創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

ホッとして

2014年06月30日 | 日記

なんとか美しく焼きあがって欲しいと願いつつ、
何度も何度も温度を確かめたり、炎の様子をみたり。

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   還元炎


大きな鉢、たった一つしか焼かなかった今回の窯焚き。
贅沢といえばそれまでだが、気合を入れなければ焼けない作品だった。

失敗か成功か、そのどちらかしか選べない青磁作品。
面白い焼き上がりだね、とは認められない青磁作品。
私の求める青磁、あくまでも美しい水色が欲しくて挑戦している。

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   煙道


精魂込めて焼き上げた作品。
窯の温度も下がって窯開けの瞬間が近づいてきた。

あぁ、どうしよう、開けようか、もう少し待とうか。
ウロウロと工房に入ったり家に入ったり。

そんな事を2時間余り続けていただろうか。
いずれは開けなくてはならない窯。
覚悟決め、一気に開けた。

どっと肩の荷が下りた瞬間。
希望の色合い、形も美しく整って焼きあがっていた。
ハラハラドキドキに、イライラも加わった窯開き、安堵の瞬間。

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   ひとやすみ


この前から急に海が見たくなり、安宅の海へ出かけた。
でも私は福井、東尋坊の海、その景色の方が好きだ。

作品ひとつだけ焼いた窯焚きも何とか合格点をつけることが出来、
久しぶりに東尋坊まで出かけた。

途中、必ず立ち寄るこの場所、
夕暮れには早いが、「 ひとやすみ 」の文字が気に入った。
真っ赤な夕日が沈んでいく海を見たかったが、
梅雨の最中、無理と言うもの。

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   三国方面


もの思いにふけ、ただボンヤリと海を眺めていた。
これまで何度ここに来ただろうか・・・。

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   次第に暗くなり


夕日が沈むまで時間があったが、雲の影響か暗さが増してきた。
雲間から見え隠れする夕日を眺め、目の前の亀を見つめ。

人生ゆっくりもいいかな、
焦らなくてもシッカリと地に足を着いて行けばいいかな、
そんなことを思っているうち、小雨が降りだしてきた。

今回の目的は、三国温泉「 ゆあポート 」で夕日を眺める事。
夕日は雲に隠れてしまったが、久しぶりの湯の感触は良かった。
何度も来たことのある温泉だったが、初めて硫黄の匂いがした。

夕日を眺められる大きな窓、肘をつき様々な事を思い巡らし、
暗くなり始めた海をジッと眺めた。


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窯焚き

2014年06月25日 | 日記

陶芸家と言っても、いつも窯を焚いているわけではない。
ロクロに向かって作品を作る作業も毎日ではない。
では私は何をしているか。考えている時間が殆ど。

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工房前で


大きな作品を焼き上げなくては、と準備を行った。
ビーチパラソルを広げ、工房前で作業開始。
毎日ほとんど雨が降らない今年の梅雨。
湿気は多いが雨が降らないのは嬉しい。

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   勝手口前で


トラのいるところは勝手口の前。
トラは相変わらず私の近くにいて、
昼寝をしたり、気が向けば工房の中に入ったり。

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   何か?


うたた寝をしているかと思いきや、
垣根の中に小鳥でもいたのだろうか、
しきりに見ている。

トラは小鳥やネズミを捕まえない。
シロがいた時は小鳥など捕まえては見せに来ていた。
我が家の垣根、小鳥が遊ぶのに具合がいいらしい。
シロはその中に入っては小鳥を捕まえていた。

大きく伸びた垣根、うっそうと茂った庭木、
こんな我が家でも季節の鳥が遊びに来てくれるのは嬉しい。

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   釉薬準備


いよいよ作品の釉薬掛け。
狭い工房の中、釉薬にゴミなどが入らないよう、
ロクロ場と兼用になっている所を徹底的に掃除。

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   青磁釉薬


さて準備もできたし、釉薬をかける瞬間が近づいてきた。
青磁作品の釉薬掛けはとても気を遣う、と言うか緊張する。
厚くかけなければ青く発色しないし、かと言って簡単に掛けられない。

心落ち着かせ、気合を込めて一気に作業を行う。
いつものように、ハラハラしながらも何んとか掛け終えた。

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   小花


関東や太平洋側では集中的に雨が降っているが、
今のところ幸いにも雨が少ない北陸。
何をするにも濡れなくて良い。

窯焚きの間、
家の中の細々したものを片づけたり、掃除したり。
窯の温度を確かめるたびに前庭を覗いてみたり。

季節の変わり目か、アジサイと鉄砲百合しかない庭、
何かないかと探したら、あった。ちっちゃい小花。
日中は咲いていたが、夕方にはしぼんでしまっていた。
「 花の命は、はかない 」、本当にそのとうり。

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   高温


深夜、窯の温度も次第に上がってきて、
炎の色も黄色から白に近い色へと変化してきた。

さあ、ここからが勝負。
窯の中の温度を確かめたり、炎の色を確認したり。
目的の温度が近づくにつれ、再びドキドキが始まった。
「 よし、いま 」、窯の火を止めた。

数日後、またハラハラ、ドキドキして窯を開く。
何んとかうまく焼き上がっていてほしい。


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玉ねぎ、収穫

2014年06月20日 | 日記

仙台より帰ってからも何となく気ぜわしく、
母とまだ一度も食事に出かけていなかった。
母も私が後片づけなどで忙しくしているのを理解し、
何も言ってこなかった。

6月も中旬となり、母のことが気にかかり昼食に誘ってみた。
「 うれしい、そんなら母ちゃんも行くかな、」。
母と二人の、ささやかな回り寿司の昼食。

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  母が一人で抜いた

   玉ねぎ


仙台では言葉で言い尽くせぬほどのお世話頂き、
又とても美味しいホヤやカツオの刺身などもごちそうして頂いた。
ホヤは無理として、小松の回り寿司にカツオはあるかな?と
タッチパネルを押して探した。 あった、あった、早速2皿注文した。

母と私にあてがわれたテーブルは「 白マーク 」。
注文した品が近づくと、「 間もなくご注文の品が到着します、」と、
至れり尽くせりのシステムになっている。

届いたカツオ寿司、仙台でおいしく頂いたそれとは全く異なっていた。
母、「 何それ?」。「 健康にいいから黙って食べたら、」と私。
母、「 母ちゃんはいつものハマチ(ブリ)のほうがいい、」と。
「 そうやな、」と私。

結局美味しいカツオを母に食べさせてやれず、ささやかな昼食は終わり。
味噌汁も注文したので、二人合わせて1、620円。
それでも母はとても満足げの表情。 よかった、一安心。

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   一か所に


ささやかな母との外食、喜んでくれたので「 良し 」としよう。
帰りに母が買物をというので、2、3か所回って帰宅。

自宅に送っていく前に、母が世話している畑に寄ってみた。
玉ねぎの収穫時期がすでに来ており、実のところ先日から気にはしていた。
「 お前、いつ収穫してくれる、」と早速聞いてきた。
「 あした曇りと報道していたから、明日夕方にでも、」と答えた。

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   準備


翌日、朝から雲行きが怪しくなり、
さっさと済ませようと8時半に道具すべて持って畑へ。
な、なんと、玉ねぎがすべて抜いてある。
昨日は植わった状態だったのに。

母、また無理して一人で固く根付いた玉ねぎを抜いたのだ。
体に支障が出なければいいがと、急いで玉ねぎの整理を行った。

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   そろえる


根を切り落とし、茎も同じ長さに切りそろえ縛り上げた。

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   終えて


4時間半かかってすべての作業は終了。
実家に寄って母に、「 全部おわったよ、」と言うと、
「 夕方からと言うから、朝のうちに抜いておいたけど、」と。
「 どうでもいいけど、体は大丈夫か、また無理して、」と言うと、
「 母ちゃん、鍛えとるよ、」と。

「 だったらいいけど、昼飯食べてから全部運ぶから、」と言い、
畑と実家、畑と我が家を数度往復して今年の玉ねぎ収穫は終了。

A

   安宅の海


金沢に出かける用事があったが、
急に海が見たくなり、安宅の関まで出かけた。

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   引き潮


気温は高かったが、まだ人もいなくて、
よせてはひき、ひいてはよせる波を静かに見ていた。

近いうち、時々出かけていた福井県三国、東尋坊へ行ってみよう。
潮の香、オゾンが健康に良いと岸壁の遊歩道を歩いたりもした。

帰りは波打ち際に建つ三国温泉「 ゆあポート 」で汗を流し、
湯船の中から美しい夕日が眺められたらうれしい。

日本海にしずかに沈んでいく夕日が眺められれば、それでいい。


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どうやらこうやら

2014年06月15日 | 日記

藤崎個展の片づけもメドがついてきた。

6月5日に我が家に帰ってきたものの、なぜか体が動かなかった。
あれもこれもと、しなくてはならないことが沢山ありすぎて、
何から手を付けていいのかさえも判断できなかった。

ようやく、というか、やっとのことで片づけが最終段階まできた。
展示場を兼ねている応接間もほぼ元通りになったし、
売約頂いた作品の桐箱も藤崎に無事送ることができた。

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   南の空


私の習慣の一つとして、
気持ちがどうにもならないときは空を見上げることにしている。
外に出て庭木を眺めたり、雲の流れを目で追ってみたり。

梅雨に入ったものの、それほどの雨量が無い小松。
南の空は複雑な模様を呈しており、南に向かうほど黒雲が多い。
白山あたりは真っ黒な雲に覆われていて、時々稲光さえ見えた。

今年の梅雨も天候が異変で、
雨が全域に降るのではなく、一か所にまとまって降り、
その地域だけが床下浸水などの被害が出ている。

この現象はタイへ行ったときに何度も経験した。
ざーっと猛烈な雨がその地域だけに降り、
少し離れているところは晴れていた。

スコールと呼ばれているもので、
かなりの雨量なのでシャワー替わりにもなった。

被害が無ければ至極便利だが、
日本みたいに山あり谷ありの国土ではちょっと迷惑な雨である。
地球温暖化なのか、気候が変わってきていることが心配である。

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   お気に入りの

    寝床
 


家に戻ってきてから私のロクロ場がトラの寝床に。
仙台に行っている間は不用心なので鍵をかけていた。
その間、トラはどこで寝ていたのだろうか。

大した雨も降らなく、
庭木の下には枯葉が沢山積もっていて、
トラにはちょうど良い寝床になっていたのかもしれない。

勝手口の中に作ってあった寝床には入った形跡がなかった。
同じく玄関の中にある寝床に寝た様子は見られなかった。

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   甘噛み


いまはトラが安心して眠ることができるならばと、
私のロクロ場をトラの寝床にしている。

個展の後片付けもそろそろ終了に近いし、
次の作品の構想を練ったらロクロに向かわなくてはならない。
もうしばらくの間、トラお気に入りの場所を提供しよう。


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早や五日

2014年06月10日 | 日記

仙台から戻って、あっという間に時間が経過してしまった。

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   九谷焼資料館


仙台、藤崎での個展期間中、
金沢名鉄エムザで日本工芸会、石川支部展が行われていて、
日曜午後6時からの作品搬出に金沢に出かけた。

また昨日は能美市立九谷焼資料館で同時開催で行なわれていた、
石川県陶芸協会展の搬出があり出かけた。

搬出と同時に、同じ資料館で今度は作品を入れ替えて、
日本工芸会石川支部、陶芸部展の作品搬入を行った。

企画される方々も検討して展示会の時期を決めると思うが、
こうも続けて展示会があると気ぜわしく感じて仕方ない。
3月から今日まで、いくつの展示会が行われただろうか。

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   庭藤


梅雨に入ったものの、雨が少ない小松地方、
家の片づけなど行っていると外の空気が吸いたくなり、
久しぶりに前庭を覗いてみた。

たった10日間の不在だったのに、
庭木の陰でひっそりと咲いている庭藤も盛りを過ぎていた。

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   フルーツトマト


それでは前庭の畑はどうなっているのか、
小さな実が付いていたフルーツトマト、アイコ、
かなり大きく育っていて、5本植えた苗全部に実が付いていた。

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   ルッコラ


トマトのそばにあったルッコラ、
仙台に出かける前は葉っぱだけだったのに、
急速に成長し、次の世代の準備を始めている。

ここまで大きく成長すると、食べても「 えぐみ 」だけを感じ、
美味しくはない。

「 えぐみ 」、これはどのような味と表現すればいいのだろう。
渋みとも違うし、苦みとも違う。 何に例えればいいのだろうか。

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   垣根の下で


私の留守中、トラちゃんの食事の世話をしてくれた母、
毎日補助車を押して我が家に来てくれた。

母が押している補助車の音を聞きつけ、
庭木の中から飛び出て迎えてくれたそうな。

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   昼寝


私が仙台から帰ったのは5日夕方、
その日は母がすでにトラに食事を与えた後だったので、
トラの姿は見ることができなかった。

が、翌6日朝には私が帰ってきたのが分かったのか、
いつものように玄関で新聞を取り入れるのを待っていた。
トラちゃん,ただいま、と言うと体をすり寄せてきた。

可愛い家族、冬用の毛も抜け少しほっそりと。
ブラシで体をなぞってやると、ゴロゴロと喉を鳴らすトラ。
これから暑い季節になるけど、トラも頑張ろうな、
トラに声をかけ、やさしくブラッシングを続けた。


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