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医師・新開貴子 ⑧待っていた看護師からの嫌がらせ

医師・新開貴子⑧
待っていた看護師からの嫌がらせ

「でも、研修医となっての2年間は、いつもロッカー前で泣いていましたね。手術室で、大先輩の男性医師から、指示と違うからと、オペ中に『出ていけ』と言われたり。これは自分が未熟だからと耐えましたが・・・」

納得できないこともあった。
「理不尽だったのは、一部のベテラン看護師さんからの無視や、わざと足を踏まれることなど。若い男性医師と私の二人でいて、明らかに私が前にいるのにスルーされて、男性医師にだけ『先生、お疲れ様です』と。
“こんな年取って医者になってどうするの”と言う事の様でしたが、やっぱり落ち込みました。

 研修を終えると、自分の体験を生かせるとの思いから産婦人科を選択。その後は救急医療も行う基幹病院や自毛植毛を扱うクリニックなどを経てコロナ禍の22年には、医師不在となっていた愛知県幸田町の日高医院へ。
「薄毛治療の自毛植毛に関わったというのは、私自身がかつて抜毛症に苦しんだ過去があったからです。
やがて大病院から地域医療まで体験する中で、以前から関心のあった在宅医療への思いが強くなって、23年春に名古屋大学病院の研修登録医となりました」
 そして現在、平日は冒頭のクリニックを含め、3つの名名古屋大学病院の関連医療施設で勤務。

「土日のほとんども医療アルバイトの日々です。休んでいる時間はありません。未だ奨学金の返済の真っただ中で、ようやく半分を返せたところでしょうか。

ただ、以前と違うのは、子どもたちも自立して、自分のことを振り返る余裕も少しできました。
つくづく思うのは自らの役割に気付いて一歩踏み出すことの大切さ。年齢とか、子どもがいるとか、お金がないとか、成績が悪いとかは関係ないんです。夢を持ち続ければ、いつでも挑戦できるということをお伝えしたいと思って今回の取材も受けました」  続く

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