創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

ゆく年におもう

2010年12月30日 | 日記

クリスマス寒波、思ったほど大したことも無く、このまま大晦日を迎えると思っていたら大雪。
ま、それでも15センチ余りの積雪、私達北陸に住む人々にとっては驚くほどでもない。

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   積雪

クリスマスの朝は5センチほどだったが、
今回は車に真綿の布団をかぶせたような新雪。
これがババロアだったり、クリームだったらどれほど嬉しいだろう。
が、残念ながら軟らかくふわふわに見えていても、これは立派な雪。

まだ真冬ではないので、残雪になるほどでもなく、
車道はすでに消えていて、運転には支障をきたすほどでもない。
ただ困るのは堤防や農道を歩くことができない。 歩くとなれば長靴が必要となる。

昨年、雪が積もり歩道を歩けなくなったとき、長靴を履いて雪の中を歩いていたが、
その長靴、わずかの間にやぶれてしまい、水が浸み込んできてしまった。
さて、この冬はどうしたものか。 新しく長靴を買わなくてはならない状態である。

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   開き始めた、侘び助

10日ほど前に蕾を膨らませた、庭の侘び助、
かなり雪も消えたことだし、と思って庭木の中をのぞいてみた。

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   侘び助

美しく濃い桃色の花びらを膨らませて、庭木の中でひっそりと佇んでいた。
それにしても近年にないくらい、やさしく、かつ鮮やかな桃色の花びら。

椿は潔い(いさぎよい)とはいうものの、せめて一週間くらい同じ状態を保ってほしい。
そうすれば青磁壷、白磁壷に生けて楽しむことが出来るのに。
残念ながら、美しい姿でいてくれるのは、ほんの2~3日しかない。

Photo

   ゆく年に・・・。

美しい侘び助の姿も観察できたことだし、
少し雪もとけてきたので長靴をはいて堤防に出かけてきた。
でも空には雷雲が西の方角からこちらに向かってきている。

ほんの一瞬雲間から太陽が顔を出し、川面を照らし始めた。
数本残っていたススキ、今年の名残を惜しむかのように、輝き始めた。
来年こそはきっと良い年になるよ、そう言ってくれているように感じた。

あなた様にとって、来る年は幸せ一杯でありますよう、
心よりお祈り申し上げます。
ありがとうございました。


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クリスマス ・ イヴ

2010年12月25日 | 日記

驚きを覚えるほど、駆け足で過ぎた今年、
気づけばクリスマス・イヴ。

作品の大切な部分をどうしても仕上げなければと焦りつつ、
工房の時計と時間競争。
根(こん)をつめたお陰か、どうにかこうにか目的の作業がひとつ完了。

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   カトリック金沢教会

夕方、クリスマス・イヴ、ミサの手伝いに金沢に向かった。
天気予報では夕方から雪と言っていたが、雨が降ったりやんだり。
大したことも無く、無事にミサも行われるだろうとハンドルを握りながらミサ曲の練習。

教会に着くまでに、二箇所に寄り用件を済ませた。
午後5時過ぎ、渋滞に巻き込まれることも無く順調に教会に到着。

午後8時からのミサには十分な時間の余裕があり、
敬虔(けいけん)、かつ善男善女の皆さんが教会にこられる前に
聖堂に飾られてある、キリスト降誕、馬小屋(プレゼビオ)を拝観した。

Photo_2

   馬小屋(プレゼビオ)

毎年趣向を凝らして設けられる、プレゼピオ、
アルマンド神父、教会の方々のご努力で祭壇の近く、6畳ほどの広さで、
史実に基づいた場面を再現してあった。

し残した仕事を持参しており、暖房の効いた車の中で作業をこなし、
気づけば車の窓ガラスは真っ白に。 ミゾレから雪に変わっていたのだった。
時間もせまってきて、聖歌隊が歌うパイプオルガンのところへ。

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   厳かに

午後8時。
ロウソクに灯りがともされ、教会の鐘の音がクリスマスミサが始まることを知らせた。

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   ミサ曲 ・ パイプオルガン

クリスマスに執り行われるミサ、
その式次第に演奏される曲目もオルガン奏者によって準備されて。

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   ミサを執り行う

グレゴリア聖歌  odie と共に始まったクリスマスミサ、
雪にもかかわらず、聖堂が人々で一杯になった。

式の途中、パイプオルガンのところから皆さんを見てみると、
日本人はもとより、金沢に住まわれている外国の方々の姿も多々見えた。
キリスト教にとって大切な行事、クリスマス、そして復活祭。
そのいずれにも、ミサ曲を歌う手伝いが出来たことに心から幸せと感謝の念を覚えた。

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   式次第 ・ ミサ曲

今年のクリスマスに歌うミサ曲、
昨年亡くなった、ジュリアーノ神父作曲のミサ曲、「 Te Deum 」、
練習時間が殆ど無く、どうなることかと不安を覚えたが、
私達の聖歌隊、どういうわけか本番には上手く歌えるから不思議。

午後8時からのミサも9時半に無事終わり、深夜零時(25日零時)までの間、
教会と隣接している建物で近況などを話しながら待っていた。
普段練習にしか会わない方々、心打ち解けあい様々な話しで持ち上がった。

そうこうしている内、壁にかけてある時計が25日になるよと教えてくれた。
25日午前零時丁度、午後8時と同じくミサが始まった。
けれど時刻は深夜、聖歌隊は半分以上の方々は帰られていて心もとない。

男性はテナー4人だけが残っていた。バス担当の方々は帰られていない。
せっかくのミサ曲、少ない人数、そしてバス担当が居ない。
練習していなかったが、私一人、バスの音符を目で追いながら何とか歌ってみた。
それにしてもジュリアーノ神父は難しく、美しいミサ曲を作曲したものだと感動。
少ない人数ながら1時間半のミサ、私達聖歌隊は何とか無事に歌い終えた。

午後8時、深夜のミサ、教会に来られた多くの方々からは聖歌隊に拍手を頂けた。
今年も元気に皆さんと共にミサ曲を歌えたことに感謝し、
雪降る教会をあとにした。 雪道用タイヤに交換してあるものの、
かなり強い横殴りの吹雪、ゆっくりした速度で家に到着、午前3時前。

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   25日 ・ あさ

よほどの降雪があるかと思っていたが、意に反して5センチ余り。
強風で雪も飛ばされたのだろう。  しかし、今日一日雪降り。
ホワイトクリスマス、聴こえはいいが、雪は積もらないに越したことは無い。


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壷 ・ 耳付け

2010年12月20日 | 日記

いよいよ気ぜわしくなってきたこのごろ、
少しの時間を見つけて、そう、時間を作ってではなく、
こまごまとした用事の合間にロクロに向かっている今、
先日から作り始めた壷の仕上げに取り掛かった。

Photo_4

   白磁壷用に。

凛とした姿に品格を加えるため、耳を取り付けるデザインした。
いつものように、デザインの寸法をしっかり守って作り上げた壷、
その両側に品良く耳を取り付ける作業を始めた。

壷の曲線に沿って耳を作り、その塊をきれいに面取りし、
少しずつ削っては壷に合わせる作業を行った。

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   合わせ

完全に乾燥している耳に使う土、面取りと同時に壷の丸みに合わせるため、
耳の内側にも鉋(かんな)でそっと溝を彫っていく。

あと少しで壷の胴体と耳の曲線がぴったりと合う、
そう思って耳をなぞって隙間がないかと確認を行った。

あっ!!!
何ということ、耳が折れた!!!
折れないように、そっとなぞっただけなのに!!!

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   耳の形

かれこれ一時間以上もかけ、少しずつ削ってきた耳、
折れるのは一瞬。
もうぉ、今までなにをしてきたんだ!!!

憤慨したってどうすることも出来ない。
上手くつながるかと粘土を溶かし、接着剤として折れた耳をくっつけた。
けれど、くっつけた部分が乾燥し始めると、またヒビが入ってきた。

あれほど気をつけて耳を仕上げ、もうちょっとのところでポキン。
ガクっとしてしまったが、デザイン通りに作り上げなければ気が済まない。
雨がやんだし、気を落ち着かせるために外に出てみた。

玄関先の山茶花(さざんか)は、ここ数日のあいだに一気に咲き出してきた。
その奥の、庭木の陰に隠れている侘び助は?

Photo

   侘び助

美しい桃色の蕾をいくつも付けている。
山茶花と違って、とても品のいい色合い。
大晦日までに咲いてくれれば嬉しいが。

うつくしい山茶花、そして品のいい侘び助、
何も無かった前庭に冬の使者の花が咲き出した。
すこし気分もよくなり、再び壷の耳つくりを始めた。
今度こそ折れないよう、慎重に!


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時間よ、止まれ!

2010年12月15日 | 日記

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   クマ注意

とは言っても、師走も中旬、
ひと月ほど前に熊出没、と注意があったけれど、
もう大丈夫だろうとノコノコ出かけてきた。

憩いの森へは我が家から車で約5分あまり。
熊が出たのに、物好きに歩いている人はいるかな?と思って駐車場へ。
ところが私と同じ考えの人たちの車が6~7台、停まっていた。
時刻は午後3時半すぎ、もう一時間もすれば薄暗くなる憩いの森。

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   湖面=堤

この時季の北陸はイヤになるほど天気が悪く、一日に何回も空模様が変わる。
それでも今日は何となく穏やか。 これだけ人が歩いていれば熊も出てこないだろう、
そう思って歩き始めた。

憩いの森に来たのは何日ぶり? それとも何ヶ月ぶり?
美しい紅葉を楽しめるかと期待していたが、「 熊 」で足が遠のいてしまった。
ああ、それでも湖面(堤=つつみ)に写りこんでいる色とりどりの木々、
私が来るのを待っていてくれたように、静かに佇んでいた。

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   紅葉

憩いの森に来て、いつも写真に撮る松、そしてモミジ、
黄色から橙色(だいだいいろ)、そして鮮やかな紅色。
よくぞ落葉せずに美しい姿を見せてくれた、と感激。
このモミジ、私の好きな色の殆どが入っている・・・うつくしい!

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   夕暮れせまり

遊歩道の一部分が整地されていて、舗装が施されている憩いの森、
名残の紅葉が数枚、傾きかけた太陽の光を受け、一服の絵に。

「 どんぐり 」などの木の実も沢山落ちていたが、
熊や小動物たちが食べた形跡は無かった。
これなら天気さえ良ければまた来れる、そう安心しながら、
わずかばかりの紅葉を楽しんだ。
日に日に冬へと向かっている北陸、小松の憩いの森、
次にくる時はすでに冬模様だろう。

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   アラレ

そして今朝は強風とアラレ。 昨日とはまったく逆の天気。
車の上のアラレを見つつ、いよいよ本格的な冬到来かと首をすくめた。

健康維持のため歩きを続けている日々、
作品を創らねばと焦っている日々、
こまごまとした用事をこなしている日々。

さて一体何を優先すればいいのやら。
どれもこれも手を抜けない事柄。

魔法を使えるならば・・・「 時間よ止まれ!!!」


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好きな色

2010年12月10日 | 日記

いいかげん、落ち着いてロクロに向かわなければと思いつつも、
何故だか、まともに土を触れられないでいるこのごろ。
なんだかんだと用事が出来、車で街中を通り過ぎた。

小松市の街中は年毎に寂れつつ、まったく活気が感じられない。
反面、大型店舗が競い合って郊外に出店。
小さな小松市だが電気店も新規開店し、大型スーパーまでも出店予定とか。

お偉いさん方や著名人が町並み保存と題して、紙面をにぎわせている。
先日も金沢市の町並み保存をどうこうしなくてはと顔写真入りで紙面をにぎわせていた。
チラッと文面を読んでみて、また同じ事を繰り返していると呆れてしまった。
結局持論を述べているだけで何の解決策もなし。 何のことはない、彼らの宣伝と理解した。

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   プリムラ

早く作品づくりをと焦りつつ車を走らせていたら、目の片隅に私の好きな色が入ってきた。
ん?と思い、車の殆ど通らない小松のど真ん中、後ろを確かめつつ後進。
花屋さんの店先に、色とりどりのシクラメン、シンビジュームに囲まれて、
小さな小鉢が数鉢置いてあった。

その中に私の好きな色のひとつ、黄色の可愛いプリムラが。
どれにしようかと迷いつつ、蕾が沢山付いて、葉っぱがしっかりしている鉢を選んだ。
大きさは、私のてのひらに乗るくらいの小鉢。 値段は98円。

野菜や花を育てているので、植物を育てる大変さと苦労は承知しているが、
それにしても、こんなにも安くて可愛くて美しいプリムラ。
育ててくれた人に感謝し、早速我が家に戻って素焼き鉢に植え替えた。

大荒れに荒れたここ数日、昨日は家の真上で雷がゴロゴロ。
庭には冷たいミゾレ交じりの雨、山茶花(さざんか)もまだ蕾。
けれど目の前には小さいながらも美しい黄色のプリムラ。

私の好きな色、パステル調の明るい青、緑、ピンク、そして濁りの無い鮮やかな黄色と白。
明るい黄色は大好きな色、いま着ているTシャツの色も黄色。
何となく元気が出てくるから不思議。

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   壷

忙しい、慌しい、とはいうものの、肝心の仕事で忙しい訳ではないのである。
ちょっとした用事ばかりが増え、その都度出かけるはめに。

そんな毎日を過ごしているが、何とか時間を作ってロクロも回している。
優しく丸みのある形が欲しくてデザインし、いくつか作り上げた。

単なる丸壷ではなく、どの方向から見ても丸く見えるように作り上げた。
丸く見えるように作るにはボールのように作れば、と思われがちだが、
実はそうではないのである。 かなり扁平な形で作る必要がある。

Photo

   作り上げた壷

粘土を無駄にしないよう、殆ど削る必要がないようにデザイン通りの壷を作った。
数日のあいだ自然乾燥させ、その後うすく全体を削り、
デザインに描き込んだ線文を施して素地の完成。

切羽詰ってくるとデザインが次々と沸いてきて、その都度メモを取っている有様。
千葉三越個展に間に合うよう、作品づくりの時間の無駄は許されないが、
この月、師走の今ばかりはどうすることもままならない。

「 絶対できる!」といつも自身に言い聞かせており、
「 よし出来た!」となるよう、目の前のプリムラを眺めている。

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   可憐な花


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