創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

幸せなひととき

2008年02月25日 | 日記

もうすぐ春なのに、なぜかこの頃になって冬らしくなってきた北陸。
昨日はかなりの寒さと猛烈な北風。
粉雪、ぼたん雪、そしてアラレと目まぐるしく空は変化していた。

そんな中、夕方から金沢へ。
いつも何かと気遣ってくださる方の写真クラブ作品展をみてきた。
「早春」 森の木立の根元の雪が丸く消え、常緑樹が春の近いことを感じさせてくれた作品であった。
新雪とは異なり少し汚れの混じった雪なのに、なぜか温かさと名残さえも思わせる雪、
厳しかった冬から芽吹きの春へと希望を持たせてくれる作品に、心がなごみました。

Photo

      デュオ・コシカワ
    石川県立音楽堂にて


写真展を鑑賞したあと、お誘いを頂き、金沢駅前の音楽堂へ。
いつもミサ曲の練習でピアノを弾いてくださっている方とお嬢さんのデュオ・コンサート。

   ~ 「夢」 「春」 「歌」 を紡ぎます ~

・・・・・ 厳しい冬から春につなぐ美しい曲を選びました。
           一足早く温かいひとときをお楽しみください ・・・・・

母、娘のほほえましく息の合った愛情あふれる素晴らしいコンサートでした。
お嬢さんは8歳からチェロを勉強され、現在は東京芸大音楽部器楽科に在学中。

演奏の間のお母さんのお話し、「小さい頃からこうしてデュオを楽しんできました」。
お嬢さんの旋律を包みこむような母のピアノのタッチ。
その母の懐からあふれんばかりの情熱でチェロの響きを奏でるお嬢さん。
バッハ・G線上のアリアから始まり、12曲。 そしてアンコール曲。
体中が温かい掌に包まれているような、そのようにも感じた幸せなひとときでした。

Photo_2

   春まちわびる、ツクシ


幸せな気分に浸った昨日、
その余韻か、いつもは早くに目覚めるのに今朝はゆっくりとしてしまった。
早く朝ごはんを、トラとシロの呼ぶ声で目がさめた。
先日からトラとシロは同じ寝床に入って寝ている。 トラはシロを家族と認めてくれたのだ。

ヤレヤレ、これで一安心。
寒い夜も一緒に寝ていれば互いの体温で寒くはなかろう。
そーっと寝床を見やれば、トラに抱かれるようにシロは寝ている。
母親にしてやれなかったトラ、可愛い娘が出来たと思ってシロを可愛がってと
起こさないようにドアを閉めた。

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冬空

2008年02月20日 | 日記

1

   東の空 ・ 観音山


もしかしたら今年の冬はこのまま通りすぎて行くのかな、と思っていたら
20cmの積雪に見舞われた。
これくらいの雪はどうってことないが、歩くことを日課にしている私にとっては困りものの雪である。

いつもはスニーカーを履いて出かけているが、
20cmもの新雪が積もっている堤防を歩くには、いくらなんでもそれは無理な話である。
長靴の中に敷物を2枚重ね、歩いても大丈夫な体制で出かけた。
ズボッ、ズボッ、雪に足をとられながら新雪を踏みしめて歩いた。
ほんのしばらくしか歩いていないのに、じんわりと汗が出てくる、雪道を歩くのはそれ程に大変。

誰一人歩いていない純白の雪道が続く堤防は、荘厳なまでに美しい。
白一色の堤防に足跡をつけるのがためらうほどに、神聖な雪道であった。

いま歩いて来たところを振り返れば東の空にほんの少しの青空が顔を出している。
しかしそれも一瞬で、北西の方向から次の雪雲が観音山を覆うとしている。

Photo

   堤防脇の桐の木


雪だけが降るのはかまわないが、今日は雷注意報も出ている。
雲の流れを気にしつつ20分あまりも歩いた頃、
堤防下の土手に桐が植わっている地点までたどり着いた。

寒空に根を下ろしているその姿は寒々として見えるが、静かに佇んでいる姿は神々しく思える。
先ほどの観音山の横に見えた青空とはまた違った色合いの空が見えている。
上空では幾層もの雲が偏西風の影響を受け、太陽光線の通過さえも変化させているのだ。

この桐の木の所からいつもの折り返し地点まではあと数百メートル。
しかし低く垂れ始めた雲行きは益々怪しくなってきている。
ここまで来るのにわずか30分あまりの時間だが、空は目まぐるしく変化している。

1_2

     2月20日・午後3時
   折り返し地点の対岸の空


先ほどの桐が植わっているところから歩いてきて、ようやく折り返し地点に到着。
一息つき北西の空を眺めてみた。
何とおどろおどろした空だろう。 時間はまだ3時前である、夕暮れのような空が迫っている。
強烈な風が吹き始めるのか、それとも吹雪きになるのか、はたまた雷か。

嵐が来ないうちにと、今来た雪道を急いで戻ることにした。
帰りは意外と楽で、自分の足跡の上を歩けばそれ程の時間もかからずに帰れる。
雪雲が先か、家にたどり着くのが早いかと空を見ながら汗ビッショリの運動を終えた。

 

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チコリア、ルッコラのサラダ

2008年02月15日 | 日記

この冬最強の寒波襲来との報道。
シーンと静まった今朝、カーテンを開けた。
庭木にはこんもりと新雪。 15センチあるかないかだろうか。
これくらいの雪、我々北陸人にとっては慌てるほどの積雪でもない。

前庭の畑に植わっている、チコリアとルッコラ。
サラダにしようと思い、昨日摘み取ったばかり。
そして今朝の雪。  チコリアが植わっている場所は雪が盛り上がっている。
どうしているかな、と思い雪をよけてみました。
ルッコラは雪の中でどこに植わっているか見分けが付きません。

Photo_3

   雪の中のチコリア
         ワインカラーのバラのよう

   姿を探せないルッコラはどこ当たり?


さーっとキレイに洗い大きめの葉はちぎり、小さめの葉はそのままに。
緑葉のルッコラは摘み取った姿のままに。
赤と黄色のパプリカをスライスして彩りよく盛ってみました。

夏の暑い時分のこれ等のハーブ、かなり大きく硬く成長し、加えて苦味も増して
サラダには不向きでしたが、この寒い時季になると葉っぱも柔らかくなり、
とても食べやすくなってきました。
 

Photo_4

   青磁輪花鉢

          径 ・21、0cm
          高 ・ 5、5cm


チコリアは濃いワイン色で見た目にもポリフェノールがいっぱい。
ルッコラは鮮やかな緑葉たたえ、かみしめるとほろ苦さの中にゴマの香りが口いっぱいに広がります。
チーズを加えようかと思いましたが、サッパリ風味で食べることにし、
岩塩とコショウを振りかけ、香り高く濃い味のバージンオリーブオイルをたらして完成。

先日も小雪の中、キャベツを収穫してきました。
このキャベツ、生で食べても甘く、ポトフに入れると砂糖を入れたくらいに甘くなるのです。
そのキャベツ、丸々一個を使ってロシア風のピクルスを作ってみました。
今晩、何かのソティーにキャベツのピクルスを添えて、このイタリア風サラダを食べましょう。

いま農薬問題で世間が騒然となっていますが、
いつも不思議に思っていることがあります。
それは今が旬の白菜。

我が家では農薬は一切使わないし、母が作っている種々の野菜にも農薬は使っていません。
晩秋の白菜の収穫時季になると、白菜の外葉をかなり捨てなくてはなりません。
農薬散布しないものですから、葉に付く虫達が喜んで食い荒らしているのです。
その為一抱えもするほどの白菜が葉っぱを取り除くために、かなり小さくなります。
それでも虫が食べても大丈夫なように、我々人間が食べても当然なことに安全。

よくスーパーなどの店先で見る葉ものや白菜、どうしてあんなにきれいなんでしょうか。
白菜など、青葉がしっかりと残っています。 何か特別な栽培方法でもあるんでしょうか。
実家の畑の野菜も、我が家の前庭の野菜も、青葉は虫達にとって大、大ごちそう。
もし青葉を残そうとするならばそれ相応の農薬散布が必要に。  では売られている野菜の青葉は・・・?

我が家の周りの田んぼ、今年も休耕田があります。
食物の自給率が低いといわれているのに、何故もっと農産物を作ろうとしないのでしょうね。
気候変動で食べ物がなくなった時、一体どこの国が手を差し伸べてくれるのでしょうか。
せめて自国民が食べられる分くらいの食物は安全に生産すべき、と思っているのですが。
そのような国の政策のもと、実家の田んぼは今年も休耕です。

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白山

2008年02月10日 | 日記

降っては消えしていた雪、
今年の雪の降り方は雪国に住む私達にとっては誠に理想的。
いまのところ、多く積もっても15センチあまり。
雪除けの必要もなく、せいぜい車に積もった雪を払いのけるだけですんでいる。

生活するには楽だが、こうなると又別の心配が出てくる。
1メートルを越える積雪、そして冷え込み。 それが当たり前の北陸にその雪が無い。
田や畑の害虫たちはこの暖冬を喜んでいるのかも知れない。
春、それ等が一斉に湧き出てきて野菜を食べてしまう、そんな光景が浮かんでしまう。
埋もれるほどの雪はいやだけれど、北陸にはある程度の積雪がある方が良いのかも知れない。

Photo

   午前7時

    白山


何かに迫られて、自分を追い詰めて、そうして制作に当たっている昨今、
なぜか危機的な状態にならないと 「根を詰めて」 の仕事が出来なくなってきた。
まずい! そう思ってはいるが、それが現実なのだからどうしようもない。

タップリと時間があれば、あれもこれもしようと思っているが、
いざ自由な時間が出来ると何となくダラダラと過ごしてしまう。
特に私の場合に限っていえるのかも知れないが、切り替えが下手、つくづく思ってしまう。

そんなことを思いつつの昨今、何だか急に、そして突然に形が浮かんできている。
忘れない内にそこいらにある紙にそれ等を描きとめ、後でキチッと大きさなども書き加えていく。
そうして出来上がったデザイン画を前に貼り付け、ロクロを回している。

気が付けば2時間ぐらいアッというまに過ぎている。 小休止を取り外に出てみた。
朝方、弱い光のなかにひっそりと佇んでいた白山はもう雲の中。
スカッとした青空に浮かび上がる白山を見たのはいつの頃だったろう。
初冬から今日まで、毎日のようにスッキリとしない天候が続いている。
しばし外の空気を吸い、再びロクロに向かう。

Photo_2

          二日前の雪

      ドウダンツツジに積もった雪。


ロクロ作業は一気にしなければならない仕事である。
ロクロを回している最中に何か用事が出来たり、来客があると最悪。
特に壷などを作っている時はなおさら。  手を止めると粘土が乾いてしまい、どうしようもなくなる。

修業時代、窯元の社長に紹介してもらった、ロクロ師
教えを乞うために出かけていったが、必ずロクロを止められるか、ただ回していられた。
私が行くと仕事を途中にして、1時間あまり世間話をされた。

いま思うと、私が訪ねていったことはきっと迷惑だったに違いないと思っている。
ロクロ師の仕事は外注で、一個作っていくらの仕事であった。
私がそこに居る1時間あまり、彼は仕事が出来なかったことになり、
加えてロクロにのっている作りかけの壷は、私が帰ったあと、かなりの時間をかけて泥などを塗り、
粘土を馴染ませなくてはならなかったはず。

社長の紹介、頼みで私を受け入れてくれたが、彼にとっては仕事の邪魔をしに来た若者。
それでも私と話をしてくださったりと心優しいロクロ師だった。
ロクロが静かに回り、その上には作りかけの壷、指跡がっくっきりと・・・。今もその情景が浮かんでくる。

Photo_3

   茜色に染まる白山


ロクロに向かっていると時間が早く経過してしまう。
日中は小雪が舞ったりしていたが、夕暮れ近くなるとほんの一瞬雲間から夕日が空を染める。
そろそろ仕事を切り上げ、明日こそはスッキリと晴れた白山を拝みたいと、
ロクロ場のスイッチをきった。


● 文字の薄くなったところにカーソルを合わせてクリックしますと、関連記事をご覧いただけます。

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線紋入れ

2008年02月05日 | 日記

Photo

   下描きをした壷に
         竹べらで線紋を彫っていく


シンシンと雪降る日は心静かにロクロに向かえる。
ロクロ場のスピーカーからは美しいメロディーが流れている
そのメロディーに合わせて先日つくった壷、きれいに削り、線紋入れを行った。

澄んだ水色の青磁釉薬をかける為、竹べらでしっかりと彫りこんでいく。
粘土から壷を作る時はデザイン通りに、確実にロクロを回して作る必要がある。
そうしないと、最初に浮かんだ 「この形!」 が崩れていってしまう。

私の制作方法はもしかしたらガンコなのかもしれない。
しかし、ロクロを回している途中で形を変えると妙な不具合が生じてくる。
出来上がった作品は当初のイメージが消え、なんとなく自分の中で不協和音が発生する。
だからロクロの前にデザイン画を置き、大きさなど忠実に作り上げていく方法を取っている。

作っている最中に、もっとこうしたら良いのでは、と思ってもそれを実行することは無い。
良い形のデザインはロクロの前に貼り付けてあり、作業をしている手は自分の思いとは関係なく、
確実にデザイン通りの作品を立体化している。
手の動きとは別の回路で頭の中は次のデザインをどうするかと、高速で回転している。

Photo_2

   線紋が終わった壷と
          作業途中の壷


そうして出来上がった壷にまずは下描き。
少し大きめの小紋、と言ったら変だが、優雅な流れを連想する文様を壷全体に描き、
その一つひとつの升目の中に愛らしい小花を散らしてみた。

鉛筆で下描きが出来たら、次は竹べらで線をなぞっての彫りこみ作業。
ここまできたらロクロの時と同じく、ひたすら彫り込むことを続けるだけ。
その間もうつくしいメロディーがロクロ場の中を流れている。
そして思考は次の事へと飛んでいる。
湯のみも作りたいし、どんな形が良いだろうか、無地がいいか線紋がいいかと。

かなりの力で線を彫っていくと竹べらの先がすぐに丸くなってしまう。
その都度ヤスリで竹べらを調整しなくてはならない。

そしていつものこと、良いデザインと思って作る事はいいが実際の作業となると大変。
細かい線の連続で、指先にかなりの負担がかかってしまうのだ。
竹べらが指に食い込んで痛い。 作業半ばで軍手をはめて線刻を続けた。
何時間もかかって、ようやく線紋彫りが完成。

昨日からの延長で、朝から始めて何とか一個仕上がり。
もう一つは途中だが、指がかなり痛くなったので明日に行うことにしよう。
乾燥しないようにしっかりとナイロンでおおって・・・。

乾燥させてのち素焼き。 鉄分など混ざっていないかをチェックして青磁釉薬をかけ、
そして高温で焼成。   これらの壷、うつくしいメロディーの流れと共に仕上げた。
透明感のある青磁釉の中から線紋が浮かび上がってくることを期待しつつ、
次の作業を行おう。

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