今がいちばん

今がいちばん

PHP９月N0.８２０

　お互い日々の生活の中で様々な困難に出遭（であ）う。なぜこんな目に遭わなければならないのかと、心が暗くなるような出来事が起こることもある。

 そんな苦難、悲境の只中（ただなか）にあって、人は明日に希望をつなごうとする。今日はつらくても、我慢していればいい時が来る。

生きていてよかったと思う日がきっと訪れる・・・。

いつか幸せになれるという希望を持つことで、自らを慰めるのもよい。

しかし人間にとって最も幸せなのは、やはり、『今が一番いい』と感じられることではないか。

 勿論それは、今さえよければいい、ということではない。常に今が一番いいと思える姿は、今さえよければいい、という考えでは決して実現できない。

 大事なのは、困難がすぎ去るのをただ耐えて待つのではなく、最善の努力を尽くしてこれを乗り越えること。

　そうした姿勢に徹して試練と向き合い、克服して行ってこそ、今が一番いいと思える人生を送ることもできるのである。

“いつか”ではなく、“今”を幸せに生きるための道を、積極的に真剣に求めていきたい。