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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

2022年改正予定 育児介護休業法

2021-05-23 17:50:31 | 法改正

2022年から男性の育児休業促進のための育児介護休業法の改正が行われるということは時々ニュースで流れているかと思います。2月26日に法律案要綱や法律案新旧対照表が出ており、今国会で成立すれば2020年4月及び10月施行になる予定です。今企業では在宅勤務が軌道に乗り始め、秋に新たな人事施策を検討されるところも多いと思いますが、特に「働き方」については来春の育児介護休業法の改正予定を踏まえて検討されることが必要かと思います。気になるポイントだけ取り上げてみたいと思います。

①1歳に達するまでの育児休業の取得回数2回までに
現状の育児休業は子が1歳になるまでに原則1回(要件に該当すれば子が1歳6ヶ月、2歳まで延長可能)しか取得できないことになっています。今回の改正で育児休業を2回に分けて取得できるようになります。

②出生時育児休業の新設
これまでいわゆる「パパ休暇」と言われていた、産後8週間以内に取得した育児休業については子が1歳になるまでに特別の事情を問わず2回目の育児休業を取得できる(パパ休暇についてはカウントしない)とされていましたが、この仕組みが原則の育児休業とは別に「出生時育児休業」として新設として衣替えします。ただし全くこれまでの「パパ休暇」と同じわけではなく産後8週間以内の期間内に4週間以内の期間を定めて休業するものをいい、産後8週間の期間内に2回まで、出生時育児休業の日数が28日までとされています。これにより、①の育児休業と出生児育児休業と合わせ、計4回に分けて育休を取得することが可能とります。

③期間雇用者の育児休業取得要件の緩和
期間雇用者の育児休業取得の要件が緩和され、1歳6ヵ月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでない者に限り育児休業の申出をできることとされます。1年以上の雇用期間の実績が求められなくなりますが、労使協定により雇用期間1年未満の労働者を適用除外することができる規定は残り、この点無期雇用者と同じ扱いになるということです。

④雇用保険法、健康保険法の改正
今回の育児介護休業法の改正に合わせて雇用保険法、健康保険法も改正が行われる予定です。
・雇用保険法の育児休業給付金は、同一の子について3回以上の育児休業を取得した場合支給しないこと、出生時育児休業給付金が創設されます。
・健康保険法の保険料の免除については、育児休業の期間が1か月以下である場合の保険料免除は標準報酬月額に係る保険料のみ(賞与に係る保険料は免除しない)ことになります。

⑤その他
事業主への申出は2週間前{現在1か月前)までに短縮、事業主へ育児休業に係る研修の実施等育休取得の環境整備を義務づけることなどがあります。

以下、令和3年国会提出法案です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/204.html

今回の育児介護休業法の改正法案は、育介法だけでなく雇用保険法、健康保険法と多岐にわたり、実務的には大きな改正になると思います。男性の育児休業の促進には効果があるかもしれませんし、特に「出生時育児休業」によって取得率は進むような気がします。

これまで男性の育児休業については、下手をすると1日だけ等どちらかというと保険料免除を狙ったものかもしれないということが疑われるものも散見され、特に賞与月は育児休業が多く発生する等の現象を憂えていましたので、今回の健康保険法の改正で少しはそのようなまやかし的な育児休業がなくなるのは良いことだと思います。