創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

避難勧告

2013年07月30日 | 日記

「 命を守るための行動、非難を!」と呼びかけている気象庁。

テレビ、ラジオで被害の様子や、各地の豪雨が報道され、
時間があればテレビをつけ、工房に入ればラジオからの情報を聞いていた。

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   午後4時、川下方面


当然のごとく、パソコンで天気図を調べ、
いま雲の状態はどうか、今後どのような動きになるかと調べていた。
大きな雲の塊が北陸に向かってきそうな気配がし、天気予報を聞いていた。

Photo_2

   午後4時、川上方面


昨日午前中の天気予報では、そんなに大した雨になるとは言っていなかったような?
おとつい、歩きの運動に堤防に出かけ、楚々と咲く野草などの姿をカメラに収めた。
どんなタイトルにしようか、などと歩きながら考えていた。

その間もラジオからは豪雨被害の様子が流れていた。
早く収まってくれれば、被害が大きくならないようにと願いつつ、
夕方の堤防の風景を撮っていた。

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   鴨浦(かもうら)橋から


      水位


昨日、いつものように工房に入る前に天気図を確認した。
大きな雲の塊が北陸に近づいている様子が見えた。
時間予測で観察してみたが、それほどでもなかった。

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   かもうら橋から川下


あさ小雨程度だったが、工房に入って仕事の準備をはじめたら、
急に暗くなって大雨が降ってきた。

ちょっとおかしいなあ、と家に入り再びパソコンで天気図を調べてみた。
加賀地方、私の住んでいる地域上空に大きな積乱雲。
外を見ると更に雨音が強くなってきた。

しばらくすると、台所に取り付けてある有線放送から緊急放送。
「 豪雨のため、かけはし川の水位が氾濫水位を超えたので避難を、」と。
と同時に消防車やパトカーが走り回って避難するように呼びかけていた。

小松市が広報しているハザードマップ、
万一、大洪水が発生したら我が家の1階部分は水没。
避難勧告なんて初めてのことでもあり、出来る限りの作品を2階にあげた。
工房には大切な窯や機械類、原材料、焼く前の作品が所狭しと置いてある。

工房内は仕方ないとして、家の作品は出来る限り2階に上げた。
早く避難を、と広報車が走り回っている。
トラちゃんは玄関に座っていて、何事かと外を見ている。
もし川が氾濫したらトラをどうする?トラは絶対に捕まらない。
何とか氾濫しないよう願い、町内の上流の橋に行ってみた。

Photo_5

   30日午後4時


大勢の町内の人々が集まって、水位目盛りを眺め、
数年前に堤防も嵩(かさ)上げしたから氾濫しないだろうと話し合っていた。
消防車もパトカーも橋のところに来ていて、刻々と変化している水位を確認していた。

Photo_6

   氾濫危険目盛り


嵩上げしていなかったら、川の水はあふれ一面水浸しに。
午後7時頃まで橋のところで心配しながら様子を観察していた。

雨も小降りになり、町内会長からは何かあったら有線放送する、とのことで
家に戻ってきた。 避難するための最小必要品はバックに詰めてあり、
すぐ車に乗って近くの高台にある、中海中学校へ避難できる状態にしてあった。

Photo_7

   今日の堤防


テレビを点けっぱなしにしてあり、避難勧告の地域が徐々に増えだした。
参ったなあ、とテレビに釘付けになっていたら、午後9時、避難指示に変わった。
パソコンの天気図にも、大きな雨雲が去っていくのが分かった。

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   なぎ倒れたススキ


やれやれ、これで危険状態は乗り越えた。
とにもかくにも今回の雨は一気に襲ってきた。
私の記憶にあるのは、長雨のあとに洪水警報が出た、くらい。

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   月見草


今回のように、あっという間に水位が上がって避難勧告が出るなんて、
いまだかって経験したことがない豪雨だった。 それもわずかの時間。

Photo_10

   梯(かけはし)川


一日あけ、今日午後4時堤防に出かけてきた。
昨日、車でも通過できなかった、産業道路をくぐる道、すっかり水が引いていた。

昨日に打って変わり、川は次第にいつもの川に戻りつつあった。
ただ、すべての植物はなぎ倒されていて、水流の激しさを見せ付けてくれた。
梯(かけはし川)沿いの町内すべてに避難勧告や避難指示が出たのは初めてのこと。
いつなんどき災害が襲ってくるか分からない今、普段から注意をしなければと思った。

末筆になりましたが、多くの方々から安否を心配していただき、
昨日、今日と沢山のメールや電話を頂き、心より御礼申し上げます。

災害はいつどこで、どのように発生するか分かりません。
どうぞ、普段から気をつけられますよう、お願い申し上げます。


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削り

2013年07月25日 | 日記

シッポに大怪我を負い、一週間たって帰ってきたトラちゃん、
少しはこりたのか、毎日家の周りの木陰で暑さをしのいでいる。
気が向けば工房の中に入いり、私の近くで寝ている。

生まれてから20年近くになるのに、どうしても家猫になってくれないトラちゃん。
夏も冬も一年中、トラが家や工房に入ってきた時には隙間を空けなくてはならない。
今年の夏は格別に暑い。 冷房が効いているにもかかわらず、トラの為に隙間を空けている。
電気代がもったいないが、トラちゃんがせっかく横に来てくれたのだから、と諦め、
トラが通れる隙間を空けて仕事をしている。

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   あさ


朝刊を取り入れにと玄関を見たら、ガラス戸越しにトラの影、
廊下を歩く私の足音を聞きつけ、「 おはよう、ニャ~ン 」と挨拶をしている。
「 おはよう、トラちゃん、」と玄関戸を開けると、足元にまつわりついて離れない。

あらためて「 おはよう、」と言い、頭や体をなでると喉をゴロゴロならして喜んでくれる。
さあ、今日も暑いから何処にも行かないで家にいなさい、と朝ごはんを与えた。

Photo_2

   削り


日に日に背丈が伸びていく雑草たち、
良い天気と、時折降る雨に更に勢いを増して成長している。
早く何とかせねば、いや、その前に作品の仕上げを急がねば、と自問自答し、
朝食後、工房に入って冷房のスイッチを入れた。

私より先に朝食を食べ終えたトラちゃんが、木陰から出てきて、
「 ニャ~ン、わたしも入れて、」と催促。

ロクロの横にしつらえたトラちゃん専用の敷物の上にゴロン。
当然のごとく、いつでも外に出られるように隙間は開けて。

Photo_3

   完成


この高杯、青磁あるいは白磁作品として焼成しようかと考えつつ、
手や目はしっかりとロクロで回っている半乾きの高杯に集中している。
釉薬をたっぷりと厚く施すので、極力細く、薄く仕上げなくてはならない。

もう1ミリ、いやもっと削れるから更に1ミリと、最新の注意を払って削っていった。
ロクロ成形前には完成品としての図案が出来上がっているが、
手を動かしながら頭の中は図案の再考をしていた。

削りあがった作品は程よい重さで、かつ釉薬を施しても重くならない。
手に持った感じも違和感無く、すっと持ち上げることが出来る。
加えて下のほうに重心を置いてあるので、よほどのことが無い限り倒れることはない。

よし、全体の形、重さは完璧、あとは図案通りに削りを入れるかどうか、
とりあえず図案の文様を削り終えた作品に鉛筆で描き込んだ。
もう少し、いやもうちょっと長い方がと描きこんだ。

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   黄色・ミニトマト


この手の高杯を作るのは得意だが、
ロクロ成形時から削り段階まで、かなり気を使う。
あくまでも品良く、扱いやすい作品を完成させることが目的である。

わずかの数の高杯だったが、かなりの時間と神経を使い、
目も大変疲れ、工房の外に出てみた。

いやあ、それにしても外は暑い。
私が外に出ると、トラちゃんも一緒に出てきた。

目の疲れを取るためにも植物を観察せねば、と前庭の畑へ。
今年初めて植えた黄色のアイコ?、果たして味はいかがなものか。
急激な気温上昇と直射日光で一気に成長したトマト、味見してみた。

まずは黄色のアイコから。
みずみずしく甘い、が何か一つ物足りなさを感じた。
何が足らないのだろうか? 果物の甘さは感じるが野菜の甘さではない。
とても食べやすくおいしいが、野菜としてはどうだろうか。

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   アイコ


次は真っ赤に実ったアイコを口にしてみた。

ん? いつものアイコの味と違う。
これも何かが足りない。 濃厚さが例年のアイコと全然違う。
品種改良されたのか、味の深みを感じ取れない。

異常気象が続いているためだろうか、なんだか変。
トマト自体は例年と同じくらいに豊作となったが、肝心の味が・・・。
いずれにしても更に実ることだろうから、収穫ごとにピューレを作らねば。

とは言うものの昨年作ったピューレ、まだ数袋冷凍庫に残っている。
ジャガイモも収穫できたし、新しいピューレが出来る前にニョッキを作って食べなくては。
これからの本格的な夏、果たしてどれだけのトマトが収穫できることやら。

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   カボチャ


ゴーヤとともに植えたカボチャ、
今まで見たことのないカボチャ苗が出ていて、失敗を覚悟で植えてみた。
「 とてもおいしく、今までに無いウマいカボチャ、」のうたい文句に釣られ、
1本だけ植えてみた。

店先の写真は小さく写っていたが、いざ成長した姿を見てビックリ。
そのカボチャ、こんなにも大きくなって、いまだに成長し続けている。
本当にうまいのかな?と疑問を持ちつつ、受粉をしている私。


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金澤画廊個展・打ち合わせ

2013年07月20日 | 日記

あっと言う間に月日は流れ、7月も早や後半。
あれやこれやと仕事や用事をこなしつつ、
金澤画廊へ出かけた。

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   滝の白糸像


二年ぶりに行う金澤画廊個展。
長かったようで、ついこの前行ったような気分さえしている。
でも前回の個展から確かに二年が経過している。

今回の個展は、9月24日火曜日から29日、日曜日まで。
何とか良い作品をご覧頂きたく、細々した用事をこなしながら製作してきた。
と言うより、今なお製作の最中である。

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   説明


作品搬入はどうするか、後援願いは何時提出するか、等々を取り決め、
とりあえずの話し合いは支障なく終えた。

今回の金澤画廊個展、10回目の個展となる。
二年に一度の個展だから、もう20年。

個展を続けさせていただくことは本当に幸せである。
毎回ご覧くださる方々や、初めて来てくださり次からまた来てくださる方々、
いつもご支援くださる皆様には心より御礼申し上げます。

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   案内図


二年ぶりの個展、なんとしても良い作品を展示しなくてはと、日々励んでおります。
今年は4月に千葉三越個展があったり、その後は公の展示が続いたり、
加えて畑仕事も行ったりで焦ってしまいましたが、
方向性も見えてきています。

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   梅の橋


面白いもので、時間がたっぷりあると思考回路がうまく働かず、
もう時間が無い、期日がそこまで来ている、どうしようと思ったとき、
なぜか急に作品の形が頭の中に浮かんでくる。

ああでもない、こうでもないと頭をかかえつつ別の用事をしていると、
あるときフッと、なんとなくボンヤリと形が浮かんでくるから不思議。

次から次と様々な形が浮かんでくれば、これほど楽なことはないのに、
そうすればいつでも粘土を触って実物大の形に表現できるのに、
などと思ってはいるが、実際はそれ程甘くはない。

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   アガパンサス


頭の中に浮かんでは消え、また浮かぶ、
その繰り返しを何度も何度も行っているのが現状。
とにかく形が出来て初めて作品となる。

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   白花


この頃急に浮かんできた形、それらを急いで図面に描き、
一気にロクロで成形している。

金澤画廊と綿密な打ち合わせを行いつつ、
出来るだけ時間を有効に配分し、創作、製作をしなければと思っている。

良い天気と高温で庭の雑草も再び伸びてきた。
草が伸びると何故か蚊が増える、蚊が育つ水溜りは無いのに不思議。
ロクロを回しつつ顔を上げると、いやおうなしに雑草が目に飛び込んでくる。
時間調整を行い、庭の雑草を一気に刈らねば。

梅雨が明けたのか、まだなのかハッキリしない天候の毎日、
前庭には雑草とともに、紫と白のアガパンサスが満開となった。
あれほど株を小さくしたのに、またもや大きな株になってしまった。

車を敷地に入れるたび、ゴツンゴツンと当たる。
梅雨の終わりに咲く美しい花だが、愛車にとっては厄介もの。
あれもこれも何とかせねば。 なんとなく気ぜわしくなってきた昨今である。


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一週間ぶりの帰宅

2013年07月15日 | 日記


トラちゃんが突然姿を消したのは先週の土曜の夜。
いつものように玄関近くにいて、私が玄関戸を開けるとすぐに寄ってきた。
玄関マットの上にゴロンと横になり、体をさすってほしい、の格好をする。

10分余り、トラちゃんの体をさすってやり、
「 さあ、もう眠る時間だよ、おやすみ、 」と玄関を閉め、
眠りについた。


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   ヒルガオ


翌朝、新聞を取り入れに玄関戸を開け、
「 トラちゃん、おはよう、」と声をかけても返事が無い。
勝手口のドアを開け、「 トラちゃん、」と呼んでも返事が無い。

おかしいなあ、必ず家の周りにいるのに、と思いつつ、
私の一日が始まった。

朝食を終え、いつものように朝の時間を過ごしていたが、トラの気配が無い。
仕事に取り掛かる前に近所を回り、「 トラ、トラちゃん、」と呼びかけてみた。
近所の倉庫、農機具置き場、車庫、そこいらじゅうを探しても返事が返ってこなかった。

気になりつつも、仕事をしなくてはならないし、
かといって、そのままに出来ず。 とりあえず2~3日様子を見ることにした。

日中の暑さは厳しく、とても歩くことは出来ない。
少し陽が傾いた頃、いつもの梯(かけはし)川の堤防を歩いてきた。

「 ヒルガオ 」の群生があり、今が盛りと花を咲かせている。
その間も、トラがどこかにいないかと声をかけ続けた。

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   トラちゃん


もしかしたら獣を仕留めるためのワナに掛かっているのでは、と思い、
失礼を重々承知の上で、数年前ワナに挟まった家に電話をかけて聞いてみた。
「 今はワナを仕掛けていないし、猫も見ていない、」の返答。

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   耳がかゆい


三日経ち、四日、五日と過ぎてしまった。
毎日うだるような暑さ、もうトラの顔が見れないのかと思うと涙がこぼれた。

しかし数年前、近所の果樹畑のワナに掛かり、右足も折れていたのに、
八月後半から九月の残暑厳しい一月半のあいだ、どのように生きていたのか、
体中が血糊でべたべたになり、やせ細り必死に我が家に帰ってきたトラ、
今回も何とか無事にと、夜眠る前には必ず近所を回って、
「 トラ、トラちゃん」と呼びかけた。

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   外を見ているトラちゃん


14日あさ、新聞を取り込む時にも「 トラ、トラちゃん、」と呼んでも返事が無い。
毎日35度以上の気温が続いているし、もうトラの姿を見ることは叶わないのか、
そう思って窓の外を眺めていたら、台所横の勝手口のドアの外から、か細い声。

「 トラ?トラちゃんか?」と声をかけると、「 ニャ~ン、」と返事が返ってきた。
急いでドアを開けると、「 ニャ~ン、」とトラ。

瞬時に体の状態を確かめたが、どこにも傷が見えない。
体をさすっても痛がる様子も無い。 ただやせ細っていた。

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   ヤモリ


「 トラ、いったい何処に行っていたんだ?」と体の向きを変えてみて驚いた。
シッポの先、3センチ余りの毛が抜け落ちていて、傷あとが乾き始めていた。
ああ、また何処かで挟まり怪我をして動けなかったのか、と哀れになり、
やさしく、そ~っと体中をなでてやった。

家に戻ってこれて安心したのか、ゴロゴロと喉を鳴らしているトラ、
早速朝ごはんを与えた。 何日も食べていなかったのか、食欲旺盛。
これなら大丈夫と、手持ちの抗生剤を細かくして与えた。

そして夜、台所の窓ガラスの外に一年ぶりに姿を見せた「 ヤモリ 」。
窓ガラスにピタッとくっついて、虫が飛んでくるのを待っている。
けっして好みの動物ではないが、害虫などを捕らえてくれる動物。
「 お前も一年間、どのようにして暮らしていたのか?」と声をかけた。

眠る時間も迫り、果たしてトラはいるかな?と玄関戸を開けたら、「 ニャ~ン」。
ああ良かった、家にいたのかと、ゴロンと横になったトラの体を優しくなでてやった。

今朝、新聞を取り入れようと玄関を見たら、ガラス戸越しにトラの姿が・・・ヤレヤレ。

今日15日は、小松美術作家協会展の搬出日、
夕方家を出るとき、バックミラーの中でトラは私の車を見ていた。
1時間ほどで帰宅したら、玄関先でトラは待っていてくれた。
もう心配かけないでおくれ、と頭をなで晩御飯を与えた。


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キアゲハ

2013年07月10日 | 日記

北陸の梅雨は明けたのかまだなのか、なぜかハッキリしない天気。
35~36度の気温が続いた数日から、今日は30度を少し下回った気温。
けれど蒸し暑く、じめじめしてとてもやりきれない。

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   庭木に


そんな中、庭木にキアゲハが二羽。
我が家には柑橘系の木や植物は植わっていないのに、なぜかキアゲハが。

十数年前、この部屋の外には金柑の果樹が植わっていた。
人って不思議なもので、沢山生る(なる)といつでも食べられると思い、
結局食べずにそのままにしておいた。

数年そのような状態が続き、枝垂れるように実っていた金柑、
アゲハ蝶たちにすべての葉が食い荒らされ、とうとう金柑の木は枯れてしまった。
大型の蝶には最高のご馳走であり、卵を産むのに丁度良い金柑だったかも。

たわわに実る金柑が枯れてから初めて思ったこと、もっと大切にすれば良かったと。
もし今も元気ならば、それこそ大変なくらいに沢山の実がぶら下がっていることだろう。
でもすべて後の始末。  今はただ、ひらひらと優雅に飛び回るキアゲハを眺めている。

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   高坏つくり・1


くみ出し碗に続き、高坏つくりを行った。

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   高坏つくり・2


同じ形、同じ大きさ、同じ寸法と、きっちりと測って作り続けた。
若い時、一日に湯のみなら200余り作っていたことが現在の私の作陶に繋がっている。
とにかくロクロで生計を立てるのは本当に大変だった。

一日中ロクロに向かい、注文を受けた品を作り続けた。
とにもかくにも一個の単価が驚くほどに安かった。
数を作らなければ食べていけなかった。

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   高坏つくり・3


窯元からの注文、九谷作家からの注文で、ひたすらロクロを回し形を作り続けた。
その経験があったおかげで、今は自分の思うような形が作れる。
鍛錬と経験がものを言う、その通りだと思っている。

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   高坏つくり・完了


一つ、二つと好き勝手に作って生活できるなら、それはそれで恵まれて素晴らしい。
けれど窯元に生まれた訳でもなく、親にも反対されて入ったこの世界、
すべての機材や原料をひとつ、ふたつとすべて揃える必要があった。

収入の殆どは工房の設備や原材料にと消えて行った。
わが工房を訪れてくださる方々が異口同音に話される言葉、
「 え~、こんなに狭いところで作っているんですか?」と。

広くたって狭くたって物は使いようで何とかなるもの。
狭い工房の中にあふれている、機材や原材料、
次の仕事にかかる前にすべて片付けている。

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   小花


高坏を2種作り終え、ホッとした。
5月終わりだったか、6月初めだったか、忘れてしまったが、
敷地の草刈を徹底的に行い、すっきりした庭を喜んでいたのもつかの間、
このごろ雑草が勢いを増してきた。 再びエンジン付きの草刈機を作動しなくては。

けれど敷地の入り口には小さな小花の群生が。
直径1センチほどの小花だが、今を盛りに精一杯花びらを広げている。
その傍らにはネジ花も咲き出してきた。 草刈機を使うのをためらうが、
やはり敷地をすっきりしなくては。



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