創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

さくらの浄土

2014年03月30日 | 日記

鎌倉市在住、尾崎左永子先生の短歌。

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  めつむれば
   またあふれくる
     夕光の(ゆうかげの)


  さくら
  さながら
  さくらの浄土


第3回鎌倉芸術祭で、ご一緒に展示会をさせていただいたとき、
「 堂前君はどの作品が好き?」とお尋ねになられ、
この、「 めつむれば 」が何故か心に響き、
そのことを申し上げたら、思いがけずに頂戴させていただいた。

尾崎先生のお作、今は私の寝室に飾ってあり、
就寝前、起床時には必ず眺めさせていただいている。

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   神社の桜


元放送局員の友人Tさんと、いつも我が家にきて下さった白山市在住だったM氏、
1月31日、不慮の事故で逝去された。

「 堂前ちゃんの家に来ると、心から落ち着けてホッとする、」といつも言っ下さった。
彼には障害を持った40歳近い息子さんがいられた。
息子さんは授産施設に行かれていて、事故に遭遇せずに助かったが、
残念なことにM氏はこの世を去った。

「 ワシがどうかなったら息子はどうなるのか、それが心配で、」といつも話され、
私が知っている限りの福祉関係の方策など、その都度お話させて頂き、
とりあえず行動を、と何度も助言させていただいた。

いつも2時間あまり、心の中を、悩みや日々の生活のことを話され、
もう息子が帰る時間だからと、名残惜しそうに帰っていかれた。

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   花を添えて


M氏が不慮の事故に遭われたと知ったのは、S氏の介護で病院にいた時だった。
元放送局員T氏から電話が入り、まさか、どうして亡くなられたのかとS氏と話していた。
1月31日は午後7時に病院を出た。 ラジオを聴きながらの帰宅途中、
ニュースが流れ、間違いなくM氏が亡くなった事実を知った。

あれほど息子さんのことを心配し、その不安などを私にいつも話して下さった。
私の生活のことも気にかけていただき、心配までもして下さった。
が、なぜにこのような不幸がM氏に降りかかるのか。
家にたどり着くまで涙が止まらなかった。

奥様が亡くなられてから数年、家事の全て行い、行きたいところも我慢し、
唯一我が家に来ることだけが楽しみと言って頂いたM氏。

翌日、癌と闘っているS氏に話すと、「 あぁ、かわいそうに、でもなんで?」と。
「 一人残された息子さんはどうなるのだろう?心配だ、」と聞かれたので、
助言や方策など何度も話してあるので、福祉課の人が動いてくれるのでは、
きっと今後の面倒は公の人がお世話してくれると思う、と話した。

その後、癌と闘い、桜が咲く頃までは大丈夫と言われていたS氏、
思いもかけずに死期を早められ、2月16日亡くなってしまった。
この桜、3月16日神社の小枝を保管してあった桜である。

尾崎左永子先生のお作、
「 めつむれば またあふれくる ・・・・・」心に深く染み入ってくる。
お二人の供養になればと、生けた。

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   ミサ曲


感傷に明け暮れる暇も与えられず、時間が歩みを止めることも無く、
時の流れに逆らわずに仙台・藤崎個展の準備も何とか進め、
何としても良い作品を創作しなければと思っていた矢先、
カトリック教会の聖歌隊リーダーHさんから電話。

4月20日に行われる復活祭で歌うミサ曲の手伝いを、と。
もちろんお手伝いさせていただきますと返答し、毎週土曜夜は金沢へ。

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   Regina Coeli


施設に入居されたA氏、今は大事をとられ無理な活動を控えられていて、
教会に行く途中にある施設に寄ってA氏をお迎えし、一緒に教会へ。

今年の復活祭で歌うミサ曲は3曲。
以前にも歌った曲といわれたが、何だかハッキリと思い出せずにまごまごしている。

Regina Coeli  ・  Cantate Domino  ・   復活の続唱Sequence の3曲。

練習時間が十分ではないが、ラテン語の歌詞を覚えるとメロディーがどこかへ。
復活祭まであと3回しか練習日が無い。 何とか歌えるようにしなくては。

信頼を寄せて下さった亡くなった方々のため、心込めて歌いたいと思っている。


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作品制作・梯川掃除ボランティア

2014年03月25日 | 日記

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   壷作り


以前にも述べたと思うが、
私の仕事は、何かをやり掛けながら仕事をすることは絶対に無理。
年末からつい先日まで、介護や私自身の体調不良で仕事が進まなくなってしまった。

でも介護や、仕事が遅れた事については何も思っていない。
人として当然のことをさせていただき、最期を看取らせていただいた。
旅たつ前の3~4分間じっと見つめられ、しばらくしてから呼吸が急に浅くなり、
再び薄目を開けられたときには瞳孔が少しずつ開いてきた。

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   口仕上げ


介護中、ふっと疲れてベッド柵でうつ伏せで居眠りしてしまったとき、
S氏が私の体調を心配して、そっと頭をなでてくれていた。

眼を覚ますと、「 疲れているんじゃあないか、大丈夫か?」と
反対に心配までしていただいた。

主治医からも、
「 堂前さんが倒れたら私たちも困りますので、早めに休んで 」と何度も言われた。

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   細工


でも、もう大丈夫、デザイン画に沿って一気に作業を進めている。
作業中は殆ど電話にも出ず、作品作りに没頭するのみ。
何とか良い作品を創り上げねばと、ロクロに向かっている。

「 祈り、そして芽生え 」をテーマに、生きること、希望を持つことを心に、
それらを作品として形に仕上げていく作業を続けている。

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     梯川


   荒木田橋


そのような生活の中、23日日曜日あさ7時から梯川のゴミ拾いがあった。
とても良く晴れた日曜日、近隣の町内から多くの人々が集まり、
主催者からの挨拶でボランティア作業が始まった。

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   あさ7時


私たち荒木田町の住民は、
加賀産業道路に架かる、荒木田橋から一つ上流のかものうら橋までのゴミ拾い。

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   ゴミ拾い


主催者から、燃えるゴミ、金物などのゴミの袋を渡され上流に向かった。
昨秋のゴミ拾いでは雑草が生い茂り、ゴミを見つけられずに終わってしまい、
今回はきっと沢山のゴミがあるだろうと思っていたが、以外にゴミは少なかった。

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   かものうら橋まで


先週16日に行われた用水の泥上げ、そしてゴミ拾いのように、
1時間は越えるだろう、と思っていた梯川のゴミ拾い、
以外に早く終わって、1時間も掛からなかった。
終わった後、いつものように飲み物を頂いた。

インターネットでよく見る記事、
外国の方々が日本に来て、ゴミが無いことに驚かれる。
私たちは当たり前の日常となっているが、外国に出かけるとそうではない。

ヨーロッパの各地を取材で巡ったが、とにかくゴミが沢山落ちていた。
風が吹こうものなら舞い上がって大変。吹き溜まりにはゴミが山になっていた。
世界の重要な機構が多く集まっているジュネーブ、レマン湖の水はきれいだったが、
街中にはゴミが多くてビックリしてしまった。

個人主義も大切なことかも知れないが、
余りにもそれが行き過ぎてしまうと大変なことに。
美しい心、美しい生活、他を尊重し美しい未来を残すため、
「 祈り、そして芽生え 」を大切にしなくてならない。



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鎮守の杜、桜

2014年03月20日 | 日記

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   桜の小枝


16日(日曜日)、毎年恒例の隣町までの用水路の清掃、泥上げが行われた。
雨天決行との事だったが、朝8時から行われた作業には雨が降らなかった。
60軒余りの荒木田町、四班に分かれてそれぞれ担当の用水路の掃除を行った。

寒いかな、と思って着込んで出かけようと思ったが、作業を行っていると汗をかく、
ならばと薄着にして出かけた。 結果正解、途中で暑くなり汗が出てきた。
1時間半の予定だったが、10時前までかかった。

我が4班は、加賀産業道路を越え隣町までの農業用水路の清掃、泥上げだった。
帰り道は我が家の前の鎮守の杜横の道を通って集合場所へ。
鎮守の杜横を歩いていたら、電線に引っかかるとの事で桜の大枝が切られていた。
キレイに片付けられていなく、数本の小枝が落ちていた。

何とかして咲かせようと、大切な桜の小枝を集合場所に持っていったら、
「 神社の桜が先か、堂前さんが先に咲かせるか、だな、」と皆さん。
水揚げが良くなるよう水切りをして、枝も整えて工房の中に入れた。
何とか生き続けて咲いて欲しい、そっと水の中に浸けた。

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   母


いくらなんでも、もう雪は降らないだろう。
気温も少しずつではあるが、心持ち上がってきた。
作品づくりをしながらも母の行動が気がかりになってきた。

そしてジャガイモを植える時期。昨年は丁度今頃植え付けを行った。
母は長年の体調不良や骨折の後遺症を抱えながらも畑仕事を続けている。
天気も良くなってきているし、無理されては困ると思い畑に行ってみた。

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   丸大根


案の定、母は畑にいた。
今年はいつまでも気温が上がらず、まだ畑には多くの人は出ていない。
母は一人、黙々と芽が出始めた雑草をむしっていた。

「 電話したけど出ないもんだから、きっと畑にいると思ってきた、」と言うと、
「 なんか用か?」と聞くので、「 無理して鍬で耕していると困ると思った、」と言えば、
「 お前には関係ない、母ちゃんのやりたいようにやる、」と。

ああ困った、また一人で何でもやろうとしている。
もし何かあったら又私が動かなくてはならない。
この際、と思い、畑仕事を一緒に行った。

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   小松菜


昨秋母と探した小松菜の種、アラレが降る前までは見事な出来になっていたが、
たった一晩の強風とアラレで無残な姿に変わってしまった。
この種類の小松菜、苦くて美味いとはいえないが、
沢山の栄養素を含んでいて、健康を気遣うには最適の野菜。

でも暮れから2月16日までは介護で病院通いが続き、
その後、私が体調不良になり絶対安静を命じられ、
畑に出ることも出来なくなってしまった。

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   水菜


ほぼ毎日、朝から夜までS氏の介護に出かけている間、
母が私のためにと、きれいな葉を摘んでくれて玄関に置いてあった。
夜遅く金沢から帰ると、玄関に野菜を入れた袋がいつも置いてあった。
殆ど外食をしない私、食欲は無かったが母が摘んでくれた野菜だけは食べた。

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   選別


母が「 いつでもいいから何とかしてお見舞いに連れて行って、」と頼んだので、
1月16日、母を病院に連れて行った。

その後S氏から、
「 あんなに優しい言葉を掛けられたのは初めてだ、」と何度も泣かれてしまった。
私も胸にこみ上げるものがあったが、介護している私は絶対に涙を見せられず、
S氏の泣き顔も見れず、とてもきつく、辛かった。

けれど、S氏が母の見舞いをとても喜んでくれただけでも良かったと思っている。

母とS氏の思い出話しをしながら畑仕事を続けていると、
「 せめてお葬式に行って、お別れをしたかった、」と涙ぐんでいる母。
母はS氏の娘さんの為にと、ほんの数年前まで無農薬で野菜も作っていた。

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   耕運機


隣の畑ではご夫婦が同じく草むしり。
母と私の会話が耳に入ったのか、
「 耕運機を使って耕したら、 」と言ってくださった。

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   畑


もしこのままだと、母が広い畑を無理してでも鍬で耕すことに。
それも私にナイショで。

「 では甘えさせて頂き、耕運機を使わせてもらいます 」と使い方を教えてもらい、
畑の殆どを耕せてもらった。 さすがに耕運機、あっと言う間に耕せた。

私が介護で出かけて、仕事が出来なくなっていることを知っている母、
けれど母一人でジャガイモを植える作業は絶対にさせられない。
週間天気予報を見、今度の金曜か土曜日に手伝うと約束。

サラダ用に採取してきた水菜、
花芽が伸びてきたが、雪解けの後なのでやわらかい。
一日350グラム目標に野菜を食べなければ、と早速サラダにして食べた。

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   小枝


さて鎮守の杜の桜、蕾も少し膨らんでいて、
このまま無事に何とか咲いて欲しいと願いを込め、
工房の暖かい場所にそ~っと養生をして保管した。
きっと咲く、そう信じて。

● 催しのページに、
「第39回九谷と花選抜出合い展」、「仙台・藤崎個展」のご案内をお知らせしてあります



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九谷と花選抜出合い展、搬入

2014年03月15日 | 日記

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   オオイヌノフグリ


暑かったり寒すぎたり、不順な天候が続いている。
早く体調を元に戻さねばと、少しでも晴れ間が出ると歩きに出かけている。

まだ3月の15日、吹く風は冷たく春の気配が感じられない。
童謡に、「 どこかで春が 」があり、何となく口ずさんでカメラも持参した。

♪ 「 どこかで春が生まれてる 」 ♪ どこかに春がないかと目を凝らした。

堤防の下のほう、草が生い茂って風が吹き付けないところに
小さい水色が沢山見えた。 もしやあの花?

つい先日には15センチ余りも雪が積もっていたのに、
雪解けと同時に初春の太陽光線を受け、かわいらしい花を咲かせていた。

直径1センチほどの小さい花だが、懸命に咲いている様に感動してしまった。
寒風にさらされ、雪に降られても、お日様が照ると一斉に咲き出す。
何があろうとも懸命に生きる、とても大切な事と思った。

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   土筆(ツクシ)


オオイヌノフグリを撮りながら、再び堤防を歩き始めた。

♪ 「 どこかで芽の出る音がする 」 ♪

芽が出るときには音がするのかな?と子供心に歌った童謡、
年齢を重ねると同時に、芽吹きの喜びを表現した言葉と理解。

オオイヌノフグリと同様に、お日様の当たるところに沢山の芽を出していた。
先日の雪、冷たかったろうなあ、重かったろうなあと愛おしさを感じ写真に収めた。

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   サイエンスヒルズ


そして昨日14日、九谷と花選抜出合い展の搬入へ。
朝から冷たい雨に降られ、小松駅東口の人通りは全くなし。

小松市内の繁華街は西口。
近年、東口も開発され、サイエンスヒルズも建設された。

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   建造物内


昨年だったか、小松美術展会場の照明が暗すぎる、と多くの方々の意見を頂き、
美術展の幹事に、展示会をご覧下さった方々からの意見を述べたが、
今回新しくオープンするこの建物、果たして照明は計算されているかどうか。

入り口、エントランスは外光も取り入れてあり、
それなりに明るかったが、昨日搬入日は雨、
薄暗く明るさが足りないような・・・。

作品を搬入した会場は半円形の天井になっていて、かなりの高さがあった。
外光は取り入れていなかったように思う。 果たして照明は下のほうまで届くのか?
でも何故このようなデザインにしたのか理解に苦しむ。
選んだ人には悪いが、無駄な空間が多すぎると思った。

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   小さな風力発電


いずれにしても3月22日がオープン。
まだ施設自体は仕上がっていなく、あちこちで工事が行われていた。
せっかくの焼き物と美しい花の展示会、照明が正確であることを願った。
これまでの会場みたいに、薄暗い照明でないことを祈って搬入した。


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一気にあわただしくなって

2014年03月10日 | 日記

3月22日、JR小松東口に「 サイエンスヒルズこまつ 」がグランドオープンし、
その開館を記念し、「 第39回九谷と花選抜出合い展 」が行われる。

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                        九谷と花選抜出合い展
   
1月、作品出品依頼が届き、出品させていただくことにした。
作品搬入は3月14日、金曜日。

九谷と銘打ってあるが、私の作品は九谷ではない。
青磁を中心に、白磁、窯変鉄耀(天目)、窯変紅彩(辰砂)、などなど、
九谷とは全く異なっているが、青磁を主に焼き上げているので青磁壷を出品しようと思う。

様々な形の青磁作品があるが、花を生けてくださる方のことを考え、
しっとりとした美しい青色発色の落ち着いた壷を出品することに決めた。
14日作品搬入後、、華道家の抽選が行われるとの事。
どなたが私の作品に花を生けてくださるか楽しみである。

1月30日、Sさんに出品依頼が来たことを話したら、
「 ワシも見に行くことが出来るかな?」と。

治療も順調に進んでいるし、主治医も様々な治療法を考えてくれているし、
事実、抗がん剤治療しながら仕事もしている人もいるので、大丈夫と話した。

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                           仙台・藤崎個展
  
前回の藤崎個展が終了したとき、次回の個展は5月22日からと決めて頂き、
仙台、東北のお客様には5月22日からと年賀状に書かせていただいたが、
藤崎の都合で、5月29日から6月4日に変更になった。

皆様にご連絡しなくてはなりませんが、この日記を通じてお知らせさせて頂きます。
個展案内が出来次第、仙台、近隣、近県のお客様方にご案内したいと思います。
個展まで、祈りこめ、精進して作品を創り上げたいと思います。

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    ドウダンツツジ


  寒さに耐える、みの虫


昨日まで春のような良い天気が続き、
歩きの運動を兼ねて畑に出かけ、葉類野菜を収穫してきたが、
昨晩からの雪で再び真冬に逆戻り。

とは言うものの、春先の雪はすぐにとける。
けれど、近年の気象状況は今までの経験に全く当てはまらず。

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   窓辺のマンゲツ


窓際に植わっている大モミジ、マンゲツ、
この降雪にビックリしていることだろう。
みの虫も又雪を背負って。

● 催しのページに、
「第39回九谷と花選抜出合い展」、「仙台・藤崎個展」のご案内をお知らせしてあります



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