前楽でした。私にとってはmy楽でした。
『風を結んで』 2011.6.18(土) 18:00開演 シアタークリエ
・・・熱かった。
みんな熱演で、観ている私までもが身体に熱を帯びてくるのがわかるよう。
身体の奥底からなにかつきあげてくるこの感じ・・・観劇の醍醐味!?
3人組のコンビネーション(3人だとトリオネーション?)もますます磨きがかかって、絶妙。
どのシーンも迫力があって説得力があって。
アッキー/平吾
シリアスもコメディも魅せてくれるアッキー@平吾
その時々に歌いあげるアッキーのまっすぐ伸びたストレートな歌声は清々しく、一途で一生懸命な平吾の想いが伝わってきます。
たとえ剣の腕前はイマイチでも、人としてなすべきことを知っている、若く正義感の強い平吾。
家の体面のために妹を奉公に出す(=身売り)右近にくってかかり、右近に打ちすえられながらも、「・・・わからなくたっていい!!・・・たって
」と泣く平吾の心の純粋さに、胸が熱くなりました
そして、その、青空を突き抜けるような透明で聡明な歌声は、やっぱり秀逸。
3人組のハーモニーも、手を取り合い肩を抱き合うように強い友情で結ばれた歌声で、すごくよかったし、男性陣がみんなで歌うところでも、厚みのある迫力のある全員の声の中で、アッキーの歌声はさらに際立っていて・・・素晴らしかったです。
藤岡くん/郡兵衛
風貌からして、丸めがねのその顔が漫画チック!?とにかく笑わせてくれます(笑)
藤岡くん、コメディセンス(常に持ってるその“センス”じゃないよ
)抜群!!・・・いつもわりとシリアスでストイックな役ばかり観てきたから、こんなコメディアンな役にびっくり!!
それでも、歌声はやっぱり絶品です。男らしく力強く艶があって素晴らしい。
『アンパレ』でのアッキーとのデュオは、最高でしたが、ここでも小西くんを加えた3人の歌声は、本当に聴いていて、“心地よい”の一言。
別れのソロは、心に響いて藤岡くんの歌声であると同時に、“郡兵衛”の気持ちが痛いくらいに伝わってきて、もう
・・・すごい“役者”になっちゃったんだなぁ。
小西くん/弥助
温厚でちょっと気弱な、やさしい弥助のキャラがすごく似合っていました。
3人組といっても、背も高く美形のビジュアルがちょっと目立つ(?)小西くん、言ってはなんですがカッコ良すぎて
そのまんまの“カッコつけた”感じじゃなかったのがよかった(褒めてます)
歌声はやっぱりハンサム(?)ですね。アッキーと藤岡くんの歌声とはちょっと違った軽やかな歌声が逆に3人のハーモニーをよりやさしい感じに仕上げてくれているようで・・・
お針仕事で、郡兵衛から「向上心はないのか!?」と聞かれて「・・・かがり縫いの時間短縮とか」と弱々しく反論するところは何度聞いても、大爆笑。
別れのソロは、本当に泣きながらの大熱演で、聴いているこっちも涙腺崩壊でした。
大澄さん/右近
冒頭、つなぎ(?)の連獅子は、大澄さん?
さすが、動きがシャープでキレがあって美しい。ピシっと決まるとこが決まってます。
若い(青い?)3人と比べるとグッと大人な右近の設定はぴったりかも。だからこそいまさら生き方を変えることなどできない古武士そのものの右近が、おそらくは武士の大半かと・・・
お歌は・・・だけど、そこは懸命さとダンスセンスの良さで
最後まで剣を捨てられない右近が、最期は拳銃に撃たれて果てるのがちょっと哀れで悲しかった。
照井さん・俵さん・小原さん・加藤さん/一座の4人
初回からその美声に注目していたのは照井さんと俵さんだけど・・・4人が3人組と一緒になって歌うシーンは、男性ならではの重厚な歌声がすごく素敵で、それぞれの声がちゃんと聴こえてくるのがいいなぁと思いました。
剣を持った群舞(?)はかなりカッコいい。ジャ○ーズ並みにバク転したり・・・身が軽い~
大和さん/由紀子お嬢様
背が高くドレス姿がお似合いでした。ちょっと硬質なお声は、だからこそ凛としていて自立した女性を感じさせます。
オーバーアクションな英語はおもしろかったけれど、“チャンス”=“しあわせの種”はその通りかも、とすごく納得しました。
美香ちゃん/静江
・・・対する静江は、それまでの日本の女性の美徳とする部分を全部とりこんだような女性?
美香ちゃんのお声はかわいらしいことこの上なく、でも内面は結構しっかりしているのに、ちょっとびっくり。
もっとびっくりしたのは、いつの間にか平吾と結婚したことだけどね・・・
銀之丞さん/捨吉
あいかわらず・・・いい味出してますね。
べらんめぃ口調が粋でお似合い。サラっとギャグでつっこんでは笑わせてくれますが、どことなく哀愁が漂うのは背負った過去のせい?おそらく“捨吉”は過去を捨てる・・・という意味なんだろうな。
銀之丞さんの語る白虎隊の少年たちの最期は、舞台後方のリアルな少年たちと重なりなお一層心に突き刺さり・・・涙が堪え切れず
個人的には、その力強い独特な語り口が、何十年も前に夢中で観たつかさんの芝居を思い出させ、私の中でその頃の熱い想いがふつふつとわき上がってきて・・・テンションが上がってしまう~
変わっていく時代の流れの中で“生きて生きて生き抜く”と誓いあった3人が思いがけない出会いから、考えてもみなかった人生を切り開いて進んでいく・・・
一座に入って努力の末に“これが俺たちの人生の晴れ舞台なんだ!”と知った彼らは、その経験で十分成長したと思うし・・・同時に一座の解散という大きな挫折を味わって、さらに自分の生きる道を求め旅立っていく・・・
たぶん、“生きる”ということはその繰り返しなんだろうな。
すべてが順風満帆で思い通りになるわけでもないし、人は苦しい悔しい思いをしながら、人のやさしさを知るのだろう。
平吾が言っていた、
“自助独立”・・・それが大切。
熱い想いが伝わってくるいい舞台でした。
カテコでは、アッキー、感極まって大和さんにおもわずハグ
♪風を~結んで~約束しよう~
・・・帰り道も、ずっと頭の中でこのフレーズがリフレインしていました
【おまけ】
実は、この日、行けなくなった娘その2の代わりに娘その1と一緒に観劇しました。
娘その1は、以前観た(観せた?)『レベッカ』以来、2度目の観劇でした。そしてもちろん初・アッキー
娘その1「・・・すごっ!すご過ぎるよ!!アッキーの歌声って
ハンパないっ!!!」「アッキーの歌声を聴くたびに、引き込まれた~」「私はシロウトだけど・・・それでもわかる。あの歌声は
“別格”だわ
」と大絶賛。・・・うふふ。
さらに、
私「CD聴くなら貸してあげようか?」
娘その1「・・・いや、あの歌声は“生”じゃなきゃダメだ。」・・・と一端のセリフ。
へへへ・・・嵌ったわね~