今年はベランダで、３種類のトマトを育てています。プランタ栽培では大きなトマトは育たないと聞いていたので、ミニトマトが中心です。
ミニトマトは手のひらサイズの花房にたくさんの実をつけるのが特徴ですが、わが家で咲いた始めての花は
たったひとつ、そのひとつがミニトマトというのには無理があるほど大きくなりました。
ほかのトマトたちは花房に８個から１０個も連なって色付いたところで、先日の台風で、大きなダメージを受けてしまったのですが・・・。
この異端児トマトはなんとか葉の影に隠れ通して、この状況を乗り切りました。
そして、梅雨の重い雲を払いのけるように青空が覗いた今朝、たったひとつ真っ赤に実ったトマトを収獲しました。
朝の食卓にのぼったトマトの味を夫に聞くと、「甘くて酸っぱくて、まるで昔のトマトのような懐かしい味」と、
テレビのレポーターのような感想が返ってきました。
今週は荒れ模様なお天気が続きました。台風4号が大きな爪痕を残し、
それに続いた台風5号は姿を変えて大雨を残し、やっと勢いをつけた庭の草花は散々な目に合いました。
強風で倒れたもの、塩害で若芽はすっかり黒くなり、グリーンカーテンを登りつつあったゴーヤの蔓は
引きちぎられ、ほんとにがっかりしました。
特にその散在に目を覆いたくなったのは、楽しみにしていた山アジサイ「くれない」でした。
この紫陽花は、はじめガクが真っ白で、少しずつ色を変えながら、紅色にそして深紅色に
変わるまでを楽しみにしていたのですが、すっかり無残な姿となってしまいました。今年はもう絶望でしょう。
5月29日 まだまっ白なガク
6月3日 うっすらピンク色のガク
6月12日 だいぶ色づいて
そして無残・・・
自然と向かい合って仕事をされている方々の落胆を改めて思い、一方では自然の持つ力の強さを
信じなければとも思うのですが、それにしても・・・。
ヒペリカムは、フラワーアレンジメントの脇役として、花後のタマゴ型の実に人気があるようですが、
花もなかなか素敵です。
昨年、小さな苗を頂いたものを庭に下ろしたところ、枝葉が縦にも横にも伸びてきました。
花はキンシバイに似た黄色い花を咲かせます。
そしてこの花の面白いところは、咲き終えるとすぐにクリーム色の果実が現れ、
その大きさは変わることなく、黄色からオレンジ、さらに濃い赤に変わるところでしょうか。
花弁から立ちあがったように長く伸びた雄しべ、それは力強くまっすぐ上に伸びています。
花の姿と、折り重なった愕と、果実の色へんげ、この植物の楽しみ方は花に留まらない、その個性でしょうか。
雨に濡れて咲くから、そう思わせるのか、なぜか梅雨の頃咲く花は、
その花の色と姿に憂いを含んだように見えます。
それはお日様がなくとも咲く健気さがそうさせているのでしょうか。
雨に打たれ、ゆったりと揺れるほたるぶくろ。
そのお宿のなかにどんな虫が雨宿りをしているのか、その佇まいはひっそりと、
息でもひそめているのでしょうか。
昨日は、そんなしっとりとした雨の一日でした。
6月に入って、アジサイの花もだいぶ色付いてきました。
アジサイは、梅雨の間長く咲き続け、色も微妙に変化していく様は七変化とも呼ばれていますが、
この梅雨の前に咲き出すのが「バンマツリ」。
はじめ紫色で、2，3日すると白く減色し、咲き終る頃には真っ白になってしまいます。その思いっきりのよさに、この時期、紫陽花とはまた違った魅力を感じます。
香りもジャスミンの花のような少し強い香りがあり、これもいつも香るわけではなく、なぜか朝と夕方強く感じます。
バンマツリがすっかり白くなると、紫陽花が鮮やかに咲き出し、いよいよ本格的な梅雨の季節がやってきます。
恵みの雨はたくさん降ってほしいのですが、災害になるほど、大暴れしませんようにと祈るばかりです。
