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その3・ヒドイ告知のされ方

その3

ひどい癌告知のされ方

「息子の目の前で、『あなたは癌ですよ』と伝えられた時はものすごくショックでした。息子は顔面蒼白になって椅子にも座っていられないような状態でしたから。

 私自身も目の前が真っ暗になって・・・。気が遠くなりましたね。息子もその後数日間はかなりふさぎ込んでいました」そう話すのは事故当時10代だった息子の父親。

癌の告知も含め、医師からの説明はわずか10分足らず。今や常識となっているセカンドオピニオンの説明もなかったという。

 思春期の子供に対してあの説明の仕方は無いのではないかな・・・」父親はそう洩らした。

 今回辛い心情を語ってくれた川向さんの場合も告知のされ方はひどいものだった。「私たちが診察室に入ると先生はしばらくパソコンの画面やエコー画像を眺めて『うーん』とうなっていたんですが、いきなり『乳頭癌ですね。手術しましょう』と言われました。

 川向さんの二男隆君も顔面蒼白になり、親子ともに何も言葉を発せられなかったという。

 通常は行われるエコー画像を見せての詳しい病状の説明もなく、「次の検査の予約を取っておきます」と告げられ10分ほどで終了した。

 通常は病院の対応が気に入らなければ、病院を変えれば済む。

 しかし福島県内には甲状腺の専門医は少ないうえ、国や福島県は、原発事故による被曝の影響を調べるために全ての検査データを福島県立医大に集約しようとしている。続く

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