小さな庭

デジタルな仕事について20数年、だからという訳でもありませんが、アナログな世界に惹かれます。

秋の陽気に誘われて

2015-11-04 | 野の草花

秋が一段と深まり、冬を思わせるような冷たい雨の日もありましたが、長続きせず晴天がまた戻ってきました。
朝晩は冷え込みますが、日中は秋の心地よい陽気に、つい足が外に向かいます。

近くの舞岡公園の紅葉の様子をとでかけましたが、こちらの森が彩るのはまだ少し先かなと思われました。
しかし、秋はまた進み、ススキの穂がすっかり銀色に輝いていました。

道端で、この「ひっつきむし(名前はコセンダングサ)」の実に出合うと、その愛きょうのある姿に
つい微笑んでしまいます。

植物には子孫を残すためにいろいろな工夫をしていて、タンポポのように風に乗って遠くまで飛んでいくもの、
はじけて飛び散るもの、鳥に食べられフンとして落としてもらうものなどなど・・・
ひっつきむしの場合は丸くかたどった先に数えられないほど張り出した鋭い刺で人の服や動物の身体に
くっつけて、運んでもらうという知恵。
洋服についた刺をとろうとすると、抵抗するかのような強い粘着力。
すぐに取り払わずに、なるべく遠くまで持って行ってと言っているよう。

今の子供たちがそんな遊びをするのかどうかはわかりませんが、学校帰りの子供たちが、この実をとっては、
友達の背中めがけて飛ばして遊んだそんな記憶が
このひっつきむしを見ると微笑ましく思ってしまうのかも知れません。

おい、おい、ひっつきむしくん!まだまだたくさん残っているよ!

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雑木林も 秋深まって

2012-11-18 | 野の草花

昨日の冷たい雨があがり、今朝の青空がいっそう高く澄んで感じたのは、また一歩、秋が深まったからでしょうか。

関東地方の紅葉は今が一番の見頃。この日、お天気だったらどこか紅葉狩りにと予定を空けていたのですが、ちょっと疲れて
いたこともあって、遠出をする元気がもうひとつなく、でも好天にどこか出かけてみたくもあり、車で20分ほどの横浜舞岡公園
にでかけてみました。
家から近くであるにも関わらず、今まで数回しか行ったことがなく、しかもこの季節に訪れるのははじめてでした。


雑木林に覆われた広大な敷地は赤や黄色の紅葉には欠けますが、、池が点在し、野鳥が飛び交い、雑木林の中では実だく
さんの秋を見つけることもできました。



また、谷戸の地形をそのまま生かした公園は農的自然が豊かに育まれ、田んぼや畑などの「田園体験区域」もあって、
市民のボランティアの方々による畑作業や雑木林の間伐などがおこなわれていました。



ハラハラと枯れ葉が舞い、カサカサと風立つ音は心地よく、まもなくこの雑木林にも冬が下りてくる気配を感じながら、つかの
間の小春日和の秋を楽しみました。

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なお咲き続けて・・・ ヨメナの花

2012-10-25 | 野の草花

時々思い出したように歩く私の散歩道はおよそ4キロ。
車道をなるべく避けて、道路にぶつかったら横断し、畑のわきを通り、運動公園をぐるりと回り、
川に沿って歩き、神社で軽く頭を下げ、気持ちのいい汗をかいた頃、家に着いてちょうど50分。
毎日続けたら、どんなに健康にいいことかと思っている気まぐれウォーキングですが、それでも
同じコースを四季折々歩いています。

長かった夏がやっとかげりを見せた頃、散歩の道すがらヨメナが咲いていました。
秋の訪れにやれやれと思ったものでした。

先日、やはり同じ場所でヨメナの群生があるのに気が付きました。季節が進んだにもかかわらず、
この花はずぅーと咲き続けていたことになります。
しかも秋の深まりとともに、薄紫色の花はいっそう色濃く、その時どきに一番色鮮やかに映ります。

ここにきて朝晩の冷え込みに、周りの草花が枯れ葉色に変わる中、この野菊はなお咲き続けて
いくのでしょうか。

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晩秋の体感温度は

2011-11-23 | 野の草花

日本気象協会で発表しているお鍋が食べたくなる指数「鍋物指数」というのがあるのをご存知ですか。

これは気温と風速による体感温度に加えて、湿度を含めた独自の計算式で発表しているものだそうです。

たしかに暖かい湯気が上がる鍋物は冬の風物詩のようなもので、一方体感温度が高くなると、不思議に鍋物から遠ざかるものです。

このところ、わが家でも鍋物の出番は多くなってきました。

しかし、時に「えっ、今夜もお鍋」ということもあり、「時間がない、買い物ができなかった、簡単にすませたい」この3拍子がそろうと、「今夜はお鍋」となり、鍋物指数は、主婦の都合指数によるところが多いのも事実なのですが。

一方、野の草花は、晩秋の体感温度を微妙に感じ取り、あるものはすでに花を落とし、名残りの花をわずかに残しているノコンギクが野道に咲き、小さな体で最後の一仕事といわんばかりに針山の針のように付きだしたアメリカセンダングサの種が賑わい、朝の散歩道の風景もすっかり晩秋の装いに変わってきました。

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秋の空に思わず進路を・・・箱根仙石原へ

2011-10-29 | 野の草花

ほとんど雲のない秋の空がよく続きました。

思ったより用事が早く済んだ一昨日、思い切ってそのまま行き先を箱根方面にとりました。

ちょうど今、見頃の仙石原のススキを見に行こうと思い立ったからでした。

さすが平日、車はとても順調でお昼前には仙石原に着きました。

広大な草原は一面ススキの原が続き、秋の陽にススキの穂は輝き、銀色の絨毯のようでした。

一歩ススキの原に足を踏み入れると、すでに取り残されたような虫の音が、かすかに足もとで聞こえていました。

わずかな風にも、ススキの波はしなやかに揺れ、時に高原の風にさざ波のように押し寄せてくる様でした。

 

この台ケ岳の山裾にある、近くの箱根湿生花園にも寄ってみました。夏や秋にあんなに賑やかだった花たちもすでに姿を消し、もみじや楓が少し色づき、りんどうや野菊がひっそりと咲いて、園内は冬支度がすすんでいるようにみえました。

 

湿生花園からは、仙石原のススキの原もみえます。

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お気に入りの公園

2011-10-16 | 野の草花

夜中から明け方の強い風雨に、朝のウォーキングは無理かなと思い朝寝坊を決め込みました。案の定、午前中は雨もまだ残るような天候でしたが、午後は強い風と雨に洗われたようなすっきりとした秋空が広がりました。ただ、気温は上昇し少し汗ばむぐらいの陽気でしたが。

午後3時ごろ、歩いて40分ほどの自然公園に夫とウォーキングがてら、でかけてみました。ここは、里山の中に、沼が点在し、この季節カヤトが黄色く紅葉し、また季節折々に生きものも豊富に生息する、私のお気に入りの公園です。

コスモスが見事に咲き、陽がだいぶ低く射しこみ、見事に陰影を伸ばしていました。

  

「カントウヨメナ」、ヒガンバナとその場所を交代するように、咲き出す野菊。この「野菊」という言葉の響きは、大人になっても郷愁に誘われます。

 

私たちが、いつか初日の出をここで拝もうと思っていて(いまだ実現していなかったのですが)、最高にいい富士山を見ることができる、ビューポイントが近くにあります。

帰りに、陽が落ちるこの富士山の姿をみようと思い立ち、帰路を急ぎました。日没になんとか間に合い、空が茜色のグラデーションに染まったかと思うと、太陽は時を刻むように刻々と沈んでいきます。

  

        

            

ハタと気がつきました。目の当たりにした富士山からは、陽は昇らないんだと・・・、初日の出の位置をすっかり間違えていることに今頃気がつくなんて・・・。

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ヒガンバナを求めて

2010-10-05 | 野の草花
多少の天候不順にもかかわらず、律儀に彼岸の日に合わせて咲く彼岸花が、今秋は10月の声を聞いて、やっと田んぼのあぜ道や土手を赤く染め始めました。その咲き方は、まるで土の中で、顔を出す日を決めているかのように一斉なところがなんとも不思議な気がします。
別名「曼珠沙花」は、仏教用語の梵語で「天上の華」という意味を持っているのだそうです。一方、球根に有毒を持っているところから、ネズミ除けなどのためにお墓などに植えたところから墓花とも呼ばれ、忌み嫌うことも多かったようです。
今、私たちはこの花が咲くと、郷愁に誘われるかのように、この群生地を求めて出かけていきます。また、庭に植えている家も最近多く見かけます。このモダンな花の色と姿が、今ではかえって現代的なのでしょう。
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葛の花

2010-09-24 | 野の草花
この季節、葛の蔓が至るところにはびこり、隣の空き地から生垣を超えて、なお侵入してきたりすると、少しこの植物を敬遠しがちにもなるのですが、ひと夏10メートルも蔓を伸ばすとあれば、この生命力の旺盛さに納得するものがあります。
手のひら大の葉は、蔓の先々まで茂り、花はその葉と茎の間から紅紫色の房状の花を咲かせます。時には葉の陰に隠れているので、姿を見たときはすでに房の下のほうから枯れていることも多く、私はこの花の一番の見ごろにあまりお目にかかってないように思います。
その葛の花が、秋の七草のひとつに数え、どうして秋を代表する7種なのか、桔梗やりんどうでもいいのでは、なんて勝手なことを思ってしまうのは、花へのイメージを可憐さや美しさだけに偏ってしまっているのではとも思います。
万葉の昔から、晩秋には葛の根を掘り出して葛粉を作り、葛糸を採り、葛根湯は病人の薬となって、常に身近なところに葛はあったのでしょう。秋風が立つと葛の花が咲き、季節の移ろいをこの花から感じ取った昔の人が、葛の花を秋の七草に選んだのは当然のことだったようにあらためて思います。
一昨日までエアコンに浸っていた私と、万葉の歌人が山に踏み行って出合った葛の花に風情を感じたのとでは、大きな隔たりがあるようです。
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「エノコログサ」または「ねこじゃらし」

2010-09-17 | 野の草花
「うぅーん、この強い日差しに覚えが・・・」そう思って一歩外に出たとたん、「涼しい!」もう、誰がなんと言っても秋!そう、確信した今朝の空気でした。
昨日の雨は、ほんとに草花にとって恵みの雨。道端の植物も雨にしっとり濡れて、葉先に集めた雨露をキラキラさせていました。潤った植物がいきいきと見えます!
今朝、いつも通る野原に、ねこじゃらしの群生があるのに気がつき、やはり季節は秋が巡ってきたことを感じました。
秋が深まると、紅葉するねこじゃらしがまだ青々として、猫を相手に、この草の花穂でじゃらすのには、猫も少し物足りなく感じるでしょう。
この草をねこじゃらしと呼ぶのはもともと東京の方言で、「エノコログサ」の方が正式名のようです。平安の頃には「いぬのこぐさ」と呼び、後にえのこ、えのころと転じて「えのころぐさ」となったのだそうです。
たしかに秋になって、茶色に紅葉したエノコログサの穂は、日本犬の巻き尾によく似て、すでに一年以上も前に亡くなった愛犬の柔らかい尾の感触を思い出してしまうのは、やはり季節が秋だからなのでしょうか。
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トキワツユ草(常盤露草)

2010-06-07 | 野の草花
6月に入っても、五月晴れのようなカラッとした晴天が続いていますが、まもなく入梅、アジサイもほんのりと色づいてきました。
昨年の今頃、白いツユ草の群生地に出合い、その時はカメラを持っていなかったので、もう一度、この花に会ってみたいと思い、今年は忘れずにカメラを持って出かけてみました。
神社の木々が生い茂った日陰に、下草のように一面、白いツユ草が今年も咲いていました。ツユ草と比べると小ぶりで、薄暗い神社の裏に、それは心もとなく灯っているようにみえました。
この群生に、私はちょっと興奮したのですが、小道で行き交う近所の人たちは特に気にも留めていない様子でした。
この白いツユ草を、帰ってから調べたところ、トキワツユ草(別名:ノハガタカラクサ)と呼んで、青いツユクサの花弁が2枚あるところ、トキワツユクサは三角形の花弁が3枚で、ツユクサの仲間ではあっても、その生まれは違っていました。
トキワツユ草は昭和の初期に南アメリカから観賞用に持ち込まれ、現在は野生化した帰化植物。繁殖力も強いとあったので、きっとあるところにはたくさん見られるのでしょう。
新しい植物との出合いはなかなか心躍るものです。
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