創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

汲み出し碗

2011年08月25日 | 日記

お盆過ぎ、気温も少し下がって過ごしやすい日が続いていたが、
いままた夏がぶり返してきた。

秋も近くなれば湿気も少なくなり、気温が高かろうがスッキリと過ごしやすいはずなのに、
太平洋から湿気を含んだ南風が吹き込み、何処にいてもジワジワと汗が出る。
夏だからと諦めてはいるが、梅雨みたいに体にまとわり付く湿気には閉口してしまう。

とは言うものの、作品作りだけは気分良く行っている。
こんな感じの器だったら、こんな形の器だったら毎日の生活に潤いが出るのでは、
と思いつつ、今作っているものは小型の 「 汲み出し碗 」。

Photo

   汲み出し碗
  

煎茶などの飲み物用として十分に耐えうる器であるが、
酒器として使っても楽しいはず、そう思いロクロを回している。

Photo_5

   道具類

この汲み出し碗を作る道具は、たったこれだけ。
直径と深さを測る為の、「 トンボ 」・・・竹とんぼみたいな十字の寸法。
木で作った、器の形の土台になる 「 ヘラ 」。
そして糸切りの高さをそろえる為の、弓形の金具。

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   糸きり

この形の最も気を遣う点は、口あたりをどのようにするかが問題。
せっかく作っても、唇にあたる部分に違和感があっては器の役目は果たせない。
デザインを決め、試しに一個つくり、すぐに乾燥させてとにかく仕上げてしまう。
そのようにして出来上がった器を手に持ち、そっと唇に当ててみる。
少しでも違和感が感じるようなら、デザインのやり直しと道具の作り直し。

数回繰り返し、納得のいく形、違和感のない口当たりになったところで本格的に作る。
ロクロで作ったばかりの時点では何も手を加えられないが、
ある程度乾燥したところで削りを行い、デザインを施して素地の出来上がり。

Photo_4

   アゲハチョウ

さて仕事の合間に気分転換をするために庭へ。
庭か雑木林か分からなくなってしまった、我が家の狭い敷地、
その木々のところどころからスッと伸びているユリ。
蝶々が今日も密を吸いに来ている。

手入れの行き届いた庭がいいのか、雑木林と化した庭がいいのか迷ってしまうが、
キジや野鳥、そして蝶々までもが遊びに来てくれる庭もいいもんだ、
などと勝手に理由をつけて納得させている自分に気がつき、急に可笑しくなってしまった。


コメント
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