創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

二度あることは三度、四度・・・。

2012年05月30日 | 日記

一月に修理に出した土練機、 ようやく最終試運転に漕ぎつくことが出来ました。

もう鉄粉は混ざっていないだろう、
そう期待して友人、鉄工所社長との三人で試運転開始。
順調に、小気味良く音を立てて土練機は動いてくれた。

粘土が良く練れているか確認。
次に真空が効いているかを確認。
粘土を数回土練機に通したところで真空が効いてきた。

土練機で揉まれた粘土に鉄粉が混ざっていないか、ミキサーで撹拌し、
網目の細かい通しに粘土を流し入れ、確認。

まさか、またまた鉄粉が出てきた。
先週も再々々々・・・目の試運転をして鉄粉が出て、
再度の調整をしたのに、また修理のやり直し。

Photo

   友人の指示


土練機を修理に出して、そろそろ半年近くになろうとしている今、
我慢も限界に、腹が立つやら頭にくるやら。
それでもぐっとこらえて修理に付き合っている。

友人が鉄工所社長(50歳)に指示を出してくれているが、
何故か空回りばかりしている。 何で?どうして指示通りに修理しないのか?

私が所有している、この土練機、総ステンレス製でかなり高価な機械である。
何とかして良い作品を作りたくて、思い切って設備投資した土練機である。
それなのに何故鉄粉が出てくる???

Photo_4

   主軸


一月に修理に出した時、友人が疑問を感じ
分解した部品そのものを見せて欲しい、と鉄工所に申し出てくれた。
その分解された部品をみて唖然! これが専門鉄工所の仕事?と疑ってしまった。

なにやら言い訳を始めた鉄工所、しかし部品を見れば一目瞭然。
うむを言わせず、新しい物に作り直してもらった。
しかし、その時点からすべての歯車がくるってしまった。

どのような仕事をしているのか疑ってしまう結果ばかり。
肝心の主要部品の取り付け位置を再び失敗。
「 出来ました。」と言ってくれたはいいが、取り付け位置が間違っている。

それをまた調整。 そして試運転。
でも何故か鉄粉が出てくる。 何故? 総ステンレス製なのに?
この土練機を作った会社、残念ながら数年前に閉鎖。

友人の言うには、前回修理に出した時、
鉄工所が部品を落として割れたのではないか?と。
その部分を慎重に調べていくと、鋳物で作ってあった。
もしかして落として割らしたのでは?と聞いても答えるはずも無く。

その時点から鉄粉が出ないようにあらゆる手を打った。
何度もなんども試運転し、しかしその都度鉄粉が出て修理。
もう合格点を出せるかと期待して火曜日に試運転。 結果不合格。

Photo_3

   部品取り付け


いくら我慢強い私でも、そろそろ限界。
一月からこの方、ずっと土練機に掛かりきり。
今日も友人が指示を出し、新しい部品を作り直してもらって取り付け。

そして明日午後、足らない部品が仕上がって再々々・・・々試運転。
もういい加減にして欲しい、何とか鉄粉が出ないよう祈る気持ちで試運転を行う。


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金環日食

2012年05月25日 | 日記

日本全域で見られる、金環日食、
数日前よりどの辺りが良く観察できるかと報道されていた。

いまもなお、土練機の数回目の分解を友人が手伝ってくれ、
我が工房で、徹底的に細部にわたって点検分解を続けている。
石川県では部分日食しか見られないとのことで、友人は早朝から近畿方面へ。

Photo

   AM 7:25


金環日食については特に興味があったわけでもなく、いつもの朝を迎えた。

Photo_2

   AM 7:28


トラちゃんに朝ごはんを与え、いつものようにコーヒーを淹れ。

Photo_3

   AM 7:30


新聞の一面には金環日食の話題が大きく載っていた。

Photo_4

   AM 7:32


明るかった朝の光、
何故だか、不思議な感じで薄暗くなってきた。
今まで経験したことが無い、妙な暗さが広がってきた。

Photo_5

   AM 7:34


夕方の光でもなく、薄暮の薄暗さでもなく、
何となく不気味な雰囲気の明るさの朝に変化した。

Photo_6

   AM 7:36


テレビは、どのチャンネルをまわしても金環日食の実況中継を報道していた。
ならば私もとカメラを取り出し、どうやって撮影すればいいかと瞬時に考えた。
特に観察する道具を持っていないし、さて?さて?と考えてひらめいた。

高温になった窯の中を観察するサングラスを使えば見えるかも。
しかしサングラス一つでは光が強すぎてハッキリ見えないだろう。
では運転中に使っているサングラスを重ねれば、と試したら良く見えた。

Photo_7

   AM 7:45


形容の出来ない不思議な明るさの中、
7時25分から数分ごとにシャッターを切った。

テレビでは7時35分頃が一番美しい金環日食と言っていたが、
ここ、小松市荒木田町の我が家からの観察では、7時32分が一番欠けて見えた。
直接太陽を見ることも無く、モニター画面を見ての観察、何と便利なことだろう。

遠い記憶をたどれば、小学六年生の理科の時間に金環日食を観察したような。
その時はガラスにロウソクの炎を当て、ススで黒くしたもので太陽を直接見たような。
確かにそのような記憶は甦ってきたものの、太陽がどんな感じだったか思い出せない。

私が小学生の頃に行った、ガラス板にススを付けたもので太陽を見てはいけないと、
テレビでも新聞でも注意を呼びかけていた。

あえて遠くに行かずとも、それなりに観測でき満足。
それにしても、初めて味わった妙な光。
わずか十数分の出来事だったが、良い経験が出来た。

化学の無かった時代、人々は金環日食をどのように感じたのだろうか。
不吉な前触れとして、恐れおののいたのだろうか。

この、何とも不思議な明るさ、ふっと「 今 」を忘れさせてくれた朝だった。


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白磁線文壷 ・ 山野草

2012年05月20日 | 日記

急激に気温が上がったり下がったり、
それでも何となく初夏を感じさせる天候が続いている。
あす朝、932年ぶりに金環日食が見られると、毎日報道されている。
932年ぶりと簡単に言っているが、932年前はどうだったのだろうか?

化学の発達していない時代、空が一気に暗くなり、不吉な前兆として
人々は恐れおののいたのだろうか・・・しかし数分で元の明るさに戻ってしまって。

今日の北陸の天気予報は晴れ。 けれど空一面に薄い雲が広がっていた。
明日は晴れ時々曇り。 さて金環日食は見られるだろうか。
子供の頃の理科の時間に、ガラス板にロウソクの炎をあて、
ススで黒くしたもので太陽を見たことがあった。
あの時は日食?それとも月食?

兎にも角にも932年ぶりの天体ショー、
天気に恵まれれば日本の広い範囲で観測可能と言う。
素晴らしい金環日食が見られるよう、願いたいものだ。

Photo

   タニウツギ


山が近いので、このごろ時間があれば出かけている。
車で5分もあれば山。 今が盛りと様々な花が咲き誇っている。

その中で、枝の流れが美しい、「 タニウツギ 」を採取してきた。
水上がりの不安を覚えたが、すぐに水切りをし、新聞紙にくるんで一晩置いた。
あさバケツの中のウツギをみると、しっかりと水が上がり花も咲いていた。

早速壷を用意し、枝振りのいいものを選び動きが出るように生けてみた。
特に葉を整理する必要もなく、そのまま生けてみた。

近くの山には時季が移り行くごとに、様々な花が咲き出す。
今回はウツギの近くに芽を出し始めた、「 クルマツクバネ 」の若芽も採取してきた。
緑鮮やかなツクバネの若葉、程よい大きさで、すんなりと収まってくれた。

Photo_2

   根じめに
   クルマツクバネ


幸せなことに山が近いこと、それもなだらかな小山。 しいて言えば里山がぴっったり。
キンポーゲ、山藤も見事に咲いていて、眺めているだけで楽しく幸せな気分になってくる。
もうしばらくすると、この木立の中では「 ササユリ 」も咲き出す。

自然が一杯、緑豊かな国土、いついつまでも大切にしなければ。
自然を壊すのはいとも簡単。 けれど再復活させようとすると並大抵では出来ない。

私が出かけている山には自然が残っているが、
そこから少し離れた山では、何々開発会社が山を切り崩して開発中。
新しい街、「 何とかタウン 」と銘打って開発している最中である。
これ以上人口が増えないのに、何故に自然を破壊してまで家を建てるのか???

Photo_3

   白磁線文壷



   径=14、8cm
   高=33、3cm


私の作る白磁は真っ白ではなく、心もち青味がかっている。
少し青味があるほうが自然の白に近いと感じている。

自然の息吹きと成長著しい竹を題材にして作った、「 白磁線文壷 」。
様々な困難な時代ではあるが、竹のように日々大きく成長するよう、
願いを込めて作った、「 白磁線文壷 」です。


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焼成試験

2012年05月15日 | 日記

1月に修理に出した土練機、
我が家に帰ってきたものの、何度もつまずきがあり、
いまなお不信感がつのっている。

とりあえず、ステンレスを削ってしまう原因は無くなったが、
その後は正常に作動するかと、毎日土練機を動かしている。

Photo

   また錆が!


私の仕事は窯元と異なって、頻繁に窯を焚くことがない。
作品として納得いかない限り、本焼きの高温焼成は行わない。
土練機から出てきた粘土の状態を確かめるには、高温焼成が必要である。

連休前、窯元にお願いした焼成試験、先週末に我が家に届いた。
なんとも困った結果になっていた。

土練機から出てきた粘土、500グラムを水に溶かして不純物を焼いてもらった。
8個の四角い試験板、大きさは1cmくらい。 そこに不純物を載せ焼いてもらった。
結果は上記の写真のように、8個の内4個に鉄粉が出ている。
何と、確立は50%。 良しかダメか・・・これではどうしようもない。

鉄工所の社長が毎日訪ねてくれるが、このままでは土練機は使えない。
さらにテストを繰り返して結果を見、次の対策が必要となった。
彼に渡す次の試験品、木曜朝に決めた。社長が再び窯元に焼成をお願いする。

Photo_8

   青空の下


気分はとっくに落ち込んでしまっているが、いつまでも引きずるわけにも行かず、
何とかして気持ちを切り替えねばと、あらゆることを試みている。

実家の畑のミカン、剪定はしたが果たしてミカンの花が付くか心配でもあり、
昨日天気も良くて畑に出かけて観察した。

先月、ジャガイモを植えた時には剪定をしすぎたかなと、少し心配に。
畑に出かけている母はガッカリしているだろうな、と思っていたが、
いつの間にやら沢山の蕾が付いていた。

Photo_9

   つぼみ


果物の好きな母、「 お前の剪定は切りすぎ、」と言って本当にガッカリしていたが、
この頃は、「 かなり花が咲いてきた!」と言って喜んでくれた。

私に劣らず、母も体の支障がありながらも元気で畑に出かけてくれる。
昨日一緒に畑に出かけ、野菜の状態を確かめながら、ミカンの様子も確認。
「 嬉しい、冬の間もミカンが食べられる。」と喜んでくれた母、
今年で85歳になる。

パプリカを植えるのかと聞いてきたので、「 そろそろ苗を買おうと思っていたところ、」と私。
では、と昼少し前に一緒に出かけた。 ところが農協にもホームセンターにも、どこにも無い。
遅すぎたか!と困ってしまい、それでも諦めきれず、母とそれらしい店を回った。

そして、まさかここには無いだろうと入った苗屋さんに6本のジャンボピーマン苗が。
3本だけ良い苗を選んで購入。 ヤレヤレと時間を確かめると1時前。

今日は外食したくないと母は言っていたが、
時間も昼をとっくに過ぎてしまい、ランチを出しているレストランに入った。
とりあえず今日のランチを注文して待つこと10分あまり。
母の言うとおり、家で昼食をすればよかった、と思うランチが出てきた。

タップリのご飯に、丼鉢の「 小松ウドン 」、鳥足1本のから揚げ、
ヒジキの煮物、小鉢のサラダ。 粉ものが多く、母はウドンと惣菜だけ食べた。
「 年寄りには、とてもじゃあないが、こんなに食べられない、」と、お願いして、
ラップとトレイを頂いて、ご飯とトリ唐揚げは持って帰った。

Photo_7

   レタス


一月前には玉葱しかなかった、実家の畑、
母の生きがいである畑には、母が育てた幾種類もの野菜が元気に育っていた。

その中に、サラダ菜がかなり大きく成長していた。
「 もう少しすれば食べられるから、いつでも採っていって、」と母。

母の日や敬老の日には、取りたてて何もしない私だが、
母が育ててくれる野菜を有難く食べるのも親孝行、と勝手な解釈をしている私。


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若葉茂る庭

2012年05月10日 | 日記

と言うべきか、手入れの行き届かない庭と言う方が正しいか。
庭の木々が一斉に芽吹きだし、スッキリしていた庭は林状態。

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   勿忘草(わすれなぐさ)


工房前には数種の花を植えてあり、
その横には石楠花(しゃくなげ)も蕾を膨らませてきた。

面白いもので、勿忘草は所かまわずに愛らしい花を咲かせている。
毎年丁寧に株を集め、一箇所に植えなおしてやるのだが、
翌年には何故か、そこいらじゅうに花をさかせている。

いつの間にか延びてきた雑草、その中からも茎を伸ばし花を咲かせている。
そろそろ草刈機で一気に雑草を刈り取ろうと予定していたが、
その雑草に混ざって勿忘草が。

草刈を優先すべきか、勿忘草が咲き終わるまで待つべきか。
ここにも、そこにも、と観察していたら、

Photo_5

   燕(つばめ)調査


   玄関先


「 こんにちは~」と、小学生達がきた。
「 こんにちは、燕調査に協力お願いします、」と三人揃って頭をぺこり。

「 残念ながら燕はいないけれど、こんなに沢山の木があるから様々な鳥がいるよ、」
というと、
「 今日は燕の調査ですので、燕について教えてください、」と。

「 近頃、燕を見ることはありますか?」には、
「 そういえば年々数が減っているように思うなあ、」と私。
「 では燕をどのように感じますか?」と。

「 ん?どのように感じる?って?」。
「 はい、燕がいることをどう思われますか?」。
「 燕は害虫などを捕ってくれて益鳥と思うよ」と言うと、
「 調査はこれだけです、ありがとうございました、」と三人が頭を下げた。

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    赤葉


我が家の庭には燕はいないが、春先には小さな渡り鳥が巣作りをしていた。
今は居ないニャンコ、シロちゃんがいつも小鳥を捕まえては見せに来ていた。
殆ど毎日、勝手口の入り口に小鳥の死骸が置いてあった。

飛び回る小鳥を、一体どのようにして捕まえたのか、不思議でならない。
獲物を得意げに私に見せていたシロちゃん、いまはいずこ・・・。

シロに比べ、トラちゃんは小鳥を捕ることをしない。
ネコでも狩猟するネコと、そうでないネコがいることが興味深い。

いずれにしても庭はうっそうとしてきた。
キジの声も聞こえてきたし、またこのあたりに訪れてくれないかな。

5月に入ると同時に、いくつもの展示会の申し込みが増えてきた。
焦る気持ちと戦いながら、毎日を送っている現在の私。


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