創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

畑しごと ・ 豆の棚つくり

2010年02月25日 | 日記

「 天気がいいから豆の棚を作るのを手伝ってほしい、」と母。
「 いま手が離せないから無理 」と言うと、
「 分かった、私が一人で何とかするから・・・」と。

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    2月24日の畑


 収穫する野菜が殆ど無い


参ったなあ、足腰が悪いのに、棚を作る支柱類を何度も手押し車で納屋から運ぶつもりか。
「 分かった、わかった、何とか時間を合わせるから、」と、気温も緩んだこの日、
母と豆類の棚つくりを行った。

丁度この時季は野菜が少ない頃である。
向こうに見える木がミカンと柿。  その根元に小松菜がそろそろ収穫時期を迎えている。
ミカンの手前にはブロッコリーの株が10ほど。
しかしどういう訳か、この冬のブロッコリーの出来が悪く、晩秋に収穫したきり大きくならない。

白菜、大根、蕪を収穫したあとは畑を休めるため、何も植えていない。
これから春になったら、夏用の野菜を順々に植えていく。
その手前には水菜と春キャベツが少し。 晩秋に種をまいたホウレン草が芽を出している。

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    きぬさや、スナップエンドウ




さて今日の作業の、キヌサヤとスナップエンドウ豆の畝。
豆の蔓(つる)が上手く上へ上へと伸びてくれるように、そして強風に耐えられるように、
頑丈に棚を作らなくてはならない。

すっかり足腰が弱っている母、どうやって一人でこのような作業が出来よう。
私の仕事の手順が狂ったが、みなの為にと丹精込めて植えてくれている野菜の養生、
太い支柱は10本、細い支柱は30本あまり、縛る紐(ひも)などの道具類も全部用意し、
それらを私の車に積み込んで畑に運んだ。

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   手前に、そら豆の大写し


キヌサヤ、スナップエンドウの畝の横には、そら豆の畝が。
そら豆は10株植えてある。 「 買えば高いし、植えとけばみんなが喜ぶから 」と。
さて作業開始。  今日も母が写真を撮ってくれた。

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   穴あけ作業



太い支柱がぐらぐら揺れないように、鉄の棒を使って仮の穴を掘っているところ。
豆が植わっている畝を等間隔に、全部で10本の太い支柱を立てていく。

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   春の陽ざしの下、母と


「 私の写真はいいから、いつもこんな格好の写真ばかり 」と言っている母をパチリ。
太い支柱や細い支柱を立てたところに、豆の株を痛めないようにそっと結んでいく作業。
なんだかんだ言いながらも、天気も良く作業は順調に進んだ。

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   そら豆の棚も


そら豆の棚も作って、の要望で、少し低めの支柱を立てた。
そら豆はこれから大きくなっていくので、その都度支えをしなくてはならない。
夏前には丸々と太った大きなそら豆が収穫できるだろう。 ビールが美味く飲めそう・・・。

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   完成した豆類の棚


あさ9時から始めた作業、11時過ぎに終了。
「 これからどうする?」と聞くと、「 草の芽が出てきたので草むしり、ありがとう 」と。
予定が変わったけれど、母が植えてくれた野菜が元気に育つよう、母を残して我が家へ。


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華やかに

2010年02月20日 | 日記

晴れたと思って喜んでいたら、サーッと黒い雲がいつの間にか空を覆い、
大きな花びらのようなボタン雪が、バタバタと音を立てているようにも感じるほどに降りだし、
あっと言う間に一面真っ白。

ああ、また雪。 とガックリしていたら再び青空が顔をだし、
申し訳なさそうにお日様もチョッと照ってくれて。
ここ数日このような天気の小松地方。

こんなにも不順な天候なのに、
庭の垣根近くの枝に、かわいい訪問者が一羽。
この枝、小鳥たちが好むらしく、入れ替わりに様々な鳥達の止まり木になっている。

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   庭木にツグミ


明るく、やさしい花がほしいなあと思い、花屋さんの店先をのぞいたら、
スィートピーが入荷しましたとお知らせが。 けれど10本しかない。 
追加の注文をし、その2、3日後に淡い、あたたかさを感じる色合いのスィートピーを35本購入。

ネコヤナギと組み合わせて生けようと思い、近くの山を見て来たが見つからず。
昨年までは堤防に沢山の柳が自生していたが、暮れにすべて刈り取られ、
これまでのように簡単に柳を採取できなくなってしまった。

山にはいくらでもあると思っていたが、考えが甘かった。
一時間あまり、歩く速度で車を進め、目を凝らして山すそを散策していたが、
雪のせいもあるだろうが、全くと言っていいほど柳は見つからなかった。
不思議なもので、普段何気に散策していると、あそこにもここにもと見つけられるのに、
いざ探そうと出かけると、意に反して何処にも柳の姿を見つけることが出来ず。

花は準備できたが、その芯になる枝物がない、さてどうする、と思っていたら・・・ツグミ。
そうだ、ツグミが止まった枝の下にある梅の木、これを使おうと決心。
まだ蕾は固いけれど、ところどころ白い蕾も見えて枝ぶりもまあまあ。

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    青磁輪花壷



  径 = 17、2センチ

  高 = 31、5センチ


玄関を華やかに、を目標に大胆に生けてみた。
折角の梅の枝、無駄に切るのは心苦しいので、殆どそのままに壷に生けた。
その枝の隙間から、そーっとスィートピーを一本一本挿し込んで枝との調和を取ってみた。

こじんまり生けるのは好みでない私、ドカッと大胆にそのままの姿で生けれれば良い、
そのような思いで青磁耳付輪花壷に生けてみました。

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   スィートピーの花びらと、

    輪花が調和して・・・。


これまでは小さな鉢ものの花しか置いていなかったが、
いまは梅の枝と、やさしい春色のスィートピーが華やかに玄関を彩ってくれています。

青磁にはこの花でなければ、と言われそうですが、
作り手のわたしにとっては、どのような花であろうと枝物であろうと、
好きな物を生けてほしいと願っているのです。

今の時期、野や畑には花はありませんが、
次第に春めいてくると、畑の菜の花も咲き始めるのではと思っています。
菜の花を収穫した後、少し残しておいて、それをドカッとまた生けてみようと思っているのです。
ここ小松では菜の花を、「 こな 」と言っており、油揚げと一緒に煮込んだり、
漬物にしたりして保存いたします。 漬物は少し癖がありますが、煮こぼして食べると又美味しい。
漬物独特の香りがして嫌いな方もいますが、私はこの素朴な味が好きなのです。

さて生けこんだスィートピー、どれ位の期間元気で咲き続けてくれるかな。


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森のうたごえ

2010年02月15日 | 日記

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   金沢への途中


いつも親しくさせて頂いている、マリンバ奏者・平松智子さんからコンサートご案内が届いた。
「 冬のひと時、マリンバコンサートを行います。 お時間がございましたらぜひ起こし下さい 」と。

同じ仕事の明け暮れ、そして工房内に流れるピアノ曲、
いつも同じ調子の生活にそろそろ飽きはじめていたところ。

近くの野山には雪が積もっていて出かけられず、木々の姿も遠くからしか眺めることしか出来ず。
山に行くと必ずといっていいほど木肌に触れる習慣の私、木のぬくもりを感ずることが何よりの楽しみ、
それが叶わないことに、少し寂しい思いもしていたところであった。

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   マリンバ


金沢市内の300人程が入れるくらいの小ホールでのマリンバコンサート。
今回はお二人の共演との事で、どのような演奏を聴かせてくださるのかと期待していた。

おや? 共演のはずなのにマリンバが一台。 それも見たことのない位の大きな物がステージに。
マリンバのうしろには、様々な音を出す道具が揃っていた。
マレット、マリンバの音源の木を打つ道具などが何種類も揃えてあった。

定刻、平松智子さん、共演者の橋本里恵さんがステージに現れた。
さて、どのように演奏が始まるかとお二人の動きをしっかりと見ていたら、
何と連弾が始まった。


  ● プログラム ・ 一曲目

  ● 剣の舞 / ハチャトゥリヤン


何とも素早い腕の動き、そして和音が同じ部分ではお二人の腕が交差したりと。
小気味良い「 剣の舞 」が会場に流れ、あれあれと思っている内に一曲目の演奏がおわった。
この曲、バレー音楽でクルド人が剣を持ちながら踊る音楽である。
難しい曲を平松さん、橋本さんが右ひだりに交差しながら見事に演奏された。

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   高音部


平松さんからご挨拶があり、今回使われるマリンバも分かりやすく説明してくださった。
ステージにあるマリンバ、5オクターブ半の音階を奏でることの出来るマリンバ、とのこと。

音を鳴らす道具類の説明もあり、それぞれを使って音色の違いも説明してくださった。
なるほど、叩く道具の名前はマレット。 それに毛糸などを巻いて叩くとやわらかい音質に。
マレットの丸い部分はゴムで出来ていて、軽やかな音質の表現になるなど。

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   低音部


  ● 二曲目

  ● アヴェ ヴェルム コルプス / モーツァルト


私の大好きな曲の一つ、アヴェ ヴェルム コルプス。
やわらかく、低音のあたたかい音色の響きがとても心地良く体中を包んでくれた。
森の息吹きと木々の妖精たちが少しばかり疲れた心を癒してくれているようにも感じた。
その音色、いつも歩いている木々のささやきにも似て。

目を閉じて聴き入っていると、あの森、この森、あの林と情景が浮かんでくる。
聴かせて頂いている聴衆は、様々な思いで演奏を楽しんでいるが、
反面、平松さん、橋本さんは大変。  優雅に水面を泳いでいる水鳥のごとく、
実は水面下ではたえず足を動かしているように、体力勝負の演奏をされていた。

馴染みの曲目やクラッシック、季節に合わせて冬メドレーなど、
40分の演奏会はあっと言う間に終了。

若い時に手話ボランティアで知り合った方も来ていられ、互いに挨拶を交わしたところ、
今勤めていられる介護施設に、平松さんが入居者の方々にマリンバ演奏をされていて、
今回のコンサートにお誘い頂き来ました、と。

私は平松さんとは音楽の話しなどはいつもしていますが、手話の話しはしたことも無く、
まさかコンサート会場でお互いに新しい発見があるなんて。

やさしく、あたたかいローズウッド(木琴) ・ マリンバの音色が、
聴き入る人々を静かな森へといざない、また優しい心根を持った人々を魅了してくれる、
そのように感じた、素晴らしいひと時だった。


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輪花鉢 ・ 製作

2010年02月10日 | 日記

何事も段取り良く進めば、これほど幸せなことはない。
けれど世の中、そう簡単に順調に事は運ばない事が多すぎる。
そのような生活を送っている中、今が鉢を作る時と考え、一気に5、60あまりの鉢を作った。

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   ロクロで鉢作り


青く美しく、かつ品良い青磁に仕上げるために磁器粘土使って鉢を作った。
まとめて5、60あまりの鉢を作り、乾燥しないように薄いナイロンをかけて保存。

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   輪花鉢の型


さて、これからが時間と手間のかかる作業である。
作った鉢をひっくり返し、型にかぶせてそっと押さえ、
線に沿って一本一本丁寧に鉢全体を型ピッタリに押さえ込んでいく。

単に鉢を作るのは寸法さえ守って作れば、いとも簡単だが、
この作業は、寸法通りに作った鉢を更に手を加える工程である。
線に沿って鉢を押さえていく作業だが、ただ押さえても厚さが不均等になる。
そっと、そ~っと均一になるように丁寧に押さえ込んでいく。

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   型押しが出来た鉢と、

     型押し前の鉢


輪花のように、花びら一つ一つが美しく現れるように、
型にかぶせた鉢を、型の線に沿って、丁寧に丁寧に押さえ込んでいく。
ロクロで作る数倍の時間を要して、何とか全部を仕上げることが出来たのは、
時計の針が随分と進んだ、外が真っ暗の頃であった。
この作業、鉢がやわらかい間の、一日の内に終えなくてはならない作業なのです。

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   型起こし完了


型起こしの作品は、粘土を無理やりに押さえてある為、
粘土は自然の法則に従って元に戻ろうとする。
そのため、急激に乾燥させないよう、細心の注意を払って保管に心がけている。
あまり早く乾燥させると、押さえ込んだ線の部分がひび割れてくる、とても厄介な作品である。

しばらくの間ゆっくり乾燥させ、次は削りの作業を行わなくてはならない。
手で持ってもゆがまない程度になったら、高台(底の部分)の仕上げを行わなくてはなりません。
次の作業の状態を見ながら、この鉢を仕上げようと思っております。
もちろん高台の仕上げと、口周り(輪花の部分)も滑らかに仕上げなくては。

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   青磁輪花鉢


心こめ、一つ一つ心配って創り上げるのも大切な仕事と思って続けている作品です。
前回の日記にも書きましたが、とても使いやすく、何を盛っても汁物を入れても様になる器です。
もちろん気軽にお使いいただくための器ですので、価格もかなり押さえてあります。

何かの行事の引き出もの、として、お祝いやご贈答用としても喜ばれる作品と思っております。
もちろんご家庭でお使いいただくと食卓が華やいで、楽しいかと存じます。
心込めてお作りになられたお料理も、きっと映えることと思っております。


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型起こし用、板作り

2010年02月05日 | 日記

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   家の前 ・ 鎮守の杜


雪が消えてホッとしていたら、再び雪。
眺めている分には美しいが、生活をするとなると美しいなどと
のん気なことも言っていられない。

今回の積雪は大したことも無く、15センチくらいだろうか。
朝、新聞を取りに玄関戸を開けたら、細かい雪が降り続いていて、
家の前の鎮守の杜が霞んで見えた。  何となく墨絵のよう。

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   作品を載せる板


今回は、型起こしで作った作品を載せる道具=板の説明。
ロクロで寸法通りの鉢を作り、少し水分が無くなった時点でひっくり返して型にはめ込み、
型に入っている線文をきれいに押し付けて文様として表わし、
余分な粘土をキレイに切り取り、この板を高台=底の部分に当てて再びひっくり返す。

単に壷や鉢を作るならば、板の上に新聞紙を敷いて作品を載せれば済むことだが、
型起こしの作品を作るとなると、そのような簡単な作業では仕事にならない。
型から作品を外す時、手で持てば作品はゆがんでしまうため、
どうしても道具が必要となってくる。  それがこの板である。
型起こしの作品は簡単そうに見えてしまうが、実のところ倍の手をかけている作品なのです。

先日から自分の使いやすい板がないかとホームセンターなどを見て回り、
ようやく見つけたこの板、ホームセンター内の工作場を借り切り、
丁寧に一枚一枚切りそろえた。  13センチ角に切りそろえるのに数時間かかってしまった。

のこぎりを使うと切り口がボロボロになるため、カッターで切る作業を続けた。
一枚の大きな板から13センチ角の板を切るために、かなりの時間を要し、
ついでに15センチ角の板も作ることにして、黙々と作業を続けた。

ホームセンターの人に工作場を借りることを頼んだはいいが、
手間のかかる作業の為、係りの人が時折見学に来た。
「 結構面倒な作業なんですね 」と。

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   乾燥中の板


とりあえず希望の大きさの板と枚数を切りそろえることが出来、今日は工房のなかで板の仕上げ。
外は間断なく雪が降っている。  雪降りの日は物音が吸収されて静か。
外が静かな分、スピーカーから流れてくるピアノの調べが心地良く、作業も順調に。

仕上げは更に丁寧に行わないと、折角作った型起こしの作品がダメになってしまう。
中腰になりながら、今日もまた時間をかけてせっせと作業を続けた。
私なりの手を加えた板、乾燥を速めるために隙間をあけてバラバラと広げた。
こうすることによって次の仕事が手順良く進むはず。

Photo

   青磁輪花鉢


   径=16cm
   高= 6cm


今回時間をかけて作った道具=板は、この大きさの鉢用である。
今までは別の板を使っていたが、しっくり来なく、改めて使いやすい板を作った訳である。

この写真の輪花鉢、どんな料理を盛っても使いやすく、また汁ものを入れても大丈夫。
毎回個展に出品しているが、とても評判良く皆様方にお求め頂いている鉢です。
お気に召され、お求めになられたい時は下記のメールからお問い合わせ下さい。

仕事を順調に進めるためにも、やはり道具は自身の使いやすい物を作るべきである。
かと言って、今回作った道具は他の作家にとって使いやすいとは限らない。
あくまでも私が使いやすい物として作った道具である。
さあ、早速この板を使って型起こしの輪花鉢を作らなくては。


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