創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

太陽と北風

2013年01月30日 | 日記

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   ハマ


雪が降らないと喜んでいたのも束(つか)の間、
前夜には全く雪の気配が無かったのに、朝にはドッサリと積雪。
車で出かける用事も無いことだしと、雪雲の動きを観察。
くわえてインターネットで雷情報なども調べた。

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   糸きり


今回の大雪の峠は越えた、と報道された。
やれやれ、雪の無い冬を過ごせるかと喜んでいたが、ちょっと甘かったか。
しかし北陸を旅する方々にとっては、ここ数日の雪景色が最も美しいだろう。

金沢で積雪25センチあまり、兼六園の雪景色はきっと感動することだろう。
25センチくらいだったら雪道を歩くことさえ気をつければ、雪を堪能できる。
ただ靴は雪国使用が必須条件である。 それでなければ転んでしまう。
小松、私の住んでいる山沿いの積雪は少し多くて35センチあまり。

窓の外の雪を見ながら、作品を焼くときに使う「 ハマ 」を数種作った。
目的の焼き上がり、色合いを出すのが極めて難しい青磁、
その作品を焼くときに、作品の下に敷いて焼き上げるハマ。

又、わずかの温度差で釉薬が流れてしまう、私独自の窯変鉄耀・天目作品。
これ等を焼くときにも、作品の下に敷くハマ。
これがあれば万一釉薬が流れても、棚板を損傷することは無い。

作品の高台(底の直径)に適した数種類のハマを作り上げた。
いかんせん今は真冬、太陽光線が降り注がない北陸、
ハマが乾燥するのに時間がかかってしまう。

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   玄関先


雪が積もっているからと言って歩きの運動を止めるわけにいかない。
空の様子を見、雷雲が発生していないかを確かめて歩きに出た。

車庫から車道に出るわずか10メートルあまり、そこは北側で吹き溜まりがある。
早朝に除雪ブルドーザーが町内を除雪、当然ながら我が家の前の道も。
我が家の前の道路は加賀産業道路に通ずる、主要道路。
除雪されるのはいいが、出入り口にはブルドーザーの置き土産。
カチンカチンになった雪が入り口をふさいでいた。

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   右は産業道路


  加賀、福井方面へ
 


出入り口の雪を乗り越え、加賀産業道路へ。
来た道を振り返れば南。 右のフェンスの上は加賀産業道路。
南に向かって行けば福井県方面へ。

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   わだち


堤防に出るまでは除雪されていたが、それから先は除雪されていなかった。
国土交通省の車の跡か、堤防には二本の車輪の跡。

堤防を歩いている時、時々すれ違う国土交通所の4WDの車。
これ位の積雪では平気なのだろう、いつものように2人組みで回って行ったのだろう。

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   幅・22センチ


さて、私の歩くべき道は、と言えば車輪の跡、
その窪んだ車輪の跡をひたすら辿って行った。

車輪の幅は約22センチ。 まっすぐ歩くのはかなり困難であった。
体操選手が行う平均台、その幅は10センチ、いかに鍛錬の必要な競技か。

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   足跡


車輪の幅は22センチもあるのに、油断すると道を外れてしまう。
まっすぐに歩こうとすればするほど体が傾いてしまう。

雪道に残った車輪の跡を歩くコツは、目の前を見ず、
10メートル以上先を見て歩くこと。そうすれば体がふら付くこともない。

いつもの時間より20分以上かかって、雪道を歩いてきた。
太陽も少し顔を見せてくれ、汗が吹き出、着ている物を順々に脱いだ。

ヤッケなど着ているものを脱ぎながら、
童話、「 太陽と北風 」を思い出していた。


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♪ 童謡 ・ 雪 ♪ 

2013年01月25日 | 日記

雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ。
降つては降つては ずんずん積(つも)る。
山も野原も 綿帽子(わたぼうし)かぶり、
枯木(かれき)残らず 花が咲く。

のはずなのに、なぜか雪が積もっていない。
雪の無い冬は嬉しいはずなのに、雪の無い冬は不気味。

いくら雪が無いとはいえ、ここは北陸。
天候の変化は目まぐるしく、あさ晴れていると喜んでいたら午後から雪。
13日・日曜日は運よく素晴らしい天候で、身も心も晴れ晴れとした一日だった。


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   かけはし川


先日から作っている壷、
そろそろ削りの段階で、手で触って削れるかを確かめ、
程よく乾いた作品から順々に削りを行っている。

この時季、乾きが遅いからと焦って急激に乾燥を行うと、形が変形したりする。
けれど工房の中は冷え切っていて、どうしてもストーブを焚かなくてはいけない。
エアコンをつければ早く乾くが、一方からの風で削りがしにくくなってしまう。
やはり石油ストーブをつけるしか方法が無い。

景気回復をうたって誕生した今の政権。
まだ実生活への実態を体感できないが、困ることも発生しつつある。
この寒い季節に灯油の値段が一気に跳ね上がってしまった。
備蓄されている灯油が、何で跳ね上がるのか?

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   白山方面


円安になった為に輸入に頼っているもの、すべてが値上がりと。
これでは一般の生活を送っている私達には、到底納得できない事柄である。

特に雪国に住む私達、晴れの日や太陽の恵みなど、殆ど無いこの季節、
暖房は必要不可欠で、どうしても灯油を焚かなくてはならない。
一般家庭のエアコンは出力が弱く、灯油に比べると暖房能力が劣る。

くわえて霜取り機能がはたらいて、途中で暖房が途絶えてしまう。
その間に一気に部屋の気温が下がってしまう。

いつかの日記にも書いたが、太陽の恩恵が少ない地方出身の議員達、
太陽光線さんさんの東京あたりに住み始めると、この厳しい現状を忘れてしまうのか?
日本全国一律の値段設定は不公平、などと思わないのだろうか?

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   観音山


ラジオを聴きながら雪のない堤防を歩いてきた。
ラジオからは、様々な話題が飛び込んでくる。
当然ながら暖房についての話題も多くなって。

少しの雪ならば、横なぐりであろうとも体が濡れることも無く歩ける。
雨が降ると傘をさして、はとても怖くて歩けない。 いつ雷が落ちるか分からない。

事実、昨日も天気が良かったので、壷の状態を確かめつつ歩きに出た。
あれほど良い天気だったのに、ものの15分くらいで空の様子が一変。
雨と同時に雷までも鳴り出した。

結局満足な歩きの運動も出来ず、すぐに家に戻ってきた。
家に入るや否や、強風と強い雨。 濡れなくて良かったが不満足。

♪ 雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ ♪
♪ 降つては降つては ずんずん積(つも)る ♪

雪が降るのか降らないのか、
太陽が照ってくれるのかくれないのか、
ハッキリしろ!と空見上げ文句言っても、どうにもならない北陸の空。


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壷つくり

2013年01月20日 | 日記

数日前に15センチあまり積もった雪、
更に降り積もるかなと心配していたが、
何とか止んでくれ、気温も上がって解け出した。


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   壷作り


解けた、と言っても道路上の雪が解けただけで、
庭や家の周辺には、まだシッカリと雪が残っている。

15センチの積雪では、長靴を履いての歩きはちょっとキツイし、
そうかと言って何もしないわけにはいかず、少しばかり焦ってしまった。
が、それ程も厳しい冷え込みではなかった数日、
道路の雪も解けてくれた。

堤防の雪も北風に吹き飛ばされ、車が通った跡には道路が顔を出し、
スニーカーを履いて歩いても大丈夫なくらいになった。

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   中心に穴を開け


小雪が舞う中、気まぐれに顔を見せてくれる太陽、
わずかの光だが、太陽光線の温かさで着ているヤッケが邪魔になってきた。
完全装備で歩きに出たが、すぐに体が熱くなり防寒着を脱いで歩いてきた。

耳にはイヤホン。 ラジオ放送を聴きながらの歩きの運動。
「 雪が降ったり、ミゾレになったり、雷が鳴り響いたり、はたまた虹が出たり、」
「 やっぱり傘と長靴は必需品の北陸ですねぇ・・・・・」と。

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   筒つくり


焼き上がりの寸法、直径15cmあまり、高さが24cmの壷を作っている最中。
ロクロに向かっていると、制作に夢中になってしまう。
これではイカン!と空を見て歩きに行って来た。

ロクロ仕事は、ひたすらに座り続けて作品作りに集中する。
何時間も同じ姿勢で作品を作るだけ。
これでは体にいいはずも無く、
歩きは絶対に必要。

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   完成


たった1時間の歩きだが、シッカリと汗をかいてしまう。
万歩計は7、300歩あまり。 本来なら1万歩が理想だが、
1時間も歩けば十分と、手前勝手な理由で歩きの運動は終了。

汗もかいたし、シャワーでもと思いつつも、まだ壷を作りかけだしと工房の中へ。
シャツを脱ぎ、再び粘土を揉み始めると体中から汗が噴出してきた。
作品作りに気分が乗ってきている今、一仕事を終えなくてはと、
必要な数だけの壷を作り上げた。

今はまだ一月、本来の寒さはこれから。
出来るならば、叶うならば雪が降らないことを願うが、これから先の事は分からない。
明日、あさって、明々後日も穏やかであってほしいと願う今日この頃。


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雪の無い、一月

2013年01月15日 | 日記

年末にドカッと雪が降り、今年度の冬は大雪にと心配をしていた正月。
今日は一月十五日、日陰には少し雪が残っているものの、
家の周り、山すそまでには白い塊が見えなくなった。

それでも今は冬真っ只中。 今後どうなるか予想もつかない。
その証拠に、太平洋側の関東近辺では大雪と報道されている。

アナウンサーも心得たもので、
「 雪国に住まわれている方々には滑稽かも知れませんが、」と
先に挨拶をしてから現況中継をしていた。

確かに雪の無い地域に住まわれている方々にとって、今回の雪は「 大雪 」かも。
テレビ画面で見る限り、10~15センチの積雪は雪国の我々にとっては普通のこと。
30センチ、40センチ積もったとしてもドタバタしていては暮らしていけない。

雪降りを想定して、12月中には冬用タイヤに切り替えてあるし、
雪が降っても雪かきが出来るように、スコップなどは常備している。
今回の雪で支障が出ている方々には申し訳ないが、
私達は毎年経験していることなのです。


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   あさやけ


関東で大雪と騒いでいる最中、何故か北陸には積雪が無かった。
加えて滅多に姿を見せてくれない冬の白山が、穏やかな表情を見せてくれた。

茜色に染まっている方角は東北、
画面右のなだらかな山は白山、方角は東南。

一日晴れることは期待できない北陸だが、それでも朝に白山の姿が見えると嬉しい。
朝日が昇るまで間があるが、今の時季は茜色の空辺りから朝日が昇ってくる。
季節が春に近づくにつれ、朝日も右、右の南の方から昇ってくる。

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   午前7時


さて、午前6時半から観察していた朝日、
美しい姿で昇ってくるかと期待して外に立って眺めていたが、
うす雲に隠れて姿は見えなかった。

それでも何となくロマンチックな白山のあさやけ、
穏やかな姿がとても美しく、素晴らしい。

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   窯変鉄耀壷=天目


雪の無い今、毎年採取している八重野水仙、
年末に見たときは全く蕾も無く、咲くか心配していたが、
その時から半月たった今、どうなっているかと出かけてみた。

何と年末に見た状態のままで、茎も葉も短い姿のまま。
当然ながら蕾は何処にも見当たらなかった。
12月の雪で成長がずれてしまったか?

出来るならば自然の水仙を生けてみたかったが、
採取できる水仙は何処にも無く、前庭の山茶花を生けてみた。
山茶花は冬に咲く花、蕾ばかりだったが、もうかなり咲き始めてきた。
花つきの良い枝を選び、瓢形の壷に生けてみた。

青磁壷に生けてみても違和感無く、窯変鉄耀壷に生けても様になった。
天目の結晶が全体に品良く浮かび上がっている、「 窯変鉄耀壷、」、
4月の千葉三越個展には、様々な瓢形の壷を出品したいと思っている。


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氷のような水

2013年01月10日 | 日記

何が困るかと言えば、ロクロで使う水があまりにも冷たすぎること。
頭の中に浮かんでいた壷のデザイン、その都度傍らにある紙に描き、
改めてキッチリと全体像と寸法を決め、思い描いていた形とそっくりに、
忠実に真っ白の紙に描き写した。

ロクロ場はきれいに掃除してあるし、いつでもロクロに向かうことが出来る。
ただ、自分自身の気分が乗ってこないとロクロに向かっても作品が作れない。
この頃、ようやく気分も高揚してきてロクロに向かう気になってきた。

壷のデザインを描いた紙をロクロの前に貼り付け、
いつでも壷を作れるように準備を整えた。

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   氷柱・つらら


粘土を手で揉み、さあロクロをまわそうと水に手を入れた途端、
あまりにもの冷たさに、手の動きが止まってしまった。

工房の外にある水道管は凍り付いているが、工房の中の水道は水が出た。
きっと大丈夫だろうと思ってロクロを始めたことが大間違いだった。
これでは手がかじかんで(しびれて)、ロクロを回すどころではない、
早速お湯を沸すことにした。

ここ数日、雪はチラホラと舞う程度、
積もることは無いが、積もっていた雪がとけはじめ氷柱が延びてきた。

氷柱が60センチ成長するほどの寒さ、水道水も冷たいのは当たり前、
気分が乗っている内に作品の制作をせねばと、お湯を用意した。

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   南天


二十歳前後、窯元でロクロ修業をしていた頃、
年配のロクロ師たちは素焼きで作った火鉢に鉄鍋をかけ、
炭の穏やかな温かさで鉄鍋のお湯を調節しながらロクロを回していた。

私は別の場所を与えられ、ひたすら壷作りの練習ばかりを行っていた。
では私はお湯を使っていたかな?と記憶を辿っても温かいお湯を使った記憶が無い。
まだ二十歳位の若い私、特に冷たいと感じなかったのかも知れない。

ひたすらに、早くロクロが上達するようにと、そのことばかりを考えてロクロを回していた。
夕方、窯元の仕事が終わって家に帰り、夕飯を食べてまた窯元に出かけ、
とにかくロクロにしがみ付いていた、その記憶だけが強く残っている。

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   南天


今ロクロの前に貼り付けてある作品のデザイン、
観賞するにはバランスよく、美しい形をしている。
けれどロクロで作り上げるには物凄く技術を必要とする形である。

作品を心込めて作り上げるには、かなりの心構えがいる。
少し作ってはロクロから離れ、また座ってロクロをまわす、それを何度も繰り返した。
特に上部あたりが細い作品は気をつかう。微妙な太さで作品の雰囲気が変わってしまう。

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   チコリア


急いで作るとつぶれてしまうし、気分を休める為に工房の外に出てみた。
朝から氷柱=つららの長さに変化は無い。

その代わり軒下に植わっている南天、雪の帽子をかぶっていて美しい。
こんなに冷え込んで寒いのに、真っ赤に熟れ白との対象が素晴らしい。

作りかけの壷はロクロの上でゆっくりと回っている。 焦って仕上げるとと失敗する。
粘土が落ち着くまでしばらくそのままにして、寒く冷たいが庭を見て回った。

前庭の畑、全く手入れしていなかったチコリア、株が小さいが成長を続けていた。
採取するにはまだ小さく、もう少し大きくなってからサラダに使うことにしよう。
などと家の周りを観察し、再度工房に入ってロクロに向かった。


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