創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

装い ・ 青磁花入れ

2012年04月30日 | 日記

長すぎた土練機の修理、保全も何とか無事に終えることが出来た。
それでも心には一抹の不安がまだくすぶっている。

時間が掛かりすぎた修理も終わり、土練機が我が家に戻ってきたのは20日。
何だか嫌な予感がし、自分で試運転をして不具合を見つけたのは22日。
23日から27日まで、再度の分解と修理を我が工房で行い、
27日夕方、試運転をして合格?を出した。

とは言うものの、まだ不安が残っていて、
28、29日と土練機を作動させて、出てきた粘土を調べている。
たぶん、きっと、もう大丈夫とは思うが、これほど不備が発覚してしまった以上、
何となく信用が出来なくなってしまった。 これは非常にまずい心理状態に陥った。

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   玄関


せめて気分だけでも晴れやかに、と花屋へ出かけてきた。
春らしい、私の好きなパステル調の色合いの花がないかと探した。

グロリオサ、今まで赤い花は見たことはあるが、黄色の花は初めてみた。
きっと前々から店頭に並べられていたと思うが、花屋さんにはあまり出かけない私、
黄色が大好きで、すぐ購入決定。

さて、玄関に飾る花だから、もっと厚みが欲しい。
でも濃い色合いの花は、今の私の気分には似合わない。
何がいいかと思案していたら、お店の方が勧めてくれたピンクの花。
名前は分からないが、デルフィウム・・・?

いずれの花の色も私好み。
二つの色をピシッとまとめてくれる花は・・・と探したら、真っ赤なミニバラ。
ミニバラを挿し、これで良し。 嫌なことが続いたが、花が助けてくれた。

Photo_2

   青磁花入れ


花を生けてある青磁花入れを更に品良くデザインし、
青磁釉薬も吟味して焼き上げた作品が、上の写真の青磁花入れ。
釉薬も何度も試み、色合いも姿も上品に仕上がったと思っている。
秋11月22日から始まる、仙台・藤崎個展に出品する予定でいる。

土練機の鋭い異物はもう混合しないだろう、と分かっているつもりだが、
結局、今朝も土練機を作動させ粘土の中に異物がないかと、くまなく探している私。
臆病カゼにかかってしまったか。 実際数日前より風邪を引いてしまった。

何となくフラフラするので病院に電話したら、今日は休日です、とのこと。
月曜だから診察しているものと思い込んでいたが、世の中は大型連休の真っ最中。
若いときから今日まで、休みらしいものは取ったことも無い私、世間知らずも甚だしい。

Photo_3

   ゴーヤ


今年も夏野菜植える時期が来て、先日買ってきたゴーヤとアイコを植えた。
店頭には2種類のゴーヤが売られていて、どうせ育てるならば大きく実るゴーヤをと、
その苗を3本買ってきて、雨風に直接当たらないよう養生して植えた。

Photo_4

   アイコ


春先、我が家の畑の整地は済ませてあり、
いつでも野菜を植えられる状態になっている。

例年のごとく、とても気に入っているフルーツトマト・アイコも出回っていて、
とりあえず6本購入してきた、と言うのも、8本植える箇所を確保してあるのだが、
買う段になって店頭をながめたら、様々な種類のトマトが売られていた。

黒く実るトマトや緑色で熟すトマト、アイコに似た甘~いトマトなど。
こんなに様々な種類の苗が売られていると迷ってしまう。
全種類のトマトを試し植えしても良いが、失敗は困る。

というわけで6本だけ買って植えた。 昨年同様養生しないでそのまま植えた。
あと2本植える場所があるので、近い内にどの種類のトマトを植えるか決断せねば。

あす、何をしようか。 またまた土練機を作動させて粘土を調べるか。
もうこうなった以上、納得がいくまでロクロはしない。
万一金属片が出てきて掌に刺さったら、取り返しがつかなくなる。
制作が遅れてしまっているが、安全第一に進めよう。


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的中

2012年04月25日 | 日記

日記を読まれた方々からメールが届き、
「 土練機が直ってよかったですねぇ、」とお言葉を頂き、嬉しい限り。

桜もすでに散り始め、鎮守の杜の桜も葉桜へと変化し始めてきた。
窓辺の大モミジ、マンゲツは赤い美しい花を開き始めてきた。

Photo

   大モミジ


   マンゲツの花  


随分と遅れてしまった土練機の修理、
先日鉄工所内で試運転をし、これで良しとして我が工房に搬入した。
さぁ、ようやく作品作りを始められる、と思いつつも、何か不安がつのってきた。

Photo_2

   異物発見


鉄工所では土の中の空気が抜けるかどうか、順調に混合されるかを確かめ、
ひとまず無難な域まで達したが、でも私自身の心がくすぶっている。
何かが変、心に引っかかる不安は何だろう、と思いつつ、
もう一度試運転をすることにした。

Photo_3

   ステンレスのクズ


土練機から出てきた粘土を輪切りにするのではなく、
薄くスライスして細かく点検を試みてみた。

すーっと切っていくと、コツンと何かが当たった。 嫌な予感が走った。
ひっくり返して見ると、ピカピカの鋭い金属片がいくつも出てきた。

    ・・・・・  これは  ・・・・・

鋭い刃物、そのものの削りクズ。
もし気づかずにロクロで粘土を使っていたら大怪我をするところだった。

Photo_4

   分解した土練機


友人にすぐ連絡し状態を話すと、友人はすぐ我が家に来てくれた。
このクズは土練機の中から出てきているに違いない、と結論。
すぐに鉄工所の社長を呼んで、3人で協議。

Photo_5

   狭い工房の中


友人の提案で、我が工房内で再度分解し、
原因はどこから発生しているか、確かめることとなった。
我が工房での分解ならば、確実に悪い部分を確かめることが出来る。

23日から始めて今日で3日目。
かなり強くステンレスを削っている部分が見つかった。
絶対に悪影響を出してはならない箇所が、ステンレスを削っている。

何とかそれを食い止めねばと再び協議。 それをしつつ、修復作業を行っている。
そして今日、私が又別の場所の不具合を見つけてしまった。
それもまた協議。 どうするか。 どうしたら元通りになるか・・・と。

本来なら今日ですべての修理が完了し、組み立てられると思っていたが、
まさかの不具合が見つかり、再び延長。

明日あさって、もしかしたら、もう数日要するかも知れない。
いずれにしても何としても元の土練機の機能を回復させねば。
ここまで来た以上、やりぬく、と友人と話し合った。

誠に残念な結果となってしまったが、私の不安は的中してしまった。
こんなにピッタリと的中するなら、土練機ではなく、宝くじが的中して欲しいものだ。
でも、何故か宝くじは一向に的中しないから不思議・・・一生懸命働け、と言うことか。


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土練機、試運転と搬入

2012年04月20日 | 日記

16日月曜日、
友人と一緒に鉄工所へ。

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   鉄工所内


分解してあった土練機、
鉄粉などがつかないよう、別の工場に移動して組み立ててあった。

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   試運転



   社長と友人 
 


いよいよ試運転。
ここまでくるのに、随分と時間がかかってしまった。
友人がすべてに点検と指示を出してくれ、ようやく試運転が出来るようになった。

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   圧力


土を入れ、真空状態になっているか、目盛りの確認。
空気漏れは無く、ゲージの目盛りも一定の値をさしていた。

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   空気漏れ


が、土練機から押し出されてきた粘土を薄く輪切りにして調べてみたら、
筒状になっている粘土の中心部に空気漏れが・・・なぜ?
圧力はキッチリと真空状態を示しているのに、漏れが発生。

どの箇所から空気が漏れるのか、社長、友人、そして私の3人で検討。

粘土を入れる、投入口は問題なし。
友人が指示を出して徹底的に点検した真空室、問題なし。
あとは粘土が出てくる先端部分に問題があるのでは、と結論。
友人の指示で、仮の部品を急遽作ってもらって再運転。

粘土の固さを変えてみたり、
私がロクロで使う、粘土の固さに調節したりして、
何とか空気漏れが防げた感じがした、が完璧ではなかった。

とりあえず、この状態で土練機を使うことにし、
仮に作ってもらった部品をステンレスで作り直すことにしてもらい、
試運転は終了。

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   白山


すぐに修理が済んで、すぐに使えると思っていた土練機、
まさかの事実の発覚で、こんなにも時間が経過してしまった。
部品完成を待ちながら、天気の良い日の堤防を歩いていた。
すべてが白の世界だった冬から、今は春。

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   搬入


そして今日、朝一番に土練機の搬入。
友人も8時前には我が家に来てくれ、土練機が来るのを待っていた。
午後から雨の予報が出ていたが、運よく雨に打たれずに済んだ。

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   3人で


   鉄工所から二人と友人


土練機を出すときも難儀したが、
工房の中に入れる時も時間がかかった。
やはり我が工房は余りにも狭い。

微妙にクレーンを操り、1センチ、2センチと土練機を動かして、
ようやく工房内に入れることが出来た。

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   位置確認


元の設置場所に納めるために、位置の確認。
電気配線の確認、そして試運転。

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   設置完了


約1時間半かかって、土練機は元の位置に設置完了。
完璧ではないが、とりあえず、この状態で使ってみることにし、
不具合が生じれば再調整してもらうことにし、搬入は無事終了。
それにしても長すぎた。

私の悪い癖で、
一つの物事につまずいてしまったら次の行動に移れなくなってしまう。
何をしていても、たえず土練機のことが頭から離れないのだ。
頭の切り替えの下手な自分に辟易していたが、
今日から前向きに、と思っている。


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春祭り

2012年04月15日 | 日記

春になったとはいえ、まだまだ肌寒い日が続いていたが、
気温も15度近くまで上がり、毎朝玄関先から見える神社の桜も一気にほころび、
清々しく晴れ渡った昨日朝、満開となった。

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  鎮守の杜


我が町内の春祭り、昨日今日と行われ、昨日14日が本祭りだった。
朝10時過ぎ、いつものように子供獅子が舞に来て、家のお祓いをしてくれた。

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  子供獅子舞い

でも今回はいつもと違っていた。
子供たちに混じって、大人が横笛を吹いていた。
年々子供の数が減り、今回から大人も笛を吹き始めたのかもしれない。

玄関、廊下、作品を展示してある応接間すべてに照明をつけ、
子供達が玄関の中に入ってウワーっと声を上げた。
「 ウワー、美術館みたい!」。

「 どう?どんな風に感じる?」と聞いてみたら、
「 うつくしい~。美術館の中みたい~、」と。

道路に待機している太鼓がリズムを刻むとともに、
玄関の中の子供達、玄関先の男性陣が一斉に笛を吹き始めた。
そのリズムに合わせて子供獅子が舞い、数分間の獅子舞は無事に終了。
「 ありがとうございました!」の言葉を残して隣に走っていった。

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   鳥居


数日前より有線放送で、14日午後には神社に参拝を、と知らせがあり、
午後3時半、神主が来て清めのお祓いを行った。

春祭りは、今年一年の無事息災を祈念し、初参りの子供達の成育を祈願。
秋祭りとは心もち静かな雰囲気で執り行われた。

約40分あまりで春祭りの儀式も済み、神社に集(つど)った人々で懇親会が始まった。
近況を話したり、昨年の東日本大震災を教訓に、どう対処するか等々。

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   白山神社


3時半からの神社での集(つど)い、
まだ宴たけなわだったが、5時半に家に戻った。

そして今日、朝から良い天気で、トラクターが田んぼを耕していた。
その音を聴きつつ、先日作った作品のを削りを行った。
先日作った作品は、少し大きめの平皿。

昼食後、春の日差しを浴びつつ堤防の歩きに出かけた。
どこからか流れ着いた水仙が、そこいらじゅうの水辺に黄色い花を咲かせていた。
水仙を見ながら歩いていると、ギジたちの姿もかなり見えた。
これから繁殖が始まるのだな、春だな、と一時間の歩きを終えた。

午後4時、春祭りの片づけが始まり、
私は昨年秋に奉納した、対の「 白磁壷 」を片付けた。
今年一年、すべての人々が無事に息災に過ごせるよう願いつつ、
神社の石段を降りた。


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復活祭

2012年04月10日 | 日記

今年の復活祭は4月8日、
駐車場が満杯になると入れなくなるので、早めに金沢に出かけた。
あさ8時過ぎ、金沢の中心部、カトリック教会前の道路には車が殆ど通っていなかった。

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   金沢広坂通り


   300メートル先 ・ 兼六園


でも教会の駐車場はすでに満杯状態。
早朝のミサを受ける方々の車で一杯だったが、何とか教会横の司祭館前に駐車した。
早めに家を出て正解、車を無事に停める事が出来、一安心。

昨年4月始めの早朝、、亡きアルマンド神父から突然の電話で、
起こされたことがあった。

「 堂前君、サラダ菜を取りに来てくれないか、」と。
アルマンド神父が育てていたイタリアサラダ菜の数々、株を分けてくれるとの事。

いつも時間があれば畑仕事をしていた、アルマンド神父。
彼が旅立ってからは畑の様子も見ることが無くなった。
「 いつでも来てサラダ菜を摘んでいって、」と病床での会話。
彼がいない今、司祭館横の畑を見るのも辛く感じていた。
でも8日、日曜日、復活祭の日だからと思って畑をのぞいてみた。

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  教会の畑


  草ぼうぼう


おや、誰かが・・・・・小さいチコリアを摘もうとしていた。
「 橋本さん?」、「 はい、おはようございます 」。

互いに挨拶を交わし、アルマンド神父のこと、畑のこと、野菜のことなど話し合った。
修道士、橋本さんがこれから畑の管理をするという。

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   広坂通り、桜


10時のミサまでタップリの時間、教会前の広坂通りに出て周りを観察。

数日前に降った春の雪で桜も蕾のまま、
温かい気温の日が続けば、これらの固い蕾もほころびだすだろう。

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   文学館


   四高館


カトリック金沢教会は、金沢の真ん中、中心地に位置している。
道路をはさんだ向こうには、石川近代文学館、石川四高記念館が建っている。

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   記念館


この記念館の並び、100メートル右に行ったところには、しいのき迎賓館。
3月、白陶会展を行った、もと県庁の建物がある。

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  香林坊方面


視線を左にやれば、歌にもうたわれている、有名な香林坊の繁華街。
そこに続く用水の桜はまだ咲きそうな気配は感じられなかった。

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   復活祭の卵


復活祭に歌うミサ曲の練習が始まったのは3月3日から。
アルマンド神父に代わって、リーダーの掘さんが熱心に指導してくださった。
とは言うものの、指折り数えるくらいしか練習できなかった。

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   楽譜


ラテン語の発音、人数が足らないのでパートを変えたりと、とても戸惑ってしまった。
テナーの音階をいつも歌っている私、今回はバスを歌うことに。
家に帰ってからも音取りをするためにピアノで何度も弾いて確かめたり。

ミサ曲の一つ、Victima Paschalis 。もともと♭が5個ついている美しい曲。
その最終章の ♭=レ から始まる部分、家で練習すると音がつかめるのだが、
毎週土曜日夜の練習では、何故だかどうしても音をつかむことが事が出来なかった。

午前10時、復活祭のミサ、「 アルマンド、音を授けて!」と願ってミサ曲を歌った。
何と不思議、あれほどつかめなかった音が出た・・・ヤレヤレ、ありがとう、アルマンド。

こうして今年も無事に復活祭を迎えることが出来、ミサ曲も何とか歌え安堵。
皆さんと挨拶を交わして、昼過ぎに帰路についた。

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   我が家の前、


   神社の桜


そして今日、朝から21度を超える気温。
我が家の前の神社の桜、ほんのりと色付いて見えた。
もしかしたら花開いたかな、と昼食後神社に行ってみた。
あれほど固かった蕾、すっかり膨らみ、青空を背景に数輪が開いていた。

カトリックの復活祭は無事に済ませたし、
今度は町内の神社の春祭りが今度の日曜日。
特定の宗教にこだわっていない私だが、
何かに守られている、を感じられることは大変幸せなことである。


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