創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

ニョッキ

2008年08月30日 | 日記

Photo

   甘みタップリの
     フルーツトマト 「 アイコ 」



   ゴマの香りと苦味のある
     「 ルッコラ 」
 

秋口になると、いつものように大雨が降る。
稲の刈り取りが始まる頃だが、こうも天気が悪くては稲刈りも出来ず。
実家は米を作っていて、毎日の天気予報と空を眺めながら刈り取り時期を思案している。

我が家の狭い前庭の畑、今年はフルーツトマト・アイコ・の豊作。
これからも順々にトマトが赤く実りそうな気配である。
天候さえ良ければ、10月いっぱいまでトマトを味わえそう。

このフルーツトマト、雨に打たれると実が割れてしまう。
そのままの状態で数日も過ぎると腐ってしまう。
先日からの雨で水分を思いっきり吸収した、かなりの数のトマトが割れてしまった。

今回はそれを収穫し、ミキサーにかけてトマトジュースを作り、煮詰めてトマトピューレを作った。
ジャガイモもあることだし、手っ取り早く 「 ニョッキ 」 を作ってみた。

作り方はいとも簡単で、ジャガイモを軟らかく茹で、熱いうちにつぶす。
少し冷めてから、ジャガイモの半分程度の小麦粉を少しずつ加えていき、耳たぶの固さにする。
適当な大きさの形にしたり丸めたり、又はフォークで味が浸み込むように軽く押さえる。

くっつかないように粉を振って茹で、浮いてきたらトマトソースをからめて完成。
今回はトマトの味を楽しむために塩、コショウ、無臭ニンニクだけでソースを仕上げた。

Photo_2

   窯変鉄耀皿

      径 ー 30、5 ㎝
      高 ー  3、5 ㎝
 

実家の畑では、そろそろ夏野菜も終わり、
秋野菜の準備中の横に、トマトとナス、そして勢いが衰えないツルムラサキが植わっている。
このツルムラサキ、本当に大きく美しい葉っぱを広げている。
生でも食べられるので、ニョッキの受け皿用にと、先ほど収穫してきた。

さて盛り付け。
鉄耀皿の落ち着いた色合いと鮮やかな緑葉の 「 ツルムラサキ 」 を並べ、
自然からの恵み、甘みタップリのソースがからまった 「 ニョッキ 」 をこんもりと盛り、
ルッコラを添え、風味付けにバージンオリーブ油をたらして完成。

Photo_3

   盛り付け

四季を問わず年がら年中、色々な野菜を食べられることは確かに幸せかもしれないが、
自分で作り育てた野菜を、いま食べられる、これ以上の贅沢は無い。
そして私が作った器にこのように盛り付けし、今晩の一品が仕上がった。

とても簡単ですので、ぜひ試して作ってみてください。
つるっとしてノド越しもよく、お年寄りなどにも最適のひと品です。
出来ましたら、ご感想頂ければ幸せです。
・・・・・どうぞ、下のアドレスからお寄せ下さい。・・・・・

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晩夏

2008年08月25日 | 日記

これほど暑い夏は珍しい、と毎年のように言っていた夏。
不思議なもので、自然界は確実に次の季節を迎えようとしている。

フェーン現象なのか、風が強く流れてきた。
しかし気温はそれ程高いわけでもない。 ただ空気が澄んでいるのか太陽光線がやけに強い。
木立の中を歩くのもよいだろうと、憩いの森に出かけた。

生い茂った木々が強風にあおられ、「 ごうごう 」 と 「 うなり声 」 を上げている。
遊歩道には、小枝や木の葉が所かまわず散乱していた。
しばらく行くと少し舗装された遊歩道に出た。

ここら当たりには楢(ナラ)の木や栗の木が植わっている。
思ったとおり、ここにも沢山の葉っぱや小枝が落ちていた。
その中に、これから実ろうとする栗がいくつも落ちていた。

Photo

   青栗

風に吹かれて木の葉が揺れるたび、ほんの一瞬スポットライトのように光が当たる。
いつまた栗が頭上から落ちてくるかと、ヒヤヒヤしながらシャッターチャンスを待っていた。
うまい具合に秒針が止まった感じがしてシャッターを押した。

憩いの森には灌漑(かんがい)用のため池が二箇所あり、
小さいため池を通り越して行くと、そこは自然が豊富で季節ごとの植物を観察できる。
うっそうと生い茂った木々の中は薄暗く、これほどの強い風の中にも薮蚊が飛び回っていた。

近年、憩いの森から姿を消したはずの 「 ツリガネニンジン 」、
木陰に数株発見。 懐かしい友に会った気持ちになり、嬉しくてレンズを向けた。
やはり風が強い、中々レンズの中におさまってくれない。
じっくり腰をすえてその瞬間を待っていた。

約十数分、同じ姿勢でジッとカメラを持ったまま風が止まるのを待っていた。
お陰で何枚かの写真を撮ることが出来た。 その内の一枚がこれ。

Photo_2

   ツリガネニンジン

ヤレヤレ、と思って立ち上がると同時に、肌が出ている、いたるところに薮蚊の刺した痕(あと)が。
刺されていたことは分かっていたが、シャッターチャンスを逃せなく、ひたすらジッと耐えていた。
撮り終えて急に痒みが増してきた。 この薮蚊、服の上からも何箇所も刺している。
蚊も必死だろうが、私も必死。  写真も撮れたことだし痒みはガマンしつつ再び歩いた。

私の大好きな山野草、このツリガネニンジンの姿も実に美しい。
花びらの形、バランスよく膨らみを持った小花、どれをとっても完璧。
早速あたらしい形が浮かんで参りました。 忘れない内にデザイン画を描かなくては。

それにしても痒い!

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「 コゾクラ 」 の中華風あんかけ

2008年08月20日 | 日記

Photo

   青磁長角皿

   縦=11、0cm
   横=34、5cm
   高= 2、5cm

八月も後半。 心もち涼しい風が渡ってくるころ、店先にはサンマとコゾクラを見かけるようになった。
お盆前には、掌サイズの 「 コゾクラ 」 が、3、4匹で500円余りもしていた。
そして今日、23、24センチの大きさに育ったものが2匹で210円。

大きさも値段も手ごろ、これは買わずにいられない。
早速調理。 サッと鱗(うろこ)を取り除き内臓を取り出してキレイに水洗し、水気をふき取る。
真新しいナイロン袋に小麦粉と塩を適宜入れ、よく振って衣の準備。

水分の飛んだ 「 コゾクラ 」 をそのナイロン袋に入れ、ついでに空気も入れて膨らまし、
全体に粉が付くように振る。 これで小麦粉も塩も満遍なく付き、下ごしらえは完成。

いつものようにフライパンに油を熱し、「 コゾクラ 」を、こんがりとソティー。
次にあんかけの準備。 家で採れた野菜、数種を炒め、仕上げにごま油を落として完成。
長角皿にソティーした 「 コゾクラ 」 を盛り、野菜あんかけをその上にかける。

青シソの葉を細く切り水にさらしてアクを抜き、同じく細切りにしたショウガと軽く塩もみし、
盛り付けた 「 コゾクラ 」 に添えて旬の料理、一品の出来上がり。

Photo_2

   コゾクラの
   中華風あんかけ

おととし作った、「 赤シソ・ジュース 」 を添えてみました。
私の作り方で、砂糖を使わず別の甘みとクエン酸で作り置きした赤シソジュース。
冷たい水で割って口当たりもサッパリに。

「 コゾクラ 」 は出世魚と呼ばれ、
北陸では、コゾクラーフクラギーガンドーブリ、 と成長するたびに呼び名が変わっていくのです。
いま売られている 「 コゾクラ 」 は余分な油も無く、とても淡泊(たんぱく)。
味付け次第で、どのようにでも調理できる便利な魚なのです。

サンマ同様、安くて手に入れやすい、これ等の魚、
これからの季節、さまざまな姿で我が家のテーブルに上ることでしょう。

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お盆

2008年08月15日 | 日記

八月十五日、終戦の日。
毎年今日の日を迎えると、何か心に引っかかるものがある。
高校時代のとき、私は水泳クラブとともに放送クラブにも入っていた。

放送コンテストに応募するために、「 終戦記念日に寄せて 」 と題してシナリオを書き、
約15分のドキュメンタリー番組を作った。
街行く人々、老若男女の方々にインタビューをして、
「 八月十五日は何の日かご存じですか? 」 をイントロ(頭出し)にして番組構成をした。

Photo

       憩いの森


   水辺に咲く 「 ミソハギ 」

今の時代と異なって、テレビ番組ではなくラジオ番組の公募だった。
音声でしか表現できず、戦争の悲惨さをいかに伝えることが出来るかと、
その一点に的(まと)を絞り込み、戦争に明け暮れた日々と、
戦後の、その当時の平和を比較させ、聞いていただく方々の心に訴えかけた。

タイトルは 「 終戦記念日に寄せて 」。 しかし私自身はこのタイトルには納得出来なかった。
放送クラブの主任先生から、タイトルを変更して欲しいといわれ、このようにしたのだった。
私は、終戦ではなく、「 敗戦 」の言葉も15分間のどこかに入れたかったのだが、
それも入れないで欲しいと強く言われ、シナリオから 「 敗戦 」 を削った。

玉音放送の一部を使ったり、空襲警報の音、逃げ惑う人々の様子、擬音効果も取り入れ、
かなりの時間をかけて番組が出来上がった。 結果、ドキュメンタリー部門で賞をいただいた。

高校時代だから、今から40年ほど前の事になる。 日本が降伏してから23、4年。
戦後から立ち直り、経済も高度成長期に入り、人々が戦争の悲惨さを忘れかける頃だった。
戦争が終わった日だから終戦、しかし戦争に負けた日でもある。
終戦記念日、と表現すると、軽々しくて多くの犠牲者の方々に大変失礼な気がしてならなかった。

私が何故このような番組を作ったかというと、私のホームページ、ごあいさつにも書いてありますように、
高校生の時、近くの九谷焼き窯元にアルバイトに行っており、九谷ロクロ師のご老人の方々から
戦争に行った時の残酷さや、内地の悲惨さの生々しい話をいつも聞いていて、
自分に出来ることは何か、と考え、番組として記録を残そうとしてシナリオを書いたのです。

Photo_3

   青磁輪花鉢

   径ー28、5cm
   高ー26、0cm 
  

大陸の戦地で生き延びるために、残酷なことを強いられたことや、南方の島々での戦いで
敵機が飛んでくるたびに椰子の木にしがみついて、飛行機が去るのを待っていた・・・等々。
戦争とは生きるか死ぬか、殺すか殺されるか。 このようなこと、決して二度と起きてはならない。

結果として、ドキュメンタリー部門の賞をいただけたことは嬉しかったけれど、
終戦、敗戦、この言葉が今も心の中に 「 ひっかかり 」として残っているのです。

晴れたり曇ったり、そしてにわか雨が降ったりの今日、
憩いの森では、セミ時雨が歩を進める私の後先から木々の上から舞い降りてきていました。
もう戦わなくていい、と全世界の人々が心から安堵した日から63年、
その日も同じくセミ時雨が舞い降りていたことでしょう。

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カボチャのいとこ煮

2008年08月10日 | 日記

天候異変が続いている今年の夏、
突然発生して大きな被害をもたらしている降雨。
先日テレビ報道でその雨雲の事を 「 ゲリラ黒雲 」 と表現していた。

これまでの夏によく見ることがあった 「 入道雲 」 とは全くの別物。
予測も無く急激に発達して、局地的に大雨を降らせ被害が発生している。
何だか不気味だなあと感じるこの頃である。

相変わらず粘土作りを外で行っているが、ムシムシ、ジメジメとして作業効率が悪い。
湿気が多く含まれている大気で、少し動いただけで汗がしたたり落ちてくる。
こんな毎日が続いている中、外で仕事をしている人を見かけると感心してしまう。

Photo_2

   加賀カボチャと小豆




   白釉草文鉢

      ・ 径 19cm
      ・ 高  5cm

湿気は多いが小松市は天候にも恵まれて、加賀カボチャも順調に育っている。
無性に甘いものが食べたくなり、カボチャとアズキを煮ふくめてみた。
「 カボチャのいとこ煮 」 と呼ばれている煮物である。

加賀カボチャは思っていたより甘くなく、調理する時に甘みを加えなくてはならない。
砂糖をタップリと使えば甘く美味しく仕上がると思うが、健康の事を考えると砂糖は使えない。
人工的な甘味料を使うのは本意でないが、この際仕方ないのでその一種を使うことにした。

私の作り方はチョッと面倒な方法で、この 「カボチャのいとこ煮 」を作っている。
アズキを一度煮こぼして、その煮汁を捨て、改めてコトコトと軟らかくなるまで煮、
この段階で少し濃い目の味付けをする。 甘味料と一つまみの塩。 そして冷ます。

冷めたところで程よい大きさに切りそろえたカボチャを加えて煮ていく。
沸騰してきたら火を弱め、この時にコンソメを1個加え、カボチャが煮崩れしないように
ゆっくりと煮ていく。  ある程度煮汁も少なくなった所でカボチャの煮え具合をみて、完成。

醤油を加えても良い味に仕上がるのだが、一つまみの塩を加えているので塩分も控えめに。
その分、コクのある煮物に仕上げるためにコンソメを加えているのです。
これは栄養指導で受けた講義から、アイデアを拝借し私なりの味付けにしたものです。
こんなこと、もうすでにやっている方も大勢居ると思いますが、至極簡単で大変おいしい。

「 いとこ煮 」 はしょっちゅう作るが、
カボチャの代わりに 「 絹トーフ 」 で 「 アズキのトーフ煮 」もよく作る。
少し多めのアズキ汁をつくり、火を止める寸前に1センチ角に切った絹トーフを入れて完成。
これは子供の頃に精進料理でよく食べた料理である。
何となく懐かしい味がして、また懐かしい味が食べたくなった時に作る料理なのです。

ここにきて、幾分か湿気も減ってきたように感じ、畑で実った加賀カボチャを使った、
私流の簡単料理をご紹介いたしました。

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