秋生のEtude

音楽も映画も舞台も大好き!トキメキと感動を求めて、思い立ったらGO!
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『モーツァルト!』2024 9/19(木)ソワレ

2024年09月25日 23時06分14秒 | 『モーツァルト!』
モーツァルトと同じ35歳まで、と井上くんがヴォルフを降りて、私も『M!』を事実上卒業(実をいうと、それ以上にシカネーダーが吉野さんじゃないのがイヤで)・・・でも、きょものヴォルフにはちょっと興味があって。元ジャ〇ーズだし、チケットなんてまず取れないだろうなぁ~と思ってたらなんと!先行予約で当たってしまった!!(2階A席だけど)
帝劇も最後だし(『レミゼ』の公演は今のところ、先行外れまくり)もしかしたらこれが現・帝劇で観る最後の公演?というわけで・・・

井上ヴォルフのファイナル公演から・・・実に10年ぶり(正確には9年9か月ぶり)に観てきました。


ミュージカル『モーツァルト!』  2024.9.19(木) 17:45開演 帝国劇場


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト  京本大我
コンスタンツェ               真彩希帆
ナンネール                 大塚千弘
ヴァルトシュテッテン男爵夫人        香寿たつき
セシリア・ウェーバー            未来優希
エマヌエル・シカネーダー          遠山裕介
アントン・メスマー             松井工
アルコ伯爵                 中西勝之
コドレド大司教               山口祐一郎
レオポルド                 市村正親
アマデ                   星駿成


舞台セットが大きなピアノになっていたり、ヴォルフの衣装がめっちゃ増えてたり、猊下の例のシーンがなくなってたり、新しい曲が増えていたり、宝塚ばりの銀橋があったり・・・さすがに10年ぶりともなると、いろいろ変わっていてびっくり!それでも、聴き慣れた曲が流れてくると、胸が熱くなりました。

きょもヴォルフ
『エリザ』のルドルフで観たのは2015年。まだ少年のようだった印象がある。
立派な青年になってました。あいかわらずきれいで可愛い顔。声は優しめで透き通るよう(なので、あんまり強めの印象は残らない
とにかく明るくて陽気で真っ直ぐ。幼い時から甘やかされて愛されて育った感が強い。反発しながらもパパのことは大好きみたい。そして、ナンネールと並んだ時の弟感は、今までのどのヴォルフより強かったかも。
とっても等身大の若者で、喜んだり怒ったり、軽やかに見えた。うーーーーん。こういうヴォルフもありといえばあり?
大人になったヴォルフには、アマデという才能の化身が常にそばにいて(舞台上の人々には見えないけど)素のヴォルフはただの悩み多き若者でいいのかもしれないけど・・・神の子とまで呼ばれ今も天才と思われているヴォルフは、やっぱり〝並みの男”じゃないものを持ってるはずだし、人にはわからない苦悩や葛藤を抱えているはず。そのへんがちょっとだけ弱めだったような・・・(きょもはすっごく頑張っていたと思うし、概ねは認めているけど・・・ただただ私が血を吐くような激しい苦悩を抱えたヴォルフを求めているだけ)
やっぱりこの役って、本当に難しい。ただの凡人に見えてはやっぱりダメだし、それを表現できる歌唱力なり演技力なりがないと、ヴォルフに感情移入できないんだよね
一番、心に響いてちょっとつかまれたのは「何故愛せないの」でした。うん。きょもヴォルフ、まだまだのびしろはあると思います。(何様?私って?)

希帆コンスタンツェ
『ルパン』から2度目の真彩希帆さん。
声の使い分けがすごいなぁ。可愛いだけじゃなくて冷たいお声もなかなか響く。「ダンスはやめられない」の壊れっぷりは気持ちいいほど。(ほめてます)
〝乾杯?それとも・・・”のとこ、結構怒ってたなぁ。(私個人的には、ちょっと拗ねたくらいが好きだけどね)
・・・この方、いつか『エリザ』のシシィになりそうな予感がいたします。

ちーちゃんナンネール
今回、一番楽しみにしていたちーちゃんナンネール。
予想していた通りのぴったり。「プリンスは出て行った」は聴いてて泣きそうになった。

香寿男爵夫人
もう何度、観た(聴いた)かな。もう安定、の一言。
ただ純粋にヴォルフの才能を世に出したい一心、と思っていたけど、2幕の冒頭「ここはウイーン」をよくよく見てると、ヴォルフのプロデュースによって社交界の話題をさらっていて、結構、得意気?でもまあこの人がいなかったらヴォルフのウイーン進出はないのだから・・・

市村パパ
常にヴォルフを叱りながら、だいぶ弱々しい箇所も垣間見えて、痛々しく、天才の子の父という立場にちょっと同情してしまった。きっと気の休まる日なんてなかったんだろうなぁ。

山口コロレド大司教
とにかくすっごい気迫!!歌声は何年たっても健在。いやパワーアップしてる!?あの馬車のシーンはいつ見ても楽しそう。(あのト〇レシーンはいつの間にかなくなってた)お取込み中のシーンは美女が3人に減少。・・・さすがに5人は年齢的にも体力的にももう無理?
そのうえ、ヴォルフと一緒のデュエットソングまで増えてたー!(いつもヴォルフのいる場所より上にいた猊下がヴォルフと並んでるのって・・・意味深)

『M!』の22年の歴史の中で、様々のキャストが世代交代していく中で、このパパと猊下だけがずっと続投し続ける理由がわかるような気がしました。・・・他の誰かではダメなんだと思った。この役はこの二人以外には考えられない。役者なら、こんな風に思われてみたいよね、きっと。
それくらい、納得の市村パパと山口猊下でした。

アマデ・星駿成くん
男の子アマデって初めて。可愛い。そして真っ直ぐな目。ある意味、真っ直ぐなきょもヴォルフの才能そのものって感じでした。
ラストの登場シーンで、ピアノの屋根の急斜面を歩いて降りてくる二人が、滑って落ちるのではないかと、怖かった

・・・あ!?公演の開演がいつもより早めの17:45だったのは、アマデの就業時間内にカテコが終わるようにだったのね。


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『モーツァルト!』 2018年再演決定!?

2017年06月03日 23時37分23秒 | 『モーツァルト!』
来年あたりかなぁ。
でも、これって絶対にWキャストだろうから・・・新しいヴォルフは誰かなぁ・・・と
時折、ふっと考えていましたが・・・


いつの間にか発表されてました

2018年5,6月 『モーツァルト!』再演決定!!

ヴォルフガングは、Wキャストで・・・山崎育三郎×古川雄大
コンスタンツェは、トリプルで、平野綾×生田絵梨花×木下晴香
ナンネールは、和音美桜
ヴァルトシュテッテン男爵夫人は、涼風真世×香寿たつき
コロレド大司教は、 山口祐一郎
レオポルドは、 市村正親


うわーーーっ。
育三郎くんは、当然、続投だと思ってたけど。
古川くん、かぁ・・・
きれいな子だよね。イケメンだよね。華もあるよね。でも・・・特別すっごい歌声とか?って印象があんまりない・・・
う~ん。ヴォルフって感じじゃ・・・モゴモゴ


個人的には、新しいヴォルフには、なーーーんかすごい、ハチャメチャな子が来たらおもしろいだろうなぁと思ってました。
育三郎くんが、どっちかといえば井上くん寄りの真面目なタイプだから・・・それとは真逆なタイプだったらいいか、と。
できれば、ダイヤの原石のような(演目違い?)どこにいたの?こんな子!?みたいな。
カラオケが上手いんじゃなくて、魂を揺さぶるような歌を歌う子だったらいいな、とか。
う~~ん。心の底でやっぱり第二のアッキーの登場を望んでるのかもしれない・・・

コンスタンツェのトリプル・・・あ~みんな若いねーー。

ナンネール、和音さんなら安定だね。
周りの大人たちは、鉄板ですね。手堅いですねぇ。
発表されてないけど・・・シカネーダーは絶対、吉野さんでお願いします。

さてさて・・・どうしよっかな





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『モーツァルト!』 2014 12/13(土) マチネ

2014年12月19日 01時09分33秒 | 『モーツァルト!』
前回の観劇からもう4年も経ったのか・・・と。
しかも、“この役を演じるのは、モーツァルトと同じ35歳まで”と以前から公言していた井上くんの“ファイナル”ということで・・・どうしても一度は観なくちゃ!!と、前々から用意したこの日のチケットは、あえて舞台全体が観える2階席でした実は舞台上に描かれた楽譜を観たかったりして


『モーツァルト!』 2014.12.13(土) 12:00開演 帝国劇場


ヴォルフガング・モーツァルト     井上芳雄
コンスタンツェ            平野 綾
ナンネール               花總まり
ヴァルトシュテッテン男爵夫人     春野寿美礼
コロレド大司教             山口祐一郎
レオポルド               市村正親
セシリア・ウェーバー          阿知波悟美
アルコ伯爵               武岡淳一
エマヌエル・シカネーダー        吉野圭吾
アマデ                 内田未来



『レミゼ』や『ミス・サイゴン』が新演出に変わっていく中、この舞台のはおおむね変更がなく(いや、ちょっとは変わってるけどね)昔と変わらずに観れました。なんだかすごく懐かしい。
市村さんの舞台復帰、本当に久々に観る山口さんや、そして今回、定番キャストと思い込んでいたナンネール役は、あの花總さんに変わって・・・全体的には安定していて、安心できる舞台でしたが、あまりにも長い間聴き慣れた(CDも含めて)歌やセリフなので、ちょっとした変化に?と気づいてしまう自分がいて・・・
う~ん。なんと言っていいのか・・・ちょっとした違和感?のような??


まずは舞台でまた会えて本当によかった!!
レオポルド/市村さん
すごくお元気になられて・・・本当によかった。
以前の『M!』では、役作りなのかとってもお疲れのように見えたこともあったけれど、今回はそんなこともなく・・・
井上ヴォルフに対しては、おでこにデコピンしてみたり、小さい頃からずっと可愛がってきた息子、という自然な素振り。
こうして、レオポルドパパとして舞台に立っているのを観ると、どうしてもこの役は他の人では想像できない。

コロレド大司教/山口さん
これまた、お久しぶりの山口さん。
少しお痩せになりましたか?お顔のラインがちょっとほっそりしたような・・・
歌声はひと頃より迫力が抑え気味な気はしましたが、なんといっても安定の歌声と存在感。あの上からのモノ言い、赤いお衣装が似合うこと!!
あれ?っと思ったのは“お取り込み中”のシーン。以前は押しかけてきたヴォルフに直に対応するところ、今回はお構いなく美女たちとお戯れ中(笑)代わりにアルコ伯爵がヴォルフと衝突。僕(しもべ)には目も合わせん、ということ?
馬車の揺れは今までになく激しく、その度に、絶妙のタイミングで揺れに対応してくださって、例のあのシーンは、「うっ、くっあーー」と身悶えがもう限界一歩手前(笑笑)

ナンネール/花總さん
・・・かわいいっ!!
以前のナンネールと違うのはドレスの色?(この薄緑色、もうちょっときれいな方が・・・)
夫ベルヒトルトとはかなり冷え切っているような・・・
でもな~喪服着てヴォルフの前に現れた時、「あ、シシィだ・・・」と思っちゃったのよねぇ。
なんとなく周りのみんなが大声で歌ってる(?)ので、お声が今少し物足りなかった・・・

男爵夫人/春野さん
お歌がお上手ですね~
大きく腕を広げて歌う姿は誰も寄せ付けない威圧感があって。
見た目はとても優しそうなんだけど・・・ヴォルフの才能を世に出そうとウィーンへ連れていくのは、2幕の最初を観てるとやっぱり“お金持ちの道楽”なのか、と思ったり。

セシリア/阿知波さん
このあくどさ・・・やっぱりこの人しかいないよな。ウェーバー家で、最初に巻き舌で歌いだした時“ああ、お歌が上手いなぁ”と感動してしまいました。
そして、あの「コンスタンツェ・・・私のかわいい子」のセリフを聴きながら『リトルマーメイド』のアースラーを連想してしまった

シカネーダー/吉野さん
やっぱり、好きだ
・・・と、一番舞台が華やぐのがこのシカネーダー登場シーン。以前より遊びが少なくなって基本に戻った?それでも、十分に派手で印象的なシカさまでした。・・・あいかわらず、ダンスシーンはキマってますよく脚があがること!!
この役も吉野さん以外は考えられないなぁ

コンスタンツェ/平野さん
初めてです。
ちょっとメイクがキツめ?お歌はハキハキした印象(ってどんな?)若いなー。
すごく少女っぽいかと思えば、結構色っぽい(?)
「乾杯?それとも、キス?」の言い方がすごく怖かった(?)どんだけ怒ってるの?・・・それに対して井上ヴォルフはいきなりお姫様だっこで抱き上げてベッドへ直行(赤面)


で、ヴォルフガング/井上くん
私がこの『M!』を観始めたのは2005年からなので、初演はわかりませんが・・・一言で言うなら、2007年の井上ヴォルフは以前より“深化”し、そして、2010年は“圧倒的な存在感”見せつけてくれた、というのが一番の感想でした。
そして、今回2014年。
・・・はっきり言って、すごく自然体でした。・・・う~~ん、シンプル。
何回も公演を観て、他のヴォルフも観て・・・いつもはどこかしら比較しながら観てしまうのですが・・・井上くんは、まぎれもなくヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトその人でした。
家族を想いながら、自分の才能を素直に信じて、夢や希望を心にいっぱいに持った天才音楽家。その才能を潰そうとする大きな支配から逃れ、より自由に自分の音楽を追求し生きたモーツァルト。
なによりも、井上くん本来の伸びやかで美しい歌声が心に響いてきたのがうれしかった。
どの曲も、井上くんが歌いだした瞬間に、私の中ではスイッチが入ったみたいに懐かしくてうれしくて感動していました。
「僕こそ音楽」を歌い出した時のあの幸福に満ちた表情、伸びやかな美しい声。
苦しみに満ちた想いを絞り出すような「影を逃れて」。
お互いへの愛が手に取るように伝わってくる「愛していればわかりあえる」。
家族への想いと、自分をわかってほしいと切々と訴える、胸が締め付けられるような「何故愛せないの」。
ああ・・・やっぱり井上ヴォルフも大好き!!
ヴォルフの成長物語でもあるこの『M!』は、まさに演じてきた井上くんの成長舞台でもあったんだと。

ああ、井上ヴォルフも卒業かぁ・・・私も卒業しようかなぁ

とにかくこの『M!』という舞台は・・・なによりそこから感じること、考えさせられることの多い舞台でした。今回も観終わって、いろいろ考えました。まぁ、それはまた後日(?)




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ラストヴォルフ

2014年12月13日 21時36分50秒 | 『モーツァルト!』
今年最後の観劇(たぶん?)でした。
4年ぶりの『モーツァルト!』。
いろいろ感想はアリアリですが・・・とにかく!!

井上ヴォルフの「僕こそ音楽」の第一声を聴いた途端、なぜだか涙があふれてきました

井上ヴォルフの歌声はどこまでも伸びやかで・・・

ずっとずっと観続けてきた『M!』。私にとっても、もしかしたら最後の『M!』!?


・・・感無量でした。



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愛情と才能と期待と支配

2011年01月25日 23時56分55秒 | 『モーツァルト!』
たしか・・・舞台『モーツァルト!』今日が大阪公演千秋楽。
・・・いまさらですが、『M!』という舞台は、本当に奥が深い。
観終わった後々までも、いろいろ考えさせられて・・・
実は、ずっと頭の中に引っかかっていたことがあって。
以前、2007年の最後の観劇後にも、どっぷりと親子の関係と子供の自立について考えさせられたのですが・・・(その時の感想はココ

成功をおさめたヴォルフに
父・レオポルドは、「誇らしくはあります。・・・でも満足はできません。」

正直、このシーンではちょっとだけヴォルフがかわいそうで、いつもは親の気持ちでスルーするのに、ヴォルフの気持ちで少し哀しくなってしまったのです。

じゃあ、いったいどうすればよかったの?

以前はヴォルフを見守るような姉として存在していたナンネールが、今期はすごく冷やかにヴォルフと対峙していて、レオポルド寄り(?)だったせいか・・・今期の『M!』を観ながら強く感じたのは、レオポルドの父親としての愛情のあり方(?)だったのです。

小さい頃から才能を発揮して人々の称賛を浴びてきた息子・ヴォルフガング。
息子の才能は自分の誇りであり、その才能を伸ばすためにおそらくあらゆることを犠牲にしてきたであろう父親・レオポルド。
たくさんの時間やお金を投資して、息子の成功を願っていたにちがいない・・・
それなのに、当の息子は自由奔放。才能はあっても、人としてまだまだ未熟で自分を律っすることができない。(確かに、自分の靴のひもも結べないようでは困ります


親って、子供が産まれてくる時は“五体満足であれば”と望むけれど、無事に産まれたらそれ以上の事を望んでしまう。
“いい子”に育ってほしいと、躾をして、教育を受けさせ・・・何かの才能があったら、やっぱりその才能を伸ばそうとするでしょう。
・・・それはその子の幸せに繋がると信じているからです。
親としてそれを楽しみにするのは、当然のことだと思います。
でも、その親の期待に子供が応えてくれればいいけれど、その通りに行かない場合だってある。
その“親の期待”がかえって子供にとってプレッシャーになることもあるだろうし、才能があっても必ずしも成功するとは限らないし。
そもそも、子供の幸せを願うことは親にとってはあたりまえのことですが、子供の幸せは、所詮は子供自身が決めることです。
私は、親が子供に望むのは、最終的にはひとりできちんと生きていける“大人”になることだと思うのです。
そして、大人になるためには様々なプロセスが必要です。
時間をかけ、勉強し、体験し、時には失敗し、反省し、笑ったり泣いたりしながら成長するのがあたりまえで、才能だけでは生きていけない・・・

レオポルドは息子を愛していたと思うけど、一番、期待し愛したのはその才能だったのかもしれません。
「私は天才を作り育てました!!」・・・彼は息子の才能を愛し、自慢にしていた。
それはいつしか自分自身の生きがいとなり・・・

愛情は、才能への期待を増長し、大きく膨らんだ期待はいつしかその人生を支配しようとする。
しかし、たぶん・・・親は子供に期待しすぎてはいけないのです。
レオポルドの死を告げに来る、姉・ナンネールは「パパを裏切った」とヴォルフガングに言うけれど・・・それは、家族としてヴォルフガングの才能を愛し、あまりにも期待しすぎた故に出た言葉だと思います。
才能。・・・すべてはヴォルフガングに才能がありすぎたために起こった悲劇・・・
アマデ(=才能)に向かって「おまえが家族を引き裂いたーっ!!」と叫ぶヴォルフガングはどんな気持だったんだろう・・・


・・・ああ、本当にむずかしい
おそらく何事も“そこそこ”がいいのだと思います。

ウチの息子は、なんの才能もない、ごくごく普通の子ですが・・・
とりあえず・・・私は息子に、ちゃんと仕事をして奥さんと子供を大事にする“普通のおじさん”になってくれればいい、と思うことにします(あれ?やっぱり期待しすぎ?)



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『モーツァルト!』 2010 12/11(土) ソワレ 

2010年12月12日 18時38分11秒 | 『モーツァルト!』
この20日まで開催中で、どうしても見たかった「ゴッホ展」を見るため、先に六本木へ。
そのあと、軽めの食事を済ませて、地下鉄で日比谷へ。
最近、ずっと有楽町経由だったので、日比谷の駅から帝劇へ入るのはすごく久しぶりでした。
階段を1階分昇ったら、人だかりが
誰かの出待ちだわ、と思ったけど・・・あれ?『M!』で、マチネが終わって帰れるキャストって・・・アマデと男爵夫人と・・・ぎゃっ!!

この人しかいない・・・うわゎゎ~~育三郎くんだ~っ!?

まさかの主役に遭遇できるとは・・・
舞台を終えた新ヴォルフあら~こんなに背が高いんだ~きれいな茶髪~目が大きい~すごく丁寧に話すんだ~(よく聞こえないけど
う~ん、やっぱり輝いてるなぁさすがに“旬”の人だわ。

というわけで(どういうわけ?)、本日は井上ヴォルフの『M!』でした。


『モーツァルト!』 2010.12.11(土) 17:15開演  帝国劇場


ヴォルフガング・モーツァルト     井上芳雄
ヴァルトシュテッテン男爵夫人     涼風真世
アマデ                松田亜美



とまあ・・・まずは今回初のキャストの感想から(といっても、この人だけだった)
涼風男爵夫人
う~ん。歌声に説得力がありますねぇ。
ただ、女王様的な感じがやっぱり強いな・・「コロレド」と呼ぶ声が、ああこの人、大司教より全然偉いんだと納得。個人的には香寿さんの方が好みかなぁ

あとは、気になったキャスト
由美子ナンネール
やっぱり今回から演出が変わったんですね。そのせいかナンネールがヴォルフの人形を抱いて登場するシーンがえらく怖いものに見えた(だって、その人形に恨みをぶつけてるいんだもの)その姿を見てナンネールをかわいそうに思うレオポルドは、更に強く息子に厳しくなっていっちゃう感じがして・・・なんか家族の愛情の行き先がヴォルフを責めて追い詰める方向に変わっていってる気がしました。
レオポルドの死を告げに現れたナンネール、コンツェと歌がかぶって全部わからなかったけど・・・「あなたを許さない」とか歌ってた?
ラストシーンも、死んでるヴォルフより先にあの小箱の方に手を伸ばしてたし(以前はヴォルフに触れようとして、偶然その小箱に手が当たって気がついた、という感じだったのに)

hiroコンスタンツェ
すごくよくなってた!!と思います。(←なにさま発言
ナンネールがヴォルフの味方じゃなくなった分、ヴォルフの理解者ってこのコンツェだけになってしまった。
それでなくても“ありのままの自分”を愛してくれたのはコンツェだけなんだもの。悪夢にうなされるヴォルフを抱きしめて背中をさするコンツェは、もう母性の塊のようで。大きな井上ヴォルフを包み込むようなhiroコンツェ・・・いいなぁ。
・・・それなのにヴォルフのあの「出て行ってくれ!」の言い様
「ダンスはやめられない」が特によかった。過去のCD、ハイライト版を聴きましたが、ああ、hiroって歌がうまいわ~と
演技もよかった。ヴォルフの死のあと、頸動脈に手を当て死を確認したうえでお金を取っていく母親・セシリアと、ほぼ同じタイミングでドクトル・メスマーからお金を受け取って姿を消すコンツェ。・・・同じ血が流れているんだと思わせるちょっとぞっとする演出。ひぇ~~っ

吉野シカネーダー
本日の登場は「ワーターーガァー、ダレダーカーァー・・・」???
なんだかどんどんわけのわかんない人になってる?
盛り上げ方がハンパなくアップしていて、ノリノリでした。
井上くんとの並びは井上くんが大きいので、すごく同等に見えて(小さめのアッキーとのアンバランスな並びがちょっと懐かしかったりして
シカネーダー、やっぱり最高!!やっぱり華がある~
プラター公園での、スカーフステッキのマジック、あまりの手際の良さに


そして・・・会いたかった
井上ヴォルフ
初演は観ていないので、2005年、2007年に続いて3度目の井上ヴォルフ。
より細やかに、より掘り下げた演技に“深化”を観た3年前より、さらに“おおっ!”と思ったのは井上ヴォルフのはじけっぷり、やんちゃぶり、そして本当に身体中から放出されるエネルギーの強さ、しかもそれぞれの場面で見せる表情の豊かさにもう、驚嘆
なにより主役としての圧倒的な存在感!!
さすが“いぶし銀のヴォルフ?”・・・いいえ。フレッシュで若い育三郎ヴォルフに負けず劣らずの、ピカピカに輝く強烈なヴォルフでした。
いつもの繊細で美しい歌声に加えて、強く激しい想いがまるで身体の奥底から湧き出て、そして爆発するような感じ、というか・・・井上くんってこんなに雄々しかったっけ?と思うほど。
冒頭、ナンネールとの赤いコートのやり取りは、本当にやんちゃぶりがすごくて、なりは大きくても子供のまま?というヴォルフだったし、そんなヴォルフが「パパ」とレオポルドを呼ぶのも、反発してもどこかしら甘えたような感触が残るようで、♪僕だってパパを~と歌われるとなんだか涙がこみ上げてきて・・・
「星から降る金」の時の、パパにすがるような目が切なくて。
“憧れの精”は守ってくれる家族の存在を超えて、若いヴォルフに進むべき道を示唆している・・・
ママが死んで、それを現実のものと受け止めきれないような虚空なセリフ、そこから続く「残酷な人生」は荒々しく、初めて経験する親の死に戸惑い哀しみ、行き場のない自分への後悔を絶叫。
そうかと思えば、プラター公園でのあのはしゃぎぶり!!
いや~あの開脚がすごい!!どうやってもどるんだ?と私の方が焦ったりして
コンツェとのラブラブシーンは、やっぱり手慣れて(?)「乾杯?それとも・・・」のシーン、あえて(!?)コンツェの顎の下からキスしてくるその角度にドキドキ(←どこ確認してるんだ?)
自分の才能であるアマデに支配されていくような不安を、自身にひしひしと感じるヴォルフの恐怖が込められた「影を逃れて」。
とにかく、あらゆる場面で、井上ヴォルフの気迫あふれる姿に、身震いするような舞台でした。



そして作曲のためだけに“生きる”アマデのあの鬼気とした目が本当に怖い・・・

実は、劇場に入ってまず確認したのは“本日のアマデ”・・・やった!!またあの亜美ちゃんだ!!・・・というくらい気になる子役さんに。

亜美アマデ
本当にあの強い目がいい。
前回、セシリアとトーアヴァルトを部屋へ招き入れたのは?と思って背筋を寒くしたあの場面、やっぱり!!と確認してしまいました。・・・確かに二人が部屋にやってくると「さあ」というしぐさ
コンツェがヴォルフを好きになることは、ヴォルフが作曲に真剣にならないということなのか、ヴォルフがコンツェに気を取られることが気に入らない、もちろんヴォルフが遊んでいるのも許せない。

・・・実は、この舞台を観ていて初めて気づいたことが。
それは、息子への愛情を切々と歌うレオポルドは、今まで同じ親として共感する役だったのですが・・・ヴォルフの才能を誰よりも認め誰よりも信じていた、という点で・・・このアマデに近かったのではないか?
レオポルドの愛情は、その才能を守ろうとする愛でもあった・・・??
ヴォルフが、“皇帝陛下に自分の音楽を聴いてもらう”ことを最大の目的にしたのは皇帝が“国民の父”であり=それは、レオポルドに認めてほしかったからなんじゃないか??
パリに革命が起き、決起する民衆に混ざって、父を失くしたヴォルフは「父はいらない!!」と叫ぶ。
それは、父の愛情はどこかで自分を支配するものだ、と気づいてしまったからじゃないか?
アマデは、才能であり、その才能を愛して自分を束縛する父だった・・・

「魔笛」の成功によって賛美されるヴォルフの前に降りてくる“MOZART!”の幕を、自分より先に取ろうとするアマデ。・・・この成功は、自分のものだと言わんばかりの強い主張。
その幕を取り合い、自身に巻きつけるヴォルフに、レクイエムの依頼をした人物は「自分の力で書け」と言い残す・・・
これって・・・才能に頼らず=父の愛情に甘えず=大人になって、自分の力で書け、という意味なんじゃないの???
・・・ひゃ~~~っ、深い!!

今まで何度も観てきたのに、今更ながらそんなことを思ったら背筋がゾクゾクして、本当に鳥肌が立ちました

アマデに任せきりだった作曲を、ピアノに向かって本当に苦しみ抜きながら進める井上ヴォルフ。
人々が“モーツァルト!モーツァルト!」称え、賛美し、奇跡を求める歌声の中でアマデなしで苦しみぬくヴォルフ。
アマデに“心臓に刺せ”と羽根を渡して「おまえも死ぬ」とつぶやくヴォルフの心の中には何が残っていたんだろう・・・
あれほどにキラキラと輝きながら歌った「僕こそ音楽」のワンフレーズを寂しげに儚げに歌う井上ヴォルフが、キリキリと胸をしめつける・・・

う~~~~ん。
すごい。とにかくすごい。
井上ヴォルフ・・・迫力満点ものすごく考えさせられました。


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モーツァルト!モーツァルト!

2010年12月11日 23時14分47秒 | 『モーツァルト!』
頭の中に響き渡る、このフレーズ。


劇場に入る前に偶然会った育三郎くんは、背の高い茶髪の好青年でした。
そして、舞台の上で観た井上ヴォルフは・・・

本当に渾身の力をすべて放出した、鳥肌の立つようなヴォルフガングでした。


すべての人が絶賛してやまない舞台。
私にとっては、また新たな発見が多々あって・・・深い舞台でした。


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愛しくて切なくて

2010年11月30日 23時51分40秒 | 『モーツァルト!』
日曜日の『M!』の観劇から2日。

新しいヴォルフを受け入れながら、もう会えないヴォルフを記憶の中に求めて求めて・・・
なんだかすごく“後退”してしまっている自分がいます。
3年前の『M!』の記憶は自分自身が書いたこのブログの中にも残っているし(それが目的のブログでもあるから、しょうがないんですけど)CDでその歌声を聴くこともできて・・・その歌声を聴けば、頭の中でその時の動きや佇まいや表情がちゃんと再生できてしまうのです。

そうです。

私は今、アッキーヴォルフが恋しくて恋しくて仕方がないのです


はじけて、拗ねて、強がって、苦しんで、悩んで。
子どものように純粋で、時に駄々っ子のようで、パパを心から愛していて、
若さと才能が舞台にはじけ飛び散るようなアッキーヴォルフ。

この『M!』の舞台に、アッキーヴォルフがいないことを嘆いているわけではありません。
ただただ・・・3年ぶりに観た『M!』は、やはり感動的で、そして否が応でも、あの時のアッキーヴォルフを思い出させる・・・
それほどまでに、強烈なヴォルフでした。
・・・本当に素晴らしかった“天才”アッキーヴォルフ。

井上ヴォルフも大好きだし、育三郎ヴォルフも一生懸命で微笑ましい。
だけど、この先何人のヴォルフに出会っても、あのアッキーヴォルフの存在感は決して消えないし、色褪せない。
・・・私の中で、こんなにも愛しくて切ないヴォルフは二人といない



ああ、私は今夜も・・・アッキーヴォルフの歌声に包まれながら、長い夜を過ごします




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『モーツァルト!』 2010 11/28(日) マチネ 

2010年11月28日 23時14分39秒 | 『モーツァルト!』
2010年の『M!』の発表があった時、様々な想いが次々に湧き上がって・・・落ち込んだのは事実です。
が、そんな私が思いがけずに『M!』の製作発表に当選してしまい、目の前で新・ヴォルフの育三郎くんの“想い”を聞き、歌声を聴いた時に思ったことは、

“応援したい”=“見届けたい”

それは、8年もかけて夢を叶える育三郎くんの熱い思いに対するものと、大好きなアッキーが演じないことで代わった、新ヴォルフをアッキーファンである私は、観なければいけないのではないか?という・・・素直でそしてちょっと複雑な使命感(?)
本当は初日に観たかったのですが・・・どうしても日にちの調整ができず、今日に。


『モーツァルト!』 2010・11・28(日) 12:30開演  帝国劇場

ヴォルフガング・モーツァルト    山崎育三郎
コンスタンツェ            島袋 寛子
ナンネール              高橋 由美子
ヴァルトシュテッテン男爵夫人     香寿たつき
コロレド大司教             山口 祐一郎
レオポルド               市村 正親
セシリア・ウェーバー          阿知波 悟美
アルコ伯爵               武岡 淳一
エマヌエル・シカネーダー        吉野 圭吾
アマデ                松田 亜美


2007年の再々演から3年。セットや演出に大きな変更はなかったと思います。(もちろん多少は有)
全体的に総じて感想をといえば、とにかくこの『M!』という舞台が私はやっぱり大好きで本当にいろいろなことを考えさせられる舞台だった、ということを思い出しました。
懐かしさと、それぞれの立場に感情移入して、何度か涙しました。
自分でもびっくりしたのですが・・・これこそ強制されるわけでもなく、気がついたら自然と拍手を送り、自然と泣いていたのです。
・・・舞台ってすごい。私はやっぱりこんな舞台が好きだと再認識しました。

ヴォルフ以外はみんな以前からの続投キャストなので、もう不安はほとんどなく観れました。

高橋ナンネール
永遠の少女、としか言い表せません。少女時代・・・かわいらしすぎる
が、成長と共に弟に対する愛情と、同時に羨望と不公平感に苦悩する姉の苦しみが増し・・・以前は父と弟の間に入って心を痛めるナンネールというイメージが強かったのに。ベルヒトルトとの夫婦関係も以前に増して冷え切って見えたし、「パパが亡くなったわ」のセリフには、ヴォルフに対しての責めも感じられて

市村レオポルド
3年前に観た時より、更に声に張りを増した(?)市村さん。・・・やっぱり実生活の経験も生かされてる?
市村パパを観ていると、天才の息子の成長を楽しみにしながらも、息子の行く末が心配でならない父親の苦悩がひしひしと伝わって来て・・・
ウイーンで成功した息子を、誉めずにあえて突き放つのは、自分に対する「子離れしなくてはいけない」という想いと、息子の真の自立を望んだからなんだろうな。

山口コロレド大司教
例のシーンは更に細やかな演技に?
お笑担当(?)な部分も含めて、やっぱりこの役の山口さんは、素晴らしい!!
若い才能に気づきながら、それを嫉妬し縛りつけようとする権力者がすごくよく似合っている。もちろん緩急のある歌声にはうっとり

hiroコンスタンツェ
前回から2回目なので、すごく上手になっていて・・・お歌シーンも“hiro”ではなくコンツェとしてしっくりしていたし、演技的にも冒頭の墓探しのシーンも年月が経った感じ(大人になった感)が感じられてよかったです。・・・ちょっと冷酷な声が怖かったけど

香寿男爵夫人
語りかけるような、諭すような、その歌声がとてもおやさしいです。
「星から降る金」は、その歌に込められた想いとそのシーンでの父と息子の心情描写が素晴らしくて・・・聴いているうちに本当に涙してしまいました

吉野シカネーダー
パワーアップしていると、噂は聞いていたけれど・・・
登場から「ワタシガ~ダレダカ~ゴゾンジカ~ァ~??」
なんで謎の外人に・・・
そして、ショーのシーンはもうこれ以上ないでしょ、といわんばかりのノリノリ感!!
ステッキを操り、ステップもピシピシ決まって、パフォーマンスもばっちり。
(・・・なぜだか吉野さんが『RENT』のモーリーンだったら?と想像してしまった

そして注目の育三郎ヴォルフ
熱い!!若い!!
緊張と気負いからか、とにかくすべてが力強く一生懸命。
ドレッドヘアがボリュームがあるのとおでこが丸出しなのですごくはっきりした印象。でも、元々が目鼻立ちがぱっちりなのにメイクが濃すぎかなぁ・・・
衣装はなんだかやけにキラキラ(?)赤いコートもどことなく立派に。
それと、靴は黒い短ブーツでスタイリッシュでした
・・・なのに、あの例の白い鬘はなんだかハリハリのへんなの(笑)
「僕こそ音楽」、その力のこもったうれしそうな歌声を聴いていたら・・・ふと、私の方が素に戻って“ああ、今、育三郎くんはヴォルフとして夢を叶えたんだ”と思ったら、なんだか感動してしまって・・・
お歌はやっぱり上手いと思いました。どちらかといえば、やっぱりコンツェとの「愛していれば・・・」のようなラブソングの方が似合ってるかな。
育三郎ヴォルフは、どちらかと言えば“天才”でも“秀才”でもなく・・・“普通”の男の子のように見えました。それは、育三郎ヴォルフが常に一緒にいるアマデに、才能の部分を全面的に託していて、自分はすごく自然体でリアルなヴォルフを生きているように見えたから。
若さに任せて、自由に生きたくて、自分の才能を信じて、やりたいことをやってみたくて、恋をして、仕事をして、悩んで・・・普通の若者が成長していくのと同じ。
そして家族との、特に父と息子の関係、絆が強く「どうしてわかってくれないんだ!」と苛立ち、反発するものの、やっぱり父を愛して頼っている感が強かった気がします。
父の死を知ったあと、パリで革命が・・・とのシーン、皇帝は父だ、というのに対して「(大人になった男に)父はいらない!!」と強く言い放つ育三郎ヴォルフ。父との決別は、彼にとって“革命的”なことだったんだと、初めて理解したような気がしました。
う~~~ん。
とにかく初見の育三郎ヴォルフ、思った通り奮闘していて一生懸命で・・・そして、誰かの真似じゃない彼なりのヴォルフを模索しているのでしょうね。その若々しい体当たりの演技は好感が持てました。

それと・・・
今日の松田アマデ
・・・すっごい!!
こんなにかわいいお人形のような、それでいて真っすぐな眼光の鋭い恐ろしいアマデは久々。
片時も離さない譜面帳と“才能の小箱”に対する執着も、父レオポルドに♪私ほどおまえを~と歌われて育三郎ヴォルフが動揺しても、都会へ!とヴォルフを急き立てる強い視線のアマデにドキドキ。
コンスタンツェ母とトーアヴァルトが結婚を迫ってヴォルフとコンツェのいるところに押し掛けてくる時、なにげにアマデがそれを手助けしたように見えたのにもゾクッ
アマデは才能の化身なので、悩むこともなければ家族の情に流されることもない。
曲が書けなくて、そのためにヴォルフの腕を刺し血を流すことも厭わない・・・怖かった。
観慣れているシーンのはずなのに、本当に怖かったのです
(育三郎ヴォルフが歌っている時、このアマデの表情が気になって仕方なくて・・・オペラでずっと追ってしまいました・・・)

この『M!』・・・やっぱり奥深い。
実は他にもいろいろと感じることもありましたが・・・それは後日(?)


さあ、来月は、井上ヴォルフに会いに行きます。


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『M!』 2010 製作発表

2010年08月19日 19時53分42秒 | 『モーツァルト!』
ちょうど休みなので・・・“どうせはずれるだろうけれどね”とダメ元で応募したら・・・
あらら・・・当選してしまいましたっ!!アッキーファンとしては、かなり複雑な気分ですが・・・

それでも、井上くんの生歌声が聴けるのは素直にうれしいし・・・と。
「いいな~いいな~いいな~」とうらやましがる娘その2に「ごめんね~」とわびながら行ってきました・・・。


ミュージカル『モーツァルト!』2010 製作発表  2010.8.18(水) 12:00~13:00  東京會館 9F ローズルーム


演出家・小池修一郎、
出演者・井上芳雄、山崎育三郎、島袋寛子、山口祐一郎、市村正親(敬称略)


ローズルームに入るのは、吉野さんのFCイベント以来2度目ですが、こういうの(製作発表)ははじめてで・・・緊張しました(私が緊張してどうする
でも・・・それには理由があって・・・
実は、300人の募集に、4500通の応募があったそうです。
そんな中この場に来られただけでもありがたいのに、座席はまさかの最前列!!
(報道陣席が前に2列あったので、実際には3列目でしたが、それでも目の前にあの井上くんがいるんだもん

まずは、関係者から製作発表の段取り説明があって、時間になったところで、『M!』のPVを上映。その後、壇上に本日の主役たち登場。
右から市村さん、hiro(どうしてもこう呼んでしまうなぁ)、井上くん、小池さん、育三郎くん、山口さん。
それぞれに一言ずつ挨拶した後、報道陣からの質問に答え・・・
質疑応答の詳細は、近々東宝サイトからアップされる記事をご覧ください(←かなり無責任)
2002年、8年前の初演の時の思い出や、それから数えてもう4演(初演、再演、再々演の次はこう言うらしい)となる『M!』の見どころなどをそれぞれに語ってくれました。
井上くんは、「初演の時23歳で今はもう31歳になって、35歳まで生きたヴォルフにかなり近づいたし、年齢を重ねて経験も積んだので・・・」とか。
育三郎くんは、「初演を高校生の時に観て、いつかヴォルフ役を演りたいと思っていたので、あこがれの舞台に立てることが心からうれしいです」とか。
hiroは、「もう一度この『M!』に出れてうれしい。前回より更にがんばりたい」?
山口さんは、「・・・・・(かなり間があって、場内爆笑)まるで父兄参観日みたい(笑)若いみなさんのがんばってる姿を見て、自分もがんばる」みたいな(笑)
市村さんは、「8年前、オファーがきた時は“自分もついにモーツァルトを演れるのか”と思ったら、父親役だった・・・」「うちにも神童アマデがいるが、このアマデは音楽を聴くと踊り出してしまうので・・・」と親バ○ぶりを披露。

印象に残っているのは、報道陣からの質問で
「このご時世、Wキャストといっても、2回観るのはたいへんだと思うが自分の舞台のココが見どころ!というのをアピールしてください。」
というのに、答えて、
井上くん「さっきも言ったようにもう31歳ですから・・・若さでは勝てない(?)お肌の張りとか、ほうれい線とか・・・(??)まあいぶし銀の魅力で」「身長も同じくらいだから・・・あ、僕の方が若干脚が長いので、僕の時は遠い席からでいいので、脚の長さを見てくだされば・・・(笑)」
育三郎くん「韓国でも、東方神起のジュンスくんが『M!』のヴォルフを演ったりして、すごく人気だったし・・・僕の場合は若さとフレッシュさに注目してください。・・・僕の夢が叶う瞬間を見てください!!
そして、「“いぶし銀で脚の長い”と“若くてフレッシュ”のどちらのヴォルフがいいですか?」という報道陣の質問に
hiro「これから始まるお稽古の間によく見て決めたいと思います(笑)」

和気あいあいと質疑応答を終え、その次は楽しみにしていた楽曲披露!!

「僕こそ音楽」・・・育三郎くん&井上くん
「愛していればわかりあえる」・・・育三郎くん&hiro


久々に聴いた育三郎くんのお歌・・・上手ですね。そして一生懸命
しかも、甘い~
hiroとのデュエットは、ちょっとポップス調で、本当に若いカップルが楽しそうに歌ってる感じ。

でも・・・1曲目の「僕こそ音楽」。
育三郎くんは、この歌にあこがれるように歌っていた感じでした。すごくきれいに歌ってるなぁと思いましたが・・・途中から井上くんに代わった途端・・・私の中では井上くんの歌声に
自分でも信じられないけど、気づいたら涙がこみあげてきて・・・
なんと言ったらいいのか、井上くんが歌いだしたら、そこにはもうヴォルフの姿が・・・
これがずっとヴォルフを演じ続けてきた貫録なの?
一瞬にして、舞台の上を想像させるこの歌声の魔力??衣装も鬘もないのに・・・
もちろん育三郎くんの舞台はまだ誰も観ていないのだから、想像しかできないけれど・・・
井上くんの歌声は、もうヴォルフそのもので・・・瞬時にあの感動がよみがえってくるよう。
・・・それが懐かしくて愛しくて


その後は、報道陣によるフォトセッション、そして囲み取材。
私たちは、なぜかそのまま待機(というか放置?)
報道陣の後ろから、インタビューのあれこれを見るのなんて初めてで、ちょっと面白かったけど・・・


う~~~ん。
育三郎くんは初めての舞台だからきっと全力投球してくるだろうし、それはそれでいいと思います。(生意気ですみません
でも、4演目ということであんなに余裕ありげな井上くんの方が・・・もしかしたらプレッシャーは大きいのかな、と思ったり。

なんにしても、久々に聴いた『M!』の歌声・・・頭から離れなくて。
私はやっぱりこの舞台が好きだった、と思い出しました



追加・・・こんな記事も(動画あり)

ミュージカル・ナンバー披露映像
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