おはようございます。スプラムの竹内幸次です。今日は創業を目指す21名を対象に財務会計の講義を6時間します。借方、貸方からはじまって決算書の構造、経営分析まで講義します。夜は11月の講演の打ち合わせをします。
今日は財務分析の限界に関してです。中小企業の皆さんは融資を受ける際等には3年分の決算書を金融機関や保証協会に提出することと思います。この決算書に基づいて返済原資があるかどうかを判断するためです。
まさに決算書が企業の実態のすべて表しているかのように考える担当者も多いのですが、実は経営全体の視点では決算書は企業の実態の一面を表したものに過ぎません。決算書には以下の特徴があります。
(1)経営戦略の結果を数値面で測定したもの
(2)場合によっては1年以上前に計上した売上高や経費の結果であること
(3)決算整理(原価算出、減価償却費計上等)という、ある程度の恣意性が加わったものであること
(4)従業員のやる気等の雰囲気や文化、意欲等が表現されないこと
(5)顧客からの支持や競合との比較等の経営環境面の情報は得られないこと
(6)今と将来への方向性が若干は反映される(投資対象等)ものの、決定的な情報ではないこと
決算書は重要な情報です。でも、それだけで中小企業の経営状況を判断してはいけません。現場に行くこと、経営者と面談すること、従業員の雰囲気を感じること、取引先からの評価を加味することが大切です。
金融機関等の担当者の方は、決算書に加えて、ぜひ、その中小企業の「今と将来」も融資の判断にされてください。
株式会社スプラム代表取締役
竹内幸次 中小企業診断士
☆11月24日11時10分に
川崎FMに生出演します!
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