創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

メジロ

2009年01月30日 | 日記

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   忘れな草


雪の無い冬はありがたい。
先日は10センチあまりの積雪があったが、あくる日には消えてしまった。
例年だと、今頃は30~50センチほどの積雪で除雪車が深夜から動いている。

朝起きて一番にする仕事、除雪車が残していった硬く固まった雪をスコップで除けること、
これを行わないと車を道路に出せないのである。
なんだかんだと小一時間はかかる除雪作業である。 もちろん朝から汗ビッショリに。

テレビで見る屋根の雪下ろしや除雪作業、実体験がない方には風情を感じることだろう。
けれど危険が伴う作業でもある。 以前、そう随分前には我が家でも屋根の雪下ろしをした。
雪下ろしのコツはキレイサッパリと下ろしてしまうと、自分自身も落ちてしまうことである。
必ず10センチ以上残しておかなくてはならない。 その残った雪がブレーキの代わりをしてくれる。

雪が降らないこのごろ、霜が降りた。
いつもは雪の中でジッと耐えている植物が霜を受け、美しい姿を見せてくれた。

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   ゴマ風味のイタリアサラダ菜

         ルッコラ


やはり雪の無い冬はうれしい。
長時間ロクロを回していると目も腰も疲れてくる。
そんなときは庭に出て草花や木を眺めたり、天気がよければ遠くの白山を望めればいい。

お日様が南の空の真ん中当たりに来る頃、やわらかい日差しで霜も次第に蒸発してしまった。
あたたかくなると同時に、小鳥達の声が聞こえてきた。その中に少し鋭い声も混ざっていた。
いつもと違う声に興味が沸き、ロクロを回す手を休め、そっとドアを開けた。

山茶花の中で忙しく動く小鳥、あまりにも早い動きでどんな鳥か判断が付かない
正体を確かめようと、これまたそっと家の中に入り、カメラを取り出してきた。

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   前庭の山茶花

    鳥は何処?


目まぐるしく山茶花の中で動き回っている小鳥、一瞬動きが止まり私を見ている。
この一瞬、シャターを押した。 うまく撮れているかと確認。 メジロが写っている。 
小鳥は私の動きが止まったのを見て、安心したのか再び山茶花の蜜をついばみ始めた。

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   メジロ


雪が降らないっていいなあ。
仕事の手を休めて雪の無い庭に出ることができる、雪が無い冬はいいなあ。
このまま春になってくれたらもっといいなあ。
春待つ庭の草花、訪れてくれる小動物たち、私も車にもたれ薄日を受けていた今日の午後。
 

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2009年01月25日 | 日記

二、三日前から降り始めた雪、思ったほどの積雪も無く生活に不自由は感じられない。
ただ、横なぐりの強風と空を駆けまわる雷には参ってしまう。

歩きに出たいが雷に打たれるのは困る。 さりとて運動をしなくてはならない。
横風は強いものの、雪の状態が変化してきた。 大きな花びらが舞い散るような様。
雪降る音はどのように表わすのだろう。 今日の雪は音がするように、ボタッ、ボタッ、と落ちてきた。

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 めつむれば
   またあふれ
         くる
    夕光の(ゆうかげの)


   さくら
   さながら
   さくらの
      浄土


空を眺め溜息をついていたら、ピンポ~ン。
東北から春の使者、「 啓翁桜 」が届いた。

尾崎左永子先生のお歌の横に桜を添えてみた。
先生の短歌に表わされている桜はどのような種類をさしているのだろう。
「 めつむれば 」 とても深い意味が込められ、私の大好きな歌である。

鎌倉芸術祭に参加させていただき、会期中いつも気になっていた先生のお作。
なぜか心に響く作品であった。
その「 めつむれば 」、先生の御厚意で我が家に飾らせていただくことになり、
こうしていつも見守っていただいております。

1月30日、金曜夜10時~10時25分、NHK教育TV・美の壷に先生が出演されます。
内容は・・・「 かな文字 」。
平安時代に生まれて国風文化の確立に大きな影響を与えた・・・というテーマ。

ん?何だか難しいテーマ。 どのような内容かは分かりませんが、
漢字文化から、かな文字へと移っていった当時の様子を話されることと思っています。
お時間がありましたらぜひご覧ください。

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   「 めつむれば 」



    青磁掛花入れ


先日から作り始めている作品、
鎌倉ではうっすらと姿を見せてくれた富士、そして私の工房から望める白山、
その山々の静かな佇まいをデザインし、ロクロをまわしております。

ある時は花吹雪のように「 はらはら 」と、また音が聴こえてくるような大きな雪、
ボタッ、ボタッ、部屋の灯に照らされ外は間断なく降り続いています。


    
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庭木への来訪者

2009年01月20日 | 日記

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      うっそうと茂った

   庭の 「 椎・しい 」の木 

ケーン、ケーン・・・。
突然聴こえてきた 雉(キジ) の声。
工房の窓から外を見やると、椎(しい)の木のテッペンに一羽のキジ。

いよいよ千葉三越個展も近づいてきて、かなりの焦りが出てきた。
作品はそれなりに揃ってはいるが、何か物足りない。
頭の回路をフル回転して構想を練っているが、そう簡単に考えがまとまるものでもない。

作品のデザインを構想しつつ、前々から気になっていた 「 はし置き 」、
形に出来ないかと雪の消えた庭の木々を眺めていたところ、椎の木の葉っぱが目に付いた。
シンプルだが、しっかりとした形をしている。 そうだ、この葉を箸置きにしよう。

ああでもない、こうでもないとヤキモキしていることが解決すると、あとの作業は至極早く進む。
まずはいくつかのデザイン画を描き、それを粘土で形作る。
粘土のままの箸置き、 焼きあがると2割小さくなるので大き目の箸を載せて比べてみた。

その中から、一番実用的な形を選んで石膏で型をとる。
とにかく使いやすい形を優先することにした。 割れにくく、洗いやすく片付けやすいものを。
ごくごくありふれた形ではあるが、これならば使ってみて違和感はない。

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   粘土のままの はし置き

焼き上がりを想定して作り上げた はし置き。
美しい青磁、あるいは白磁を施せば品良く焼きあがるだろう。

そう思いつつ作業を続けていた。
窓の外、我が家の庭には樹齢30年の椎の木が三本植わっている。
数年前に剪定したが、再びうっそうとした姿になってしまった。

何とかしなくては思いつつも、剪定作業を延ばし延ばしになって数年が経過した。
この椎の木、実がなるようにと三本の椎の木を植えた。 しかしすべて雄の木だったのか、
30年の年月を経ても実がならない。

子供の頃、友達と遊んだ鎮守の森、秋には椎の木から沢山の実が落ちていて、
ポケットが破れるくらいに詰め込み、まるでリスのようにカリッと外皮を歯で割り、
香ばしく、シンプルな白い椎の実を食べていた。 懐かしい味、もう一度味わってみたいと思う。
   
ケーン、ケーン。 椎の木のテッペンで声を張り上げていた突然の訪問者、キジ。
急いで家の中に入りカメラを持ち出し構えた途端、木の上のキジは飛び去った。
そういえば梯川の河川敷の柳や笹、すっかり刈り取られ原っぱになってしまった。

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    刈り取られた河川敷

 小動物たちの棲み家はいずこ

そしてキジたちの棲み家(すみか)が消えてしまった。
住み着いていた多くのキジたち、無事にこの冬を過ごして欲しいと願い、姿を見送った。


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シロちゃん、どこ?

2009年01月15日 | 日記

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     午後11時少し前

もうそろそろ夜中の11時だけど、お父さん早く仕事をやめないかな。
晩ご飯を食べてから5時間も経ったし、ワタシの体も冷えてきちゃった。
勝手口の屋根の上でず~っと見渡しているけどシロちゃんの姿、今晩も見えない。

あんなに仲が良かったシロちゃん、去年の10月27日から何処へ行ったの?
この家に来たのがおととしの11月。 生まれてすぐに捨てられ、お父さんと偶然に会って
この家まで一生懸命にチョコチョコとうしろを付いてきたのに、一体どうしたの?

どこに行ったの? いつも家の周りにいるのに姿が見えない、どうしたの?
ワタシのお母さんもオバさんも姉妹も弟達も、み~んな天国に旅立って
一人ぼっちのところへ来てくれた 「 シロちゃん 」

最初はケンカもしたけど、すぐに仲良くなっていつも一緒にご飯を食べたり遊んだり、
寒い時は体を寄せ合って眠ったりもしていたのに、雪が降っているのに何処にいるの?

あっ、仕事場の電気が消えた、お父さん仕事を止めて家に入るんだ。
お父さんはね、千葉三越の個展作品を夜遅くまでかかって創っているんだよ。
もう遅くなったから今日の仕事は終わりなんだね。
ワタシも寒くなったから屋根から下りよう。

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     午後11時

屋根から下りると、いつもお父さんが体をさすってくれるの。
「 トラちゃん、何で寒い屋根にいつも居るんだい?こんなに冷えちゃって 」
そうして抱っこしてくれてヒザの中でさすってくれるんだけど、ワタシあんまり好きじゃないの。
シロちゃんはいつもお父さんに抱っこしてもらって甘えていたね。

お母さんもオバさんもみんな捨てられて、人間が信用できないって言ってたの。
だからワタシも体に触れられるのが苦手なの。
お父さんの気持ちは分かるけど、でも何となく怖いの。
 
今晩もお父さんが私の濡れた体をタオルで拭いてくれた、とても嬉しかった。
ひさしの下で雪やミゾレを除けていたけど、北風が強くてどうしても濡れるの。
体を触られるのはいやだけど、優しく拭いてくれると、とても気持ちがいいの。

ああ、もう随分長い間拭いてもらっちゃった、そろそろワタシの眠る場所に行かなくては。
「 トラちゃん、何処行くんだい、ここに温かい寝床を作ってあるじゃないか 」
お父さんの声を聞きながら、「お父さん、お休み・・・ニャ~ン 」

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  寒いけど今日も屋根の上

今日も朝早くから屋根の上に上がって家の周りを眺めているの。
去年もこんな風にして、シロちゃんの姿が見えると飛び降りて一緒に遊んだよね。
雪が積もってきたけど、シロちゃんがどこかで震えていないかと心配しているの。

お父さんの車の上でひなたぼっこした、その数日後から姿を消した シロちゃん。
シロちゃん、いついつまでも待っているから元気で早く帰っておいで。
お父さん、いつもシロちゃんを探しに行ったり話しをしてくれるんだよ・・・・・だから・・・・・。

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                      去年10月末 車の上で遊んだ日


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清々しい一日

2009年01月10日 | 日記

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                          白山  午後2時

素晴らしく晴れ渡った先日、
窓の向こうの白山もくっきりと青空に浮かび上がり、
冬真っ最中の北陸、小松には珍しい晴天となり、気持ちさえもスッキリとする一日だった。

千葉のK様、いつもお心に掛けていただき、
暮れに行われた鎌倉芸術祭にもお運びいただいた。
「 千葉から鎌倉まで、どれくらいの時間がかかりますか?」 とお聞きしましたら、
「 二時間はかからなかったわねぇ 」 とのお答え。

えっ、二時間!
私の住んでいる小松から二時間の距離といえば随分と遠くに感じてしまう。
特急に乗れば、南は京都、大阪まで。 車でスピードを出しても琵琶湖が見えるあたりまで。

ご姉妹でお越しいただき、心から嬉しく幸せに思いました。
その日の鎌倉も良い天気で、観光もされるとの事でした。

かねてよりお聞きしていました、K様のご子息さんが小松に転勤でこられているとの事。
時間に余裕が出来たらお伺いしたいと思っていて、先日の良い天気の日、彼を訪ねた。

目元くっきりした、とても感じの良い好青年が現れた。
ご挨拶を申し上げたら、その何倍も丁寧なごあいさつを頂き、大変恐縮してしまった。
前々から用意しなくてはと思っていた品を、彼のアドバイスを頂きながら揃えることができ、
これで一安心。

ご子息さんのきびきびとした所作と親切な言葉遣いを受け、
晴れ渡った空のように心までもが清々しくなった。

私の家からご子息さんが勤めていられるところまで、車でたったの10分。
こんなに近くにいられるのだから、ぜひ我が家にもお越しくださいと申し上げた。
お願いした品も19日には仕上がるとの事、お休みの日にでも「 どうぞ 」と話してみよう。

晴天続きの関東から、毎日が小雪舞う小松。
これからの本格的な北陸の冬、関東住まいの彼にはきっと戸惑いを覚えることだろう。
北陸の冬、日常生活に欠かせない必需品の長靴、用意したのかな。
若い彼にとっての雪国の生活、これからの人生の上できっと良い経験になると思っている。

久し振りの、珍しく澄んだ大気の下、気分も良く白山を眺めつつ車を走らせた。
家に帰りつく頃、白山も茜色に染まり暮れようとしていた。

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                          白山  午後4時半



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