創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

こまつの美 ・ 終了

2012年08月30日 | 日記

7月後半から8月の今日まで、全くと言っていいほど雨が降らなかった小松。
例年より趣向を変えた小松美術展も無事に終了した。

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   案内図


小松美術展は市役所前の、博物館などの4会場で行われた。
期間中は友人や知り合いをご案内し、数回出かけた。

小松市の文化施設の殆どは、案内図にあるように小松市役所の近辺にある。
今回の美術展は4会場で、とあるが、ものの数分で回り切れる範囲の中に位置している。

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   ルフレ前


   ポスター


普段めったに訪れることのない小松博物館ルフレ、
ジリジリと焼け付く日差しの中、車から降りて急いで会場の中に飛び込んだ。
程よく冷房が効き、ふっと一息つける涼しさが嬉しかった。

ただ会場は4会場に分かれている。 次に向かうには一度外に出なくてはならない。
その時だけは強い陽射しが痛く感じた。 実際、小松は37、7度も記録した日もあった。

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   記事


厳しい暑さが続いた一ヶ月間だったが、評判も上々の出来だった。
今年の暑さは特別だったかもしれないが、とにかく暑くて大変だった。
そのような厳しい環境の中、沢山の方々が美術展におこしいただいた。
記事にも書いてあるように、昨年の5、6倍の人々にお出掛け頂いた。

作品を出品した立場として、どうしても気になることがある。
それは作品に対して照明が良くないことだ。 これは県美術館でもいえることだが、
せっかくの美術作品を鑑賞していただくのに、照明が的確でないことである。

設計士や学識経験者の意見を取り入れて照明を決めてあると思うが、
実際の色とはかなり異なって見える照明が使用されており、
いつもそのことに、「 なぜに?」と不満を感じている。

今回出品した、青磁輪花線文壷、
我が家の照明の方がはるかに美しく映え、作品本来の色合いを表現している。
けれど、何故か公共の美術館の照明は作品本来の色合いを生かしていない。

確かに照明を当てることで、作品に悪影響を与えることもあるかもしれないが、
工芸品などの展示には気を遣って欲しいと願う。 加えて蛍光灯だけは止めてほしい。
どうしても蛍光灯をというなら、現在は様々な温度差のある蛍光灯がある。
加えてLED電灯もある。 自然光に近い照明を工夫して欲しいと思う。

館内に入ったら、ホッとする「 あかり・ともしび 」を感じるようにして欲しい。
私に照明担当をお願いされたなら、作品を生かす照明にすべて変更する。
小松美術作家協会も、美術館建設に向けて精進しているが、
そのときには自分の意見を強く主張したいと思っている。

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作品制作

2012年08月25日 | 日記

粘土を手で揉む、陶芸家にとっては当たり前のことだが、
いま私の置かれている環境では少しばかり負担が大きすぎる。

出来ない、何て言っていられない今、気合を入れて粘土をもんでいる。
自分で調合した粘土、本来なら土練機に通して均一に揉むのだが、
まだ土練機が信用できず、調合した粘土は手でもんでいる。

仙台、藤崎デパート個展は11月22日から。
それなりに少しずつ作品は出来上がっているが、まだまだ満足できる状態ではない。
もっともっと作り、そして焼く、その繰り返しの中から納得できる作品をご覧頂きたい、
そう思い、失敗しないように丁寧に土を練り、作品作りを行っている。

Photo

   ロクロ制作


堅苦しい作品の感じを和らげる為、久しぶりに扁壷(へんこ)を作り始めた。

まず間違いなく鉄粉が混ざっていない、調合した粘土で作品作り開始。
皿と異なって、壷を作るには粘土を上へ、上へと引き上げなくてはならない。
この筒の段階で、下部、中部、上部と粘土の厚さを決めなくてはならない。

ロクロで回っている筒の壷を見ている限り、同じ厚さの壷に見えるが、
真っ二つに割ってみると、その部位の厚さの異なりを確かめることができる。
単なる筒の壷ならば、厚みに神経を使う必要はないが、
私が作ろうとしている扁壷、筒の段階で厚さが異なっている。

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   形作り


少しずつ丸みをつけていき、
その都度、手指のあとが残らないよう、ゆっくり、ゆっくりとロクロを回した。
下部、中部、上部と粘土の厚みを変えてあるため、ロクロを早くまわすと、
せっかく作った壷が、グチャっとつぶれてしまう。

ゆっくり、ゆっくり、指跡が少しずつ消えていくように、ゆっくりと回転させた。

扁壷、すこしゆがんだ形の壷であるため、乾いた後の仕上げは出来ない。
普通の壷だったら鉋(かんな)で削って仕上げを行うが、
この壷は作った状態のままで仕上げをする。

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   完成


作り始めの指跡は次第にきえていき、
ロクロ作りの完成する頃には指跡が殆ど見えなくなってきた。

ここまで来たらもう完成。
まだやわらかいので、希望の形に変形することは出来ないが、
数時間放置しておけば、自然と水分も飛んで行き、
手を加えてもつぶれることはない。

壷の状態を確かめながら、変形させる時期を確認している。

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   モミジ


午前中に粘土を揉み、午後から作り始めた壷、
かなり慎重に作ったので、2個しか作ることが出来なかった。
でも、デザイン通りの形に創り上げることが出来満足。

夕方5時、まだ太陽が高く気温も33度と焼け付く暑さ。
裏庭にある白色のサルスベリ、咲き出したかと確かめたが、
やはり今年は咲いていない、時季的にも遅いので今年は無理だろう。

そのサルスベリの木の下のモミジ、春先には赤い葉っぱをつけていたが、
いつの間にか秋色へと変化していた。 おりしも夕日が当たって美しい。
毎日三十数度の気温だが、庭木の状態を観察すると秋近しを感じる。

壷はまだやわらかく触れられないし、かといって散歩するには太陽光は強いし。
庭の木々を見ていたら時間も経過し、5時半からいつもの堤防へと出かけた。
先日は見えなかったススキの穂、いつの間にやら夕日を受けて白く光っていた。

暑いのはうんざり、そう思っていたが、秋の草花が咲き始めるのを見ると、
そろそろ涼しい風も渡ってくるのかな、と期待している。
でも明日も33度の予報、まだ暑さにガマンか。


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思いを馳せ

2012年08月20日 | 日記

一年ぶりに、ひいバアチャン(母)に会いにきてくれた姪と子供達、
大阪から石川、山中温泉に泊まるのを楽しみにしていたが、
先週月曜日は雨に遭遇し、温泉での夜祭りは中止に。

この夏、全く雨が降らない北陸だったが、旧盆のその日はあいにくと雨だった。
それでも男の子3人は、勝山市恐竜館を十分に楽しんだ。
ただ、年下の三男は怖がって泣いていたそうな。

数年前の夏休みには、石川、白峰の恐竜館へ連れて行き、
目の保護にゴーグルをかけ、時間も忘れて一生懸命に石を割っていた。
何か見つけるたび、係りの人に化石かどうかを訪ねて喜んでいた。

思えば私の小さい頃、夏休みには水かさの少なくなった川原に下り、
何か化石は無いか、魚はいないかと水の中を懸命に探した。

特に泳ぎを教えてもらわずとも、近くの、かけはし川の川原での遊びで、
自然と泳ぐことを覚えていた。 もちろん足がつかない深みでは立ち泳ぎをしていた。
いま、歩きの運動でかけはし川の堤防を歩いているが、人影は全く見えない。
もちろん子供達が水遊びをしている姿も見えない。
危険だから・・・確かにそうかも知れない、が。

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   入道雲


姪親子が大阪に帰ってから一週間、その後全く雨が降らない。
姪の好きなスイカ、食べてもらおうと母が丹精こめて育てていたが、
今年の出来はとても悪く、数個しか収穫できなかった。
残念ながら姪が来た先週にはスイカの蔓も枯れてしまって。

折角だからと、母が毎日出かけている畑、
その様子を見たいと言ってくれたので、畑に出かけた。
収穫できるのは、ナス、キューリ、カボチャなど。
子供達は照りつける日差しの中、収穫を楽しんでくれた。
その日の気温は36度。

手を差し出すと、手をつないで歩いてくれた三男坊、
長男、次男、三男と毎年大きく成長し、来年また会えるのが楽しみである。

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   コロニー


お盆過ぎから、夕方には涼しい風が渡ってくるようになった。
6時に仕事を終え、歩きの運動にかけはし川の堤防に出かけた。

昨年までは見られなかった、白鷺の群れ、
今年は何故か同じ柳の枝に多くの白鷺が夕方に集まってくるようになった。
よく見ると、青サギまでもが同じ枝にとまっている光景が見えた。
寝ぐらに丁度いいのか、時間の経過と共に沢山集まってきていた。

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   鳥型の雲


この頃、日の落ちる時間も早まって、午後6時半には太陽が沈む。
空を見上げると、偶然にも鳥が飛んでいるような珍しい形の雲。
先ほど見た白鷺にも似て。

Photo

   落日


家を出たのは午後6時過ぎ、
姪親子のことを思いながら、また自分自身の子供の頃を思い出しながら、
30分の歩きを続けて折り返し地点近くまで。

丁度太陽が西の空に沈もうとしているところ。 落日はあっと言う間に経過する。
特にどうってことない風景だが、何となく秋めいてきた感じがしてシャッターを押した。

折り返し地点から上流に向かって再び歩き、
来た時よりもかなりの数が増えた白鷺を左に見、
薄暗くなった堤防を歩いて7時に我が家にたどり着いた。

何も無くてもいい、平凡な毎日が幸せ、そう思えた一週間だった。


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豪雨の夏休み

2012年08月15日 | 日記

フタ付き壷の製作は一応終え、
次の作品作りに取り掛かった。

Photo

   輪花


私の得意とする作品の一つ、輪花壷の製作を始めた。
まだ土練機が安定していないし、どうしようかと迷いつつ、
ダメで元々、の覚悟で青磁釉薬作品として壷を作った。

澄み切った青空に浮かび上がる山野草をイメージしたデザイン、
ロクロで仕上げたばかりのこの壷、ゆっくりと水分が抜けるのを待ち、
手で触って、泥がつかなくなった時点で仕上げを行う。

胴体部分には線文を彫りこみ、その部分に青磁釉薬がタップリと溜まるようにする、
そうすることによって更に青い釉薬が際立つ、その思いをこめて創り上げた。

土練機を作動するごとに、鉄粉の有り無しを確認しているが、
残念なことに、わずかだが小さな小さな鉄粉が混ざっている。
釉薬を施す時に目一杯気をつけて検品するが、果たして上手く焼き上がるかどうか?

一か八かの思いで青磁作品として創り上げた輪花壷、
何とか思い通りに焼き焼きあがって欲しいと願い、ロクロからおろした。

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   ゴーヤ


天気も良く、前庭の畑のゴーヤも一気に成長し始め、日に日に大きくなり、
毎日収穫しているが、食べられる調理の種類もそれ程思い浮かばない。
定番の、ゴーヤチャンプルは手を変え品変えしてきたが、そろそろ飽きてきた。、
種を取り除いた後に詰め物をし、蒸して食べてはいるものの、それにも飽きてきた。

朝にはゴーヤとバナナ、畑で取れた肉厚パプリカ、青シソ、
そして低脂肪牛乳をミキサーにかけてジュースを作って飲んでいる。
このジュース、苦味は全く無く、加えて青シソも入っているので栄養満点。
これだけは飽きもせず、飲んでいる。 もちろん体を気遣ってのこともあるが。

今年の夏は雨の日を忘れたくらいに良い天気が続き、
収穫を一二日伸ばしただけでゴーヤが黄色く実ってしまう。
緑色のゴーヤの方がビタミンなどの栄養素が多く含まれることは分かってはいるが、
そんなにも食べられるわけではないので、熟しても、こればかりは仕方ない。

先日はアイコを大量に収穫し、トマトピューレを作ったばかり。
もう次の収穫時期が来たのか、まるでブドウの房のように赤く色付いてきた。
つい数日前、知り合いが来て数百個をプレゼントして喜ばれた。
それなのに、早く収穫してと言わんばかりにフルーツトマト・アイコは赤くなってきた。

Photo_3

   玄関先


壷の製作が終わり、ゴーヤを取っていたら雲行きが急に変わってきた。
ゴーヤの横にはフルーツトマト・アイコが早く収穫して、と真っ赤になっている。

そうこうしている内、雷と同時に叩きつけるような雨が降り出した。
我が家の前の鎮守の森までが霞(かすみ)始めた。

Photo_4

   車の屋根にも


全く雨が降らなかった小松、
けれど今回の雨は異常な降り方だった。
急いで玄関に飛び込んで雨が止むのを待っていた。
次第に雨や風も強くなり、野菜収穫どころではなくなった。

叩きつける豪雨、車の屋根に跳ね返る雨のすごさはすさまじい。
長い間車を洗っていなかったが、この雨で車は見違えるくらいにキレイになった。

おりしも大阪から姪が子供3人を連れて遊びにきた。
男の子3人なので、福井勝山市の恐竜館に行く予定や、
宿泊する山中温泉での渓流遊びの計画も立てていたが、この雨で変更に。

特に山中温泉での渓流遊びは増水で危険。
自然現象だから仕方ない、と幼いながらもわかってくれて、
車でのドライブを楽しんだ。

大阪に帰る段になって、特急電車が運休と報道された。
それぞれ個人的に計画があり、何としても帰ることが出来ればと願っていたら、
午後5時13分発のサンダーバードが運行することになった。

それまで朝から駅に問い合わせてみたり、インターネットで調べたりしていたが、
無事定刻の電車に乗って姪親子は大阪に帰って行った。

ほんの二日間の田舎への旅行だったが、バアチャン(母)とも会えたし、
来年又来るから、バアチャンも元気でね、と手を振りつつ、
アリガトウ、アリガトウと言いながら大阪に帰って行った。

一昨日、昨日の豪雨がウソみたいに、朝から太陽が照り付けてきた。
冷房をかけつつ車を走らせていても、窓からの陽射しは強かった。
スイッチを切り替えて外の気温を調べてみたら、何と36度。
一雨ごとに涼しさが増して・・・は、当分先のことか。


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トマトピューレ作り

2012年08月10日 | 日記

デザイン画に基づいて壷の製作を行っている真っ最中、
パタパタ、パタパタ、とプロペラの回る音がきこえてきた。

先日のリモコン小型ヘリコプターの軽い音ではなく、かなり大型のプロペラの音がした。
何事かと外に出てみたら、産業道路沿いの鉄塔送電線を調べているところだった。
かなり念入りに、ゆっくりとした速度で北から南に向かって電線を調べていた。
それにしてもかなり大きな音だ。 「 パタパタ、パタパタ 」。

Photo

   ヘリコプター


殆ど雨らしいものが降っていない小松、
大きな水害に見舞われた地域の方々のことを思うと胸が痛む。
毎日続くこの暑さ、後片付けなどで生活にも支障が出ていることだろう。

洪水の泥水で家の中もメチャクチャ、田畑も土に埋まってしまった。
生活基盤も奪われ、毎日食する食べ物まで奪われて。

何の被害も無かった小松、情報を得るのは報道のみ。
世の中オリンピックと大騒ぎ。 そんな中、いつの間にやら消費税が上がることに。
この不景気に税を上げてどうする? さらに景気が悪くなるのは目に見えている。

青い空を見上げ、ふっと今の現状を嘆いてみた。
様々な意見はあるだろう、けれど私は税を上げるのは絶対に反対。
弱者をさらに痛めつける法である。

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   フルーツトマト


好天続きで、前庭の畑にはフルーツトマト・アイコが豊作。
梅雨明けと同時に気温が急上昇し、トマトの成長も早まった。
毎日少しずつ収穫していたが、一気に赤く熟してしまった。

雨のない毎日、トマトの外皮が例年より心もち硬い、加えて実も大きい。
けれど、その中身は非常に甘い。 名のとおり、フルーツ、くだもの、である。
大きな台所用洗面器と鍋一杯に収穫した。 1、000個はあるだろうか。

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   ミキサーで


そのまま食べられるフルーツトマト・アイコだが、全部キレイに水洗いし、
容量1リットルのミキサーに、そのまま掛けてジュースに。

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   撹拌(かくはん)


余りにも沢山のトマト、何回もジュースを作り、
順々に広口フライパンに入れて煮詰めていった。

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   煮詰める


強火にし、沸騰させた。

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   沸騰


吹きこぼれないよう気をつけ、その都度浮き上がってきたアクを捨てた。
煮詰まるにつれ、火の加減を弱くし、またアクを取り除く。
そのようにして煮詰まったものが下の写真。

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   完成まじか


とにかく収穫したトマトの量は半端ではない。
煮詰めてはジュースを作り、又煮詰める、その繰り返し。

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   もう少しで完成


物持ちがいいのか、捨て無精なのか、
使わなくなった広口フライパンをキレイに洗って保存したことが正解。

6つあるフライパンに撹拌したトマトジュースを入れ、火にかける。
数時間かけて、ようやくピューレの完成。

完全に冷えるのを待って、新品の食品用ポリ袋に500グラムずつ入れ、
空気を抜いて清潔な箱に順々に詰め込んで冷凍庫へ。
今回のピューレ、全部で11袋も出来た。

前庭の畑のフルーツトマト・アイコ、いまだに新芽を伸ばして花を咲かせている。

この調子だと、まだまだ沢山の実をつけてくれる。
毎食の野菜摂取に、仕事の合間に空を眺めつつ、一つ二つとほおばり。

一気に熟してきたら、再びピューレを作らねば。
実のところ、昨年作って冷凍したピューレが、まだ一袋残っている。
甘くて濃くて最高の味に仕上がった、無農薬無添加のトマトピューレ、
様々なトマト料理を思い浮かべつつ、ロクロの手を止めてトマト棚を眺めた。


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