創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

素焼き検品

2011年01月30日 | 日記

昨夕、加賀産業道路を金沢から帰ってくる途中猛吹雪になり、
吹き流れる雪が街路灯に照らされ、幻想的な光景に。

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   24日 夕方

車の中で聴いたラジオによると、31日にかけて低温と大雪に注意をと・・・。
除雪の必要がないよう、車を車道に出る、すれすれの位置に停めた。
車から玄関までは雪の中を歩けばいい、そのつもりで敷地の入り口に駐車。
いずれにしても積もらないよう願って家の中に。

Photo_5

      25日 朝


  敷地入り口に停めた車

昨晩の吹雪と打って変わって、淡い日差しが新雪を照らしていた。
大した雪降りでもなく、ほんの10センチくらい積もったか。
今日は外出の予定もないからいいが、このあと更に積もったら困ってしまう。
すでに30センチ超の積雪。

車は道路ギリギリに停めてある。
除雪ブルドーザーが残していった雪さえ除ければすぐ道路に出られる。
このまま降らずに、と空を見上げ仕事開始。

Photo_4

   作品整理

素焼きも順調に進み、小物から壷までの検品開始。
工房の中はストーブで暖かいが、外流しの水道管は凍っていて使えず。
低温注意報が出ていたので、外気にさらされている蛇口などは保温材で保護したが、
零下2~3度にもなれば、水道管も何もかも凍ってしまう。

ここに暮らして30年余り。 その間に何度か水道管が破裂し大変なことに。
注意報が出た段階で水をチョロチョロと流しておけばよかったものを、
水道水がもったいなく、蛇口をシッカリ締めたばかりに破裂。 家の床下も同じく。

結局直すための費用のほうが水道水よりはるかに高くつき、
近年は低温注意報が出ると水道の蛇口を少しだけ緩め、水を出している。

Photo_3

   雪が・・・。

朝には大した雪ではないと思っていたが、手を休めて外を眺めたら雪。
わずかの間にかなり積もってしまった。

雪降りを嘆いていても仕方ないので、今日やるべき仕事をこなした。
あと数日検品を行い、その後釉薬を掛ける作業にうつる予定。

Photo_2

   夕方 工房前

外で洗い物の仕事もしたいが、更に積もってきた雪にさえぎられ、
とても外での作業は出来ない。 加えてホースも凍ってしまっている。

工房に流れているラジオ、その天気予報は加賀全域に大雪警報と。
もう雪は辟易。 今年の雪はとけないまま新雪が積もっている。
明日の朝まで、一体どれくらい積もるのだろうか。
今朝から15センチ新たに積もってしまった。

Photo

    夕方5時半


  玄関の向こうに車


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シャコバサボテン

2011年01月25日 | 日記

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雪国の宿命とはいえ、こう毎日天気が悪くては気分も滅入ってしまう。
仕事の手を休め、いざ歩きに出ようかと空を眺めれば・・・また雪が舞い降りて。
昨晩から新たに雪が積もり、家も庭木も雪の中。

Photo

      25日 朝


 いつも居る部屋の窓の外

歩きの為に外に出られず、まずいなあと思っていたが、思い切って長靴を履いて歩きに。
雪の中、小一時間も歩きをしてくると汗もかき、それなりに運動が出来たと満足。
出来るだけ時間を作って歩かねば、そう思っているこの頃。

Photo

   シャコバサボテン

庭の山茶花、すっかり雪にうずもれてしまい姿を見ることが出来ない。
そんなこともあるかもと思い、初冬にプリムラを買った時、
ほんの少しの蕾をつけている、シャコバサボテンも買っておいた。

初めてサボテン類を買い求めたが、育て方が分からず、そのままにしてあった。
不思議な植物で、こんなにも寒いのに、加えて何の手入れもしないのに
蕾が大きくなり花開いてきた。

Photo_2

   線刻

先日のコンポートに続いて湯のみの仕上げも行わなくてはならない。
二種類の線刻を入れるため、手回しロクロで寸法を測り、
一つ一つ削っていった。

Photo_3

   削り

同じ作業をし続けていると体に負担が掛かってしまう。
少し削っては外を眺め、そしてまた削る。
そのようにして削り作業は終了。

これで3月1日から始まる千葉三越個展作品の制作は終了。
まだいくつものアイデアが出てきているが、もう時間は無くなってしまった。
今日まで作ってきた作品の素焼きを行い、釉薬を掛けて本焼きする段階に入った。

Photo_4

   つかの間の

出来ることならば、せめて一日に30分でいいから歩きの運動をしたいと思っている。
ただそれも天気次第。  携帯電話の普及でアンテナがにょきにょきと建ち、
嬉しくないことに雷の通り道になってしまった、この地域。

インターネットで雷雲の位置を検索し、TV、ラジオの天気予報を常に聴き、
上空に雷雲が無いことを確かめて歩きに出ている有様。
家を出るときは曇りや晴れでも、急激に変化する北陸の空、
「 弁当忘れても傘忘れるな 」は、この時季に当てはまる言い伝えである。

でも傘を差して歩くのはどうしても抵抗がある。
万一雷雲が急速に発達したら危険この上ないのである。

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   シャコバサボテン

完全装備で雪道を、あるときはシャーベット状態の道を歩いていると暑くなり、
途中、着ているヤッケなど脱いで腰に巻きつけて歩き、帰路に着く。

家にたどり着く頃、汗で下着などが体にくっつき、すぐにシャワーを浴びている。
さっぱりしたところでコーヒーを淹れ、体がさめるのを待っている。
テーブルには蕾が膨らんだシャコバサボテンが、「 ご苦労様でした。」と言ってくれているよう。

プリムラとシャコバサボテンを買った時、東京のSさんにそのことをお話ししたら、
「 強い花だから大丈夫、順々に咲き始め楽しめますよ、」と言ってくださった。
半信半疑だったが、現在庭には昨晩からの雪がどっさりと降り積もり、
壷に生ける花が何にもない状態の我が家、
シャコバサボテンの生命力が活力を分けてくれている。

生命力といえば、トラちゃんが風邪を引いたらしく、寝床でじっとしている。
早く治って元気になってくれることを願っている。


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盛器=コンポート ・ 手付け

2011年01月20日 | 日記

一日が晴れ、
どのように望んでも無理な北陸の冬、
真っ黒な雲が西の空から近づいてきて、
大粒のアラレがバラバラと落ちてきた。

玄関先にはどっさりと雪が積もっているし、道路に出るまでの30メートルの雪すかしは面倒。
寒波も少し弱まってきたので、手を抜き車を前進後進させて歩く部分の雪を固めた。
タイヤが何度何度も雪に埋まり、その都度エンジンを吹かして雪の中から脱出。
エンジン回転数はブワッと上がり、フル回転。  ガソリン消費が気がかりだが仕方ない。

そうこうしている内、ぽっかりと空に隙間が出来、真っ青な青空が広がった。

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     玄関先


   ドウダンツツジ

夜に積もった雪がドウダンツツジの枝先に積もっていて、
強い太陽の光を受け、まるで花が咲いているように美しい。
真っ青な空と白い雪、あまりにも美しく急いで家に入ってカメラを持ち出した。

久しぶりの太陽・・・・・ああ、お日様ってこんなにも暖かいんだ・・・・・。
まぶしさをこらえ、玄関脇に植わっているドウダンツツジを眺めていた。

玄関から道路まで、平行線のタイヤの跡がクッキリと残り、
これで雪かきをせずに道路まで出ることができる、やれやれ。
と暖かいお日様の恩恵を受けていたのもつかの間、
空が急に暗くなって雪が降り出してきた。

Photo_2

   手付け

この前作った盛器=コンポート、自然乾燥も順調に進み、
最終段階の手付け作業開始。

単なる「 手 」をつけるのではなく、すべて面取りを行い、
焼きあがったとき、その手が違和感なく持てること、そして見えることが大切。
盛器=コンポートにぴったりと合うように何度も確かめて「 手 」を付けた。

Photo_3

   仕上げ

左右対称になるよう慎重に取り付けた手、
接着剤として用いた同じ素材の粘土、乾き始めた段階でひび割れが出ていないか確かめ、
接着面がはがれてこないよう、もう一度ヘラなどの道具を使って押さえた。

さて、このようにして作った数個の盛器=コンポート、
青磁釉薬を施す予定でいるが、何とかうまく焼きあがって欲しい。
これから更に自然乾燥させ素焼きを行う。
それが上手くいったら釉薬を掛け、本焼きを行う。

個展まで殆ど時間が無くなってきた。  何とか無事に焼きあがることを願うしかない。
作業の手を休めて外を見やれば雪、
先ほど車のタイヤで確保した雪道、埋まらなければいいが・・・。


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盛器 ・ コンポート

2011年01月15日 | 日記

年が明けてからこのかた、ず~っとスッキリしない天候。
朝の光がまばゆく、一日晴れるのかな?と思っていたら午後から空模様は急展開。
・・・・・雪が舞い落ちてきた、寒い、冷たい、太陽が恋しい・・・・・。

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   あたたかいな


人間嫌いのトラちゃん、ほんの少し心を開いてくれたのか、
はたまた寒さに勝てず暖をとりに来たのか、ストーブの温風に目を細めて。

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   準備完了

手で持てるコンポートをいくつか作ったが、
もう少し大き目のコンポートを作りたくて粘土をもんだ。

たたきもみ、きくもみ、とロクロ場で音を立てながら揉んでいるが、
ストーブの前に寝転んでいるトラちゃんは、ずっと毛づくろいをしている。
「 トラ 」と呼びかけると、「 ニャ~ン 」と返事を返してくれる。

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   土殺し

さて、ロクロをまわして粘土の固さを均一に。
下から上へ、上から下へ、と5、6回同じ動作を繰り返し行う。
この作業のことを、「 土殺し 」と物騒な名前で呼んでいる。

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   穴あけ

伸ばしたり押し付けたりしている内、もう大丈夫と手に土の感触が伝わってくる。
粘土の中心に親指で穴を開け、いよいよ制作開始。
少しづつ、すこしづつ深く、そして均一の厚さになるよう広げていく。

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   広げる

ある程度広がった段階で、心もち全体を丸く広げ、
ふちまわりを丁寧に仕上げ、そして全体をデザイン通りに形作っていく。

そのようにして出来上がった作品がこれ・・・

Photo_6

   完成

数個つくり、水分が飛ぶまでゆっくりと待つ。
朝夕の気温が零度を下回ると、粘土の水分が凍りついて作品が駄目になってしまう。

ロクロ場の、ロクロに向かっている、すぐ後ろに室(むろ)があり、
作ったばかりの作品をその中に入れ、外気に触れないようにする。
この室(むろ)の中は、温度も湿度も安定しており、
夏の作業にも大いに助かる。

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   トラちゃん

ロクロをまわしながら「 トラ 」と声をかけ、それに応えてくれていたトラ、
しばらくして「 トラ 」と呼びかけても返答がない。
そ~っと見やれば、ストーブの前で横になっている。
そりゃあそうだ、こんなにも寒くて冷たいのだから。

トラの実際の年齢は幾つくらいかな?  少なくとも15年は我が家にいる。
けれど野良ちゃんだから、決して心の底から甘えてくれることはない。
ストーブの温風を受けながら眠っているが、工房のドアはトラが通れるくらい開けてある。
台所に入って甘えてくる時も、必ずドアは15センチほど開けてある。

もしドアが閉まったら大変なことに。
逃げ道を探し、そこいらじゅうを駆け回ったり飛び上がったり。
こんなにも長い間一緒に暮らしているのに、どうして?と問うてみるが、
やはりトラは野良ネコの性質が抜けきらない。
そんなトラだが、寝姿を見ていると何故かほっとしてくる。

そして今晩から再びの冬将軍襲来で、大荒れの小松。


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雪の日の

2011年01月10日 | 日記

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♪ 雪の降る夜は たのしいペチカ ペチカ燃えろよ お話ししましょ ♪

雪の降る夜は、何故だか静か。
ペチカは無いけれど、石油ストーブの音だけが部屋の中に小さく流れている。
風吹く音も聴こえず、とにかく静か。  もしや、と思って玄関へ出てみた。

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   9日 ・ 午後11時

大きなボタン雪が間断なく舞い降りていた。
これ以上積もらなければいいいのになあ、と願って床についた昨晩。

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   10日 ・ 朝

願いが通じたのか、昨晩よりほんの少し積もったくらい。
気温が低かったのか、サラサラした雪に変わっていた。

新聞を取り入れ、トラちゃんに朝食を与え、いつものようにコーヒーを淹れていたら、
「 ピンポ~ン 」とチャイム。 受話器を取り上げ「 ハイ、どちら様ですか? 」と聞けば、
「 ワシや 」と聞きなれた声。  声の主はロクロ師、K氏。

久しく会っていなく、新年の挨拶と近況を話し合った。
あまり詳しくない九谷業界の今を、いろいろと話してくれた。
いずれにしても、ロクロの出来る人がずいぶんと減ったことに愕然とした。
九谷は今も分業制。 ロクロ師を大切にしないことを彼はしきりに訴えていた。

私が若い頃から30歳半ばまで、自分の作品づくりと同時に窯元からの注文で、
九谷焼作家の素地を作っていた、その時分よりひどくなっているとK氏。
「 ロクロ師なんて本当にバカらしい、九谷作家の土台を支えているのは一体誰や?」と。

ひとしきり話しをしたK氏、K氏は65歳になってしまったが、
今も現役でロクロを回している。 K氏のようなロクロ師がいなくなったらこの先・・・。

一時間余り心の内を話したK氏は、先ほど来た雪道をハンドルを握って帰って行った。
K氏が帰ったあと複雑な気分になってしまったが、若い頃の修業の時、
そうなることが分かってしまっていたので、今は自分の作品づくりをしている。

著名な学識経験者や九谷作家の重鎮達は、K氏のようなロクロ師のことを
どのように思っているのか、それとも今さえよければと思っているのか?
K氏の話しを頭で繰り返しながら朝の運動に出かけた。

Photo_8

   雪道

誰も踏み込んでいない雪道。
かけはし川の堤防は、暮れから補強工事が続いていて歩けない。

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   田んぼ

田んぼの農道をひたすら歩いた。 まだ新しい長靴を買っていなくて、
足にビニール袋をかぶせての歩き。 新雪を踏みつつの歩きは気持ちよいが、
かなりの労力がいった。 時折顔を出す太陽が雪に反射してまぶしい。

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   山茶花=さざんか

晴れたり曇ったり、そして雪が降ったりの目まぐるしい一日。
今日の作業は先日から作っている作品の仕上げを終えること。

順調に作業が進み、次の作品づくりのためロクロ場をきれいに片付ける作業を。
玄関脇の山茶花(さざんか)、お日様の光で雪の帽子も脱いで、
あざやかな姿を見せてくれた。

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   板洗い

ロクロ場の板を洗っていたが、指先に水道水が当たり、
手の指の感覚がなくなってしまった。 でも次の作品づくりのため、
この冷たい作業はどうしても行わなくてはならない。
洗いものをしながら、ふとK氏の話しがよみがえってきた。

九谷焼作家たちは、このような作業は必要ないわな、と。

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   小鳥

きれいさっぱりとロクロ場を片付けていたら、
いつの間にか時間が経って、夕刻もせまってきた。
加えて余りにもの冷たさに、手指の感覚もなくなってきた。

ふと垣根を見上げたら小鳥が一羽、細い枝に小さな足でしっかりとまっていた。
むき出しの小さな足、この寒さに凍(こご)えないのかな?


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