OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

36協定本社一括届出について

2022-03-07 00:10:39 | 労働基準法

先週のブログにも書きましたが先週渋谷労働基準協会さんの36協定集中講座でお話しさせて頂きました。もう7年くらい毎年お話しさせて頂いており、その間働き方改革で時間外労働の上限が特別条項において決められたり、様式が変わったりと、色々な変更がありましたが、今年の一番の変更ポイントは本社一括届出について、特に電子申請で比較的簡単にできるようになったことだと思います。

元々36協定については、「事業の種類」、「事業の名称」、「事業の所在地(電話番号)」、「労働者数」以外の事項が同一である場合に限るとされています。上記には「労働者の過半数代表者」は含まれていないため、労働者の過半数代表者が同一である必要があり、すなわち協定の締結当事者は各事業場の労働者の過半数で組織された労働組合である必要がありました。つまり労働者の過半数で組織された組合があり、各事業場ごとに組合員が過半数である場合に、過半数組合の代表者が各事業場ごとの代表者となる=過半数代表者が同一、ということになり一括届出が可能とされていました。しかしこれが令和3年3月29日から変更になり、電子申請の場合に限り、事業場ごとに労働者代表が異なる場合であっても、36協定の本社一括届出が可能になりました。

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000724367.pdf

従って今年から複数事業場がある会社さんは、36協定を電子申請で一括届出をしようと考えるところは多いと思います。厚生労働省は詳細なパンフレットや一括届出事業場一覧作成ツールを出していますし、コロナ感染拡大防止の観点からも電子申請を推奨しています。同時に申請が可能な件数は36協定の場合最大30,000事業場となっていますので、店舗などがあり事業場数が多い場合はとても有用なのではないかと考えます。ポイントとしては36協定の入力画面で「事業の種類」、「事業の名称」、「事業の所在地(電話番号)」、「時間外労働させる労働者数(18歳以上者)」を入力することはできず、一括届出事業場一覧を作成して届け出ることになることです。いかにも入力できるような画面になっているので戸惑う場合もあるかもしれません。一覧で作成することとしたのは、事業の種類が異なっても届出を可能だということもあるかと思います。また、特別条項がない事業場と特別条項がある事業場は一括届出はできないことも注意が必要です。これからいよいよ36協定の届出が多く発生する時期になると思いますが是非電子申請で一括届出を試してみて頂ければと思います。

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000609355.pdf

ここのところかなり続いていたセミナーの仕事が来週3日間で一段落というところまで来ました。事務所は育児介護休業規程の改定に取り掛かっており、4月改定分だけであれば大変なことはないのですが、10月分の改定はかなりの集中力が必要な感じです。これはなかなか各企業の人事担当者も難航されているのではないかと思いますので、夏の終わりに育介規程改定セミナーをOURSで開催してみようかと考えています。10月の改正までに少し時間をかけて社内で法改正に合わせて施策を考えたいという会社さんもあり、規程の改定と合わせて色々工夫のある施策もご紹介できるようなセミナーにしたいと思っています。

ともあれ、今週末は残った仕事を片付けた後、確定申告を電子申請で終えました。こちらはマイナンバーを読み取り、例年通り昨年のデーターを取り込み、修正点を修正したり追加したりすればよく、サクサクと終ることができて、やはり電子申請は楽だなあ~と感激しています。36協定の電子申請はまだ取組んでいないのですが、同じように過去のデータを読み込むことができるようですので、今年まずは頑張れば来年からはかなり楽になるのかなと思います。何事もチャレンジ、チャレンジ。