創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

白磁釉薬 ・ 製造

2013年10月15日 | 日記

金澤画廊個展の整理も順調に終え、次の作業に取り掛かろうとしている今、
個展にお越しくださった方々から、嬉しいお便りが毎日届いています。
メールで感想をお寄せくださったり、素晴らしい文面のお手紙、等々。

とても心配した個展でしたが、このように皆様に喜んでいただき、
作家冥利に尽きる、と心から幸せを感じさせていただいています。
心から御礼を申し上げます。

Photo

   ひなたぼっこ


個展準備中から気になっていた事の一つ、
釉薬の量が次第に少なくなり、今のうちに製造しなくては、と。

北陸は相変わらず良い天候に恵まれているが、
秋の訪れと同時に日中の気温も少しずつ下がり始め、
工房前ではトラちゃんが暖かいお日様に当たる時間が増えてきた。

Photo_2

   ロクロ場


十分な広さが無い私の工房、
ロクロ場で殆どの作業を行っている。

粘土を揉むのも作品を作る時も、
釉薬を掛けるときも、釉薬を製造するときも、
このロクロ場が大いに活躍してくれる。

狭ければ狭いなりに何とかなるもんさ、
と、次の作業に取り掛かる時だけ、完璧に掃除を行っている。

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   原料


今回は白磁釉薬の製造をしている。
ゴミや鉄粉が混ざらないよう、徹底的に掃除をした。

私の白磁作品は真っ白ではなく、少し青みを持たせてある。
真っ白より少し青みがある方がより白く感じると思い、微調整を行った。

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   原料の一部


白磁釉薬といっても気が遠くなるほど、何百種類の白磁釉薬記録があるだろうか。
現在発表している白磁作品にたどり着くまで、限りないほどの調合を行った。
いろいろ試験した結果、今の青みのある白磁作品にたどり着いた。

加えて、私が陶芸活動している小松市、
我が家から、ものの数分で九谷原石の砕石場がある。
せっかく九谷の地で創作活動を行っているのだから、
のこだわりで、九谷陶石を使わせていただいている。

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   混合作業


九谷陶石は酸化チタンを含んでいるため、
どのように管理しようが調合しようが、真っ白にはならない。
焼くと、くすんだネズミ色になってしまう。

その九谷陶石を使って白磁を焼くのだから、大変な作業となる。
こだわりを捨て、有田などの真っ白な陶石を使えば、
素晴らしい白磁作品になるに違いない。

九谷焼といえば鮮やかな色絵の焼き物が全国的にも有名。
九谷陶石が真っ白でなく、くすんだネズミ色をしているからこそ生まれたと思う。
その素地をあえて使う私は変わり者かも。 でもこだわりも大切と思ってもいる。

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   工房へ


慎重に何度も水を変え、白磁釉薬を製造しているあいだ、
トラちゃんは工房のすぐ前で日向ぼっこをしていた。
気温が下がり始めたら、工房に入ってきた。

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   ブラシがけ


ロクロ場の横にしつらえてあるトラちゃんの寝床、
ニャ~ンと挨拶して寝床の中に入って私の顔を見つめているトラちゃん。

「 そうか、そうか、ブラシをかけて欲しいんか、」
体中にやさしくブラシを掛けてやると、ゴロゴロと喉を鳴らして喜んでくれる。
「 気持ちいいね、お前いったい何歳になったんだい?」とたわいも無い言葉を掛け、
作業の手を休めてトラちゃんの相手をしていた。

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   ぐっすりと


その内、うつらうつらしてきたトラちゃん、
「 もういいかな、寝なさい、」と再び白磁釉薬製造を開始した。
攪拌機(かくはんき)の騒々しい音にも慣れたのか、夢の世界に入ったトラちゃん。
やがて20歳を越えたであろうトラちゃん、いつまでも元気でいて欲しい。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
トラちゃん、最近は怖がらなくなったんですね。や... (島田)
2013-10-22 00:54:05
トラちゃん、最近は怖がらなくなったんですね。やっと心が通じ合う事ができたのでしょうか?
今度の冬はずっと暖かい部屋の中で過ごしてもらえるとありがたいですね。
返信する
島田 様 (by 堂前)
2013-10-22 07:54:30
島田 様

トラちゃんは相変わらずマイペース。
気ままに近寄ってきたり、気分が悪いと噛んだりひっかいたり。
ネコの気持ち、の本もあるそうですが・・・。

野良犬で我が家に来て一緒に暮らした、マコちゃん。
たった数時間で家族になりました。
17年間大切な家族として暮らしましたが私に抱かれて旅立ちました。
イヌの気持ち、の本もあるそうですが、マコは絶対の服従姿勢でした。

次の日記に、またトラちゃんが登場するかも知れません。
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