OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

障害者雇用納付金

2010-08-08 23:46:37 | 法改正
6月28日のブログに障害者雇用安定法の改正について書きましたが、改正が行われた今年度は、障害者雇用納付金制度について、納付義務が発生するか否かの人数基準が単純ではないようですので少し触れてみます。

56人以上の企業が障害者の雇用義務がある、これは特に変更がありませんが、障害者雇用率1.8%の未達成企業に納付義務がある障害者雇用納付金については、H22.7.1から常用労働者数200人超の企業(従来は300人超)が対象とされました。200人超300人以下企業の納付金の額は、減額特例が適用され不足数1人当たり月額4万円(300人超は原則の5万円)となっています。

1年度中1カ月でも常用労働者数が200人超になれば障害者雇用納付金制度の対象となるのでなく、原則は5カ月以上200人超の場合とされています。ただ、改正が行われた今年度は平成22年4月から6月までは旧制度を適用するので、3か月のうち300人超の月が2カ月以上で対象とされます。また、7月から平成23年3月までの9カ月間のうち200人超の月が4カ月以上あれば対象となり、納付金の申告を行う必要があるということだそうです(その時に気をつけるのは、改正後の労働者の数については短時間労働者を0.5でカウントしなければならないということです)。
7月1日改正のため旧制度と新制度に分けて考える必要があり、結構複雑ですね。

自民党にこれといっためぼしい人が見当たらないと、時々話の中で出ることがあります。あれだけの組織であったのに、民主党が政権を取った後すっかり勢いを感じる人が自民党の中に思い浮かばなくなったような気がします。本当に不思議なくらいそんな気がするのですが、先日その原因は派閥が昔のように強固なものではなくなってしまったせいではないかという気がしました。そういう意味では小泉政権時代からじわじわと今の状況は始まっていたのかもしれません。一般的には派閥というと印象はあまり良くないと思うのですが、派閥が人材を育成するシステムを担っていたのではないかという気がしたのです。

 人材を育成するには、やはり教育とその時々必要な経験をさせるということが大切だと思います。教育ということでは、派閥の勉強会というものが当たるかと思いますし、経験というと派閥のバランスをとりながら若手を引き上げて大臣をはじめとした色々なポストに就かせ仕事を経験させていくということが当たるのではないかと思うのです。

 これは組織においては共通の人材育成の条件なのではないかと思います。大きすぎる規模ではなかなか勉強会をするといってもスピードや浸透性において難しい面があるのではないかと思うのです。必要と思えばぱっと集まって勉強するという環境をシステムとして持つというのは大切なことだと思います。そこで先輩の経験や考え方を学びとるということはとても重要な勉強になるのだと思います。また、どんなに潜在的な能力のある人材がいたとしても先輩が引き上げてくれて、いろいろな仕事や経験の場を与えてもらうということが成長していくには重要なことだと思います。

 ひとりの力で何とかしようとしても組織の中では限界があると思います。そこには面倒を見ていくという組織の慣習というようなものかもしれません。自分も面倒を見てもらったからある一定の経験を積んだらそれを今度はお返ししていくということになります。そういう意味では色々な場面で機会を与えてくれる上司や先輩には謙虚に感謝しなければいけないと思いますし、また自分もその立場になればお返しをしていく義務があるのだと思います。。

 人材を育成するには、それなりのシステムを持たなければなかなか難しいのだなとなんとなくわかってきました。今の自民党が派閥に頼ることなくいかに人材を育てていくシステムを作ることができるのか、それが自民党がまた元気になる大事な要素ではないかと思いますし、それは民主党についても同じことなのだと思います。また、これは日本の国の今後にとってとても重要なことなのかもしれません。