創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

秋の夕日に

2008年09月30日 | 日記

幸いと言うべきか、私の住んでいる小松地方の今年の夏、
大した災害も無く、無事に、そしていま、静かに秋を迎えている。

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   美しかったハスの花が・・・。

つい先日まで、遅咲きのハスの花が咲いていたが、
ここに来て急に冷え込みが増し、美しかったハス田が様変わりをしている。
あれほど愛らしく、掌をあわせたような神々しい姿のハスの花、今は面影も無くなった。

ハスの実は、小指の先ほどのものから親指の先ほどの、さまざまな大きさ。
簡単に割れるのかな、と思って指で押してみたけれど、以外に硬くて驚いた。
店先に、自然食品として売られているハスの実を時々見かけることがある。
あれは一体どのようにして割っているのだろうか、それも半端な数ではない。

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   ハス田にこぼれ落ちた実

そんなことを考えながら歩いていたら、
近年あまり見かけることもなくなった、モミ殻焼きが堤防脇の田で行われていた。
懐かしいなあ、そう思って近づいてみた。
いつの頃からか、その煙害で交通に支障が出て危ないとの事で、ワラもモミも焼く事が禁止され、
稲刈り後の副産物は肥料として田に蒔かれている。
  

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   モミ殻焼き

焼畑農耕があるが、田に限って言えば刈り取った後の藁(ワラ)は畳に使用しない限り
野菜作りに少々使うだけで殆ど必要無く、ましてやモミがらは畑などに蒔くくらいである。
せっかく栄養タップリに成長した稲、田に戻して肥料にしたほうが良いに決まっている。

稲刈り機のコンバインが田の中を走り回り始めてから、随分と年月が経過している。
その当初から、刈り取った稲ワラは自動で細かく切られ肥料として戻していた。
藁(ワラ)が無くなってから、畳屋さんたちがワラを買いに来ていたことも懐かしい思い出のひとつ。
現在は人工のワラもどきで畳が作られている。
日本の風土を考えると、藁(ワラ)は湿気も取り、大変便利なものである、そう思っている。

いつもの散歩時間は約1時間。
久し振りに寄り道をしたり、モミ殻を焼く香りをかいだり、
はたまたハスの実を割ることが出来ないかとハス田をウロウロしていた。

気がつけば陽もかなり沈み、夕暮れが迫ってきていた。
空を見上げれば面白い雲。 夕空を吹き渡る風が描いた、一服の絵。
スッキリとして、中々の出来栄えである。

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   美しい、一筆描き

こんな時に思い起こす、懐かしい動揺 ・赤とんぼ・
残念ながら、ここ何年も姿を見ることが出来なくなってしまった。
ひとさし指をクルクルと回し、赤トンボがつられて頭をクルクル動かしているのが面白かった。
そのような、自然豊かな環境が再び訪れることを願いながら、赤トンボを歌って帰った。


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ヴィトレの丘・個展・Ⅱ

2008年09月25日 | 日記

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   画廊からエントランス(玄関)

能登・志賀町、ヴィトレの丘がある別荘地は、今日も爽やかな秋風が渡っていた。
品良くシックで落ち着いた佇まいのヴィトレの丘、館内にはイタリアの北部を思い起こす、
優しいアリアのメロディーが流れていた。

先週から始まった能登での初個展、
ゆったりとした時間の流れに、日頃のあわただしさも忘れるくらいである。

エントランス(入り口)から三段降りると、もうひとつの陳列コーナー。
大きなガラス窓は西に開けていて、夕方近くまで明るい光がタップリと入ってくる。
自然の光の中で、青磁、鉄釉、辰砂の作品が、生き生きと輝いて見える。

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   L字形の陳列台

窓際にはソファーがあり、木立の中を渡る風に木々が揺れ、
小鳥達も気持ちよく木々の間に間を飛び交っている。
静かなアリアと広く大きなガラス窓からの日差しで、ついウトウト。

至福のひと時、このような時間の経過を言うのであろうか。
お越しくださるお客様にも、普段の画廊とは異なった空間を充分に味わっていただき、
作品もゆっくりとご覧頂いております。

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   種々のコーヒーのある厨房

二十歳代からコーヒーにこだわりを持っていられる、ヴィトレのマスター。
マスターに負けず劣らず、私も無類のコーヒー好き。 時にはコーヒー談義も。
「 今日はこの種のコーヒーを 」と私の顔を見てマスターがコーヒーを入れてくださる。
さすが、コーヒーにこだわりを持っていられるだけあって、私にピッタリのコーヒーである。

以前、地中海を取材で訪れていた時、小さなカフェの主人が一人用の鍋を直火にかけ、
あっと言う間にエスプレッソを入れてくれた。 特にエスプレッソマシーンを使ったわけでもなかった。
しかし、それは素朴だがとても深い味わいのコーヒーだった。

マスターにそのことを話したら、そのコーヒーの入れ方の国々の話しをしてくださり、
マスターなりに私が求める味を再現してくださった。
舌の上で、そして口の中いっぱいに広がる、香り高いコクのあるコーヒー。
地中海の小さな島々で味わったエスプレッソ、ヴィトレの丘で久し振りに味わえることができた。

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   テーブルの上を片付けている
     マスター

マスターのお歳をお聞きしたら、私より一歳上。
年も近く、コーヒーにもこだわりがあるし、もちろんのこと美術にも大変詳しい方である。
お客様がお帰りになられ、ちょっとした時間に互いの思いや考え方を話し合えるのも嬉しい。

かぐわしいコーヒーの香りの中、アリアが流れ、まるで異国に居るようなヴィトレの丘。
能登・志賀町までは少しばかり遠いかも知れませんが、日頃の生活からはなれ、
美味しいケーキとコーヒーの数々、そして私の作品をぜひご覧に頂ければ幸せに思います。
秋風を受けながらドライブを兼ね、ぜひお出かけ下さい、お待ちいたしております。

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ヴィトレの丘・個展

2008年09月20日 | 日記
9月18日、個展搬入のため、あさ小松出発。  前回と同じく一般道をゆっくりと。
志賀町・ヴィトレの丘・に近づいたころ、目の前に海が開けて何処からともなく
潮の香までもが車の中に入り来て、能登半島の真ん中へきたことを実感した。

ふーっと何気に海を眺めていたら、突然目に飛び込んだ海上自衛隊の自衛艦隊群。
一体何事?  原子力発電所からそれ程も離れていない。 それにしても数が多すぎる。

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              石川県志賀町、ロードパーク 「 滝 ・眺望台 」

                沖合い数百メートルに、5、6隻の自衛艦

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                     少しずつ岸から離れる自衛艦隊

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   かなりの装備をした、自衛艦隊

5、6隻の自衛艦隊が岸辺近くまできている。
何があるのだろう? そう思いつつ、ロードパーク 「 滝 」 眺望台に上ってみた。
同じ思いの人もいるらしく、それぞれが思い思いにカメラを向けていた。

しばらく様子を眺めつつ、最近隣国の核問題や、あちこちで勃発している世界情勢の不穏な
変化があったことも影響しているのかと、思わずにいられなかった。
人の欲望にはキリは無く、それぞれ互いの利害関係はあろうとも、
何とか妥協点を模索しつつ幸せな暮らしが実現できるようにと、
目の前の物騒な自衛艦隊を眺めて次へと向かった。

ヴィトレの丘には午後から搬入作業にかかればよいと、
先日立ち寄らなかった能登金剛、巌門を訪れた。

海上自衛隊の自衛艦隊付近はいかにもカモフラージュしたがごとく、何となくモヤっていたが、
巌門まで来ると天候もよく、波も穏やかだった。
季節も観光シーズン真っ盛り。駐車場にはあふれんばかりのバス、そして旅行者。

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   遊覧船・ガンモン

数年前、仙台のお客様がこられた時、一緒に訪れた能登金剛、
その時は 11月23日、 初冬の風情でそれなりに趣があってよかったのだが、
肝心の巌門は海が荒れていて岩場に下りることも出来ず、観光は出来なかった。

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   巌門から遊覧船を見る

今回は運よく、夏の名残の暑ささえ我慢すれば、最高の観光日和。
多くの方々が観光遊覧船に乗船し、奇岩が迫り来る海岸線を海上から楽しんでいられた。

潮の香を深呼吸で胸いっぱいにし、何となくオゾンを浴びた心もちになり、次へと向かった。
能登金剛・巌門・から数分北上すると、見えてくるのは能登二見。

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   能登二見・機貝岩(はたごいわ)

いわれのある、機貝(はたご)岩の物語、能登にはこのような景勝地がそこかしこに存在する。
搬入時間も迫りきて、車をユーターンしヴィトレの丘に向かった。
作品が引き立つようにと、一点一点を吟味しながら陳列配置を考え、2時間余りで陳列作業も
無事完了し、良い個展になるようにと祈りつつ、夕方ヴィトレの丘を後にした。

9月19日

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   羽咋市を過ぎたあたりから見えてくる

      標識


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   福浦港からはヴィトレまですぐ

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   ペンション村の案内

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   道路わきの、ヴィトレの丘の入り口

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   ヴィトレの丘・エントランス

9月19日、中能登志賀町・ヴィトレの丘・個展が始まった。
初日は静かな出足。
個展前に何点か展示してあり、それをご覧頂いた方が私を待っていてくださった。

お客様は美術品に造詣(ぞうけい)の深い、志賀町のご住職。
お話しが素晴らしく、また私の話しにも耳を傾けてくださり、知らぬ間に時間が経過していた。
気づけば太陽も傾き、画廊の中に差し込む光が金色に輝き始めた。
時間もそろそろ6時前。
ゆったりとした時間が流れ、ご住職からも貴重なお話も伺え、有意義な初日だった。

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   夕日を浴びた作品

そして今日20日、近隣のお客様や、金沢からのお客様にもお越しいただきました。
台風の影響を心配した個展の始まりでしたが、穏やかな日和に恵まれ、嬉しく思っております。

始まったばかりの、「 ヴィトレの丘・個展・ 」
皆様方にぜひお出かけいただき、静かな環境の中での展示会をお楽しみ頂きたく願っております。

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コシヒカリ

2008年09月15日 | 日記

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        西の方角から加賀産業道路の向こう、荒木田町風景 ・・・遠くの山は観音山・・・


                      =農道をはさんで=
            左ー減反の田               実ったコシヒカリー右


北陸の秋、今年は天候に恵まれ稲もすくすくと育ち、稲穂も重く垂れて豊作。
毎年稲刈りが始まる直前になると大雨が降り、実った稲穂の重みで稲が倒れてしまっていた。
そのまま天気が快復せずに雨が降り続くと、倒れた稲穂から芽が出て、すべてが水の泡に。

極力倒れないようにと肥料も少なめに施し、こうして無事に稲刈り時期を迎え、
秋祭りの今日までに殆どの稲刈りがとどこおりなく終了。

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   霞(かすみ)のかかった、観音山


    減反を逃れた コシヒカリ

今年も農業政策で、かなりの農地では減反を強いられてきた。
この日記を書く前に無責任なことは書けないと思い、再び関係機関に電話し状況を聞いた。

政府の農業政策で、4ヘクタール以上の農地面積を持っていないと、
米を作っても補助金が出ないとのこと。 小規模農家には殆ど補助金が出ないと言われた。
その為、小規模農家の我が町内、数軒が集まって集落農業なる団体を形成し、
グループで米などを作っている現状である。

では小規模、例えば田んぼ1~2枚しかない小農地の農家はどうなるのかと問うと、
「 別に米は作るな、とは誰も言っていないし、作ってもいいのですが補助金は出ない 」と。
突っ込んで聞いてみると、「 全く出ないのではなく、その農家の事情によって出ます 」と。
ではいくら位? 「 それぞれの町内の事もあるし、後継者がいるか居ないかで差があります 」と。

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   重く垂れた 稲穂

もうひとつスッキリしないので、更に突っ込んで聞いてみた。
数年前に決まった集落営農、ある程度の農地がなければ米を作っても買い取ってくれないと・・・。
「 確かにその時は政策で決まったが、不都合が出てきて今のように変わってきたのも事実 」と。
「 だから誰でも米をつくってもいいけれど、補助金に差があるのも事実です 」と。

う~ん、何だかもうひとつスッキリしない。
米余りだから減反を押し付けてきている農業政策。
上の全景写真のように、左側は減反で、麦を刈り取ってからは荒れ放題のまま。
右側だけに米が植わっている。

また食い下がってみた。
減反の田には、麦の他に大豆やその他の植物を植えて、それを買い上げてもらうことは?
「 減反の田に限って言えば、4ヘクタール以上の農家の作った農作物でなければ
買い上げも補助金も出ません 」と。
「 小規模農家が減反の田で何を作ってもかまいませんが、補助金も何もありません 」と。

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   減反の田で佇む アオサギ

ついこの間からテレビで大きく取り上げられた、事故米。
何も知らない消費者は、何らかの形でその有害な米や米製品を買い、食べていた。
工業用にと輸入された有害な事故米。 業者はそれを高く売り利益を上げていた。
ぶざまな検査体制で、何倍もの価格で取引されたこれ等の有毒な事故米、
こんな大変なことになる位なら、減反せずにわが国で米を作ればいいのではないのか?
農水省は、それらの機関は、いったいどんな仕事をしているのか? これでいいのか?

減反を強いられてきた農家にとっては誠にたまらないくらい、残念な政策である。
毎年少しずつ気候変動が起きてきている。 もし世界的に天災が発生して農作物が
作れなくなった時、いったい何処の国の誰が日本の食糧を保障してくれるのだろう。

農業に携(たずさ)わっていなければ分からない、この現実。
皆さんはどのように思っているのであろうか。
確かに日本の米は高いかも知れない、けれど安全である。
今回の事故米(有害米)のように、高く売られれば同じ事である。

何もない雑草ばかりの田で、サギだけがひっそりと佇んでいた。

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ポトフ

2008年09月10日 | 日記
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9月19日から開催する、ヴィトレの丘にての個展出品作品の選び出しを終え、
目録を作ってヴィトレの丘に発送した。
これからは再度の検品と、輸送に耐えうる荷造りの作業を行わなくてならない。

毎度の事だが、あれもこれも観て頂きたく思い、そうこうしている内に
出品作品の選定に迷ってしまい、、ただ時間だけが無意味に過ぎていくのです。
何とか早く決定をと焦りつつも、なかなか決まらない。
そろそろ目録を提出しないと迷惑をかけてしまう段階になり、ようやく決定。

慣れないパソコンに向かい、取り込んだ写真を目録表に一枚一枚貼り付けていく。
かなりの時間を費やして、その作業も無事に終了。

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   白磁線文皿
      ほんの少し青色がかっている。


          径ー26、0cm
          高ー 4、5cm

ひたすら机のパソコンに向かっての作業、
しかし食事はしっかりと摂らなくてはならない。
手の込んだ料理を作るのは面倒だし、かといってインスタントは健康上よろしくない。

それではと思い、バランスが取れ、かつ栄養価の高いポトフを多めに作り置きしてみた。
肉以外の材料は、すべて自家製の無農薬野菜。
味付けはシンプルに、塩、コショウ、そして香り付けには前庭のハーブ、ローズマリー。

今回使用した肉はブタ肉の塊。 脂(あぶら)を取り除くために一度茹で、
適当な大きさに切ってオリーブオイルでさっと炒めておきます。
その中に、大きく切った野菜をドカッと入れて、コトコトと野菜が崩れないようにゆっくり煮詰め、
スープもある程度材料に浸み込み、肉が柔らかくなったところでポトフの完成。

ニョッキと同じく、これもまた至極簡単な料理。
ポトフを美味しく作るコツは、肉の余分な脂をしっかりと取り除くこと、
それさえ行えばレストランで食べるポトフよりも美味しく仕上げることが出来るのです。

我が家で作る料理なので、余計な香辛料や味付けも必要なく、
新鮮な野菜から旨味が出て、シンプルで飽きの来ない一品が出来るのです。

圧力鍋で炊いた玄米で作ったオニギリをほおばりながら、温かいポトフを食べ、
出品目録表に写真を貼り付けていく作業を無事終えたのです。
作品搬入までの数日間、多くの方々にお越しいただけることを願い、
しっかりと検品作業を続けたいと思います。


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