創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

しもやけの季節

2008年01月30日 | 日記

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   庭の雪景色


こまごまとした雑用に追われ、じっくりとロクロに向かうことも出来ずにいた今月、
この頃になってなぜか次々とデザインが浮かんできて、忘れないうちに一気に紙などに書き写し、
そして時間が出来たらすぐにロクロに向かって作品の制作。

修業をしていた頃は朝から晩までひたすら同じものを作っていた。
九谷作家からの依頼の小物や大物、そして卸問屋からの大量の九谷焼きの素地。
それでも何割かは作品として、又商品として取り上げられずに土に戻されていた。

現在のように除雪も行き届いていなくて、雪に埋もれながらも窯元に通っていた。
でもそれを苦痛とは感じなかった、若さと夢あふれる年頃だった。

ロクロをまわすためには水が必要、冬の時季には水道管までもが凍って水が出ない。
出たとしても氷のように冷たい水で、手もかじかんで思うように品物を作れず。
しかしこれも辛いと思わなかった。
ただ一つ、どうしても困ったのが手のしもやけ。 泥が付いた手の甲がパリパリになり、
乾燥した泥に引っ張られて皮膚までもが裂けてしまうことだった。

注文はしもやけに関係なくドンドンと入ってくるし、見本を納めなくてはならない時季でもあった。
モタモタしていると九谷作家達がきて早く作れとせかすし、問屋は見本提出期限に間に合わない、と
文句を言ってくる。

先日の夜のこと、ロクロ師・K氏 から電話が入ってきた。
「どうまえちゃ~ん」 が彼の第一声。 そしてかなり酔っている。
「どうしたん?」 と聞けばそれから1時間ほど彼の話しに付き合うことになる。
彼は一流のロクロ師である。 彼ほどさまざまな種類の素地を作れる人はいない。

久しく電話が無かったので、どうしたのかと気にはしていたものの、
やはりこの時季になると九谷作家や卸問屋などから見本の注文が多く入ってきて、
彼のペースを乱してしまうのだ。
仕事だから仕方ないものの、と言えばそれまでだが、形あっての九谷、
その形を作れる職人さんが殆どいなくなっている九谷業界、これから先、一体どう進むのだろう。

「アホらしくてやめたくなった」 とK氏。
彼に相槌を打ちながら、近々彼の職場に行かなくてはと思っている。

うっすらと積もった雪を眺めていたら修業時代のことを思い出し、
受話器から聴こえてくる酒に酔ったK氏の話しで何となく複雑な気分に。
しかし今の私は作品作りに没頭しなくてはならない。
タップリと時間があったのに、気持ちばかりが焦ってアイデアも浮かんでこなかったが、
今は時間と競争しつつ次々と湧いてくるデザインを、ロクロを回して形にしている。


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菊もみ、たたきもみ

2008年01月25日 | 日記

気温の低い日がつづき、
先日の雪が消えたと思ったら、昨晩から断続的に降り続いている雪。
幸いなことに心配していたほども無く、ほんの数センチの積雪でおさまっている。
降ってはやみ、また降る。 そのようにして今日もサラサラの雪が降っている。

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   菊もみ

先日から、ひらめたアイデアを形にしようと朝から土もみを行った。
焼き上がりが30cmを越える作品を作るには、やはり多めの粘土をこねる必要がある。
その場合はなんと言っても 「菊もみ」 が一番良く練れる。

ただ、上手くこねないと空気が入って余計悪くなってしまう。
今からもむぞー、と気合をいれ、いち、にい、さん、・・・と約50回もみ、次は反対方向から50回。
そして完成。
ところで、こねる、もむ、はどう違うのだろうか?

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   たたきもみ

菊もみがどうしても上手く出来ない時や、小物を作る時に土をもむ方法の一つが 「たたきもみ」。
このもみ方はいたって簡単で、はずみをつけながら手前、手前と順々にもんで行く方法である。
ソバ打ちをしている映像を見たことがあるが、確かこのようにして練っていたような?

「たたきもみ」 も30~40回ほどリズムをとるようにもみ、次は反対方向から同じくもむ、
そうして形を整えていって土もみは完成。
大物を作る時、たたきもみをいくつか作り、それ等を一つにまとめて大物を作ることが時々ある。
でもやはり気をつけなくてはならない事は、絶対に空気を混ぜないことが条件となる。

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   たたきもみをした粘土

      形を整えて

たたきもみができた粘土の形は調度クロワッサン。
このもみ方をするたびにクロワッサンを連想してしまう。
たたきもみをした材料が小麦粉だったら、クロワッサンそのもの、それもかなりの大きさのクロワッサン。

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   白磁長角皿
        たて 18cm
        よこ  27cm

形を比較するために白磁長角皿に盛ってみました。
クロワッサンは確かにうまい! しかし、カロリーもかなりある。
大きさによって差はあるかもしれないが、これくらいだと一個あたり280キロカロリーくらいだろうか。
となると、一個食べると、大盛りのご飯を食べた計算になる。
ついつい美味しいから2個くらいすぐにペロリ。 合計560キロカロリー。

太るからパンを、とか、オニギリよりもパンの方がオシャレ、と思って食べているお嬢さんたちがいるが、
大きな間違いをしている。 バターや砂糖を練りこんだパンは、誰が食べても確かにおいしい。
しかし飽食の現在を考えると、健康面からそれは逆行していると思う。

欧米の毎食の主食として食べられているパンは、余計なものが全然入らない雑穀パンである。
だから飽きがこないし、また健康にも良い。
少しづつではあるが、良心的なパン屋さんの中には雑穀パンを作って販売しているところも出てきた。
毎日の食卓には安心できるものを、を心がけたいと思う。

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粉雪

2008年01月20日 | 日記

A

     カナメモチ=アカメモチ

ニャンコ、シロちゃんの手術が終わった翌日、この冬に入って初めてのまとまった雪が降った。
約10センチ、というか、たったの10センチの積雪。
雪の降る日はとても静か。  雪が余計な音を吸収してくれている。
シロが体を癒すには調度良い雪降りとなった。

近年スキー人口も随分と減り、加えて降雪も少なくなり閉鎖するスキー場が増えてきている。
ワガママで勝手な願いだが、山にはタップリと雪が降り里にはほんのうっすらと。
そうすればスキー場の経営も成り立つし、平野に住む我々も多額の費用の節約にもなるし・・・。
そのような冬だったら最高に暮らしやすいのだが、そうは問屋が卸さない。

今回の雪はサラサラのパウダー状の雪。  かなり強烈な寒波だったのか、とても軽い雪だった。
体に付いてもサッと払い落とせるし、フッと息を吹きかければ飛んで行ってしまう。
スキーをするには最高級の雪。  しかし現在どれほどの人たちがスキーを楽しむのだろうか。

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     ドウダンツツジ

真っ白の雪が積もった景色はうつくしい。
庭木にも真綿のような粉雪が木々を彩りよく覆っている。
小枝だけになったドウダンツツジ、こごえていそうだが枝の色と雪の対比がうつくしい。

夜中に降った雪、朝日が当たってきたが気温は上がらず、雪は小枝にしがみついている。
手で触れるとパラっと落ちそうだが、まだしっかりとくっついている。

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     山茶花 (さざんか)

先日の日記に、庭木の花が少ないと書いたが、雪の中からほんの数輪の山茶花が顔を見せてくれた。
赤と白、そして緑の葉。  今日の雪はけがれ無き白そのもの。
目を凝らして観察すると、一つ一つの結晶が見えるくらいにキレイな形を保っている。

これくらいの雪がちょうどいい。  これ以上積もると生活に支障が出て大変なことになってしまう。
しかし季節はまだ冬の始まり、序の口でもある。
これから先どうなるのか全く予想もつかない。
とりあえずの雪の装備は揃えてあるものの、出来るならばそれ等を使わない冬であって欲しいと思う。

シロの手術日は1月16日。 獣医で診てもらったら生後6ヶ月くらいかなあ、との診断。
我が家に来てから約2ヶ月、寒空の堤防に捨てられたのは生後4ヶ月くらいという事になる。
私のうしろを付いてきたばかりに、痛い手術を受けさせられる羽目になったシロ。
その手術から4日目、すばらしい回復力でもう殆どいつものシロに戻っている。
我が家に来てよかった、そう思ってもらえるよう生涯世話を、と毛づくろいに余念のないシロをみている。

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青磁掛け花入れ

2008年01月15日 | 日記

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   青磁掛け花入れ
       径   12、0cm
       高   11、0cm

毎年あれほどにも沢山の花をつけていた庭の山茶花と侘助、そして八重水仙にも花が付いていない。
いったい今年の冬はどうしたのだろうか。
いまグルっと我が家の庭を眺めても、花らしい姿を見つけることが出来ない。

侘助は一輪の花も無く、山茶花にはほんの数輪。
白く積もった雪の中から、懸命に咲いているそれ等の花々をみると我も頑張らなければ、と思うが
雪も積もらず花も少ない今年の冬。

雪の少ないのは生活する上で、これほどありがたいことはないが、
それと同時に冬に咲く花までもが少ないのは気にかかる。

特に山茶花は毎冬には見ごとに咲き誇り、その木の下は赤く染まるほどでもあった。
そして淡い桃色の侘助、これも細い枝いっぱいに花がつき、
赤い山茶花と淡い侘助の対比が我が家の庭の風物詩でもあった。
いつもそれが当たり前のように思っていたことが無い、というのは不安を助長させる。

家の中には青磁壷などに採取してきた数本の野水仙を生けてあるが、
何か物足りなく感じ、応接間の壁を華やかに演出しようと試みてみました。

青磁掛け花入れにバラと葉物を生けこみ、
少し動きのある生け方にしようと、数本の細い葉に曲線を持たせてみました。
あくまでも壁に掛ける花ですので、重くならないように演出いたしました。

私は創り手、私の作った作品にはいろんな花々を生けて欲しいと常々思っています。
青磁だからこの花でなくてはならない、真の花を生けなくてはならない、と作法にはありますが、
普段は好きな花を、好きなように生けて欲しいと願っています。

私が日課としている散歩、その途中にはさまざまな野の花が咲いております。
季節ごとに目で楽しみ、又少しおすそ分け頂き、それ等の草花を青磁壷などに生けております。
堅苦しい作法にとらわれず、自由に花を楽しんでいただきたい、そう思って作品創りをしております。

いつもの冬だったら花屋さんで買うことも無く、庭の花を生けこむことが出来るのですが、
この冬はあまりにも花が少なく、普段買わない花を買ってきて掛け花入れに生けこみました。
形の異なった掛け花入れや取材で回った所の写真も飾ってありますが、
こうして生けこんでみますと、一気に華やいだ感じになり何だかホッといたします。
やはり明るい色がいいですね。 黄色も好きで、どちらのバラにしようかと迷ってもいたのです。

今、家の中には小さなプランターに赤や黄色の小花たちが、
そして小さめの青磁壷には野水仙を品良く生けこんであります。
生の花がいつもそばにあるのは気持ちの良いことだと思っております。
今年の冬は花にとっての裏年と思い、来年に期待することにいたしました。

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ニャンコ

2008年01月10日 | 日記

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   こんなに大きく成長した
   シロちゃん

両の掌の中にすっぽりと入ってしまうほどのニャンコが、こんなにも大きくなりました。
師走前の寒空の中、私の後ろ、3キロメートルあまりを必死になって付いてきた子猫。
もうすっかり我が家の家族。

来た当初の一週間ほどはトラちゃんと威嚇しあい、どうなることかと大変心配しましたが、
今では頭を並べてご飯を食べています。

そして皆さんからいただきました、たくさんの名前、心より御礼を申し上げます。
ニャンコの名前は、「 シロ 」 に決定いたしました。
何と単純な、と思われそうですが、クロちゃんがいなくなってから来た白い子猫、
その見たまんまの姿で 「 シロ 」 と名付けました。

シロちゃん、と呼ぶと ニャ~ン と応えてくれるようになりました。
私が家にいる時は片時も離れようとしません。 足元にまつわり付いてどうしようもありません。
こんなに愛くるしいニャンコ、一体どなたが捨てていったのでしょうか?

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   私の隣のイスで甘えている
   シロちゃん

    そろそろ眠くなってきたかな?

我が家に来てから急に大きくなったような気がしている 「 シロちゃん 」
私のうしろを小さい体で精一杯の力で付いて来た時は3~4ヶ月くらいと思っていましたが、
正直なところ生後何ヶ月か、ハッキリとしたことは分かりません。

でも可哀相ですが、そろそろ避妊手術を受けさせなければなりません。
その予約を獣医さんにいたしました。   手術日は1月16日・水曜。
トラちゃんや今まで我が家に来たネコと違って、膝に乗って甘える シロちゃん。
驚かさないよう、怖がらせないように病院へ連れて行きます。

種を絶やすことはいけないことかも知れませんが、私には不幸な動物を増やすことは出来ません。
これまでいったい何匹のニャンコちゃんを手術させたことでしょうか。
かわいそうに、と思われるかも知れませんが、これ以上子猫が増えてもどうすることも出来ません。
もし出産させても、その子猫全部を育てる手立てが私にはありません。
また確実に子猫をもらってくれる人が居るとは限りません。
だからつらいけれど手術を受けさせます。

獣医さんに手術に関して色々と説明をききましたら、昨年10月まで 4千円 の手術の補助が
県から出ていたけれど、それ以後補助はなくなりました、とのこと。
手術費は飼い主が全額負担してください、と説明を受けました。 約1万8千円超。

財政難なことはじゅうじゅう承知していますが、こんなところにまで影響が出てきています。
途方もないくらいの巨額のお金が一般国民の知らないところで動いているというのに・・・。
一部の、ほんの一握りの人々がうるおい、反面多くの国民が生活に苦しんでいる現在、
何とか良い年になり、人も動物も幸せに暮らせるような国になってほしいと切に願っています。


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