創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

窯変鉄耀水指

2011年08月30日 | 日記

小松美術展


  会期 : 8月31日 (水) ~ 9月4日(日) 午前9時~午後5時

  会場 : 小松市民ギャラリー・ルフレ 小松市丸の内公園町19 小松市立博物館1階


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   ルフレ
  

秋近くになると、公の展示会が行われるようになり、
今日はその一つ、小松市美術協会員の展示会、小松美術展の搬入日。
小松市丸の内公園の入り口にある、博物館へ出向いた。

そろそろ爽やかな秋風が渡ってきてもよさそうなのに、
うす曇ながらも気温は午前中から30度を超え、湿気も半端ではなかった。
午後1時からの搬入で、時間に合わせて出かけた。

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   窯変鉄耀水指

今回出品した作品は水指。
これまでは青磁作品、特に壷を中心に出品していたが、
今回は私の代表作品の一つである、窯変(耀変)天目を出品した。

九谷焼きが多い小松市、その中で私の作品はご覧頂く方々に、
どのように思われるか不安ながらも、批評をいただきたく搬入してきた。

この窯変(耀変)天目、青磁に劣らず誠に難しい焼き物である。
慎重に窯を焚き始めて目的温度に近づき、焼き具合も程よいと思いつつ、
もっと良い焼き上がりをと、5度くらい温度を超過し、これで良し、と火を止める。

その欲張った5度、たった5度温度が上がっただけで作品はすべて失敗。
アイスクリームやチョコレートがたら~っと溶けたように流れ、
焼き上がりは情けないほどに失敗。

そんなことは経験で重々分かっているつもりだが、
何とかしてこれまで以上の良い焼き上がりを求め、宇宙にきらめく星のようにしたくて、
懲りずに何度も何度も失敗を繰り返している始末。

そんな試行錯誤を繰り返している内に焼きあがった作品がこの水指。
もし自慢を許されるなら、この焼き物を発表しているのは日本で私だけ。

厳しい暑さではありますが、是非ご覧いただきたくご案内申し上げます。

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   鯉

せっかく丸の内公園に来たのだからと、久しぶりに公園内を散策してみた。
現在は丸の内公園、以前は芦城(ろじょう)公園と呼ばれていた。
金沢と同じく加賀前田藩ではあるが、金沢の兼六園とは比べ物にならない位、
こじんまりと、質素な感じの公園である。

散策しながらふと思ったこと、「 園 」、「 公園 」の差は何を基準に決めるのだろう?と。
日本三名園(にほんさんめいえん)とは、優れた景勝を持つ三つの日本庭園、
金沢市の兼六園、岡山市の後楽園、水戸市の偕楽園の総称とある。

小さいながらも風情豊かな小松市丸の内公園、この規模では園に昇格しないのか?
汗を拭きつつ園内をぐるっと巡ってみた。やはり狭い、ものの数分で回りきってしまった。
が、あまりの暑さに参ってしまい、池に泳ぐ鯉をうらやましく眺め、家路に着いた。

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   松葉ボタン

この夏は雨が少なく、庭の植物達も悲鳴を上げている。
水を撒くには広すぎて水道代がバカにならない。
雨乞いをと願っているが、大した降雨量もなく、ほんのおしめり程度。
それでも生き延びる為か松葉ボタンが咲き出した。 小さなちいさな花として。


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汲み出し碗

2011年08月25日 | 日記

お盆過ぎ、気温も少し下がって過ごしやすい日が続いていたが、
いままた夏がぶり返してきた。

秋も近くなれば湿気も少なくなり、気温が高かろうがスッキリと過ごしやすいはずなのに、
太平洋から湿気を含んだ南風が吹き込み、何処にいてもジワジワと汗が出る。
夏だからと諦めてはいるが、梅雨みたいに体にまとわり付く湿気には閉口してしまう。

とは言うものの、作品作りだけは気分良く行っている。
こんな感じの器だったら、こんな形の器だったら毎日の生活に潤いが出るのでは、
と思いつつ、今作っているものは小型の 「 汲み出し碗 」。

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   汲み出し碗
  

煎茶などの飲み物用として十分に耐えうる器であるが、
酒器として使っても楽しいはず、そう思いロクロを回している。

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   道具類

この汲み出し碗を作る道具は、たったこれだけ。
直径と深さを測る為の、「 トンボ 」・・・竹とんぼみたいな十字の寸法。
木で作った、器の形の土台になる 「 ヘラ 」。
そして糸切りの高さをそろえる為の、弓形の金具。

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   糸きり

この形の最も気を遣う点は、口あたりをどのようにするかが問題。
せっかく作っても、唇にあたる部分に違和感があっては器の役目は果たせない。
デザインを決め、試しに一個つくり、すぐに乾燥させてとにかく仕上げてしまう。
そのようにして出来上がった器を手に持ち、そっと唇に当ててみる。
少しでも違和感が感じるようなら、デザインのやり直しと道具の作り直し。

数回繰り返し、納得のいく形、違和感のない口当たりになったところで本格的に作る。
ロクロで作ったばかりの時点では何も手を加えられないが、
ある程度乾燥したところで削りを行い、デザインを施して素地の出来上がり。

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   アゲハチョウ

さて仕事の合間に気分転換をするために庭へ。
庭か雑木林か分からなくなってしまった、我が家の狭い敷地、
その木々のところどころからスッと伸びているユリ。
蝶々が今日も密を吸いに来ている。

手入れの行き届いた庭がいいのか、雑木林と化した庭がいいのか迷ってしまうが、
キジや野鳥、そして蝶々までもが遊びに来てくれる庭もいいもんだ、
などと勝手に理由をつけて納得させている自分に気がつき、急に可笑しくなってしまった。


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庭、それとも雑木林?

2011年08月20日 | 日記

「 庭木、すごく伸びたね、森みたいになったね、」

ロクロの修業時代、仕事場には高齢者ばかりで若者は誰もいなく、
加えて一ヶ月の給料は、給料と言えるほど頂けず、ほんの雀の涙。
ロクロをしたり、窯詰めの仕事や焼きあがった「 しろ素地 」を配達したり。

何となく埋もれてしまうように思え、仲間作りをしたくて音楽サークルを探した。
とにかくお金の掛からないサークルを、と見つけたのが「 小松グリーンコーラス 」
小規模のコーラスだったが、似通った若者達の集まりで楽しい時を過ごした。

ロクロ修業を始めてからのコーラスだから、かれこれ40年も経ってしまった。
現在、このコーラスはないが、それでも当時の仲間達とのお付き合いは続いている。
先日、その当時の団員でピアノを教えていられるRさんが、数ヶ月ぶりに訪ねてきた。

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   玄関先
  

近況や今の社会情勢など、様々な話題を話し合った。
震災後の東北の方々の事も心配してくださり、私の知りえる限りのことを話した。
話している内に政治の話題になり、二人してカッカとなってしまった。
結局は政治家はいなくて、わが身さえよければの政治屋ばかりの集団と。

被災地では仮設住宅に入られた地元の政治家もいるが、
大物の政治屋は地元にも行かず、影で操ってばかり。
堂々と表舞台に出て、何でもいいから率先して復興に尽力すれば・・・等々。

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   乾燥中の皿

あっと言う間に時間は過ぎ、これからピアノのレッスンがあるのでと帰り支度。
工房前に干してある皿を見て、「 ヒビが入っているけど?」と。

素焼きする前に点検したら数枚ヒビが入っていたので、とにかく乾燥させ、
カラカラに乾燥し終わったら水に浸して泥状態にして再生する、と話すと、
「 土を無駄にしないんだね 」と。 「 そう、大切な土だから 」と私。
「 それにしても庭木がすごく茂ってしまったね。」と。

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   キジが訪れる庭

友人が帰った後、改めて庭を眺め、ため息ひとつふたつみっつ・・・。
前回、植木屋さんに庭の手入れをしてもらったのは何年前のことだろう。
もう5年以上も経過してしまった。 その時も4人がかりで4~5日は要した。

友人は「 森みたいだね 」と言ってくれたが、
森というより、雑木林みたいな庭になってしまっている。
もし植木屋さんに来てもらうとすれば、4人がかりで4~5日以上要するだろう。
その内、その内にと延ばし過ぎてしまったか。

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   シャコバサボテン

これほどに伸びきって大きくなった庭木の手入れは、素人の私には手におえない。
やはり植木屋さんにお願いするしか方法がない・・・その内に。

庭木はどうすることも出来ないが、
前庭の狭い畑の管理と、花々の管理だけは怠らずに目を配っている。
株分けした、「 シャコバサボテン。」 花芽を出させる為、日陰に移動させねば。
初めて挑戦した「 シャコバサボテン 」。 雪の時季に花を咲かせてくれたら嬉しい。

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   アメリカシロヒトリ

町内の一斉消毒が、梅雨入りから梅雨明けまで2回行われたが、
残念ながら今年も又「 アメリカシロヒトリ 」が大量に発生してしまった。
どういう訳か、富有柿ばかりに発生している。 去年接木した富有柿も全滅。 
柿の好きな私にとって何ともやりきれない「 アメリカシロヒトリ 」の被害である。


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ゴーヤジュース

2011年08月15日 | 日記

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   前庭のゴーヤ

真っ青に晴れていたと思ったら、何処からともなく突然黒い雲が湧き出し、
少しばかりヒンヤリとした風が流れてきて、もしかしたら雨が降るかも、
と空を眺めていたが、どういう訳か黒雲は我が町内の上空を通過。
またもや雨が降らずに今日の日も過ぎてしまった。

梅雨が明けてから雨なしで、ゴーヤは不作だろうとガッカリしていたが、
雨も降らず、水分も不足なのに一気に沢山の実がなり始めてきた。
脇芽を増やす目的で芯芽を摘んだのが良かったのか、ゴーヤがブラブラ。

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    青ジソ


  一回の分量

毎年夏の朝食レシピ。 ゴーヤジュースをたっぷりと飲むこと。
実家の畑には青ジソが植えてあり、毎日新鮮な葉や芯芽を摘んでくる。
店にはほんの数枚程度しか売っていないが、我が家で作っている青ジソ、
実家の誰も食べないので、こればかりは私の独り占め。

雨が降らないのに、畑の隅で青ジソ4株が大きく育っている。
ゴーヤジュースに加えるため、きれいに洗い水気を切っておいた。
一回に使う青ジソ、掌で掴めるだけ使うことにしている・・・かなりの量。

青ジソには抜群の効能がある。
アレルギー抑制、抗菌作用、防腐作用、美肌効果、ダイエット効果、
血液さらさら効果、貧血・不眠や夏ばて解消、整腸作用、利尿作用など。

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   材料

肝心のゴーヤ、毎日数本ずつ収穫できるので、どのように保存できるかと思案。
先日、三越でお世話くださっているTさんの奥様から佃煮の作り方を教えていただき、
早速作り、何とか自分好みの味付けになり、その殆どを冷凍保存した。

しかし毎日収穫出来るゴーヤ、どうしたものかと頭を悩ませる始末。
新聞紙にくるんでナイロン袋に入れ、冷蔵庫で保存。 しかし量が多すぎる。
冷蔵庫が一杯にならないうちに、もう一度佃煮を作って冷凍保存しようか。

さて私の朝ごはん、コーヒーを飲みながらゴーヤジュースの準備。
水気を切っておいた青ジソ、バナナ=1本、フルーツトマト=8~10個、
肉厚パプリカ=1個(畑のもの)、採れたてのゴーヤ=1本。

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   低脂肪牛乳

ゴーヤは中の種と綿を取り除き、パプリカも種を出しておく。
美味しい濃い目の牛乳をゴクゴクと飲みたいが、健康を考慮して低脂肪牛乳を。

すべての材料が準備できたら、体脂肪牛乳、バナナ、青ジソをミキサーで撹拌。
次にゴーヤ、肉厚パプリカと順々にミキサーに掛け、すべてが混ざったら完成。

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   ゴーヤジュース

見た目の色合いは悪いが、滋養強壮に抜群の健康ジュースの出来上がり。
信じられないことだが、このジュース、まったく苦くないのが不思議。
加えて沢山の青ジソを混ぜてあるのに、シソ臭くないのである。
難を言えば、少々青臭いかも。 でも決して不味くないから不思議。

この丼一杯のゴーヤジュースが、殆ど毎日の朝食。
たまにパンを浸して食べることもあるが、丼一杯でお腹が一杯になってしまう。
このジュースのお陰で、夏バテもしないし整腸作用も極めて良好。
一日でも長くゴーヤが実ることを願い、また長く保存できる方法を考えなければ。

実家の畑の青ジソ、あまりにも大きくなってしまい、先日たくさん収穫し、
30センチ鍋2杯分で青ジソを煮詰め、青ジソジュースを作って冷蔵庫に保存した。
まとまった雨が降らないので干からびてしまわないかと心配だが、
その時はその時、今朝も美味しくゴーヤジュースをいただきました。


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夏の日

2011年08月10日 | 日記

私が起きた気配を感じたのか、
トラが朝の挨拶をしてくれている、「 ニャ~ン、ニャ~ン 」。
いつものように新聞を取り入れようと玄関の戸を開けるとトラが。

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   朝、玄関先で

平たい飛び石を敷き詰めてある玄関先、
気持ちいい肌ざわりなのか、トラが横になって朝日を受けている。

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   トラちゃん

「 おはよう 」と体をさすってやると、気持ちよさそうにしている。
時折首を曲げて、私の手を舐めてくる、かわいい。

「 さあ、朝ご飯だよ 」と言って家に入ると、
トラは勝手口に回り、ドアの前で「 ニャ~ン、お腹すいたよう 」と言っている。
トラに朝ごはんを与えて、まずはコーヒーを準備。

寝苦しい毎夜だが、朝は涼やかな風が台所まで入り、
加えて朝日までもが部屋の隅まで照らしてくれて、気持ちの良い朝を迎えた。
開け放ってあるドア、時々顔を上げて「 ニャ~ン 」と呼びかけるトラ。
「 今日も暑くなるよ、」とトラに声をかけて淹れたてのコーヒーを飲み、一日が始まった。

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   ハゼラン

金澤画廊個展に出品する、大き目の作品は作り終えたし、
今は普段使いの湯のみなどを作り、順次仕上げている段階。
細かいデザインをし過ぎてしまい、今更やめる訳にもいかず、
根を詰めて仕上げをしていると、肩、首などが痛くなってきた。

手を休め、その都度工房前に出て庭木や植物を眺めていたら、
消えてしまったと思っていた「 ハゼラン 」が一本。
ちっちゃい小花だが、干し上がった庭で元気に咲いていた。

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   夕方 ・ トラちゃん

首に負担が掛かるたび手を休め、庭に出る。
そして又仕上げの作業を続ける。
夕刻、今日の仕事はこれまで。

日中のカンカン照りの間、トラはどこかに避難していて姿を見せなかったが、
太陽が西に傾く頃、どこからか戻ってきて、また玄関先の飛び石のうえで寝ている。
「 今日も暑かったねぇ、どこ行っていた?」と声をかけても気持ちよさそうに寝ているトラ。

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   西の空に

健康維持のため、体をほぐす為に歩きに出た。
午後6時半、まだ陽は高いが夕日が沈む速度は速く、
7時前にはすっかり地平線のかなたに。

北周りの飛行機が残照を受け、夕日が沈んだその空の上を飛んでいた。
雲や空は茜色などに染まるのに、飛行機の軌跡は何故白い?
はるか1万メートル上空を通過しているので、光の屈折角度で白いのかも?

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   白山方面

少しばかり涼しい風が川面から吹き上がり、日中の暑さを忘れさせてくれた。
涼風に誘われて散歩している方々と軽く挨拶を交わし、
折り返し地点で白山方面を眺めてみた。

梯(かけはし)川のはるか上流、白山の上には入道雲。時折稲光も見えた。
白山の向こう側に当たる、あのあたりは岐阜県高山市近辺、雲の下は雨かも。
イヤホンから流れてくる天気予報は明日も晴れ。 それにしても小松には雨が降らない。
ゲリラ豪雨が降ったとしても、かすっていく程度、まとまった雨が欲しいこの頃。


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