「2017年3度目の関西旅行記 番外編」のつづきです。
「#1-3」につづいて舞鶴市立赤れんが博物館の見聞録なのですが、その館内は、スナップ撮影のみ可能で、展示品の撮影は不可でしたので、ほとんど写真はございませんのであしからず。
古今東西のれんがやれんが造りについて展示されている1階での見ものは、ホフマン窯の一部を再現したコーナーでした。
ホフマン窯というのは、れんがを焼成するための窯(炉)で、近代化産業遺産にも、埼玉県深谷市に残っているものとかが指定されていることは知っていましたが、その構造とかについては、ほとんど白紙状態だった私、この展示でしっかりと理解することができました。
ホフマン窯のことを簡単に説明しようとすれば、Wikipediaの記述を若干入れ換えるのが一番かと思うわけで、
[間仕切りできるようにした]窯を環状(円形、楕円形等)に配置して、焼成前の(生の)煉瓦を入れて焼きあげ、熱が下がってから煉瓦を取り出し、また生の煉瓦を入れ…といった工程を連続して煉瓦を製造できるようにしたものである。
窯の内部に生の煉瓦を積み重ね、上部からコークスを入れて焼成する。一つの区画で焼き上がると、また次の区画に火を移して焼成を繰り返してゆく。こうした連続工程により煉瓦の大量生産ができるようになった。
というもの。
この「連続」というのがキモで、生のれんがを積み重ねる⇒上部からコークスを入れて焼成する(隣の窯に生のれんがを積み重ねる)⇒冷ます(隣の窯で焼成する)⇒窯からできあがったれんがを取り出す(隣の窯のれんがを冷ます。そのまた隣の窯に生れんがを積み重ねる)⇒・・・、というわけで、真上からみれば、各工程が環状の窯をグルグル廻り続けて、れんがが連続的に製造される、というものだそうな。
ここで想い出したのは、ブラタモリの「#89 洞爺湖」の回。
昭和新山(中学校の修学旅行で見学しました)が赤いのは、土が火山の熱で焼かれて「天然の赤れんが」になったから、という説明は、目からウロコ、耳から消しゴム的な驚きでした。
赤れんが博物館の2階は、日本各地のれんがの説明と、れんが積みの体験コーナーで、これが面白かった
私、れんが積みの方法のメインストリームとして、イギリス積みとフランス積みの2大勢力があって、この他、小口積みなんてのもあることは、知っていました(こちらの記事をご参照方)。
「2大勢力」の見た目がこんな感じであることも含めて…。
具体例を挙げますと、東京駅丸の内駅舎の「構造れんが」は基本的にイギリス積みで、
赤れんが博物館(旧・舞鶴海軍兵器廠魚形水雷庫)はフランス積みです。
この見た目は、どんな風にれんがを積むと現れるのかを、実際にれんがを模した積み木を積み上げることで体験できました。
二つの積み方を真上から見ると、こんな風になっているのだとか。
この2種類の積み方とか、アーチの仕組み(こちらで書いた「楣式建築」とは対極の建築法かも)を、積み木を使って体験的に勉強できるのは、赤れんがファンの私としては得がたい体験でした。
ただ、この積み木で遊ぶと、カチャカチャとかなり耳障り…(とりわけ他人がやっていると…)。
この辺は一工夫が必要かと思われました。
赤れんが博物館の話は、もうちょいと続けます。
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