創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

大晦日

2006年12月31日 | 日記

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年を重ねる毎、月日の過ぎ行く早さを感じております。
もう春、夏、秋、冬と暮らし、そして今日は大晦日。

穏やかな師走の日々を過ごし、このまま新年を迎えるのかなと思っていましたら
一、二日前に積雪。
家の周りの庭木に積もった雪はうつくしい。綿菓子をそっと大切に木の上にのせたみたい。
そんな雪景色の中、大きな木の根元にある侘助が淡い色をたたえてひっそりと咲いています。
その傍らには真っ赤な山茶花が雪をかぶって誠にきれい。
赤と白の調和が見事にあいまってモノクロの世界を引き立てております。

自然が織り成す何も飾らない光景に見入りつつ、今年を振り返ってみました。
春先から始めたパソコン、何をどうしていいか、どこを押せばと何も分からず戸惑うことばかり。
自己流でキーの場所を覚えたり操作の仕方を試したり。ようやく少し早く操作できるようになり
知り合いの方々とメール交換できるようにもなりました。

パソコンを持った理由はホームページを公開することでした。何とか私の創作の思いを知って
いただきたい、作品に込めた思いをご理解いただきたい、そう思って今日に至っております。
友人の息子さんに手伝っていただき、六月からこつこつとホームページを作り始め、秋には
皆様にご覧いただけるようになりました。
今日の日記も彼がホームページに載せてくれました。
私一人では何も出来ないもどかしさ、しかし私の意図することをしっかりとつかんでくれ、
てきぱきと作業を進めていただき、このようにホームページをご覧頂いております。

作品創りと同時にパソコンに明け暮れた今年の私、めまぐるしく過ごしてきた一年でしたが
秋の仙台、藤崎デパートでの個展も無事締めることが出来、とても充実した日々を過ごさせて
いただきました。
ご支援お世話いただきました皆様に心より御礼を申し上げます。

いよいよ今年も半日を残すばかりとなりました。
どうぞお元気で、幸せいっぱいの素晴らしい年をお迎え頂きます様、お祈り申し上げます。
ありがとうございました。

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野水仙

2006年12月27日 | 日記
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垣根の際に植わっている梅ノ木、羽をふくらませた雀が数え切れないほど
肩を寄せ合ってとまっている。

今朝の小松地方、間断なく雨。天気予報では明日から雪。

昨年の師走は思いもかけずの大雪に見舞われていた北陸。
予想だにしていなかった降雪で、何の心の準備もしていなく慌てふためいていました。

玄関から道路までの間、ドッサリの雪でとても自力での除雪は無理、ブルドーザーを
頼んで除雪をしてもらいました。

我が家の近く、あるところに八重の野水仙の群生地があります。
こんなところに水仙が、と思う場所なのです。
一昨年は工事のため、球根が土の中から飛び出し誠に哀れな状態に。
もちろん花芽など伸びてきませんでした。もう全滅したとあきらめていましたが
昨年の師走にその場所に行って確かめましたら、かなりの数の水仙が花芽を
伸ばしていたのです。
ああよかった、元気でいた、と思っていたら大雪ですべてが雪の中。

そして今年の師走、ありがたいことに雪もなく、また強い嵐もなく、八重野水仙はまっすぐに
茎を伸ばし花芽も顔を見せています。
背の高い水仙を一掴みほど採取してきて、青磁壷に生けました。
この水仙、とてもふくよかな香りがするのです。一本でも芳醇な香りを漂わせてくれるのです。
自然の香り、とはまさにこの事をさして言うのでしょう。

花開くまで、もう少しの日にちが掛かると思いますが、
大晦日あたりには一つ二つと咲き始め、家中がやさしい香りに包まれることと思います。

工事で荒らされ、翌年の大雪に耐え抜いた水仙、その生命力に感嘆すると同時に
自身もしっかり前を向いて強く真摯に生きねばと思うこの頃です。

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小春日和

2006年12月21日 | 日記

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昨夜11時、何気なく家の外に出てみた。
我が家に居ついている猫のトラちゃんとクロちゃんが何事かと近寄ってきた。
「どうした?なんでもないよ、寒いから早くおやすみ」と話しかけても足元にすり寄ってくる。
前に進もうとするが、甘えて前に後ろになりつつ体を寄せてくる。

一週間ぶりに晴れた昨日、再び梯(かけはし)川の堤防を歩いた。
ほんの一、二度気温が高いだけなのに、なぜかとても暖かく久しぶりの「小春日和」である。

我が家の前、二百メートル先に鎮守の杜、白山神社がある。
カメラを持っての散歩、堤防から鎮守の杜、その向こうの白山もフィルムに収めた。
静かで穏やかな里の風景が広がっている。
時間が一瞬とまった感じさえする。何事もなく、ただ静かに時は流れている。
平穏、とはこのような静かなひと時のことを表現しているのだろう。

北陸に住む私達にとって、初冬の一瞬のこの晴れ間はとてもありがたい。
たまりにたまった外での用事を、一気に済ませることが出来るのである。
雨続きで粘土の整理もできずにいたのだが、外に積んであった原料を少し片付ける事ができた。

気にかかっていた仕事をこなせたことに安堵した。

夜、し~んとして音が聞こえてこない。
久しく夜空を見上げていないことに気づき、外にでてみた。
猫ちゃん達が喜び勇んで近づいてきた。
「そんなに近づくと前に進めないじゃないか」と言いつつ、私もニャンコちゃん達とじゃれながら
家の前に出た。そして夜空に向かって顔を上げた。
一瞬ことばを失った、澄んだ夜気の中、あまりにも沢山の星々がきらめている。

星座には詳しくないが、真上の南の空に輝いているのはオリオン座、大きくクッキリと見える。
うつくしい!言葉を失うとはこのことだろう。
その横には名も知らぬ星々が、我こそはときらめいている。その一点にボンヤリとした
かたまりの星がみえている。はるか遠くの銀河だろうか。いつの日にかそのような天体まで
旅をする時代がきっと来るんだろうな、と夜空を見上げていた。

ニャンコたちは飽きもせず足元にじゃれついている。
「さあ、もう休もうか」と声をかけると一斉に勝手口にかけて行った。
私も家に入り、トラちゃんクロちゃんに鰹節をあたえて、ベッドに入った。
遠く銀河への旅を夢みて。

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ひさしぶりの

2006年12月12日 | 日記

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今年の秋から初冬にかけての小松地方、何だかスッキリとしない天候が続いています。

いつもロクロに向かって作品を作っている時、ふっと視線を上げると窓越しに
白山の穏やかな姿が見えるのです。
大きくゆったりとした白山、四季折々の姿を見せてくれ心を和ませてくれているのです。

しかし何故か今年の秋、その姿を見ることができなかったのです。

きのう、久しぶりに本当にひさしぶりに姿を現してくれたのです。
急いでカメラを取り出し、いつもの梯川の堤防へと出かけました。
風は冷たく、また風邪をぶり返すかと思いましたが、それよりも穏やかな白山をフィルムに
収めたい気持ちが勝って、ポイントを探しつつ、これも一ヶ月振りに散歩をいたしました。

堤防の満開だった花々は次の季節の準備へと移り、その可憐な姿はありませんでした。
ただススキの穂が一斉に風になびいて、ひさしぶり~と歓迎してくれているようにも思えました。
その一角に調度よいポイントがあり、土手に座ってしばしのあいだ白山を眺めていました。

私が眺めている白山の方角は東南、そして背に受ける強い風は川面を渡ってくる北風。
太陽の光もそれ程強くなく、急いでフードをかぶってしまいました。
むかし読んだ童話に、太陽と北風、どちらが旅人のコートを脱がせることが出来るかと
ありましたが、現実の北風はやはり冷たい、ここでは北風の勝ち、そんなことを思い出しつつ
カメラを構えました。それにしても背を押す風は強いです。ほんの一瞬弱まったときを待って
一枚撮りました。

長い間会えなかった人にめぐり会ったような、そんな感じさえも覚えてしまいました。
白くなだらかな、それでいて荘厳な白山、私の大好きな山です。
中学生の後半から30歳前半まで、毎年登った白山。いまも自然が守られております。

機会があればもう一度登山してみたい、あの時の感動を味わいたい、あの頂上から
眺めた空の色、残雪の色、雪渓の青を見てみたい、そんな思いにしばし耽っていました。

私が青磁の色を求めたのも白山が最初。若かった頃の記憶がどこかに残っていたのでしょう。
今はそれらを含めて自分の「青磁」の世界を創りたい、そう思っています。

初冬の日暮れはやけに早く、気がつけば30分も座っていました。
すっかり冷え切った体を早く温めなくてはと、帰り道は早足で歩いて参りました。
一ヶ月振りの小松の空のもと、白山がふたたび姿を現してくれるようにと祈りつつ。

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西高東低

2006年12月07日 | 日記
ひと月前、北陸の空は天高く、どこまでも青く澄み渡っていて、
日課としている梯川の堤防にも、のどかな晩秋の趣が漂っていました。
野菊が咲き、ミソソバが堤防の斜面を埋め尽くすほどに満開、その傍らを
渡り鳥たちが飛び交い、あるときにはキジの家族さえも草むらから飛び出してきて
ビックリさせてもくれていました。

仙台の個展も無事終了し普段の生活に戻ろうと思った矢先、気の緩みか風邪を
ひいてしまいました。約二週間熱が出て自分の体を調節できないもどかしさ、
個展の整理も出来ずにずるずると今日まで。ようやくこの頃体のふらつきもおさまり、
少しづつではありますが片づけを始めています。

仙台、そして東京と廻って帰ってからは毎日が雨、時には雷までもが鳴り渡り、
いよいよ冬到来。風邪もひいて歩くこともままならず、ただひたすらジッと過ごして
おりました。そんなある日、まばゆい光と同時に大音量,ビシッと音がして落雷。
あまりにも近くに落ちるとド~ンではなく「ビシッ」と音がするのです。
堤防近くの変電所に 雷が落ちたのです。

まさかコンピューター周辺機器にも影響が出ているとは知らず、すべてが遮断され
大変困りました。それ以来、雷が鳴りそうになると接続コードをはずしている私。
この雷、私達は「鰤おこし」と呼んでいるのです。出世魚の鰤が美味しくなる頃に
鳴り渡る雷として言い伝えられているのです。

天気図を見ていると明らかに冬の訪れ、西高東低の気圧配置。
ず~っと曇りと雨マーク続き。
つい二日ほど前にもアラレが降り、一面真っ白になりました。

風邪が治り始めると同時にアラレも降り出し、例年よりは少し早めにスノータイヤに
交換いたしました。これで少々の積雪でも安心です。
再び天気図を見ると、太平洋側の地域は晴れマーク。
あの青い空は北陸にはもう戻ってはこないのでしょうか。

でも日課にしている散歩には出かけたい、しかし雨が降っている。
じゃあ傘でもさして歩けば、と思うけれど雷に打たれたくはなし、ほんの少しの間、
一時間でいいから晴れて欲しいと願っている今日この頃です。

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