お風呂の語源にもなった街バース(Bath)へ
紀元前1世紀にローマ人が建てた大浴場「ロマン・バス」へは、コッツウォルス地方に
訪れた翌日に行きました。
このローマ時代の浴場跡は、地下に埋まっていた遺跡が1878年に偶然発見されたそ
うです。
プールほどの大きさの浴槽は、深さ1.5メートル、今でも常時46℃のお湯が沸いて
います。
ローマ式床暖房やサウナも遺跡からは発掘されたということですから、当時の建築技術
の高さに驚くばかりです。
18世紀には貴族の温泉リゾートとして栄え、たくさんの人々がロンドンからやって
きたのでしょうか。
床はタイル張り 太陽神と思われるレリーフ
お湯の通り道もそのまま地下を通り、すっかり赤褐色になっています。
ローマ時代には温泉の効能は神の力と祀られていたようですが、温泉好きは、昔も今も
日本ばかりでなく古代から、人はやっぱり温泉に入るのは気持ちがよかったのでしょう。
ストーンヘンジ
イギリス南部の大草原の中、古代より今だ謎多き世界遺産ストーンヘンジへも訪れました。
イギリスの天候には、あまり大きな期待はしていなかったのですが、ここだけはお天気で
ほしかったと思いました。なんと雨風強く、立っているのさえままならないほどでした。
大草原の中、ストーンヘンジは太陽の動きに合わせて直径100メートルの円形に、高さ
4~5メートルの30個の巨石が配置されていて、古代の神殿とも言われています。
紀元前2500年から紀元前2000年の間に、どうやってこの4トンもある石を運んできた
のかは、現在でも謎が多く解明されていないことも多いようですが、地面の上に切り出
した丸太を並べた木製ローラーではないかとか・・・、
それにしてもどれだけの人数の労力をかけたのか、想像することもできない膨大な時間を
必要としたことでしょう。
立石と横石は凹凸を組み合わされて接合されているということですから、この気の遠く
なる年月もの間、動くことなく固定されていたことに驚きます。
円形のストーンヘンジから東から約42度の北東方向にヒールストーンと呼ばれる
玄武岩の巨石が位置しています。
夏至の日の出時に、このヒールストーンと太陽がかさなり、ヒールストーンの影が
ストーンヘンジの中心に届くのだそうです。
先史の時代に、天文学者でもいたのでしょうか。
たった7日間のイギリスの旅でしたが、羽田空港に着いてみれば、まだまだお正月気分
の残る街に、途方もない遠くの異文化に接してきたような密度の濃い旅だったような気
がしました。