創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

仕事を終えて ・ 東尋坊(午後2時)

2009年12月30日 | 日記

なぜか、この時季になると潮の香りが恋しくなってしまう。
雪の来る前に、空が荒れ狂う前に海に出かけたい、そう思っていて、
今年中に行わなくてはならない事柄をすべて片付けることも出来、
午後、車を飛ばして県境の東尋坊へと向かった。

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   越前海岸


出かける前は薄日もさしていたが、やはり北陸の冬、
東尋坊に近づくにつれ、空の様子が変化してきた。

カメがはるか水平線を眺めている眺望台についたころ、ポツリポツリと雨。
この地点、以前ソビエトのオイルタンカーが座礁した海岸でもある。
当時は大変なニュースとなり、美しい海岸線は真っ黒いオイルで姿を一変してしまった。

その時分もここを通過したことがあり、無残な姿のタンカーを窓越しに見た。
自然を壊すことはいとも簡単なことだが、元通りにするには、その何十倍もの努力がいる。
二度と災害が起きぬよう願って建造されたカメかも知れない。

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   東尋坊


潮の香を体いっぱいに受け、整備されている海岸線を歩く予定だったが、
次第に強くなってきた雨に、今回は散策だけと決め、
景勝地、東尋坊の突端まで行くことにした。

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   東尋坊周辺地図


    向こうに雄島


駐車場には私の車を含め、他県ナンバーの車が多く停まっていた。
暮れから正月にかけての帰省の方々、あるいは旅行者たちの車だろうか、かなりの台数だった。

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   雄島に通じる橋


海から吹きつける潮風は冷たく、観光客の多くが首をひっこめている。
私達をめがけ、かなりの強風が海面から昇ってきていた。
ここに来る途中にある雄島、次第に荒れてき始めた海の中に浮かんでいる。

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   イカ焼き、などなど


東尋坊と言えばイカのテッポウ焼き。
大好物の一つだが、何故だかオイシク見えない。
いつもだったら、誰かが食べながら歩いているのだが、誰も食べていない。

両脇に並んでいる店の方々は懸命に声をかけているが、すべてから回り。
冷たい風を受け、焼き立てをフーフーしながら食べたかったが、
その気は起きなかった。  東尋坊に着いたら買って食べようと思っていたのに。

この陳列してあるイカや貝類、もしかしたら展示用のイミテーション?
美しく見えるが、おいしさを感じさせない。 これが原因かも。
折角訪れたけれど、イカ焼きを買うのは諦めた。

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   松林


午前は気持ちよく晴れていたのに、急に変化してしまった東尋坊の空。
北陸の冬だから仕方のないことと思ってはいても、
せめてオゾンいっぱいの潮の香を吸い込んで歩きたかった。

また折を見て来ることにして、うつくしいシルエットの松並みを眺めていた。
今年もあと一日。 色々なことがありすぎた一年を象徴するかのように、
天気予報は大晦日から又も雪マーク。
どうせなら、汚れ、けがれの無い真っ白い雪の新年を迎えたいものだ。


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クリスマス ・ ミサ

2009年12月25日 | 日記

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   金沢・片町


    香林坊


我が家近辺に降った雪、師走に降った雪の量としては珍しく15センチあまりとなった。
何となくだが、強烈な寒波が襲ってくるのでは、などど予感していた。
事実その通りになり、何年かぶりの積雪。

クリスマスイヴの日、雪が降らねば良いがと願っていたら、
願いが通じたのか、星がきらめく穏やかな聖夜となった。

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   ミサ曲


午後8時、Odie=オディエ のミサ曲と同時に、荘厳なクリスマスイヴ・ミサが始まった。
私達聖歌隊は、2階のパイプオルガンの前でミサ曲を歌った。

全世界でどれほどの信者がいるか分からないが、
時差はともかく、午後8時からクリスマスイヴのミサが行われている。
今年も元気でミサ曲のお手伝いをさせて頂けた喜びを、心こめ歌った。

式次第に基づき、聖歌とともに練習したミサ曲も歌った。
入場と同時に歌った曲は、Odie。
そして、PUER NATUS .
輪島教会、ジュリアーノ神父作曲の、Dormi , dormi.

昨秋は尾崎左永子先生のお心がけを頂いて、第三回鎌倉芸術祭に参加。
今年は毎回練習に行けるかと思っていたが、雑用に追われ二回しか練習に行けなかった。
出かけられなかった分、自宅で音を探して練習をした。

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   キリスト降誕


史実に基づき、今年も又それぞれの教会でプレゼピオが設けられている。
毎年、友人のアルマンド神父が思いを込めて創り上げたプレゼピオ。

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   博士等に見守られ


彼は一ヶ月間休暇でイタリアに帰っていて、12月に金沢に戻ったばかり。
時差と疲れと戦いながら構想を練り、キリスト降誕の場面を再現した。
「 今年のプレゼピオ、どう思う?」と聞かれ、
「 疲れが残っているのにご苦労様でした。」とねぎらい、感想を述べた。

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   天使


23日昼、何気にテレビをつけてニュースを見ていたら、
カトリック金沢教会が映り、アルマンド神父がインタビューに答えていた。
ヨーロッパの各家庭ではキリスト降誕を祝い、それぞれの家でもプレゼピオを設けていると。

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   ナザレの人々


今年のプレゼピオ、二十世紀前に建っていたであろうと思われる神殿も復元してあった。
聖堂の中、六畳くらいの広さに思いを込めたプレゼピオが淡い照明の中で厳かに浮かび、
ミサに訪れた多くの方々がそれぞれの心に、そして写真にと収められていた。

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   祈り


クリスマスイヴのミサ、パイプオルガンのところから聖堂内を見渡すと、
すべての席が心清らかな人々で埋まっており、座りきれない人々も多く立っていられた。
多くの方々の礼拝とともに午後8時からのミサも滞りなく執り行われ、
数時間後の今日午前零時と同時にクリスマスミサが始まった。

さすがに深夜のミサ、訪れる方々は減ってはいたものの、
イヴのミサ同様、静かに荘厳におこなわれた。
今年もまた、このようにしてミサのお手伝いが出来たことに感謝し、
深夜午前1時半、香林坊を通り抜けて家路についた。


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高坏 ・ シノギ文入れ

2009年12月20日 | 日記

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   朝7時



  降り続く雪


一晩中、ピカピカドンドンと雷。
天気予報よ、どうか当たらずに、と祈っていたが15cm積もっていた。
玄関の戸を開けると、新聞配達さんの足跡が道路から続いているだけ。
道路には除雪車が我が敷地にドカッと硬い雪を残してあった。
日中、用事で車を出す為、敷地の入り口にある雪をスコップで除ける作業を行った。
雪が降り続いて濡れ、汗もかいた。 これが雪国に住む私達の冬の始まり。

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   下絵


先日から静かな環境で行っている、高坏削り。
どのあたりを掘り込むかと決め、鉛筆で文様を描き入れた。

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   荒削り


せいぜい頑張っても、一日3個削れれば御の字。
まず、下描きした部分をカンナで荒削り。
それが終わった時点で、よく砥いだカンナを使って丁寧に仕上げていく作業。

慎重な作業なので、電話の呼び出し音は切ってある。
窓の外、朝からポタポタと雪が降り続いている。
真冬と違って、今の雪は水分を多く含んだ雪である、だからポタポタ。

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   穴があいた


雪と同時に雷も間断なく鳴り響いて。
音を気にしないように作業を続けていたその時、ピカッと光った途端、ドッカ~ン!
大音響で手元が狂ってしまい、折角仕上げの段階まで来ていた高坏、穴があいた。

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   厚さ、約1ミリ


あ~、なんちゅうこっちゃ。 1、2時間かけてここまで仕上げてきたのに・・・。
この高坏、釉薬をタップリ施すため、極力薄く仕上げなければならない。
厚く作るのはいとも簡単だが、酒類を入れて持ち上げた時の感覚が違和感ないようにと、
極力薄くつくり、また削ってある。

う~ん、と唸っても穴は埋まらず、どうしようもない。
空では雷が嬉しそうにピカピカドンドン。

水分を多く含んだ屋根雪までもが楽しげに、屋根からスベリ落ちてドドド~ンと大音響。
一体いくつ穴を開けさせたいのか、この天候。 結局今日は1個しか仕上げられなかった。
面倒な作業だが、気に入ってくださる方の為、へこたれずに続けなくては。

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      削り完了



  この後更に仕上げを行う


耳栓をして作業を行えば失敗は無いかも知れないが、
来客の足音を確認しなければならず、耳栓は無理。
以前、線文を彫っていて目が疲れ顔を上げた途端、来客が窓から覗いていてビックリ。
手に持っていた高坏、当然のようにポカっと穴が・・・。


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冬空におもう

2009年12月15日 | 日記

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                           週間天気予報

いよいよ本格的な冬到来か。
今週から雪模様になるので早めにタイヤ交換を、と報道機関が知らせてくれている。
この時期に降る雪の量はたかが知れているが、万一の事があったら大事(おおごと)。

たかが雪、されど雪。 事故に遭うよりタイヤの減る位どうって事無い、と自身に言い聞かせ、
スノータイヤを積み込んで近くの自動車会社に出かけた。
この自動車会社は我が家から1、500メートル先の所に位置している。
いくつかある散歩コースの一つで、この会社の前を通ることもたびたび。
そして私の車もここで買った。

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   ブレーキオイル点検


ここ数ヶ月間、サイドブレーキを解除してもランプが点いたりしていて、
修理を覚悟でエンジンルームを見てもらった。

「 ブレーキオイルが少し減っているのでランプが点くんです、」と整備の人。
時折点検しているが、私が見た限り減っているように見えない。「 どこが?」と聞くと、
「 運転中の角度などで中に入っている浮きが、足らないと認識して信号を出すんです 」と。
はあ、何と微妙な・・・とオイルを数CC入れてもらった。  なるほど、ランプが消えた。

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   普通タイヤはずし


この車を買う前までは、自分でタイヤ交換をしていたが、
さすがにこの車に乗ってからは専門家に任せることにした。

交換中、「 タイヤが随分減っていて危険ですので、春の交換には新しいタイヤを、」と。
え~っ、2年前に交換したばかりなのに・・・。
ま、あちらこちらと運転して出かけるから、減るのも当然かと・・・次は減らないタイヤでも探さなくては。

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   スノータイヤ取り付け


先週の土曜あたりに交換しようと思っていたが、
この自動車会社の前を歩いていたら、交換に来ている車で一杯。
週があけてから交換することにし、昼電話をかけて様子を聞いた。
午前中はバタバタしていたが、今いっぷく、と。 それでは午後一番にとお願い。

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   自動車会社の前


  午後2時半、西の空


点検と交換が終わるまで社長と話していたり。
そうこうしている内に終わりました、と。   さて、これでいつ雪が来ても大丈夫。
雪道走行時の鉄則は、急ブレーキは絶対に禁物。
ギアを落としてエンジンブレーキをかけつつ、細かくブレーキを踏む、これで車が止まる。

雪さえ降らなければ誠に住みやすい北陸。
しかし交通機関が全くといっていいほど、整備されていない。
この荒木田町にはバスも通らなければ当然ながら電車も走っていない。
だからどうしても車が必要になってくる、とは言っても、不必要な道が多すぎる。
道を作る予算と将来の整備費に金をかけるなら、市負担で巡回バスを走らせば良い。

はるか以前、我が町内にも小さな雑貨店があったが、いつの間にか閉店。
大型店舗規正法が解除されてから、すべての歯車が狂ったように思える、事実狂った。
そこに住むお年寄り達の生活必需品、いったいどうなるのか。
車が無ければ買い物もままならぬ。 こんな世の中でいいのだろうか。

去年の晩秋、鎌倉芸術祭で訪れた鎌倉、十日あまり滞在して鎌倉の良さを知った。
さまざま店が道すがらに店舗を構えていた。 なぜか懐かしく、地元密着を感じた。
時折取材で訪れる海外、鎌倉と同じく種々の店がお客の要望に応えている。

長い政権の元、大型店舗誘致をしてきて、便利さをだけ唱えてきたが、
その見返りとして町が壊れてしまった。 日本全国殆ど例外ではない。
若いうちは車で出かけようが何しようがいいけれど、いずれは皆平等に年をとっていく。
そうなった時、日常品の買い付けはどうする? そんなことを誰も思わないのだろうか。

午後2時半なのに、もう暗くなってきた。 これが北陸の冬空。
さて明日のパンを買いに行かなくては。 エンジンをかけ、ここから車で5分行った所のパン屋さん。
年をとり車の運転もままならなくなった時、買い物はどうしたらいいのやら・・・。


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取材を忘れさせてくれた、クツ

2009年12月10日 | 日記

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   大阪駅ホテル


      昼食


特急雷鳥16号に乗って2時間半、半年振りの大阪。
大阪梅田に降り立ったのは昼12時7分。
チョッと早いがホテルにチェックイン。 荷物を預けてビル上のレストランへ。

夏前来たときには梅雨時期で不快指数も高く、レストランではカ二が食べられず不愉快に。
今回は別のレストランに入って正解。 好みのカルパッチョが豊富にあって満足。

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   食後に


窓のそと、前方には六甲の山並みが薄雲に見え隠れ。
右側では三越伊勢丹ビルの建設が着々と進んでいた。

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   御堂筋


雨が降りそうで降らない、御堂筋。
♪ 小雨そぼ降る 御堂筋 ♪ 昔よく聴いたなあ、とイチョウ並木を少し歩いてみた。
おや、どういう訳かクツが右足を妙に締め付ける、大丈夫かなと不安が。

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   地下鉄梅田駅


コンサート目的で来た今回の大阪、
地下鉄梅田駅から中央区大手前、NHK放送会館まで。

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   NHKホール


チケットは一ヶ月前に購入していたものの、座席指定は出来ず、
午後4時からNHKホールで交換とのこと。

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   エントランス天井


良い席を取ろうと3時に到着。 すでに10数人の先客。
並んでいた方々からは、「 何でこんな無駄なことをしてチケットを売るのか 」と批判の声。
とりあえず並んで目的の座席を確保し、コンサート開始まで散策。

再び繁華街に戻って心斎橋などを見て歩いたが、益々足が痛くなってきた。
とうとうガマンできずに薬局で絆創膏を買うはめに。

コンサート開演は7時、6時半にNHKホールへ。 9時20分までのコンサート。
コンサートそのものは残念ながら私の意にそぐわなかった。 しかし座席は満杯。
人それぞれの思いがあってもいいではないか、そう思うことにしてNHKホールを後にした。

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    京都へ


   阪急電車


翌朝、前回のように神戸に行こうか、どうしようかと迷った挙句、京都行きに決定。

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   四条大橋から


いつも履いているクツ、何故だか右足を妙に締め付ける。
前日も痛くて絆創膏を貼って歩いていたが、この日は痛さに負け、
かかと部分を出して四条辺りを歩いた。

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   鴨川


それにしても何処からこんなに沢山の人が、と思うくらいの観光客。
大阪も大変な人出だったが、京都も負けず劣らず。
11月上京して歩いた銀座の人出よりはるかに多い。

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   鍵善


なんといっても京都へ来たなら甘味どころへ。

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   くずきり


どういう訳か、くずきりが大好物。
久し振りに訪れた鍵善、雰囲気がすっかり変わっていて、黒蜜の味も幾分か濃く感じられた。
以前は2階で葛きりを提供していて、座っているすぐ横に河井寛次朗の作品が何気に並んでいた。

隣には旅行中の若い女性二人が相席で、同じく記念写真を撮っている。
互いの写真を撮っているものだから、「 一緒の写真を撮ってあげましょう 」と、声をかけパチリ。

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   八坂神社


店を出て左に八坂神社。 桜の季節にはさぞや多くの観光客が、と思い枝垂桜を記念に。

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   京都駅


仕事ぬきの旅を楽しむことは、全くと言っていいほど無い私の旅。
今回は足を締め付けるクツに辟易し、期待したほどでもなかったコンサートに少しがっかり。
そしてあまりの人の多さに酔ってしまい、早々に京都駅へ。

なんだこれは!!!  異様な京都駅に愕然。
いつも車で来ていた関西。 今回初めて京都駅構内に入った。
世界に誇ることが出来る古都京都、噂で聞いていたものの、
実際を目の当たりにし、このようなバカげた物を建てたものだとあきれるばかり。
何年か前の京都市長、四条鴨川にフランスの橋を架けるなどと愚かなことを言っていた。
もしかしたらその時に出来上がった計画のままに建てられた愚かしい京都駅か。

いつも何かを観察しなくては、何かを目に焼き付けねばの思いの旅を続けていた私、
今回はそんなことも考えず、ノンビリと過ごせただけでも幸せ、そう思えた関西の旅。
ただ、何重にも貼り付けた絆創膏と足の痛みが仕事を忘れさせてくれた旅でもあった。


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