創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

個展を終えて

2007年10月30日 | 日記

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  前庭のササリンドウ

二年ぶりに開催した、金澤画廊にての個展も無事に締めることができ、ホッと一息。
本日作品の搬出をしてきて、ようやく日頃の環境の中に浸りマグカップを手に庭に出てみました。
手入れが出来ずに荒れ放題だった庭にも秋の花々が咲きだし、庭木も色づき始めております。

個展前には蕾だった 「ササリンドウ」。 この一週間の間に花が一斉に開き始めました。
十数年前のいま時分、近くの山に散策に出かけて思いがけずに見つけた、この 「ササリンドウ」
えっ、こんなところに、と思うような山すそに群生していたのです。
山を荒らすのは本意ではないし、かといって可憐なリンドウは欲しいし・・・。
欲しい思いが勝ってほんの2、3本採取して庭に植えたのです。

一年二年と年月を重ねていくうちに種が飛んだのか、はたまた根が伸びていったのか、
庭のあちらこちらから細い茎が伸びだして、忘れた頃に可憐な蕾をつけてくれるのです。
細い糸のような茎から大きな花芽をつけている ササリンドウ、その生命力に感動すると同時に
我も見習って美しい花を咲かせたい、そう思っております。

心配した個展も多くの方々のご支援を頂き、盛況のうちに終わることが出来ました。
遠くは東京からお客様が、福井、富山の近県から、そして県内からと多くのお客様にお越しいただき、
とても有意義な個展を行わせていただきました。
無事に終わった個展、その喜びと幸せをかみしめつつ前庭のササリンドウを眺めております。

個展開催間際まで窯焚きを続けて参りましたが、皆様に喜んでいただき心より嬉しく思いました。
新しくデザインした作品も多くの方々に気に入っていただき、搬入の数日前まで作っていて良かった、
そう思っております。
これからも更に精進してよい作品を作れるよう、日々励まねばと思っております。

今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
また常時、我が家にも作品を展示してあります。
お近くにお越しの節はぜひともお立ち寄り下さいます様、お待ちしております。
この度は誠にありがとうございました。

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金澤画廊個展

2007年10月25日 | 日記

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  並木町

良い天気に恵まれ、二十三日(火)から二年ぶりの個展が始まった。
金澤画廊は友禅流しで有名な浅の川のほとり、並木町の真ん中あたりに位置し、
すぐ前には泉鏡花の 「滝の白糸」 の像もある、誠に風情あふれる環境でもあります。

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  浅の川沿い 金澤画廊

個展前になると必ず作品制作でパニックになり、これでもか、これでもかと窯焚きを続け、
もっといいものが出来る、きっとできるはずと時間との競争をしつつ、
今回の個展準備もそのようにして創作を続けてまいりました。

随分と心配を致しましたが、久し振りということもあり待っていてくださった方々にお越しいただき、
再会をよろこびつつ、近況なども話したりして楽しい時間を過ごさせていただいております。

この二年の間に転勤された方々からも激励のメールやお便りを頂き、心より幸せに思っております。
個展の様子を知らせて欲しいとおっしゃる方々もいられ、家に戻ってパソコンを開きますとメールが
届いており、ご返事させていただいております。
こうして遠く離れていてもお気遣いくださるお心に、頭の下がる思いでおります。

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  画廊内の陳列作品

またいつも個展にきていただいた方々も、遠くの地から画廊の様子を見たいとのご要望もあり、
ほんの一枚ですが、会場内の様子を今日の日記に載せることが出来ました。
ここで美味しいお茶とお菓子を頂きながら楽しいお話しをいたしましたね、
むこうに見える窓の近くのテーブルでお話しさせていただいたこと、覚えていらっしゃいますか。

今回もフラッと通りすがりにお寄りになられた方々もいられ、楽しくお話しをさせていただいております。
こうして個展を通じて出会いをいただける、心より嬉しく思っております。

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   金澤画廊前に架かる
 東茶屋街に通じる 「梅の橋」

あまりにも良い天気、画廊前に出て梅の橋を眺めておりました。
いつもの個展でしたら時間がちょっと空いたときに、橋を渡って東茶屋街に行けましたが、
今回はそのような時間的な余裕も無く、ほんの少しの間に外に出たりしております。

秋も深まり、梅の橋も静かなたたずまいです。
夏の盛りに行われた川舞台の能も懐かしい思い出の一つとなっております。
個展も明日から後半、心込めて勤めたいと思っております。

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秋色

2007年10月20日 | 日記

個展出品の作品整理も順調に終え、
久し振りに近くの憩いの森に出かけてきた。
数週間ぶりかに訪れたそこは木々にも赤みがさし、飛び回っている小鳥達の顔ぶれも変わっていた。
真夏には、照りつける日光を避けるために程よい日陰を与えてくれていた憩いの森、
その木々にも小さな実が熟し、それらをついばむ鳥達が気ぜわしくく飛び交っていた。

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 心もち赤みが増してきた、ムラサキシキブ

ここしばらくは良い天気が続き、家から近くの梯(かけはし)川の堤防を歩いていた。
梯川にも秋から晩秋へと、季節の移り変わりがハッキリと見えるようになってきた。
これまでは、シロサギ、アオサギ、ゴイサギなど、サギばかりが目だっていたが、
この頃はガン、カモに加え、鵜もかなり飛来し始め幾分にぎやかな風情になってきた。

いつもの事だが、先日も歩いていてビックリしてしまった。
舗装がされていて足元の良い堤防だから、ついつい遠くの景色を眺めて歩いたり、
川面を行き来する渡り鳥たちを観察しながら歩いていると、突然目の前をサーっと何かが横切り、
ドキッとして一瞬足の動きが止まってしまった。
それは刈り取られた堤防の斜面を急いで駆け下りていくキジ鳥。 ある時には子供をつれた親キジ。

ジッとしていれば互いに驚かなくてもいいものを、飛び出してくるから本当にビックリしてしまった。
子供のキジも、もう随分と大きく成長し、親キジと殆ど見分けがつかなくなってきている。
そろそろ親離れする季節だろうか。

こうして驚かせてくれるキジだが、彼らを見ていていつも思うこと、これから冬に向かっての季節、
いったいどのようにして食べ物を手に入れるのだろうか、と心配し疑問も持ってしまう。
晩秋から冬へと向かうこの土地、食べ物らしきものはすべて雪にうずもれてしまうのだ。
キジは一般の鳥と異なって、飛行距離は決して長くない、というよりそんなに飛べない鳥でもある。
渡り鳥達が来ているように、彼らもまた雪の少ないところに移動していくのだろうか。
でも、どうやって・・・?

目の前を横切っていったキジ鳥の家族、これからの厳しい季節を乗り切って欲しいと願いつつ、
土手の笹薮の茂みへと入って行ったあたりを、しばし眺めていた。

そのような日々を過ごしてきた私、いよいよ明日午後から作品の搬入。
我が家から金澤画廊までは車で約50分あまり。 今回は地元ということでもあり、
大掛かりな輸送は必要なく、車で2回ほど運べば事足りる。
二日前に作品すべての梱包を済ませてあり、後は慎重に運ぶだけとなった。

心込めてつくり上げた作品、多くの方々にお越しいただき、
ぜひ手にとってご覧頂きたいと願っております。

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窯焚きと窯出し

2007年10月15日 | 日記

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  色見穴から噴き出している炎
青磁を焼くのは難しい、つくづくそう思った。
先日の窯焚き、わずか5分の事で作品に影響が出てしまった。
私の、「これで良し」 があまりにも少なすぎた。 残念だけどそれらの作品は・・・・・。

青磁作品は、面白い出来だね、では許されない焼物でもある。
形は面白くても青磁の放つ気品が漂っていなければ問題外である。
ほんの5分、秒で言えば300秒。 その差のあまりにも大きいことに愕然としている。

色見穴から何度もなんどもテストピースを取り出して焼け具合を確かめ、そしてほんの数分、
炎の調整をしていたら温度が上がってしまった。  それが今回の窯出しの結果。
いつまでもくよくよしていても前に進められないので、今回の事は教訓として次回こそは注意しよう、
そう思って何回おなじ思いを繰り返してきたことだろうか。

Photo_5

  還元炎を確かめている最中
窯の温度が高くなって、小さな色見穴から還元炎が勢い良く噴き出してきた。
高温の為、炎の外側の色は青白く、紫色へと変化しはじめてきた。
実際の噴き出している炎の長さは20cmあまりもあるだろうか。

現在の窯はガスや電気、あるいは灯油などが燃料になっているが、
私が子供の頃に窯元で遊んでいた当時は石炭が燃料であった。
窯はもちろん登り窯。 カマボコみたいな房が横になって一段ずつ斜めに重なっていく、そのような
窯であった。 煙突からはモクモクと黒煙が立ち上っていたことを思い出している。

長い経験の積み重ねから窯の中の炎の状態を、そして噴出している炎の勢いを見て判断することが
窯焚きを成功させるか失敗するかの分岐点でもある。
現在のような便利な器具が無かったのに、よくもキレイな素地を焼き上げたものだと敬服してしまう。

いま私はガス窯を使っているが、昔の人に比べたらはるかに楽な窯焚きである。
それなのに満足のいく作品が焼けないとは・・・。
ああ、やはり残念!

それでも何とか今回の個展作品は揃えることができた。
青磁、白磁、窯変鉄耀、窯変辰砂(しんしゃ)の壷類と日常気軽に使っていただける作品も焼きあがった。
心込めて焼き上げたこれ等の作品、多くの方々にお越しいただき、実際に手で触れていただきたい、
そう願いつつ、出品作品の整理を行っています。

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ウメモドキ

2007年10月10日 | 日記

やけに寒い朝だなあ、そう思ってカーテンを開けた。
いつもの部屋に一気に朝日が入ってきた。

東西に建っている我が家、朝日が差し込む角度でその季節を直に感じ取ることが出来るのです。
夏の間には真横から入ってきていた朝日も、9月末から今日まで、まるで駆け足のようにその角度が
北よりになってきております。  加えてその光も随分と弱くなってきてしまいました。

個展を前に、気が焦っているのか眠りも浅く、早くに目覚めてしまっているこの頃、
夜露に濡れている庭木をしばし眺めていた。
しばらくすると、さーっと朝日が庭に差し込んできた。  垣根の脇にあるウメモドキが輝き始めた。
落ちるかどうしようかと迷っている露とまぶしい朝日、その対比が面白くて庭に出てみた。

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   夜露を受けた、ウメモドキ
夏の盛りに草刈をしたが、あれからほんの僅かの間に、これでもかと雑草が伸び放題である。
見苦しいなあ、みっともないなあ、と思いつつもそのままの状態にしてある庭。
その雑草の中から水引草や笹リンドウが花芽を伸ばしている。
いま草刈をすれば、それらの可憐な花々も一緒に刈ってしまうことになってしまう。
一生懸命に花芽を伸ばしているそれ等の生命力に感心すると同時に、花を愛でることにしようと
勝手な理由付けをして、荒れ放題の庭を毎日ため息をつきながら眺めている状態です。

先日焚いた作品、そろそろ窯の温度も下がって明日はそれらの窯出し。 
うまく焼きあがっている事を願いつつ、それでも心配で窯の前でウロウロしている私。
そんなことをしていても、窯の中ではすでに結果が出ている、でも心配。

窯の火を止めるタイミングが心もちずれてしまった事も心配の原因の一つでもあるのです。
時間で言えば五分くらいでしょうか。 その僅かの間が青磁を焼く勝負なのです。
ああ、やっぱり心配でたまらない。 その五分がどのような結果になっているか、明日証明される。

そのことが頭から離れないまま、次の窯焚きの準備を進めてきました。
今度は小品の窯焚き。  湯のみ、マグカップ、鉢類等々、青磁作品の釉薬掛けを行いました。
明日の窯出しの後、すぐにそれらの窯詰めの作業を行います。
かなうならば、良い焼き上がりでよかったあ、と思いつつ窯詰めをしたいものです。

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