創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

窯焚きを控えた朝

2007年06月30日 | 日記
朝方まで降り続いていた雨も止み、昨夜とはうって変わって静かな朝を迎えた。
大雨、と報道されていたが大したこともなく、まずは一安心といったところでしょうか。

昨日午後、作品に釉薬をかけているとき、鳥達のけたたましい鳴き声が気になり、
何事が起きたのだろうと外へ出てみた。
生まれてまだそれ程も経っていない 「ムク鳥」 のヒナが巣から落ち、親鳥が心配して鳴いていたのだ。
さあどうしたものか、きっと無理だろうなあ、と思いつつも、適当な小箱を探し出し、やわらかい紙をいっぱい
詰め込んでヒナを入れてやった。 電線には親鳥が更に大きく鳴き、私の様子を見ている。

他の生き物に襲われないように、巣の下にあるガスボンベの屋根の、
雨が当たらない所に箱を置いてやった。
陰に隠れて様子を見ていたが、親鳥は警戒の鳴き声をだし、なかなか近寄ってこない。
巣からはヒナ達が盛んに鳴いている。 小箱に入れてやったヒナも元気に鳴いている。
あとは運に任せてヒナが育つのを見守ろう。

Dsc00003_4    玄関先の 「ツゲ」

横なぐりの大雨だったが、ヒナは大丈夫か、親鳥は面倒みているかと気になったが
今朝はそっとしておこう。
人間が手を出せばだすほど鳥は警戒する、そう思っていつものように新聞を取り入れた。
雨上がりの静かな朝、玄関先では思いもよらぬ自然美が出来ていた。

夜中に降った雨と湿気で、「ツゲ」 の木がクリスマスツリーのようになっていた。
普段気づかないクモの巣に、たくさんの細かい水滴がつき、それがまるで真綿をのせたようになっていた。
クモは好きになれないが、今朝の 「造形美」 は美しい、そう思った。

Dsc00002_5    ミニトマト 「アイコ」

数日前より気温もぐんぐんと上がり、加えて雨もたっぷりと降っていた。
前庭の畑にはゴウヤ、イタリアサラダ菜、パプリカ、ミニトマト、青シソ、カボチャを植えてある。
すべての野菜たちが一気に成長し、ミニトマトもそろそろ収穫できそうだ。

朝食は前庭の野菜でサラダと決めた。 
トマトは10個も収穫できた。 無農薬、加えて自然栽培の野菜の味は格別でもあり安心できる。 
大好きなコーヒーと添加物の入っていない雑穀パン、そして摂りたての野菜サラダ。

今日は次の窯焚きの準備で忙しくなりそうだ。 
辰砂(しんしゃ)の後に焼いた青磁作品、もうひとつ納得がいかず、再度の窯焚きを行う。
こんどこそ、今度こそと願いつつ心こめて準備をしよう。
あすは早朝から窯焚き。

今日の空、雨はそれ程にも降りそうにない。
小箱に入れてやった 「ムク鳥」 のヒナ、親鳥が餌を運んでいることを祈ろう。

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梅雨空の下

2007年06月25日 | 日記
Dsc00005_5     荒木田大橋から上流の
     「観音山」 を望む

昨日、日曜は窯焚き。
今回の焼成作品は青磁。 大壷一個だけ、焼いた。
いつものことながら、何とかして良い色合いになってほしいと願いをこめて窯焚きを行った。
火をおとすまでの一時間は緊張の極みである。 何度もなんども火の色を確かめ、色見を取り出す。
そうして何とか無事に窯焚きを終え、あとは自然に冷えるのを待つのみ。

窯焚きで歩けなかった分、今日は気持ちよく歩こうと勢い勇んでいたが、朝から雨降り。
それでも傘をさして堤防へと出かけた。 西の空からはかなりの速さで雨雲が流れてきている。
しかし雨の強さはさほどでもなく、時折止んだりもした。 

カメラを持参しながらの歩き、川下に向かって三十分の地点で折り返し、今度は上流に向かう。
家近くまで来たとき、目の前の山並みがうっすらと姿を現した。 
観音山」 が雨雲の間から一瞬ではあったが見え始めた。

私の散歩コース、梯(かけはし)川の堤防、その川には 「荒木田大橋」 が架かっている。 
早速橋の中ほどまで行き、上流に向かって 「観音山」 の姿を写した。
晴れていれば観音山の後ろ当たりに、白山山系の山並みも見えるだろうが、さすがに今日は無理。
けれど写った写真はいかにも梅雨そのものの風情である。

Dsc000043     「ムラサキツメクサ」

ほんのわずかのあいだ雨もやみ、途中で見かけた可愛い花が気になって、もう一度もどってみた。
土手から少し降りたところに白と紫色の小花がたくさん咲いていた。
そういえば我が家には 「テッポウユリ、アジサイと京鹿の子」 しか咲いていない。
玄関には青磁壷にテッポウユリを贅沢に、ドサッと生けこんである。

そしてこんなにも沢山咲いている愛くるしい 「ツメクサ」。 
青磁掛花入れにピッタリと思い、蕾と花開いている数本を採取してきた。 
水切りをし、新聞紙に包んで水に浸し、水上がりを確かめ、あとで様子をみて生けこもうと思う。
ただ、「ツメクサ」 はよく動く植物でもある。
形良く生けこんでも、しばらくすると、どちらかの方向に向きを変えるのである。

以前、細めで丈の高い青磁壷に 「ガーベラ」 を流れるように生けこみ自己満足に浸っていたが、
翌朝にはてんでバラバラの向きになっていて、ガッカリしたものだ。 
さて、この「ムラサキツメクサ」、じっとしていてくれるでしょうか。


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窯変・辰砂釉薬

2007年06月20日 | 日記
Dsc00002_4    窯変紅彩盌 (辰砂=しんしゃ)

一昼夜かけて焼いた辰砂の作品、
あれから四日経過し、窯出しを行いました。

ここ小松あたりの窯元では、「辰砂(しんしゃ)で身上(しんしょ)をつぶす」 と言われている、この焼物。
高価な原料を、そして長い時間を使い、テストにテストを重ねてこれで良しと本番で焼いた辰砂。
ところが、往々にしてテストと同じ色合いに焼きあがらないのが辰砂。
それでもこの神秘的な色合いに魅せられて研究を重ねてしまう、そうすると家が傾く、大変なことに。
だからいい加減に手を引いたほうが身の為だよ。 ・・・・・ と私も若いときに言われもしました。

しかし私は修業時代から青磁と共にこの辰砂の試験も重ねて参りました。
どうせ焼くなら独特の、私しか出せない色をと焼成試験を幾度となく行ってきました。

ただ、この辰砂は失敗するか成功するかの、どちらかしかないのです。
一般に出回っている辰砂の色は私の欲する色合いではありません。
その色合いの焼き上がりでは私の中では失敗。 もっと個性のある辰砂を良しとしています。

そして先日焼き上げたこの 「窯変紅彩盌」 色合いも良く、景色も見事に出ました。
早速、庭のモミジを背景に撮ってみました。  いかがでしょうか。
濃い色合いですが、私が理想としている色合いに近く、とても満足しております。
抹茶の緑も、この辰砂の赤にピッタリと馴染み、とても美味しく感じます。
どこか銀河の星さえも思わせるようにも。

Dsc00016_1    きょうかのこ (京鹿の子)
・・・・・ばら科・・・・

そして今が盛りと咲き出した 「京鹿の子」
たくさんの小花がかたまって一斉に咲き出す見事さ。
そのフワフワとした綿毛のような花、何故に自然はこのように素晴らしい美を創りだすのでしょう。
ここしばらく紫色の花々であふれていた我が庭、この 「京鹿の子」 の咲き始めと共に無事に
焼きあがった 「辰砂」 の作品。

毎度の事ながら、ハラハラドキドキの窯出しも、この 「京鹿の子」 のやさしい姿にいやされて
その疲れもどこかに飛んでいったみたいです。

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梅雨前の

2007年06月15日 | 日記
Dsc00011_2    木立に咲く 「ササユリ」

間断なく降り続いていた雨もやみ、
いつもの散歩コース 「憩いの森」 へ出かけてきました。

雨上がりの森は緑の香りに満ち溢れ、
入れたての緑茶のような、ほんのりと甘い香りさえもが森を包んでいました。

つい先日まで蕾だった 「ササユリ」、25度を超える暑さと恵みの雨で、もう咲き始めていました。
こんなにも近くに自然の 「ササユリ」。 山を荒らす人も無く今年も沢山の 「ササユリ」。
「ササユリ」 と言っても一つ一つに表情があり、色の濃いものもあれば花の大きさも異なっていたり。

このやわらかい花弁と流れるような線はとても魅力的でもあります。
ユリ、そのものの形をデザインするのではなく、その緩やかな線を取り込めないかと、しばし観察。
何のためらいもなく、力強くスッと伸び、花弁の先にきて緩やかな、やさしいカーブを作っている様、
この二つの線がうまくあいまって品を醸し出しているのだろう。

今を盛りにと咲き誇っているユリもあれば、これから咲き出す蕾もそこかしこに。
しっとりと濡れそぼった森、しばしの観察だったが気が付けば皮膚の出ているところが
無性にかゆくなっている、見ると 「やぶ蚊」 が何匹も私の腕などに止まっている。

カメラを構えるのに夢中で、蚊が近づいてきているのを気づかなかったのだ。 うかつ!!!
頭の中にユリの形は入ったし、カメラにもユリの姿を収められたし、急いでここから立ち去ろうと思って
横を見ると、これも懐かしい風景。

Dsc00001_4    「ササユリ」 と 「かやぶき小屋」

この 「憩いの森」 には、このようにして萱(かや)で葺いた小屋や民家を移築して保存してあるのです。
私の住んでいる荒木田町にも、40年前までワラ葺き屋根の家があり、町内助け合って葺き直した、
そのような場面を見たことがあります。 いまそのような建物を見るとなると、世界遺産にもなった
岐阜の白川郷当たりまで行かなければなりません。

山が好きな私、乗鞍、志賀方面に出かけて行くときは、あえて白川郷を通る計画を立てました。
ここしばらくは忙しさにかまけて出かけていませんが、その当時は観光客も少なくゆっくりと散策も出来、
そこで食べた 「五平餅」 や 「そばがき」 の味が今も忘れられないのです。
時折、店などで見かけて懐かしさのあまりに買ってみますが、あの時に食べたものとは、それは別物。

この前の日記、 「白磁線文鉢」 の 「ちまき」 ではありませんが、
幼いときに食べたもの、あるいは山々を巡ってそこで食したものが無性に欲しくなることがあります。
四季に恵まれた地で、その時々の品を食せるありがたみを蚊に刺されながらも思いつつ、
「麦こがし」 までも食べたくなってスーパーに寄って帰ってきたのは、言うまでもありません。

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音楽のあふれる部屋

2007年06月10日 | 日記

Dsc00009_1

  今日は私のプライベートの部屋をご覧頂きましょう。

一日の大半をこの部屋で過ごしている私。
食事をするのも創作するのもこの部屋。 
加えて昨年春から始めたパソコンも、ここで行っております。

せまい部屋ですが、私にとっては居心地良く、心身ともにリラックスできる部屋なのです。
天井には部屋に不釣合いな位の大きめのスピーカー。

音楽が大好きな私、時間があればなにかを流しております。
耳を澄ませて聴く、というより、かなり大きい音量で音楽を聴いています。
防音もしてあり、お隣さんとも離れていますのでご迷惑をかける心配もなく。

今日はショパンのピアノ曲にサラウンドをかけ、小ホールの雰囲気で聴いています。
天井から音が舞い降りてきますので、体中が音に包まれた感じにもなります。
そんな中でいろいろと考え事をしたり創作もしたり。

テレビがある壁の向こうは廊下、その向こうは応接間になっていて作品も陳列してあります。
写真左下に応接間の作品がありますが、ちょっと見づらいでしょうか。
常時展示してありますので、どうぞおこし下さい。

さて貴方にとって居心地のいい場所ってどこでしょうか。
家の中? 外? それとも・・・?

ここにいると何となく落ち着く、ここへ来ると身も心も休まる、そういう場所は必ずあるはず。
それは家であったり、また別の場所であったり。
私にとってはこの部屋が唯一落ち着ける部屋なのです。

生きていく中でさまざまな場面に遭遇しますが、そんな時に居場所があるってことは幸せ、
次に向かって歩める、そう考えることの出来る場所であり空間でもあると思っています。
いま一度、貴方にとっての 「心」 の居場所はどこでしょうか?

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