創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

フタ、削り

2012年07月30日 | 日記

先日から行っている、フタ付き壷、
寸法通りに作ったフタの削りを行っている。

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   削り


シッタ=削る台に、作ったフタを逆さまに載せて、ゆっくりとロクロを回転させ、
少しずつ少しずつ削っていく。 少しでも力を入れようものなら、途中からポキっと。
ポキっと細い首が折れてしまう。 もう何本折らしたことだろうか。

いくら硬くなったといえ、扱っている材料は粘土。
慎重すぎるくらい気を遣って削っているが、もう少しで完成、というところでポキっと。
あ~あ、もうちょっとのところで、とガックリ。

再び新しいフタをシッタにかぶせて、再度挑戦。
折れるなよ、頼むから折れるなよ、と神経を集中してロクロを回し、
ようやく削り上がったフタが下の写真。

Photo_2

   削り完了


材料が木ならば、素材自体が硬いのでそんなにも気を遣うことは無いが、
私の行っている仕事は、ちょっとした余分な力で砕け散る粘土。
けれど、上手く削りあがった時の喜びは測り知れないくらいである。

土練機の修理で空っぽになってしまった頭脳、
その片隅に、凛とした、品の良いフタ付き壷のデザインがボンヤリと残っていた。
なんとか形に再現できないものかと、いくつも図案を描いた。
そして描き上がった図案の壷のフタがこれ。

フタの大きさは決まっていて、壷本体の形を様々に変化させた。
ロクロで作ったときと、焼き上がった時では多少のズレが生じてしまうが、
極力壷とフタとの違和感が無いようなデザインを描いた。

フタの削りはこれくらいにして、次はもう少し壷本体の製作を行わねば。
今回のフタ付き壷は、天目・窯変鉄耀釉薬を施して、重厚かつ品良く仕上げたい。
いずれにしても、ロクロでは上手く作っていても、こればかりは焼いてみないとわからない。
遅れてしまった作品作り、気持ちは焦りまくっているが、制作は慎重に行わなくては。

Photo_3

宮本三郎美術館


目を凝らしての削り作業、いくつか折れて飛んで行ったフタの首。
根を詰めていても良い結果は出ないと思い、
28日から始まった、小松美術展の観賞に出かけた。

今日も良い天気で、朝から35度を超えている気温。
小松市内に出かける4車線の道路からは、ゆらゆらとかげろう。
車の中は冷房が効いていて快適だが、車外は何度だろうとボタンを押してみたら、
なんと、36度。

こんなに気温が高いから、お客様はわざわざ出てこられないだろう、と思いつつ、
小松市役所前にある、博物館に向かった。

車から降りると一気に熱風が襲ってきた。
今年は市の協力も得て、4会場が美術展の会場。
建物の中に入ると、ヒヤッとするほど気持ちが良い。
気温設定は28度と思うが、外気が余りにも熱すぎて涼しく感じたのだろう。

平日でもあり、気温も半端でない今日の暑さ、
それにもかかわらず何組かの方々が観賞に来られていた。

私の作品は、青磁線文輪花壷。
前の日記にも書きましたが、この作品のモチーフはギリシア取材から得たもの。
22歳の時に初めて訪れたギリシア、ある程度年齢を重ねて何度か取材したギリシア、
その時々の思いを作品に込めて創り上げた作品です。

これからが夏本番、
暑い毎日ですが、ぜひお出かけくださいますよう、ご案内申し上げます。


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第52回 ・ 小松美術展

2012年07月25日 | 日記

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                        こまつの美

小松市美術作家協会に入会して、はや40年あまり。
二十歳過ぎのころ、作家協会員の方に推薦いただき入会した。
これまでは小松駅前のデパートなどで展示会が行われていたが、
今回から芦城公園入り口にある4会場で行うことになった。

小松で青磁作品を出品しているのは私だけ。
青磁作品をご覧頂くことが一番の願いではあるが、
時には天目・窯変鉄耀作品、白磁作品、辰砂・窯変紅彩作品等々の
作品もご覧頂いた。

今回ご覧頂く作品は、ギリシア取材で心に感じた形を作品に表現したもの。
優雅で、かつ堂々としたギリシア建造物を彷彿させる作品である。

青磁作品と言えば、ああ、何となく壷、という感じだが、
今回の作品は全く異なっていて、エーゲ海の香りを感じていただけるのでは、
と思っている。

梅雨もあけ、暑い毎日ではありますが、ぜひお越しいただき、
ご覧頂きまして、何かを感じていただければ幸せに存じます。

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        午後6時 


     荒木田町・白山神社


今日は小松美術展の搬入日。
午前10時から午後4時までが搬入時間。
午前10時、小松市立博物館に作品搬入。

10時丁度に搬入したので、
まだどなたも搬入していなく、案内された会場に作品を預けてきた。

夏真っ盛りではありますが、展示期間が長いので、
多くの方々に九谷焼きとは異なった、青磁作品をご覧頂きたい、
心より願っています。

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   落日とかけはし川


午後から先日作った蓋付き壷の仕上げを行った。
いかに品良く仕上げるかに気を遣っていたら、蓋の取っ手がポロン。
ああ、なんということ! と思いつつも、予備も作ってあったので、
今度は慎重に削りを行った。

午後6時過ぎ、仕上げの作業を中断し、
気温も下がってきたことだしと、散歩の運動に出かけてきた。

東方面には、荒木田町の鎮守の森、白山神社。
その杜の右には観音山。 

日中は湿気があって、何となくだるい一日だったが、
夕方にはスッキリとした空気が流れていた。

片道30分、かけはし川下流に向かって歩いていくと折り返し点の橋。
いつごろからか日の落ちる時間も早まって、国道の向こうに沈む夕日が赤く染まっていた。
西の空には雲が無かったので、明日も良い天気になるだろう。
出来れば気温がもう少し低ければと願っているが、夏が始まったばかり。


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旅がしたい

2012年07月20日 | 日記

玉葱、ジャガイモの収穫は無事終り、幸いなことに雨もたいそうなことは無かった。
春先、母と一緒に植えたジャガイモの種芋5キロ、母の年齢を考えると
そろそろ限界を感じてきた。 植えるのはそれ程でもないが収穫が大変。

梅雨明け前に掘り起こさなくてはならない。
雨が多い時季、空を見上げつつ、汗しながらのジャガイモ掘り、
今年は私が殆ど掘り起こした。

地元の展示会や、工芸会の展示会と重なって玉葱の収穫も焦ってしまった。 
母は気力だけはしっかり持っているが、体も小さくなり体力も衰えてきた。
85歳になろうとしているが、そろそろ歳を考えねば。

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   トラちゃん


制作に使う機械の修理に明け暮れていた半年間、
タップリ時間があったのだから、とデザインを考えられると思っていたが、
頭脳切り替えの下手な私、しばらくの間は何とかいくつかのデザインを考えていたが、
修理が長引くにつれ、それまで浮かんでいたデザインはどこかへ飛んでいってしまった。

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   あお向いたり


工房、家屋の修理は順番が来るまで時間がかかったが、
工事に掛かり始めたら、わずかの間にキレイに修理していただいた。
でも肝心の土練機、時間がかかった分だけ別の箇所からの不具合が出始めた。
何とか収まったようにも思えるが、まだ心配で粘土を練るたび鉄粉の試験を続けている。

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   気持ちよく


せめて形が浮かんできた作品だけでも作ろうとロクロに向かっていると、
ドアの外でニャ~ン、ニャ~ンとトラちゃん。 クーラーの効いた工房に入りたいのか、
しきりに私を呼んでいる。

トラちゃんを工房の中に入れることは一向に構わないが、
トラちゃんがいつでも外に出られる位の隙間を空けておかなくてはならない。
どうした?どうして甘えているんだ?とドアを開けると、ごろんと横になった。

体をなでてやると気持ちいいのか、喉がゴロゴロと鳴っている。
しばらく相手をし立ち上がると、もっと、とねだってきた。
しかたないなあ、とにかく暑いからとドアに隙間を作り、再びロクロに向かった。
トラちゃんは喜び勇んで工房の中へ。

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   香菜=シャンツァイ


清楚で、かつ品良い形の蓋つき壷を作り上げ、外に出てみた。
焦った気持ちや疲れた心をなぐさめてくれるのは庭木や花たち。
前庭の畑、フルーツトマト・アイコも収穫が出来るようになったし、
ゴーヤも少しずつ実を付けるようになってきた。

香菜=シャンツァイも、しばらくの間食卓にのぼっていたが、
食べられる期間は意外と短かった。 それでもトムヤムクンなど作ったり、
ベトナム料理の香り付けに重宝した。

食べられるやわらかい葉は少なくなり、いま花が真っ盛り。
このまま放っておけば種がこぼれて、来年も芽が出るだろう。

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   軌跡


私が工房から出ると、トラちゃんも一緒に出てきて、
私の周りから離れようとしない。

梅雨明け宣言と共に雨が降ってきた小松。
夕方も近くなり、家の南の空を眺めれば飛行機の軌跡が。
小松空港上空を通過して、北のほう、ヨーロッパにでも向かうのか。
ギリシア・ロードス島に再度出かけてみたいが・・・と思いつつ空を眺めていた。


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大窯 ・ 焼成結果

2012年07月15日 | 日記

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   青磁鉢


先日窯焚きをした大窯、焼成結果が出た。
青磁釉薬は美しく、品良く重厚に焼きあがってくれた。
釉薬の上に、ゴミや鉄粉が混ざっていないよう願いつつの窯焚き、
窯を開けるまでがもどかしく、温度が下がるのをひたすら待っていた。

窯周り、バーナーの掃除点検、気のつくすべての部分をきれいにしての窯焚き。
大窯の状態もすこぶる良し。 窯二つとも異状無しが確認でき、
この後はいつでも作品を焚くことが出来る。

今回は鉢3個焚いた。
写真の鉢だけ合格できたが、残り2個の鉢は不合格。
釉薬掛けを気をつけて行ったはずなのに、やはり部分的に不具合が出た。
釉薬を厚く、タップリと掛けなければ色が出ない青磁、何年続けていても上手くいかない。

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   トラちゃん


梅雨の真っ最中、
九州では、とんでもないほどの豪雨で、甚大な被害が出ている。
いまも雨が降り続いている。 これ以上の被害が出ないことを祈るしかない。

そのような悲惨な報道を受けて、今日は町内の美化運動で草刈が行われた。
朝7時から始まった草刈、曇り空だったのに急に暗くなり、大雨になってしまった。
皆さんと雨宿りしていたが一向に雨が止む気配なし。 今日はこれで中止、
明日もお願いしますと言われ、家に帰ってきた。

この頃トラちゃんは、玄関フード内にしつらえてある寝床で寝ている。
びしょ濡れになって帰ってきた私をいぶしがって見ていたが、
声を掛けると安心したのか、又外を眺めていた。

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   トラちゃん


この時季の草刈、暑くならない内に終わろうと7時から始まった。
雨宿りしながら、家に帰ると又晴れてくる、と互いに話していたら、
家に戻って1時間くらいで雨が止んだ。

そしていま午後7時、台所に設置してある有線放送のスピーカー、
明日朝7時半から8時まで、草刈を行いますのでと放送が入った。
明日もまた草刈に出かけなくては。

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   アガパンサス


草刈のあと、土練機を作動させた。
粘土を数回土練機に通し、その都度溶かして鉄粉が無いか調べた。
ああ残念! ほんの小さな小さな鉄粉が見つかった。

一体どこから発生している?
針でつついたような鉄粉だが、高温焼成を行うと大きくなってしまう。
もう大丈夫と思っていたが、拍子抜けしてしまった。
でも原因は究明しなくてはならない。

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   白花


玄関先には「 アガパンサス 」が今が盛りと咲き出している。
去年かなり切り詰めたが、勢いのある植物で今年も大株になってしまった。
紫のアガパンサスは特に勢いがいいが、白花はそれ程でもない。
車の出し入れに邪魔にならなければ、それも風情と楽しもう。


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朝日を受けて

2012年07月10日 | 日記

早朝から窯に火を入れ、青磁鉢の本窯焼成を始めた。
今回は大きな鉢ばかりを焼くので、二つある窯の大を使っての焼成。

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   朝日


   午前8時


煙突周りや煙突近くの屋根の補修などで時間がかかってしまったが、
修理、養生もキレイに仕上げていただき、安心して窯焚きを行える。

今回の窯焚きは試験的なもので、
先般の煙突、屋根の修理でゴミなどがバーナーなどに付着していないか、
それらを確かめる窯焚きでもある。

窯焚きの数日前から工房内を徹底的に掃除。
特に窯周辺の小さなゴミも見逃さずに取り除き、
バーナー1本1本にゴミなどが付着していないか点検し、
掃除機などで吸い上げた。

一ヶ月前には小さい窯で青磁作品を焼いたが、
ほぼ上手く焼け、小さい窯には問題は無かった。

窯元と異なって、私は頻繁に窯を焚かない。
ある程度作品が揃わないと窯を焚かない主義である。
小さい窯なら急な仕事が入って来ても対応できるが、
大きい窯はたやすく焚くには大きすぎる。

今回は大きい窯も支障が無いようにと試験的に焚いた。
梅雨とはいえ、北陸の今年は雨が少ない。 昨日は朝から良い天気だった。
薄暗い内から火入れを行い、その後またたく間に陽が昇ってきた。

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   逆光の庭藤


窯焚きをしながら前庭にある畑の整理を行い、
ミニトマト・アイコの周辺に生えてきた雑草をむしりとった。
先日のゴーヤ、かなり大きく育ってきたが、なぜかまだ1本だけしか実っていない。

麦藁帽子をかぶりながらの畑仕事、
時間と共に太陽光線もかなり強くなってきた。
木陰を見やれば庭藤が。

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   庭藤


今頃庭藤?と思いつつも、光を受けて美しく輝いていた。
いつもの年だったら、もう散っているはずなのに、
7月に入っても咲いているなんて。

木ばかりの、何も無い庭と思っていたが、
よくよく見れば様々な花たちが順々に咲き出してくれている。
季節は確実に巡っている。

早朝からの窯焚き、順調に終了し、
後は数日間、自然と冷めるまで待つことにしよう。
試験的に焼いた作品、どうなっているか窯の扉を開くまで分からない。
長い間窯も焚けなかったし、良くても悪くても結果を受け止めようと思っている。


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