いつかは東大寺に参拝をと思いつつ、中々その機会がなく、
というより何となく気恥ずかしさも手伝って、
近くまで何回も行っていたのに参拝してこなかった。
今回、個人的な事情も重なり、これまでのお詫びとお礼をしに参拝してきた。
近年、関西方面へは特急電車で出かけることにしている。
大阪までの乗車券を買ってあったが京都で途中下車、近鉄に乗り換え奈良へ。
出かける前から雨が降り、奈良駅を降りたときにはすでに雨。 バスで春日大社へ。
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春日大社・鳥居
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燈籠から鹿のお出迎え
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久し振りに訪れた奈良・春日大社、雨の中、鹿たちも静かに迎えてくれた。
苔むした燈籠やせせらぎが、ムッとする湿気を追い払ってくれているようにも感じた。
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回廊
次第に雨が強くなり、
人々はあちらこちらで雨宿り。
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回廊脇の燈籠
蝋燭をともす為の
須恵器皿が添えてある。
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いくつもの御社(おやしろ)があり、その中の一つ、銅で作られた吊り燈籠の姿が目に付いた。
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格子戸と燈籠
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いつもはサッと巡ってしまう春日大社、雨が降ったお陰か、ゆっくりと参拝し満足。
丁度昼時間、ガイドブックやネットで調べた食事処・ゆうすい・が分からない。
太陽さえ出ていれば、その影や時間で場所を特定できるのだが、今回はそれは無理。
春日大社の係りの人に聞いてもわからない、門番の人なら知っているからと言われ、
「 ゆうすい 」の場所はと地図を見せて聞くと、東大寺近くの交差点手前、と言う。
礼を述べて雨の中、500メートル近く歩いてたどり着いたが、そこは東大寺前の土産店。
人力車の若者に尋ねたら、春日大社門番のすぐ近く、春日山に向かう30メートルの所だと。
びしょぬれになって再び門番近くまで。 あとで思ったこと、人力車に乗ればよかったか?と。
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ゆうすい・外のイス席。
さすがの大雨、
誰も座っていない。
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1、280円の昼食
ご飯は小豆(あずき)ご飯
惣菜は栄養的に
調和が取れている。
しかし、味付けは超うす味、
・・・というより、
味付けを忘れたのかな?
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今回ここを訪れたのには理由があって、葛餅、ワラビモチが大好きなため、
ネットで調べたら、「 ゆうすい 」が美味い、と出ていた・・・ならばぜひ一度と訪れたのだった。
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お客の注文を受けてから
作る、蕨モチ(ワラビモチ)。
あずき餡、きな粉をつけて。
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おたまですくった
ワラビモチ。
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やっぱり、
あずきの方が・・・。
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行ったり来たりしたけれど、おなかも満足、服も乾いたし次は参拝目的の東大寺へ。
先ほど行って戻って来た道を再び下り始めた、が突然の前が見えないほどの大雨。
歩道も車道もザーザーと川状態。 もちろん乾いた服もクツも何もかもびしょ濡れ。
カメラだけは濡らさないように気をつけ、500メートル先の東大寺へ。
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観光客は土産店の中に避難。
親子の鹿だけが迎えてくれた。
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小降りと同時に人々が。
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山門から大仏殿。
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柵の間から大仏殿全景。
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レンズで大仏殿に近寄る。
山門から直接中には入れず。
グルっと回って大仏殿に
入るようになっていた。
この場所でお礼とお詫びの参拝。
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東大寺をあとに。
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1987年、昭和62年安宅関八百年祭で
私の茶道具が献茶式に使われることに選ばれ、
献茶式に招待されて来られていた、当時の東大寺貫主から
ぜひ東大寺にも献茶式に使われた盌と同じものをと、買い上げてもらった白磁天目盌。
東大寺まで大切に持って行ってくださった方が、
当時重篤の病気で入院中の私に様子を知らせて下さり、
四十人余りの高僧が円座になり、一人ひとりが私の白磁天目盌を見定めし、
その結果、皆さんが納得して初めてお買い上げと。
貫主が良いといったのだからと、簡単に思っていたけれど、
とても厳粛な儀式で緊張のきわみだった、と話して下さった。
1987年、昭和62年、今から23年前36歳の時、手術と入退院を繰り返していた年だった。
東大寺がある限り、宝物殿が有る限り、私の白磁天目盌は東大寺に大切に保管されている。
ありがたい、こころからそう思い、東大寺をあとにした。
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大阪NHK。
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その晩はもう一つの目的、大阪NHK大ホールで行われる、パリ祭を観賞。
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サンケイパリ祭。
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昨年も同時期に行われた神戸でのパリ祭に出かけ、あまりにも稚拙な演出に辟易し、
今回も不愉快な思いをするかと危惧していたが、無駄な演出も学芸会のような司会もなく、
それぞれの歌い手の持ち歌を堪能でき、満足。
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梅田に戻る。
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シャンソンの、人間味溢れる歌詞とメロディーを心の中で歌いながら気分良く、
大阪梅田駅のホテルへ。
梅田までの地下鉄の車中、
「 個展が終わった後、兵庫県立芸術文化センターのコンサートを予約した、」と。
はぁ~、仙台の個展がどうなるか心配なのに・・・・・なんたることか。
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道頓堀。
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心斎橋
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翌朝、梅雨が明ける予感がするほどの良い天気に恵まれ、しばし大阪見物。
船場の商店街を見て回ったり、心斎橋、道頓堀を端から端まで歩いたり。
前回クツで足を痛めたが、今回はゆったりしたクツで軽快に歩けた。
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小さな喫茶店。
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雨上がりか、気温も湿度も半端でなく、静かな喫茶店でゆっくりと休んだ。
今回の奈良、大阪、個展準備中だったが満足した日々だった。
午後7時27分、心地良い疲れの中、サンダーバードはゆっくりと大阪駅ホームを離れた。
・・・本当にゆっくり・・・そして途中何度もなんども停車。
琵琶湖湖西線付近が大雨の為、徐行運転を行いますとのアナウンス。
最初は6分遅れで発車、途中幾度も止まったり、動いたと思ったら歩く速度だったり。
列車は1時間半遅れの11時に小松着。 初めて経験だった。
奈良、大阪から帰って一息つくまもなく、翌日は素焼き窯出し。
焼き方を変えたためか、何とか無事に焼き上がっていた。
梅雨も明け、次の素焼きの準備を行い、昨日早朝から素焼きを行っている。
今回もうまく焼き上がりますように。