自由度アップ
バンコクでの客引きは、最後の♪追加料金で~のとこはマジでエンジニア目当ての客がいるかも、と思ったり(笑)
もちろん「アメリカン・ドリーム」はさすがにダンスがキレキレで見応えあり。
エンジニアって本当に貪欲でアメリカへ行くためなら何でもしそうだけど、でも、いいとこまで行けても結局は夢は叶わない。私的にはそこがいいとこなんだけどな。
義くんエンジニア・・・想像してたより、すごくエンジニアでした(?)まだまだ伸びしろがありそうな・・・できればこれきりではなく、何年か後の舞台でもあと1度くらいは観たいなぁ。


総じて。
6年ぶりの『ミス・サイゴン」はやっぱりドラマチックだった!!
一夜の恋(?)で結ばれたクリスとキム。それが引き離されてしまう哀しい運命が切なくて。
それぞれの苦悩、葛藤。キムが命を賭けた愛。
時系列がその通りでないのもすごく構成として考えられていて。そしてなんと言っても秀逸な音楽!!
・・・観れば観る度に引き込まれる。深く追及したくなる。

今年で30周年・・・ここは、ぜひ!!DVDかCDを。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2020年 『ミス・サイゴン』 キャスト発表

2019年06月29日 21時14分09秒 | 『ミス・サイゴン』
5月に『レミゼ』を観た時には、もう4人のキムと、市村エンジニアの出演だけは知っていたのですが・・・
『CLUB SEVEN』の帰り道に、ネットのニュースで知りました。


エンジニアに、市村正親、駒田 一、伊礼彼方、東山義久

クリスに、小野田龍之介、海宝直人、チョ・サンウン

キムに、高畑充希、昆 夏美、大原櫻子、屋比久知奈

市村さんは、もう〝やめるやめる詐欺”ですね(笑)
駒田さんは、安定、かな。
伊礼くん、似合いそうだけど・・・きれい過ぎな気が
そして、まさかの!!義くん!!・・・一番想定外。う~~~ん。観てみたいような、観たくないような・・・

クリスに海宝くん!!!これって、絶対チケット取れないよぉ~~~


キムは・・・充希ちゃんは上手いだろうなぁ。昆ちゃんはもう、鉄板。
櫻子ちゃんは、まったくわからない。屋比久ちゃんは、もっとわからない。

う~~~ん。でもやっぱりこの作品は気になるなぁ。

これは、5月に帝劇にあったスチール。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ミス・サイゴン』 2016 10/30(日) マチネ

2016年10月31日 23時34分29秒 | 『ミス・サイゴン』
もうそろそろいいかな~~と思いながら、それでもいい舞台だとわかっているので・・・
と、いうか・・・前回(2014年の公演時)市村さん観たさにチケット増やしたのに、市村さんが病気で降板、というまさかの事態に
いつか、リベンジを!!と思っていたのだけれど。
そしてそれが、しかも市村さんのファイナル公演!!と聞けば・・・そりゃあ行くしかない!!
ちなみに、eプラスの貸切公演で、お土産(堂島ロールクッキーの詰め合わせ)付でした。



『ミス・サイゴン』 2016.10.30(日) 12:00開演 帝国劇場

エンジニア   市村正親
キム      キム・スハ
クリス     小野田龍之介
ジョン     上原理生
エレン     知念里奈
トゥイ     藤岡正明
ジジ      中野加奈子
タム      重松俊吾


主役の二人は、あえてフレッシュな初見のキムキム(ややこしーなぁ)と小野田クリスを選んでみました。
結果・・・すっごくよかった!!

キムキム
まるで子供のよう。(なにかの本で読んだけど、外国の男性から見るとアジア圏の女性って華奢で肌がきれいで、成人女性でもまるで子供のように見えるんですって)
新演出に変わってから、とにもかくにも絶叫系な(?)キムのイメージが強くて、そこがどうも好きになれなかったんだけど・・・・・・キムキムは、ささやくような透明感のある、ちょっとビブラート気味な歌声が、本当になにもかもに慣れてない初々しさが感じられて、すごくよかった
見た目も儚げで、男なら守ってあげたくなるような感じ。これなら、クリスがたった一夜で安らぎを求めるようになったのも、納得できるし、しかも芯のしっかりした感もちゃんと持ってて、エレンに感情をぶつけるところの激しさは、すごく痛々しいくらい。

小野田クリス
お歌が上手いのは知ってたけど・・・のびやかできれいな声。見た目も男らしい。
特に上半身のたくましいこと!!(以前はもっと細いイメージだったけど?)
そして、キムに対して優しい。キムを守ろうって感じがよくて、しかもすごく上から目線じゃないのがいいかも。
ただし、エレンの前では子供みたい。(その差がいいのか)
そして、エレンにキムのことを話す時、今まで、泣き落とし系・言い訳系・逆ギレ系・錯乱系(?)と、いろんなクリスを観てきたけど・・・本当にどうにもできなかった不甲斐ない自分に怒ってる誠実なクリスだったなぁ。(これって、昔観た、照井クリスに近いかも)
一緒に観た友人は「男らしい声が、サカケンクリスっぽい」と
ヘリに乗り込む前に、必死でキムを探して行き会えないのが、本当に悲しい。
運命に引き裂かれた二人・・・って思えた。
うわーー・・・クリスを責める気になれなかったって、初めてかも

里奈エレン
キムキムと比べると、見た目がアメリカンなので(?)まさにエレンだなぁ(笑)
キムがホテルに訪ねて来た時、いきなり「私はクリスの妻」って。(キムの「あなたはジョンの奥さんですか?」はなくなってた)
その後の、「メイビー」・・・キムの真剣な表情を見てしまったからこそ、エレンの葛藤は深いなぁ、と。
そして、オトナ。それでもクリスに責め寄る姿は、当然といえば当然だし、エレンだってかなりかわいそうだわー


藤岡トゥイ
なんか・・・歌が上手すぎるんだけどーーー
でも・・・なんかキムに対して、あんまり愛情が感じられない。これってもう男の意地?
結婚式に乱入してきて、キムの両親の写真を落とすシーンがすごく憎悪に満ちてて怖かった。
エンジニアを呼びつけて、キムを探してこい、というところ・・今までは「俺の従妹」といってたのに「この女」なんだ。
タムを見せられた時、「えっ?」って表情がどんどん歪んでいって「恥だぞ」って言葉の方がすごく入ってきちゃって・・・(キムへの愛がダダ漏れの泉見トゥイとは、ちょっとちがう気が


上原ジョン
・・・安定してますね。
冒頭のドリームランドでは、以前より少し良い人に(前回は本当に悪人だった)
「ブイドイ」は、圧巻!!でも、もう少し伸びやかでもいいかな~スタッカート気味に言葉を切ってしまうのがちょっと

そして、市村エンジニア
やり手で胡散臭くて、セコくて強かで、お茶目でちょっと哀しい。市村さんはもうエンジニアと一体化してる。
「生きのびたけりゃ」「アメリカンドリーム」どっちも素晴らしい。
ジジが歌う「映画は夢」よりも、市村エンジニアがワンフレーズ口ずさむ♪映画は夢~の方が、心に響いてくるのはなぜだろう?
うーん。流石だなぁ・・・


「火がついたサイゴン」・・・ドリームランドの女の子たちはビキニ姿で肌の露出も最大。営業も激しくて、店の中でここまでしなくても・・・と思うくらい。(この舞台って、学校関係者の見学とかもあるんだよね?
そんないかがわしい店だから、そこで働くことになったキムの過酷な運命を示唆してるんだろうけど・・・
最初のこの夜にクリスと出会うことが、始まりだから・・・そして、その後の二人の運命を決めていくんだろう。
ヘリでサイゴンを飛び立つあの時、キムと行き会えてさえいれば・・・
つくづく、二人を引き裂くあの混乱が恨めしい。

ヘリといえば、ヘリが飛び去るその時、帝劇中に風が吹きました。(私は1階のほとんど真後ろのA席だったけど)ヘリの爆風に飲み込まれるかののような錯覚。ディズニーランドの体感アトラクションみたい。
こんな新演出なら歓迎だわ~

ラストシーン、キムはタムを一人でクリスの元に行かせて、自分はカーテンの中へ。
今までは中が見えずに拳銃の音だけがして・・・でも、今回はそのカーテンが薄くて中で自ら拳銃を当てるキムが見える。
駆け寄り、キムを抱き起こすクリス・・・遅いよ、もう遅い。
ああ、やっぱりなんて悲しい結末なの


市村さんが本当にファイナルなら(ホントに??)私もこれで卒業しようかと思います。
最後に観た『ミス・サイゴン』が満足いくものでうれしいです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ミス・サイゴン』 2014 8/17(日) マチネ

2014年08月29日 23時48分39秒 | 『ミス・サイゴン』
ちょっと身辺が騒がしく・・・
あらら・・・あっという間にもう帝劇での千秋楽を迎えてしまった『ミス・サイゴン』の感想です

とにかく観たかった駒田エンジニアと昆ちゃんキムを観て、それなりに満足したつもりだったのに・・・やっぱりその楽曲の素晴らしさに魅せられ、“もう一度観たい!!”と思ってしまったのです。そして、気づいたらリピーターチケットを窓口で増やしてしまった私

『ミス・サイゴン』 2014.8.17(日) 12:00開演 帝国劇場


エンジニア    筧 利夫
キム       知念里奈        
クリス      原田優一
ジョン      上原理生
エレン      木村花代
トゥイ      泉見洋平
ジジ       池谷祐子
タム       浅沼みう



まずは劇場中に響き渡るヘリのプロペラ音と爆音、そしてあの男たちの欲望と女たちのかけひきのあふれる“ドリームランド”。
一番のクイーンになりながら、ジョンに必死に食い下がるジジが、低い声で歌い出す「我が心の夢」・・・なんだか、もうここで涙が
ジジにかぶさるようにして入ってくる女性たちの歌声の美しいこと!!
そんな中、17歳のキムがまるで決意するように自分のこれからの生き方を♪泣かない、考えない・・・と歌うのが切ない。


キム/里奈ちゃん
前回観た昆ちゃんキムがあまりにリアル17歳で、はたして17歳に見えるのか?と、ちょっと心配で(失礼)でも・・・かわいかったっ!!
里奈ちゃんのあの少女のような透明感、すごいなぁ。そのうえ強い意志をもっている。
クリスと一夜を共にしても、たしかにキムは泣いてはいないし、クリスに“女なんてみな同じ”的に侮辱されて、必死に自己主張するのは、若さと純粋さのなせる技だなぁ。そんなキムだからこそ、クリスは惹かれたんだろうけど。
里奈ちゃんキム、クリスの申し出に戸惑いながらもクリスに心を寄せていく姿が健気でかわいかった。
後半、タムをみる目の穏やかさに強い母の愛を感じました。
エレンに会って、クリスと一緒になれない失意の中で、タムを抱き寄せて“ママを忘れないで”と歌うキムに

クリス/原田くん
『ベガーズ』の頃からもう何年経ったのかしら?そりゃぁ、大人になるわけだ
前回の新演出ではじめて観た時、なんだかいつも怒鳴っているような激しさにちょっと引いてしまったけれど・・・「神よ何故」はやっぱり圧巻。
今回ヘリコプターに乗り込む際、キムの名を大声で叫び続ける原田クリスにちょっとだけ感情移入してしまいました。クリスも苦しかったんだ。キムを残してベトナムを離れることが。
だからこそ、エレンに縋る弱さが情けないし、もっと強い気持ちでキムを探してほしかったし、待っててほしかった、と思ってしまう。(←結局は、責める)

トゥイ/泉見くん
あいかわらず、絶対的権力者の雰囲気がプンプン。
そんなトゥイがキムを探し出して“婚約しているんだ”とキムに詰め寄るシーンは、唯一“これってかなり屈折してるけど、愛?”と思えるところですが、タムの存在を知った途端、トゥイは混乱して錯乱してもうぐちゃぐちゃ。個人的にはこの激しさが好き

エレン/木村さん
きれいな声・・・安定してますね。
以前は“私は妻!”というのが前面に出て、もしかしてエレンってやな女?と思わせる部分もあったりしたけれど、新演出になってすごーーくものわかりのいい妻になってって(いや、どう考えてもエレンはまったく悪くないけどね)
えっ!?もしかしたらキムにクリスを譲っちゃう?(みたいな歌詞だったよね?)
逆ギレして(?)最終的には泣き崩れる(??)クリスを♪いいのよ~と許しちゃうのが、「のびたさんって、私がいなくちゃダメだから」とのびたと付き合っちゃうしずかちゃんのように見えてダメだよ~甘やかしちゃ、と思ってしまいました・・・

ジョン/上原くん
いろいろ役割が増えて、いやな男部分が増えたせいか・・・「ブイドイ」は素晴らしいけれど、なーーーんかいろいろムカつくジョンでした(上原くんが、ではない)
クリスに子供のことを知らせた時も、「僕でも迷う」とか言うけど、ジョンは絶対見捨てそう~とか思ったし、クリスとエレンがキムとタムのことを考える時も、「キムの気持ちを考えろ」って、じゃあ、エレンの立場はどうなるのっ?とか。
最後は、ジョンがキムをホテルに連れて帰って、先にクリスに会わせてやればよかったじゃん、とか
だって、キムとクリスってあんなにそばにいながらキムが死ぬ時まで、再会できないんだよね。


エンジニア/筧さん
最初だけ、なんとなく違和感がありましたが・・・あの小柄な体格で“大物”に見えない胡散臭い感じは、また独特のエンジニアっぷり。
駒田さんは、「生き延びたけりゃ」が印象深かったけれど、筧さんは圧倒的に「アメリカン・ドリーム」がよかった~
なんだかね・・・生い立ちから始まって、どんどん夢が膨らんで、それなのに最後にばっとはじけて、そして、見る見る間にすべてが消えていく、その瞬間が切なくて
筧エンジニア・・・みんなより稽古時間も少ないのにすごいな~プロだなぁ~と思って観てしまいました。




実は・・・全体的にですが、新演出に変わって、少しずつセリフや歌詞が変わっていることに気づいた前回の公演でしたが、今回はそれがすごく明確に感じられて、その意味までも深読みしながら観てしまいました。
たとえば、ドリームランドに連れて来たキムに、エンジニアは♪さあ、脱ぎなよ~と。(今までは♪なぜ、脱がない~?だった)もう、キムにそういう仕事をさせる気満々だわ。
今までずっと、ジョンへの電話でクリスがキムを♪あの子はまるで蓮の花~と、例えていた詞は、やっぱり♪月のよう~、に。
これって、夜の暗闇に輝く美しい月(=クリスの心の闇に浮かんだ白く輝くキムの存在を意味するの?)とか。その後に歌う「Sun and Moon」にひっかけてるのか?とか。
あと、エレンがクリスを責めるシーンでエレンが「あの子と寝たけれど・・・愛したとは言わなかった!」と言ったのにびっくり
うーーん。たしかにそうなんだけど(以前は“暮らしたけど”と言ってたけど“暮らす”ってほど時間はなかったはず
なんか、クリスがこういうふうにキムのことをエレンに説明したのか、と思ったら、やっぱりキムへの想いは、愛じゃなくてそういうことかいと。
自分が精神的にきつかった時、出会ったキムに“ひとときのやすらぎ”を見出したのは事実だろうけれど、結局はそれも“男の一時的な気まぐれ”と「あの子を守りたかった。でも失敗した。」って・・・キムにとってはそれじゃ済まないのよっとやっぱり腹立たしく。
エレンは結婚前のこととはいえ、クリスをもっとなじって、別れたって不思議じゃないじゃん、とまで思ってしまった。
エレンはクリスを愛しているから許せたのかもしれないけど、簡単に“子供だけならいいわ”というエレンって、すごーーーーいと思ったし、実際、最終的にキムがあんな形で死んでしまって、タムへの同情だけで、この先タムを本当に愛して暮らしていけるの?と。第一、クリス自身がタムを愛せるのか?
二人はこの先すごーーーーーーくたいへんだろうし、タムはキムの記憶を失くしはしないしないだろうし・・・とか、すごく現実的なことを考えてしまいました。
だって、タムがクリスに愛されなかったら、自ら死を選んだキムがかわいそう過ぎる


はぁあ~曲も素晴らしいし、好きなんだけどな『ミス・サイゴン』。
やっぱりこの舞台って・・・つらいわぁ・・・





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ミス・サイゴン』 2014 7/26(土) マチネ

2014年08月01日 23時19分45秒 | 『ミス・サイゴン』
2012年の新演出を観た時は、その迫力にとにかくびっくり。
いろいろな場面がよりリアルで、キャストの歌声はだれもが絶叫するかのような激しさで、少々びびった記憶が


『ミス・サイゴン』 2014.7.26(土) 12:00開演  帝国劇場



エンジニア    駒田 一
キム       昆 夏美        
クリス      上野哲也
ジョン      上原理生
エレン      木村花代
トゥイ      神田恭平
ジジ       吉田玲菜
タム       新津ちせ


昆ちゃんキムと駒田エンジニアが観たくて取ったチケですが、新クリスの上野さんに関しては、この歌声を聴いた時、“伸びやかでいい声をしてるなぁ”と(特に、♪群れとなりて~~~のところ)決めました。
ならばいっそのこと、今まで観たことのなかった神田トゥイも、と。

結果・・・今までになく新鮮な『ミス・サイゴン』を観た気がしました。


キム/昆ちゃん
ヘリコプタープロペラ音と爆音が鳴り響く舞台、人々の雑踏の中に現れるキム。いかにも田舎者っぽくオドオドとエンジニアに手をひかれ、猥雑なドリームランドへ。
エンジニアに言われるまま、どうしていいかわからない不安いっぱいの17歳のキム。
・・・昆ちゃんの今の心境はきっとそのままキムの心境だったにちがいない。
だからこそ、すごく自然にすごくリアルに昆ちゃんはキムに同化して見えました。真っ直ぐで純真な心を持った少女。クリスへの一途な想い、タムを愛しむ母親の愛に、胸が熱くなる気がしました。
そして、歌声は堂々としていて、最初に観たジュリエットの頃より、またまた上手くなったなぁ、と。

クリス/上野さん
派手な感じはなくとても真面目そうなイメージの方。
歌声はきちんとした(?)印象で、ちょっと今さんっぽい?
たぶん、この舞台の上で一番緊張していたのは、上野さんだったかもしれない。
キムとベットに入る時、意を決したようにガッと服を脱ぐのだけれど・・・すごく鍛えられ整った筋肉にドキっいったいどこ見てるんだ、私
そして、ジョンとの電話シーン、今まで“ハスの花~”だったセリフは“月のよう~”になってました。(原田クリスはなんて言うんだろ?)
2幕で、エレンにキムのことを説明するところ。
・・・今までいろんなパターンのクリスを観たけど(泣き落とし系だったり、いいわけ系だったり、自虐系だったり、逆ギレ系だったり)この上野クリスは・・・錯乱系?ですか?なんだか途中で自分でも何を言いたいんだかわからなくなってる?・・・本当に本当に申し訳ないけど、私の頭の中であの話題の某号泣県会議員が浮かんでしまった・・・

エンジニア/駒田さん
市村さんとはまた違ったテイストの、でも十分、胡散くさいエンジニアでした。
♪生き延びたけりゃ~と歌う駒田エンジニアは、ずる賢く調子よく、すごく自然でした(誉めてます)
なんでかな?駒田エンジニアは、口ではキツいことを言いながら、キムに対してはかなりやさしい感じがしました。

トゥイ/神田くん
観た方々が、口をそろえて“すごくいいよ!”と聞かされていたのに、どうしても泉見トゥイを選んでしまった私・・・はじめてお目にかかりましたが・・・
たしかにいい。
小柄なのがちょっと惜しいけれど、迫力もある。
そしてなによりびっくりしたのが、歌声がすっごくきれい。
キムに向かって♪二人のさだめなのだ~と歌う神田トゥイ・・・どっちかといえば♪不実なこの町~とクリスの「世界が終わる夜のように」で聴いてみたい、と思ってしまった

ジョン/上原くん
すごく存在感がある上原ジョン。
ジジを引き当てる“№66”は、ジョンだった?あれれ?サックスを吹くのも?
ここでのジョンを見ていると、かなりひどい男だなぁ、と。それなのに「ブイドイ」で正面切って歌うジョンを見てるとすごく違和感を感じる
サイゴンを離れる時に、キムを連れて行きたいというクリスに“砕ける夢、今砕けろ”と現実的な言葉を投げるジョンは、ひたすら冷静で・・・クリスとの対比で考えるとこうなっちゃうんだろうけど。
・・・そういえば、ジョンは帰国して誰かと結婚したのだろうか?


B席のものすごく見晴らしのいいところから観たおかげで、全体がよくみえて「ミス・サイゴン」の細部を観ることができました。
冒頭、エンジニアのクラブ“ドリームランド”での女の子たちの衣装がものすごく露出が多くて、営業の激しさにも
サイゴン陥落のドラゴンダンスは力強く、一糸乱れぬ群舞に感動。
前回、ヘリが飛ばない~とCG多用だったシーンは、実寸のヘリ(?)が頭だけ復活?(やっぱりここはこうでなくっちゃ!!)
バンコクの町で客引きするエンジニア、ライバル店の客引きは若くて格好良くて、エンジニアの不利なのが一目瞭然。“男性専科”な店があったのも新演出ならでは?
「アメリカンドリーム}でキャデラックの上にもドル札が舞い踊るマッピングもばっちり。迫力~!!(これは2階から観る方がいいかも)

やっぱり最後は泣きました
「ミス・サイゴン」・・・哀しい結末に胸が痛みますが、やっぱり素晴らしい舞台でした。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新鮮舞台?『ミス・サイゴン』

2014年07月27日 11時45分29秒 | 『ミス・サイゴン』
昨日7月25日に初日を開けた『ミス・サイゴン』を早々と観てきました。
ずっと“きっと必ずいつかはキムを演るだろう”と思っていた昆ちゃんキムと、“あのクコールさんが!?”とうれしかった駒田エンジニアが観たくて・・・
それならいっそのことなるべく新しいキャストで観てみるのも新鮮でいいかな、と

・・・ざっとした感想としては、まだ始まったばかり、ということでみんなどこかしら“硬い”かな、と。
でも以前感じたような“とにかく絶叫!”みたいな歌う方ではなかったし、いろいろ歌詞がちがうところとか、衣装とか、セットとか、細かいところがちがっていました。
たしかに・・・いろいろ発見があって“新鮮”でした。

うーーーーーーーん。細かい感想は後ほど。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ミス・サイゴン』 2012 9/8(土) ソワレ

2012年09月12日 23時36分28秒 | 『ミス・サイゴン』
本当は、観る予定はありませんでした
ヘリコプターの飛ばない『ミスサ』なんてなぁと。
でも、新しい映像演出がなかなのものだと聞いて、ちょっと興味が
とはいえ、まったく観る気がなかったので・・・ありゃりゃ・・♪行くにゃ、ビザ(チケット)がない~~っ!!
でーーーーー、空からチケットが降ってこないかと、何日か、雨乞いもどきの日々を過ごしていましたが・・・わ~~い!降ってきたっ!!
というわけで、マチソワという強行スケジュールを組んでしまいました


『ミス・サイゴン』 2012.9.8(土) 17:00開演 青山劇場


エンジニア    市村正親
キム       新妻聖子
クリス      原田優一
ジョン      上原理生
エレン      木村花代
トゥイ      泉見洋平
ジジ       池谷祐子
タム       加藤憲史郎


新演出、ということでいろいろ変わってました。
ヘリコプターのプロペラ音、爆音が激しく、キムはエンジニアに助けられ、店に連れていかれる・・・
“ドリームランド”はカウンターのある、前よりちょっと小じんまりした店になってましたが、店の女の子たちはもう衣装からエロ過ぎ!?そして、GIたちとくり広げる“営業”もかなり激しく(?)目のやり場が・・・
以前は違う人が66番を引き当ててたはずだけど・・・ジョンですか
・・・と細かく書いているとどうにも進めないのだけど、とにかくセットが変わっただけでも、前とはちょっと違った印象でした。
キムとクリスが一晩過ごす部屋は店の2階という設定で(これって、席によっては見切れちゃうかも)がばっとシャツを脱ぐクリスに、意を決したようにドレスを脱ぐキム・・・ベットになだれ込む二人が、なんだかリアルで痛々しい。
・・・恋とか、夢とか、そういうロマンチックな感じじゃなくて、キムの“生きるため”って切迫した感じとクリスの“なにもかも忘れたい”って感じから始まるところが・・・うわーーーっ。なんだか今までと違う。
その後、キムの激し過ぎる“身の上話”を聞いたクリスはキムに「一緒に暮らそう」と告げ、一気に「Sun and Moon」で盛り上がるのだけど・・・
ここの階段プレイ(プレイ言うな)は、私的にはあんまり・・・
キムの♪紙のドラゴン(あれ?ユニコーンじゃない)飾るわ、いいかしら?・・・あの一連のくだりは、ベッドの中で甘く囁くように戯れながらだからいいのに!!っと思ってしまった・・・

他にも、舞台の両脇に作ったセットや奥行きのある映像が、より場面を凝縮したそれぞれのリアリティを放っていて、より濃密な、具体的というか、より現実味を増した・・・うまく言えないけど・・・今まで以上に“夢物語じゃない『ミス・サイゴン』”を観た気になりました。
衣装も、最初キム柄もののアオザイ、難民キャンプでは薄汚れた青いシャツにズボン。(いかにも当時の難民が着てそうなもの)

心配だったヘリコプター映像は、思ったより迫力があって旋回して着陸するところや、兵士が次々に乗りこんでいく様とか、うまく合致していて違和感がなかったです。(私の席が後方センターだったからかも?)
ホーチミン像は頭だけになってたけど、その時のドラゴンダンスの演出がすごい!!
爆竹が鳴り渡り、ドラゴンが蛇の舞(?)鼻から煙を吹き出し、ダンサーのバク転も満載。とにかく派手でアクロバティング!!
一番、印象に残ったのは1幕ラストかな。真っ赤な夕陽の映像がすごく効果的で美しかった。


キャストに関しては、全く自分チョイスではなかったけれど、それぞれとてもよかったです。
キム/聖子ちゃん
小柄なのでちゃんとベトナムの女の子に見える。歌はやっぱりダントツに上手かったです。そして・・・なんかすっごく激しい(?)(前もこんなに絶叫してたっけ?)
↑に書いたように、キムの必死さがひしひし伝わってきて、怖いくらい
クリスを愛すること=タムを愛すること。キムはタムを見ながらその中にクリスを見ている。タムは愛する息子であると同時に、愛するクリスの愛の形見だから。
2幕の、タムをクリスに渡す直前の♪ママは行けないけど~で、涙腺崩壊・・・

クリス/原田くん
すごく大人っぽくなっててびっくり!!
歌声は美しいまま、でもすごく逞しく男っぽくなって。
真面目な性格だからこそ悩み、キムを救えなかったことで自責の念にかられて崩壊しかけるのもよくわかった。
・・・でもね。エレンにキムの事を打ち明けながら、あのまるで“逆ギレ”のようなあの場面は激しすぎて・・・だから?なに?キムを捨てるというの?タムを本当に受け入れる気はあるの?キムに同じことを言えるの?
そうやって女の一人も救えなかったくせに別の女にすがるのね・・・といつになく責めたくなってしまった・・・(これは、原田くんの演技力のせいか?)

ジョン/上原くん
やっと“お父さん”でも“上司”でもない、“親友”に見えるジョンに会えた気がします
冒頭のジジに対する行動とか見てると・・・ジョンも結構ひどい男だと思える。キムをクリスに“奢る”のもある意味、女を人としてなんか見てないよね
それなのに2幕では、すごーーく物分かりがよくていい人になってて・・・ベトナムから、クリスは病んで帰ってきたけど、ジョンは大人になっていろいろ悟って帰ってきたのか?
「ブイドイ」は、上原くんの雄々しい歌声がたくましく美しく・・・満足でした。

エレン/木村さん
四季時代の最後に観たのは確か『夢醒め』・・・きれいな歌声でした。
今回エレンの歌が新しく追加されていて、エレンの心情がよりはっきりとわかります。
エレンって、本当はどっこも悪くない善良な妻なのよね。結婚した相手の過去なんて本当は知りたくないだろうし、キムに会った時もかなり冷静にふるまうけれど、ある意味、気の毒なのはエレンの方だよね・・・

ジジ/池谷さん
前回、どうしてもお目にかかれなかったジジ。
低めのお声がなかなかセクシーで「我が心の夢」は悲哀と絶望感にあふれてました。
キムの歌う♪夢があるのよ、果てない夢が~と、ジジの歌う♪見せてよ~夢~は、同じではないけれど、慣れないキムを庇うように、そこにいるジジが切ない。

トゥイ/泉見くん
まず、もう一度会えたことがうれしい!!(実は、クリスよりキムより“泉見くんのトゥイ”が好き
3年もの月日をかけてキムを探し続け、やっと会えたキムに本当にうれしそうに微笑みかけるトゥイ。
暴力で痛めつけても、それは愛ゆえ。タムを殺してでもキムを手に入れたいトゥイの想いの激しさ。
結果として、その愛するキムに撃たれて息絶えるトゥイ・・・なのに最期まで手をのばしキムを求めるトゥイの想いは死んでもなお消えない。夜ごと亡霊となって現れるトゥイ。
キムのことをずっと愛していたのは、実はトゥイの方だと思います。
けれど、トゥイはベトコン・・・つまり戦争を嫌うキムにとっては、戦争を始めた男で、それに引き替えクリスはそのつらい戦争からキムを救ってくれた男だったんだ・・・

エンジニア/市村さん
はぁ~~~何度観ても、何年経って観ても、やっぱりこのエンジニアとしての存在感は健在!!
ずる賢くて調子がよくてギラギラと野望に満ちていて、そのくせすごく哀愁があって。
「アメリカンドリーム」は、スクリーン映像が多用されていて、かなり派手派手で、あの白いキャデラックが以前と同じように出てきてくれたのはうれしかった!!
どんなに強く望んでも、アメリカには行けないエンジニア。
キムとタムをパスポート代わりにともくろむけれど、それなりに二人には感情移入しているようで、ラストシーンでキムの死のショックをぶつけるかのようにジョンにくってかかるエンジニアの憤りが切なかった・・・


タムは偶然にも加藤清史郎くんの弟・憲史郎くんでした。
「命をあげよう」で、以前はスケッチブックのようなものにお絵かきしてたけど、今回はなにか袋を破いて広げたような紙の裏にお絵かきしてました。
・・・こんな些細なところもリアルだったな



4年ぶりに観た『ミス・サイゴン』はーーー
新演出で、よりリアルな印象を受けました。同時に以前とは違った見方も

それでもやっぱりなんといっても、楽曲の素晴らしさに感動しました。
暗く哀しい結末は、いろいろな想いが交錯して決して晴れやかな気分にはなれませんが、やはりすばらしいミュージカルだと、またまた再認識しました。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アメリカン・ドリーム

2012年06月05日 23時25分32秒 | 『ミス・サイゴン』
先日、TVに出ている市村さんを観ました。

過去の舞台映像もちょっぴりご披露(うれしい)
デパチカでうれしそうに食べ歩いている市村さん・・・お茶目だ
愛する息子ちゃんのレアな話やら、音楽でテンションを上げる話など・・・(カラオケが弱点ですか!?)しかし・・・市村さん、どんどん若返っている気がするのはなぜだろう(爆)
20年来の親友だというもんたよしのりさんの♪「ダンシング・オール・ナイト」を聴きながら、なにげに瞳を潤ませる市村さん。

そして、ひとたび赤い上着を羽織れば・・・もうエンジニア!!

「アメリカン・ドリーム」を短い時間ながら熱唱する市村さん

ああ、ちゃんと全部聴きたかったよぉ~


今期の『ミス・サイゴン』は・・・
クリスのイメージがイマイチとか、キムが3人揃ってお姉さんっぽいとか、どうせヘリコプターは飛ばないしなぁとか、
いろいろ考えて、いっそのことパスしちゃおうかと思っていたのだけれど・・・

こんな市村エンジニアとか観ちゃったら・・・心がグラつくじゃないのっ!!
あの泉見トゥイの“サイゴン陥落っ!!”とか、はたまた新・上原ジョンの♪「ブイドイ」とか、・・・観に行けば生で聴けるんだよね・・・


う~ん。う~~ん。悩むわぁ



コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ミス・サイゴン』 2012夏!!

2011年11月30日 23時54分52秒 | 『ミス・サイゴン』
「帝劇100周年の記念公演なら、これが上演されるのは当然じゃない!?」
「そーだよね。やっぱりこれって帝劇には欠かせないよね。」

と、我が家では再演をものすごく期待していた舞台『ミス・サイゴン』。

きゃーーーっ!!本当に再演!?


伝説のミュージカル『ミス・サイゴン』新演出で2012夏、再演!!


が・・・あれ?帝劇じゃない
しかも、新演出!?・・・ってどんなの?
それに、その前の5月の『エリザベート』は、まだシシィしか発表されてないのにキャストまでバーンと発表されてるし

・・・う~~~~~ん
納得できる人もいるけど、楽しみな人もいるけど、なんとも・・・ビミョウな人もいるよね(私的にです
それに・・・新演出って“大型スクリーン映像を駆使して”・・・って、ヘリコプターは飛ばないんだ!?
もしかしてCGってこと?はらら~~どんな舞台になるんでしょうか?

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愛は守るもの?

2008年09月05日 21時14分50秒 | 『ミス・サイゴン』
舞台『ミス・サイゴン』・・・キムとクリスの恋。
たった一夜で恋に落ちる二人、ですが、どうでもいいけどちょっとツッコんで考えてみました。
クリスは、♪神よ、何故~と歌うとこあたりから、キムに心が向きだしていることがわかるのですが(そのあと、突然に「一緒に暮らそう!」なんていきなり言い出すし
でも、キムはクリスの勢いに押される、というか多少戸惑いもあって・・・
う~ん、この二人はどこでどう、恋をするんだろう?
・・・
普通こういう劇的な恋は、やっぱりひと目惚れ?
というとやっぱり「ドリームランド」ですよね。
はじめて店に出たキムをエンジニアが紹介した時、クリスは落ち込みモードが激しくてキムにもそれほど興味はない。
♪17歳ではじめて・・・と歌いだすキムのがあるのよ~にちょっとビクっとするクリス。
「あの娘は、誰だ?」
・・・空虚なクリスの心にさくっと突き刺さったのは、この♪“夢”って言葉でしょうね

その後、キムを気に入ったGIが、しつこくキムにちょっかい出して、クリスがそれを助ける・・・
ああ、そうか・・・キムはこの時、もうクリスに好印象を持ってるんだ・・・
欲望丸出しのギラギラした男たちの中で、クリスだけが自分を助けてくれたんだものね

電気がビ・ビ・ビっと走ったように恋に落ちるだけが、恋の始まりじゃなかった・・・

身を売ってでも生きていく覚悟のキムだから、男を部屋へ連れて行くのは当然だったのだろうけど、キムの心の中で本能的にクリスを選んでいたのね、きっと。
(ここで、オトナな疑問。二人は物言わず服を脱いでベットに入るけど・・・マジで???・・・キム=必死の覚悟。クリス=“据え膳食わぬは?”)

クリス♪神よ、何故・・・絶唱。

キムの身の上話を聞いて、キムヘの想いを強くするクリス。


クリス「会えるか?今夜」
キム 「クラブにいます 愛を売りに」
クリス「だめだ!」

・・・もうすでにクリスはキムを誰にも渡したくないと思ってる・・・


う~ん。
愛って“守りたい”って思うことなのね、きっと



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする