創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

作品整理と窯焚き

2009年08月30日 | 日記


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   個展作品整理


いよいよ個展が近づいてきた。
来週の日曜日は作品搬入と陳列を行う。
そして今日、個展用作品の最終窯焚きを行っている。


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   データーの選び出し


窯焚きと同時に、先日撮影した作品の整理を行っている。
窯焚きは昨日も行い、工房の中はガマンできないくらいの温度になっている。
天井近くに設置してある大型換気扇は間断なく換気しているが、それでも温度は下がらず。

大小と二基の窯のある工房内、昨日は大窯で作品を焼き上げた。
火を落として数時間の休憩を取り、すぐ小の窯に火を入れた。 
今日も強い陽ざしだったが、湿気も少なく、このような日は青磁や白磁を焼くには最適。


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   窯変紅彩壷(辰砂)


とにかく今日は気ぜわしい一日となった。
作品整理、選び抜いての作品の撮影、そして小窯の状態をたえず観察。
加えて朝からパソコンの電源を入れっぱなしにして、プリンターで印刷。
四種に分けてある作品群、その三群まで作品が揃い、それらをパソコンに取り入れて整理。
あれもこれもご覧いただきたいが、全部と言うわけにはいかず、データーを出したり入れたり。

二年ぶりに行う金澤画廊での個展、来て下さるお客様方に心から満足していただけるよう、
心こめて作品を焼き、整理を行っております。


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   バーナー付近


そうこうしている内に窯の温度も上がってきた。
窯の温度は1、100度を超えている。 そろそろ工房に入り、
最後の微調整をしなくてはならない。


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   還元炎


煙道からは還元炎がキレイに立ちのぼっている。
この還元の強弱を見間違えると、美しい作品が焼き上がらない。
この小窯には、先日作った平皿が入っている。 美しい青磁釉薬が線文に溜まり、
希望通りの文様が浮かび上がることを願い、今から工房に入ろうと思います。


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釉薬掛け

2009年08月25日 | 日記

順調良く事が運ぶと思っていたが、急に野暮用が増えて予定が狂ってきた。
それでも何とか釉薬掛けだけは済まそうと、夕食後に工房に入って仕事の続き。
細かい手直しが残っているが、電灯の下ではいまひとつ仕事が進まない。

今日も仕事の続きをして、明日窯焚きをと思っていたが、見事に予定が外れた。
朝から飛び回って用事をこなし、家に帰ってからも細々とした片付けなどを行った。


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   白磁線文皿


とりあえず、釉薬掛けした作品を太陽光線で乾燥させることにした。
この白磁線文皿、二度手間を掛けた皿である。 
ロクロで皿をつくり、あらかじめ作ってある型にかぶせて、線文を浮き上がらせた皿である。

とても薄く作ってあるので、厚く掛けなくてはならない白磁釉薬が
計算どおりにタップリと掛かってくれるかと気をもんで釉薬掛けを行った。
何とか無事に釉薬も掛かり、あとは希望通りに品良く焼きあがってくれることを祈るのみ。


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   青磁マグカップ


続いて行った作業は、定番の、私の大好きな形のマグカップの釉薬掛け。
青磁は白磁釉薬よりも、更に分厚く釉薬を掛ける必要がある。
そうしないと青い、美しい色が発色しないのある。

海や、川、湖の浅いところでは水は透明だが、深くなるに連れて青い色が増してくる、
その状況と同じ事を施さねばならないのである。 だから釉薬をタップリと掛ける必要がある。
ロクロで作った素地が厚ければ何の苦労もなく、釉薬をタップリ掛けることが出来るが、
この作品は手で持ち上げて使っていただくマグカップである。

青磁釉薬を分厚く掛けると、焼き上がり後はどうしても重くなってしまう。
そのため、素地は極力薄く作る必要がある。 
薄い素地に釉薬を厚く掛けることは至難の技でもある。 慎重に一個ずつ釉掛けを行った。

手前のスッとしたマグカップには、ギリシア取材で印象に残った草花の文様を彫りこんである。
シンプルなデザインだが、末永く使っていただいても飽きの来ない文様を掘り込んだ。

向こうのふっくらとしたマグカップ、これには鉄釉薬で文様を描こうと思っている。
音楽が好きなので、何か楽しい感じのする文様を描く予定でいる。

私のマグカップの持ち手は、見た目にはごつく感じられると思うが、至極持ちやすいのです。
見た目にも美しいカップは色々あれど、今日までいろんな場面でそれらを使うことがあったが、
いずれのカップも取っ手の作りが指に馴染まなかった。 デザイン優先で使う場面を
意識していないカップが多すぎたように思う。 

以前にも書いたが、一日に7~8杯のコーヒーや紅茶を飲む習慣の私。
くつろいで飲むそれらの飲み物、やはり手に、指にピタッとするカップがほしいと、
このような形に到達した。 実際お求め頂いた方々から使ってみて初めて分かりましたと
お便りを頂くことがよくある。 その時、作ってよかったと心より幸せな気分になれる。


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   サルスベリ


早く窯焚きを行わなければならないが、予定外の用事ではどうすることもままならぬ。
時間はずれてしまったけれど、何とか間に合うよう、慎重に準備を進めていこうと思う。
予定では、これから3回の窯焚きを行う。  その結果をみて個展出品作品を決定する。
二年ぶりに行わせていただく金澤画廊にての個展。 来て良かったと思っていただけるよう、
心こめて創作に励みたいと思っています。

昨年咲かなかった、サルスベリ、何事もなかったように今年は沢山の花をつけている。
夏から秋へと移ろうとしているこの時季、白と淡いピンクのサルスベリが庭を彩っている。


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大掃除

2009年08月20日 | 日記
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    工房の掃除


  また草が伸びてきた


いつものごとく、焦りの感情が出てきた。
まだまだ時間があると思っていた金沢画廊個展、もう目の前まで迫って来ている。  
個展作品の70パーセントは準備できたが、あと30パーセントの作品が納得いかない。
かねてより準備していた素焼き作品の中から、これっ、と思う作品を選びだした。

仕事に取りかかろうと思ってみたものの、工房の中の汚れやホコリが気になって仕方ない。
本来なら盆前にスッキリと掃除するものだと思うが、取り立ててその日の為にとは動かない私。
私にとって、「 何とかの日 」はそれ程重要ではない。 毎日が何とかの日、なのである。

工房の中の乱れが目に付き、これは何とかせねば、その 「何とかの日 」が今日だった。
ガラス窓をはずし、扇風機を外に向け最強風にし、エアーコンプレッサーのスイッチを入れた。
コンプレッサー内に圧縮空気が十分に溜まったことを確かめ、工房内の隅から隅まで
コンプレッサーの空気を吹き付けた。

何処にこれほどのホコリが溜まっていたかと思う程、気持ちよくホコリが舞い上がり、
扇風機の風に乗って勢い良く外に飛び出して行った。
普段、それほど細かいホコリなど出ないような仕事をしていたが、
コンプレッサーの空気圧で舞い上がるホコリと霧のように窓の外に出て行くホコリを見て、
焼物、特に粘土を扱う仕事をしていると、これほどまでに微粉のホコリが溜まるものだと再認識。

天井から順に床まで、すべてのホコリとゴミの始末を終えたのが昼近く。
早く作品を仕上げねばと焦る気持ちと、工房の中を掃除しなくてはの気持ちの焦りが
たまたま今日の日だった。  ようやくキレイになった工房、これで次の仕事に取り掛かれる。

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   平皿干し


とりあえず先日作った「 平皿 」 のチェック。
ホコリ、ゴミなど払い落とし、土の中に鉄粉が混じっていないか、念入りに検査。
水など使っての検査なので、今日のような強烈な太陽光線は仕事を進めるには最適。


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   種々の器・干し


続いて大皿や、ひねりを加えた鉢などの検査。
ホコリをすべて外に出すために冷房もかけられず、扇風機を最強にしての作業。
これも同じく水を使っての検査なので、次の仕事に取り掛かる前には十分に乾燥が必要。

今日の天気予報では最高気温が33度。 けれど工房の温度計は36度をさしていた。
もう秋だというのに、この暑さには参ってしまう、が、これをやらねば納得いく作品が揃わない。
着ている物が汗でビッショリになり、その都度シャワーを浴び着替えをした。

修業時代に比べると何もかもが随分と便利になり、生活もしやすくなってきた。
しかし私が行っている作業工程は以前とそれ程も大差は無い。
いずれにせよ、これ等を済ませなくては次に移れない。

ジリジリと太陽光線が照り付けてくる。
ひとつ一つ吟味した素焼き作品を乾燥させるために、順々に外に出した。
私の車の色は黒色。 熱を吸収し、ヤケドしそうな位に温度が上がっている。
車体の塗装に傷をつけないよう、コンポートもそっと置いて乾燥。

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   高台コンポート・干し


このようにして今日の作業は終了。
明日からは釉薬掛けの作業に取り掛かる。
個展まで時間との競争だが、いつものまじないを自分に掛ける事にした。
・・・・・「 絶対に間に合う、できる! 」・・・・・


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フルーツトマト・アイコのピューレ

2009年08月15日 | 日記

天候異変の夏、10本植えたフルーツトマト・アイコの成長が心配だったが、
昨年を上回るほどに沢山の実がみのった。

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   フルーツトマト・アイコ


けれど日光不足か、外皮が幾分か硬い。 加えて甘みが足りないような気もする。
いずれにしても雨の日が続き、水分を吸収した果実が順々に割れてしまっている。
このままだと腐ってしまうので、はちきれんばかりの果実をすべて採取した。

トマトの背丈は2メートル近くまで伸び、ビックリするほどの量が採れた。
化学肥料も農薬も散布しないのに、よくぞここまで大きくなったことかと感心。
赤く熟した実だけを採取したが、優に1、000個以上採取できた。
もちろんこれからも熟す実が沢山、採取される順番を待っている。

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   トマトジュースを作る


いくら消毒をしていないとはいえ、念には念を入れ何回も洗った。
ひとつふたつと、ぷりぷりしたアイコを口に含むと、ジュワーッと甘いジュースが口いっぱいに広がる。
その味は自然の恵みの、まるで果物そのものの甘みがある。

1リットルの容積しかない我が家のミキサー。
アイコのあまりの多さに、何回も何回もジュースを作り、大鍋2個をガスレンジにのせ、
時間をかけ、ゆっくりと煮詰めていった。 その都度アクが出てくるので、きれいに取り除いた。


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   煮詰めてピューレを作る


特にアクを取らなくても良いと思うが、これをしないと料理にほんの微妙なエグ味がでてくる。
気にしなければどうってことは無いが、折角の美味しいアイコの味、やはりウマイ料理が食べたい。
ふきこぼれないよう、火加減を確かめつつ、シッカリと煮詰めていった。

時間を惜しまず丁寧にアクを取り除いて、ぎゅーっと煮詰まったアイコのジュース、
自家製のトマトピューレの完成。
500グラムづつ小分けし、冷凍保存できる袋に入れて冷凍庫へ。
何と15袋のトマトピューレが出来上がった。

冷凍庫には、先日から実り始めた 「 さやインゲン 」 も大量に保存してある。
そして今回の、「 アイコのトマトピューレ 」。
前庭の畑には、これからも採取できるアイコが沢山実っている。 加えてゴーヤも。

報道では野菜不足と知らせているが、我が家では今年も豊作。
ゴーヤはバナナ、時にはリンゴなどとミキサーに掛けてジュースを作り、毎日飲んでいる。
ゴーヤ棚を覗けば、大きくなったものや、これから大きくなるものまで大量にぶら下がっている。

一気に実ってくれる野菜たち、嬉しい悲鳴と共に保存の準備もしなくてはならない。
飲んでも飲んでも飲みきれないゴーヤ。 ゴーヤチャンプルもゴーヤサラダも飽きてきたし。
そろそろゴーヤも冷凍する準備に取り掛からなくては。


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   自家製野菜のポークソティー


      トマトピューレあえ


        青磁四方鉢


金澤画廊個展の準備を進めつつ、収穫した野菜の保存もしている今、
作りたてのピューレで一品を作ってみました。
材料は、自家製パプリカ、自家製ニンニク、自家製玉ネギ、アイコのピューレ、そして豚肉。
味付けは、岩塩(あれば)、コショウ、庭に生えているローズマリー、たったこれだけ。

これは地中海地方の家庭の味として作られる料理の一種。
たったこれだけの材料で風味豊かな、おいしい料理が作れる。 
出来ればサラダオイルよりもオリーブオイルを使った方が、より美味しく仕上がる。
熱々をフーフー言って食べるもよし、冷めても風味は変わらない絶品、ぜひお試しを。


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真珠のしずく

2009年08月10日 | 日記

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      夕方6時過ぎ

 杜の左に見えるはずの白山


    白山は今日も雲の中


梅雨明けしたはずなのに、いまだにスッキリとしない天気。
けれど今日の小松の大気は澄んでいたのか、雲が掛かっている山並みの緑が美しく映えていた。

あさ早く親しいT 氏が訪ねてきて、いま巷で起きている様々なことや近況を話し合った。
T氏は放送局でバリバリと仕事をこなし、私の個展などの様子もニュースで取り上げて下さった。
昼食時間になり、何かを食べに行こうと、白山方面、尾口村まで出かけてきた。

さすが元放送局職員、殆どのことを網羅していて、どこそこの何が美味しいと教えてくれ、
いくつか候補をあげて、ここなら堂前ちゃんの口にも合う、とその店に案内していただいた。
店の中で蕎麦打ちした、まさしく手打ち蕎麦、豊かな蕎麦の香りとダシが抜群であった。

その店から車を飛ばせば白峰村までほんの少し。 それではと白峰村までドライブ。
以前よく訪れていた白峰村、私は数年ぶりに訪れただろうか。
白峰村に来たら一番に買いたいものがあるので、と、あんをまぶした「 とちもち 」を購入。
店の女将さん、「 Tさん今日は取材? 」 と。

雨が降りそうで降らない今日の天気、けれど緑に彩られた山並みはくっきりと。
カーナビをテレビに切り替えると近畿地方の大雨の被害状況を実況している。
思えば去年の夏、女川で知られる、浅の川が集中豪雨で氾濫し、多大な被害が出た。
ここ近年の気象は予想もつかないほどに変化し、急激な大雨で甚大な被害が発生している。
自然をあなどってはいけないな、と話し合い、白山から流れてくる手取川をしばし眺めていた。

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   静かな、かけはし川


山から戻っても話は尽きず、夕方近くまで話し合った。
雨も降って来る様子でもないので、いつもの散歩に出かけることにした。
九州、近畿地方で台風9号の被害が出ているというのに、今日の梯川は穏やか。
数人の釣り人が糸を垂れていた。 鮎釣り解禁から二ヶ月、鮎も大きくなったことだろう。

堤防を歩いていくと、いつものハス田が見え始めてきた。
今年はそれ程も興味が沸かなかったハスだったが、姿を収めようとカメラのレンズを向けた。
昨夕の雨の忘れ物か、ほんの一滴、まるで真珠のように美しく、シャッターを押した。

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   ハス


再び堤防に戻り、T氏と出かけた白山方面を見やれば黒雲に覆われ始めていた。
そして下流に視線を移すと、


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   うつくしい夕陽


真ん丸い夕陽もきれいだが、雲間からあふれ出る美しい光の道、
今日の夕陽の光はこれまで見たことの無い、珍しい光線を発していた。
しばしその光景をボンヤリと眺め、明日はスッキリと晴れてほしいな、と夕陽に願いをこめた。


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