小さな庭

デジタルな仕事について20数年、だからという訳でもありませんが、アナログな世界に惹かれます。

雨に洗われて

2016-06-30 | ガーデニング

6月も最終日となってしまいました。梅雨の季節もあとわずかでしょうか。
冴えない曇り空か、全身怠くなるなるような梅雨の晴れ間か、降り続く雨の日と、鬱陶しい
不安定な1か月だったように思います。
ただ、昨日の雨に、庭の植物はすっかり洗われて、花の色は鮮やかになったようにも思います。

おかめ紫陽花


ヒペリカムの花が終えて、宝石のような実が・・・


梅雨の合間のサフィニア


花壇はすでに夏の盛り

でも、水不足を解消するほどの雨ではなく、首都圏の水がめは相変わらず低い貯水量で深刻な
日々が続いています。
一方、九州地方は地震の後の豪雨ということで大きな被害も出ています。
この狭い国でありながら、あまりにも対照的な天候に、どこに住んでいても自然の猛威との背中
合わせであることを思います。
九州で被害に合われた方には、一日も早く普段の生活に戻れるようお見舞い申し上げます。

明日から、一時帰国で長男家族がしばらく滞在します。こちらは自然の猛威ではなく、
ちびっ子旋風に覚悟です。しばらくブログお休みします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道稚内・利尻島・礼文島旅行記 ~レブンアツモリソウのこと~

2016-06-25 | 旅行

礼文島の代表的な花のひとつにレブンアツモリソウがあります。
この季節もっとも観光客が心を寄せるのは、やはり「レブンアツモリソウ」でしょうか。
あと2,3日で花期が終わるということでしたが、なんとか間に合いました。
そのふっくらとした花弁、色は柔らかなオフホワイト、華やかさはないけれどこの健気さに、
この最果ての地までやってきたことに大いに感慨深いものがありました。



以前は島のあちらこちらで、ほかの草花と一緒に咲いていたレブンアツモリソウだそうですが、
近年心無い盗掘被害が続いたため、現在は盗掘防止のための立入防止柵の中で、常駐している
監視員のもとで見ることができます。少し悲しい気持ちになります。


また、花の仕組みはとても不思議で、花粉を運ぶ昆虫マルハナバチの仲間が袋状をした
唇弁の上の開口部から中にはいると、唇弁の縁が内側に折れ曲がっているために直接出る
ことはできず、仕方なくハチは奥のめしべの下を通過した後、背中におしべの花粉をつけ
ながらようやく外へ出ることができるということです。
ハチを利用して受粉するためのなかなか巧妙な仕掛けというわけです。

また種は非常に小さく、発芽するために必要な栄養を持っていないので、礼文の土壌に含まれる
特殊なバクテリアと共存することで、栄養的な助けを得て発芽することがわかっているそうで、
この花は礼文島でしか見ることができないことがうなずけます。
種の保存法による特定国内希少野生動植物種に指定され、この群生地は天然記念物に指定され
ています。

島に礼文島リボンプロジェクトがあって、可愛いアツモリソウのリボンバッチを購入すると
その益金が環境保護活動に充てられるということで、早速応援させてもらいました。
その翌日、桃岩ハイキングコースでお花畑の中にわずかですが、なんとレブンアツモリソウを
見つけることができたのです。思わず声援を送りたくなりました。
4日間の旅で、もう少し日程に余裕があったらとも思いましたが、たくさんの高山植物も
見ることができ、充実した旅行となりました。

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道稚内・利尻島・礼文島旅行記 ~花の浮島 礼文島~

2016-06-22 | 旅行

3日目
利尻島の鴛泊港から、礼文島の香深(かふか)フェリーターミナルまでは船で45分。
あっという間の船旅です。曇っていましたが、利尻島を離れる時も利尻富士は姿を見せて
くれました。離れるにしたがってその裾野が海岸まで伸びているのがよくわかります。

礼文島は、稚内から60キロメートル、利尻島から20キロメートル。
利尻島のような高い山はないけれど、島の森林限界が低いため、本州では高山でしか見られない
植物が春から夏にかけて300種類が咲く「花の浮島」と呼ばれています。

ホテルに荷物を置いてから、礼文林道と呼ばれるハイキングコースを歩いてみることにしました。
1時間ほどでダケカンバの林を抜けると、笹とハイマツの風衝地となり自然の厳しさの中で、短い夏に
咲く高山植物のお花畑をみることができます。可愛く健気に咲き、そのひたむきな姿に心打たれます。


ミヤマオダマキ                          オオバナエンレイソウ

チングルマの終わり              レブンキンバイソウ
チシマフウロ


センダイハギ(利尻島、礼文島でみられました)

ハクサンチドリ                     レブンコザクラ

バイケイソウ

山腹側にお花畑を見、振り返れば見事な利尻富士が全容を見せていました。
遠く離れた地で、こんな素晴らしい景色を独り占めでき、立っていること自体が不思議でならないほどです。


礼文島は利尻島のように、島を一周する自動車道路はありません。
南北に長い29キロメートルをバスで往復してみました。

澄海岬(スカイ岬)
透明度が高く、切り立った岩壁と澄み切った海が特徴。ここでも岩に必死でしがみついているような
お花畑が続いています。

オオカサモチの群生

ミヤマオダマキ

チシマフウロ

スコトン岬
島の最北端の岬で、日本の「最北端」の地が宗谷岬であるのに対し、スコトン岬は日本の「最北限」と
呼んでいるそうです。

日本最北限の宿           目の前に見える島はトド島(かってはトド猟が行われていた)

4日目
あっという間に、旅行も最終日となってしまいました。
お昼のフェリーで稚内に戻ることになっていたので、もう一度礼文の高山植物の見納めにと、
3時間のハイキングコースに臨みました。

桃岩展望台からは、眼下に地下から押し上げたマグマが冷えながら球状に成長した巨岩、
桃岩を見ることができます。

レブンハナシノブは、昨日寄った観光協会の人から、そろそろ咲いているのではと開花が期待されて
いた花で、この花の群生を見つけたときは、心の中で歓声を上げてしまいました。


キンバイの谷と呼ばれる一帯には、ミヤマキンポウゲやレブンキンバイソウが一面に、
ハクサンチドリがこのお花畑を彩っています。

キンバイの谷を登り切ると、眼下に元地海岸の美しい海岸線が見えます。


クロユリも咲いていました。

曇り空で利尻富士が姿を見せなかったのは残念でした。ただ、礼文フラワーロードと呼ばれる
どこまでも続くかと思われる草原は風も心地よく、とても気持ちよかったのですが
前夜の雨で足元はぬかるんで泥だらけ、トレッキングシューズはだんだん重くなってきました。



ツバメ山を登り切ると、ここから緩やかな下りとなり知床海岸にでます。
笹の陰でみつけた、礼文のスズラン

元地灯台

知床海岸の、この小高い丘に吉永小百合主演の映画「北のカナリアたち」のロケ地がそのまま公園と
なった場所がありました。

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道稚内・利尻島・礼文島旅行記 ~最果ての海に浮かぶ島 利尻島~

2016-06-19 | 旅行

稚内フェリーターミナルから、利尻島の鴛泊港へ船で渡ります。およそ所要時間は1時間50分。
以前行った友人から船は揺れるので、船内に入ったらなるべく横になれる場所を確保するように
と言われていたのですが、この日はほとんど波もなく快適な船旅でした。
(4日前は波が荒く欠航だったとか)

利尻島は、海岸線からなだらかな裾野を広げながら、1721メートルの独立峰利尻山が聳え立ち、
島はこの利尻山を中心に海上に浮かんでいるように見えます。海に囲まれた独立峰というのも
世界で珍しいそうです。

朝9時には利尻島に到着しました。ホテルに荷物を預けて早速足慣らしにハイキング

原生林と沼に囲まれた姫沼周辺を歩いてみることにしました。

まず迎えてくれたのは、マイズルソウ

お天気さえ良ければ、この沼から逆さ利尻山を望むことができるはずでしたが、その願いこそ
叶いませんでしたが、沼に移る緑深い原生林はとても神秘的でした。

運よく、湖面を渡る真っ白い水鳥をカメラに収めることができました。

クルマバソウとハクサンチドリ

山道もよく整備されていますが、倒木なども多く四季を通して厳しい自然を物語っています。

絶え間なく深い森から聞こえてくるのは、私にはヒグラシのようにも聞こえてきました。
気持ちのいい遊歩道を歩きます。山間から鴛泊港のランドマーク「ペシ岬」が見えました。


高山植物展示園に寄って、ここ利尻島ならではの植物をみることできました。
ここから利尻富士が顔を出してきました。雪がまだ深そうな厳しい表情をしています。
エゾゴゼンタチバナとセンダイハギ

リシリリンドウとチシマキンバイ

お昼を済ませてから、ペシ岬の展望台まで登ってみました。
利尻富士はすっかりその勇壮な姿を出しました。圧倒的な存在感です。

午後は、やはりバスに乗って利尻山の裾野を1周してみることにしました。

島の南にあるオタトマリ沼からの利尻富士は急峻な尾根が連なって、富士山を連想するよりは、
ヨーロッパアルプスの山並みのよう。

あの北海道の銘菓「白い恋人」の包装紙もここからの利尻富士がモデルとか。


途中の海岸際では、日本で自生する唯一のヒナゲシである利尻島の固有植物「利尻ひなげし」が
咲いていました。


利尻島の最南端、仙法志御崎公園の荒岩  エゾカンゾウも咲き始めていました。
利尻島では、カモメやウミネコを「ゴメ」と呼ぶそうです。

リシリヒナゲシとクロユリ  利尻昆布の日干し(裏と表を間違えて日干しすると丸まってしまうとか)

海岸近くの作業小屋では、6月に解禁し、水揚げしたばかりのウニの殻剥きが行われていて、
お願いして写真を撮らせていただきました。
これだけのウニを海中で2時間ほどで収穫するとか、「こんな高級品、とても私の口には入りません」
と言ったら、なんと剥いたウニをいただいてしまいました。
その甘くて美味しいこと!忘れられない味となりました。

コンビニは「セイコーマート」のみ、利尻島で3軒、礼文島で1軒。
利尻島と言えば、やはり利尻昆布、この利尻昆布は2年物までとか、島の海岸線には昆布を干すための
砂利のスペースが至る所にありました。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道稚内・利尻島・礼文島旅行記 ~最北のまち稚内~

2016-06-16 | 旅行

若い頃は高山植物を求めて登った山も、今ではすっかり登る気力も体力もなくなってしまいましたが、
海抜ゼロメートルから高山植物が育つと言われている最果ての海に浮かぶ利尻島と礼文島に、願いが
叶ってやっと訪れることができました。

第1日目

羽田から1時間40分、稚内空港にはちょうど正午過ぎにつきました。もちろん最北端の地稚内市ははじめて。
まず半日の観光バスに乗って主なところを巡ることにしました。

日本最北の駅JR稚内駅

駅からほどなく稚内港があり、この港からは終戦の年まで日本領だったサハリンへ連絡船が就航していた
そうです。
波よけ用に建設された防波堤は、古代ローマ建築を思わせるアーチ状の建造物「稚内甲北防波堤ドーム」
で、北海道遺産に指定されていて港のシンボルとなっています。


多くの歴史を刻んだ国境の街から遠くサハリンの島影も、高台の展望台からこの日は捉えることができました。
かすかに水平線上に サハリンへは稚内から宗谷岬を北へ航路で159km


樺太で亡くなった日本人の慰霊碑や樺太犬訓練記念碑などのモニュメントがある稚内公園
宗谷海峡を一望

デージーのような花が一面に咲いていました。

約1万年まで続いた氷河期に形成された宗谷丘陵、雄大な起伏がどこまでも続きます。




宗谷黒牛がのんびり草を食べています。野生のシカも一緒に


北緯45°31′22″日本最北の地宗谷岬に立ちました。北極星の一稜をモチーフにした三角形の碑


稚内観光協会が「日本最北端到着証明書」を発行してくれます。100円でしたが

宗谷岬灯台は今も船舶の安全を守る日本最北の灯台として活躍しているそうです。
キタキツネも散歩途中でした。

宗谷岬の東にあるノシャップ岬。

時刻は午後5時を過ぎ、市内随一の夕日の景勝地でもあるのですが、空は雲が覆い夕日を拝むことは
できませんでした。翌日に渡る利尻島の利尻富士が姿を見せました。
気温もぐっと下がり、なにか最北の地の寂しさを感じたほどでした。

コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブログ開設から10年が・・・

2016-06-10 | ガーデニング



昨日まで、北海道の稚内からフェリーで利尻島、礼文島に渡り、一度はここの高山植物に合いたいと思って
いた夢をやっと叶えることができました。
この最北の地を歩きながら、大いなる自然のなかに生かされている自分にもまた出合えたようで心に残る旅
でした。近いうちに旅行記もまとめていきたいと思います。

帰りの飛行機の中で、撮ったカメラの中の花の写真を見ながら、小さな庭のことも恋しく思いました。
そして、自分のブログのことも思い出し、そうだ!6月はブログの誕生日、しかも今年は10歳の誕生日!
だったと。
何事も続かない私が、10年も続けてこられたのは、いつも読んでくださっている方々、暖かいレスポンスを
寄せてくれる方々のおかげと、とても感謝しています。
そして稚拙な文章でも、育て、咲いてくれた庭の花のことを記録できる機会もまた、私の生活の一部と
なりました。
いつまで続けられるのかはわかりませんが、やっぱり私は植物に触れることが好きなので、その思いをこ
のブログで書き続けられたらいいなと思っています。これからもどうぞ、よろしく!

コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする